1987年に日本クラウンから発売された吹奏楽大全集シリーズは、自衛隊音楽隊を起用した確かな演奏とワンポイント録音という高品質な音質のおかげで、大変有名だがこの第1弾の1つがこのCDである。
日本の行進曲を集めた内容で、主に戦前の作品を中心にしながら、戦後の作品を入れた物でそれぞれの時代の主要曲を1つに聴ける。
この後キングレコードが珍曲も含めた日本の行進曲CDを出したが、取りあえず最低限の有名曲をおさえたいならこのCDで十分だろう。
演奏は航空自衛隊航空中央音楽隊(指揮:印南智之、佐藤徹)海上自衛隊東京音楽隊(指揮:山田哲朗、早田透)陸上自衛隊中央音楽隊(指揮:富家秀則、野中図洋和)である。
各隊満遍なく演奏を担当しており、それぞれの楽長とバンドの持ち味を生かした 好演が続く。
航空中央音楽隊の印南隊長指揮する『ブルーインパルス』『銀翼』の明るく伸びの良いサウンドは空の音楽隊らしいし、東京音楽隊の早田隊長の『軍艦』は軽快でリズム感の良いこの曲の白眉の演奏と言えるし、陸自中音 の富家隊長指揮する4曲はどれも、しっかりとしたベースと歯切れの良い、シンフォニックな演奏で、行進曲の素晴らしさを伝えてくれる。
いずれもホールで録音されており、前述の録音の良さもあり、しっかりとした内容なので、おすすめの一枚である。