ジョン・デヴィッド・サウザー(John David Souther、1945年11月2日 - )は、アメリカ合衆国デトロイト出身のミュージシャン、シンガーソングライター、俳優。。ソロアーティストとして活躍する傍ら、リンダ・ロンシュタット、イーグルスなどに後にヒット曲となる作品を共作するなど多くのアーティストに楽曲提供を行ってきた。
初来日時にインタビュアーの女性記者に「僕と(ベッドの)シーツの海で泳がないかい?」と口説いたのは有名な話。稀代のナンパ野郎なくせに何故か見過ごせないでいたのはは、作り出す音楽の奥底にキリっとしたリリシズム(抒情)を抱えていたから。25年ぶりとなる今作を聞いた瞬間に、突然、思い出したのがトムウェイツの名曲「トム・トルバーツ・ブルース」のワンフレーズ、No one speaks English...まさに異国情緒(ラテン・キューバ方面)たっぷりな内容。もともと昔のアルバムの中にも、サザンロックやブルース等、土臭い南部音楽からの影響をはっきり表していた人だったが、今作では南部を通り過ぎキューバ辺りまで行って、かつジャズとも出会いました、みたいなアルバム。彼の諸作品の根っこには「ここではないどこかへ」といった漂泊の想いが強く匂っており、今作はその度合いが「音・演奏」の面でかなり強めに出ている。かつてのロマンチックで都会の夜景に似合うAORを期待している人にはガッカリ感が強いと思うが、亀の甲より年の功、還暦をすぎても尚、軟派なBUT崇高なリリシストぶりを保持している点は高く評価したい。惜しむらくは1曲目の訳詞。この和訳では閉店間際に目当てのウェイトレスを視姦してる変態ジジイ。そうじゃないんだよなぁ・・。