デュオ・ダコール/バッキアーナ〜バッハ作品の編曲集
偉大なバッハの音楽から何を見出すのか。この永遠の命題には、過去にも何人もの芸術家が挑んでいます。ある人は曲をつくり、ある人は演奏で、また絵画や他の分野にもバッハの作品の影響が強く及んでいます。
このアルバムには、そんなバッハの作品にインスパイアされた3人の作品が収録されています。ロベルト・シューマン[1810-1856]の『4つのフーガ』は、もともと彼が興味を抱いていたペダルピアノのために書かれた作品で、バッハの作品を研究していたシューマンにおける「フーガの理想的な形」を見る事ができます。バッハの名前「BACH」を音にすると半音階的な響きになりますが、これも美しくフーガに内包されています。イグナーツ・モシェレス[1794-1870]の作品は、平均律クラヴィーア曲集に対位法的なメロディをつけたもの。バッハ=グノーの『アヴェ・マリア』のようなものと言えば近いでしょうか。カール・ライネッケ[1824-1910]の作品は、バッハのフランス組曲第1番の『サラバンド』が極めてロマンティックな対位法によって刻々と変容していきます。国際的に評価の高いデュオ・ダコールによる演奏です。(SWR)
【収録情報】
● モシェレス:メロディックな対位法練習曲 Op.137bより(原曲:バッハの平均律クラヴィーア曲集 11曲)
● シューマン:バッハの名前による6つのフーガ Op.60(デュオ・ダコールによる連弾編)
● ライネッケ:バッハのサラバンドによる変奏曲 Op.24
デュオ・ダコール(ピアノ・デュオ/ルーツィア・フアン、セバスティアン・オイラー)
録音時期:2014年11月24-27日
録音場所:シュトゥットガルト、SWR室内楽スタジオ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)