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かつて有望なアメフト選手、今やスタジアムの警備員をしているデヴィッド・ダンは、妻と息子と暮らす、ごく平凡な男だった。あの事故に遭うまでは――。絶望的な列車事故で、乗客乗員132名のうち131名が死亡。しかしただ一人、デヴィッドだけが生き残った。しかも無傷で。「なぜ君だけが?」。緊急救命病棟で目覚めたデヴィッドに、周囲の奇異な視線が浴びせられた。もやもやとした不安に悩まされる彼に、ある不審な手紙が届く。「これまでの人生で病気にかかった日数は?」。メッセージの送り主は、コミック・ギャラリーを営むイライジャ・プライスだった。彼は骨形成不全症という難病で、生まれてから54回の骨折を経験した男。ろくに外出もできず、コミックの世界にのめり込んだ彼は、そのストーリーから、世界が<陰と陽>という対極の構造で成り立っていることを確信した。自分のような脆い肉体の対極に、必ず不滅の肉体=アンブレイカブルが存在する。そしてデヴィッドこそが、まさしくアンブレイカブルであり、弱き者を救うために現れた救世主だと…。イライジャは空想癖のある変人だと決めつけるデヴィッドだったが、自身に対する疑念はぬぐい去れなかった。確かに自分は病気にかかった記憶がない。交通事故で死を逃れたことがある。やがて彼の身に、いくつかの兆候が現れる。それは、人間の中に秘められた邪悪な感情への、異常なまでの知覚能力。息子のジョセフは父の異変に気づく。しかし、それは恐るべき真実への、ほんの一歩に過ぎなかった――。