前作から4年ぶり、英語作としては8年ぶりのスタジオアルバム。制作にファレルが参加しており、アルバム前半がファレルとグロリアの共同プロデュース、後半がこれまで通りグロリアの夫エミリオのプロデュース、リード曲「Wepa」のみ三者共同のプロデュース楽曲になっています。アルバム全体がダンスナンバーで(「Time is Ticking」のみバラード)、サウンド的には
1998年のアルバム「Gloria!」に近い印象ですが、明るく陽気な「Gloria!」に比べるとかなりクールな印象です。ファレル制作の楽曲は、ラテンサウンドとファレルのアーバンなセンスによる現代的なサウンドが融合されており、これまでのグロリアとはテイストが違う感じもありますが、極端に突飛な曲というわけではありません。エミリオ制作の楽曲は良い意味で下品な感じで、こちらも今までのグロリアには無いような感じのテイストですが、
やはりエミリオ制作のほうが、グロリアのヴォーカルも活き活きしているようです。日本盤が発売されなかったので、歌詞はよくわかりませんが、度々”Cuba”が登場します(歌詞カードはついています)。ジャケットのアートワークも含めて、グロリアのアルバムとしては異色作になるかもしれませんが、35年のキャリアでも「守り」に入っていないようで、ファンとしては嬉しい限りです。ちなみに、CDは全16曲収録されており、最後の3曲はボーナストラックになっています。「R3hab」は「Wepa」のリミックスで、Pitbullが参加しています。「Let’s Get Loud」はジェニファー・ロペスのデビューアルバムに提供した曲のセルフカヴァー。16曲目には「Conga 25」という、タイトル通り名曲「Conga」の25周年バージョンが収められています。2001年にもCongaリメイク曲「Y-Tu-Conga」が発表されていますが、今回のほうがオリジナルに近い雰囲気で、ヴォーカルは新しいものになっています。