パリのノートルダム大聖堂とパンデミック世界に捧ぐ、静謐なア・カペラの響き
フランスの文化シーンが広く古楽に開眼しつつあった1990年代以来、フランスの第一線で活躍する現代音楽の作曲家でありながら、ジェラール・レーヌやブリュノ・コクセ、ミシェル・ゴダールら古楽シーンの俊才たちともコラボレーションしてきたジャン=フィリップ・グード[1952-]。アンビエントでオーガニックな響きを大切に音作りを続けてきたこの作曲家がア・カペラ3声のために作曲した一連の新作を、多声音楽の最初期の萌芽ともいうべき13世紀ノートルダム楽派の作品と組み合わせたこのアルバムは、2019年4月のノートルダム大聖堂火災から世界的パンデミックへと続く現代世界の混乱に捧げられた1枚。
ヴィブラートを抑えた古楽唱法そのままに、低音のないア・カペラで重ねられてゆく音の美しさには息を呑みます。中世からバロックまで古楽レパートリーを中軸に、ルネサンス作品とマイケル・ナイマンの声楽曲を1つのアルバムで組み合わせるなど、古楽と現代音楽の融合にも独特の成果をあげてきたビュンドゲン&アンサンブル・セラドンならではの音作り。何度でも訪れたくなる響きのアルバムです。(輸入元情報)
【収録情報】
1. グード:夜に隠れて(Ombrer la nuit)
2. 作者不詳(13世紀):おお真実にして信仰深き方(O vera, O pia)
3. 作者不詳(13世紀):めでたし、栄光の母(Ave gloriosa)
4. グード:永遠(Eternite)
5. 作者不詳(13世紀):憎しみが示すものは(Procurans odium)
6. 作者不詳(13世紀):わたしたちの人生はそこに(Nos vies sont la)
7. グード:驚くべき夜(Nuit prodigieuse)
8. 作者不詳(13世紀):山に咲く花(Flos in monte cernitur)
9. 作者不詳(13世紀):1月の祭りは(Festa Ianuaria)
10. 作者不詳(13世紀):山から岩が(De monte lapis scinditur)
11. グード:3つの連祷(Trois litanies)
12. 作者不詳(13世紀):ニコラオスさまを讃えよう(Nicholai presulis)
13. 作者不詳(13世紀):喜びに沸くがよい、信仰に身を捧げる者たちよ(Gaudeat devotio)
14. グード:統率(Dominer)
アンサンブル・セラドン
リズ・ヴィリセル、クララ・クトゥリ(ソプラノ)
ポラン・ビュンドゲン(カウンターテナー)
録音時期:2020年10月15-20日
録音場所:リヨン、サン=ルイ&サン=ブリュノ研究センター(サン=ジョゼフ女子修道院礼拝堂)
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)