マーキュリー・リヴィング・プレゼンス
コレクターズ・エディション3(53CD)
第1弾と第2弾の累計が当サイトでは3,400セットを超えるベストセラーとなった人気企画『マーキュリー・リヴィング・プレゼンス〜コレクターズ・エディション』に第3弾が登場。鮮烈なサウンド、資料性の高いブックレット、各ディスクはオリジナル仕様の美麗な紙ジャケット封入という条件は同じですが、今回は初CD化音源も多数含む注目の内容となっています。参考までにかつてのジャケット画像を表示しておきます。
【概要】
具体的には、アンタル・ドラティ、ポール・パレー、フレデリック・フェネル、ハワード・ハンソンといったところが数が多く、ほかにスクロヴァチェフスキ、マッケラス、フィストゥラーリ、プヤーナ、ロメロ・ギター四重奏団、ボロディン四重奏団などの演奏が収められています。
中には、PHILIPSレーベルで有名だったロストロポーヴィチ&リヒテルのベートーヴェンのチェロ・ソナタ全集や、リヒテル&コンドラシンのリストのピアノ協奏曲集などといったものがあって驚かされますが、それらはマーキュリーのスタッフがレコーディングしたものということでここに収められています。
ドラティとパレーの快活で豪快な気風に富む演奏のほか、ハンソンでは親しみやすく華麗な20世紀サウンドを味わえ、さらにフェネルではパワフルで心地よい金管サウンドを楽しむことができます。
【サウンド】
昔から鮮烈なサウンドで知られていたマーキュリー・レーベルは、音だけでなく、演奏の方も勢いの良いものが揃っているのが特徴。ドラティやパレー、フェネル、ハンソンといった有名アーティストたちがシャープで活気に満ちた演奏をおこなっています。
オーディオ好きの間でも有名なマーキュリーのサウンドは、どれも音響条件が申し分なく、細部まで捉えきった情報量の多さは、当時ずば抜けたものと評されていました。
【マーキュリー・レーベル】
1945年にアーヴィン・グリーン、バール・アダムス、アーサー・タルマッジによって設立されたマーキュリー・レーベルは、モノラル後期に活動を開始し、ステレオ初期を中心とした20年ほどのあいだに数多くの素晴らしいディスクを世に送り出しました。
『You are there』を謳い文句に、音が生まれるその場にいるような臨場感を再現するマーキュリー独自の録音方法によって収録された名盤の数々は、今聴いても実に新鮮ですし、戦後まもなくの活気に満ちた演奏スタイルを味わえる点で、その存在感には非常に大きなものがあります。
【オリジナル・マスターからの初CD化10枚】
約半世紀前のものが多いマーキュリーの音源の中には、マスターテープの状態が良くなかったためにこれまでオリジナル・マスターからのCD化を断念していたものなどがありますが、今回は、それらの中から、CD10枚分をマスターから初めてCD化することに成功しています。
きっかけとなったのは、比較的状態の良いマスターテープの発見でした。今回は、その状態の良いマスターから、アビー・ロード・スタジオのエンジニアであるアンドルー・ウォルターによって、問題のある箇所の修復とリマスター、ミックスダウンがおこなわれています。
オリジナル・マスターから初めてのCD化となるのは、Disc15、38、39、40、43、48、49、50、52、53の10枚です。(HMV)
【収録予定情報】
Disc1-2
● 交響曲第1番ハ短調 op.68
● 交響曲第3番ヘ長調 op.90
● 交響曲第2番ニ長調 op.73
● 交響曲第4番ホ短調 op.98
ロンドン交響楽団(第1,3,4番)
ミネアポリス交響楽団(第2番)
アンタル・ドラティ(指揮)
1957〜1963年録音
2011年にNewtonから復活するまでは長らく廃盤だったドラティのブラームスは、推進力のあるテンポで各パートの見通しの良い快演。
Disc3
『ウィンナ・ワルツ・パプリカ』
1. レハール:『メリー・ウィドウ』〜ワルツ
2. カールマン:『ジプシーの女王』〜ワルツ
3. ヨゼフ・シュトラウス:オーストリアの村つばめ
4. ドホナーニ:『ピエレットのヴェール』〜結婚のワルツ
5. ワルトトイフェル:スケーターズ・ワルツ
6. ランナー:シェーンブルンの人々
7. ヨハン・シュトラウス2世:春の声
8. ヨゼフ・シュトラウス:水彩画
9. エドゥアルト・シュトラウス:ドクトリン・ワルツ
フィルハーモニア・フンガリカ(1-6)
ミネアポリス交響楽団(7-9)
アンタル・ドラティ(指揮)
1956〜1958年録音
ドラティのイメージにはそぐわない感じのウィンナ・ワルツですが、生地ブダペストは1918年まではオーストリア=ハンガリー帝国に属していたので、1906年生まれのドラティにとって、10代はじめまでは母国の音楽であったということにもなります。演奏はすっきり心地よいもので、後年、ロンドン・フィルとの再録音よりも勢いがあるのが特徴ともなっています。
Disc4
1. ヘンデル/ハーティ編:水上の音楽
2. ヘンデル/ハーティ編:王宮の花火の音楽
3. モーツァルト:アイネ・クライネ・ナハトムジーク
4. モーツァルト:2つの行進曲 ニ長調 K.335
5. モーツァルト:アレグロ ニ長調 K.121
6. モーツァルト:行進曲 ニ長調 K.249
7. モーツァルト:メヌエット ハ長調 K.409
8. モーツァルト:3つのドイツ舞曲 K.605
ロンドン交響楽団(1-3)
フェスティヴァル室内管弦楽団(4-8)
アンタル・ドラティ(指揮)
1956〜1965年録音
20世紀半ばのバロック演奏はロマンティックなスタイルのものが多かったようですが、ここでのドラティは、リズムの良い切れのある演奏により、ヘンデルらしいすがすがしさを感じさせてくれます。組み合わせのモーツァルトも同様の演奏です。
Disc5
● メンデルスゾーン:序曲『フィンガルの洞窟』
● メンデルスゾーン:交響曲第3番『スコットランド』
ロンドン交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1956年録音
● メンデルスゾーン:交響曲第4番『イタリア』
ミネアポリス交響楽団
スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
1961年録音
『フィンガルの洞窟』も『スコットランド』もドラティが振るとキリっと引き締まった美感が印象的なものとなります。組み合わせは若きスクロヴァチェフスキによる『イタリア』で、こちらも颯爽とした演奏です。
Disc6
1. リムスキー=コルサコフ:『シェエラザード』
2. シベリウス:悲しきワルツ
3. リスト:前奏曲
4. スメタナ:モルダウ
ミネアポリス交響楽団(1)
ロンドン交響楽団(2-4)
アンタル・ドラティ(指揮)
1958、1960年録音
『シェエラザード』はリムスキー=コルサコフの管弦楽法の魅力を堪能させる演奏&録音。組み合わせ小品も高水準。ドラティは華美な表現は志向しませんが、それゆえこうした作品でも飽きの来ない良い雰囲気が醸し出されるかのようです。
Disc7
● リムスキー=コルサコフ:『スペイン奇想曲』
● リムスキー=コルサコフ:『金鶏』組曲
● リムスキー=コルサコフ:『ロシアの復活祭』
● ボロディン:『だったん人の踊り』
ロンドン交響楽団&合唱団
アンタル・ドラティ(指揮)
1956、1959年録音
多彩な旋律素材を近代管弦楽法でまとめあげたリムスキー=コルサコフの醍醐味を満喫させる『スペイン奇想曲』と『ロシアの復活祭』『金鶏』は圧巻の仕上がり。特にオ『ロシアの復活祭』では緊迫感ある表現が当時のドラティならではです。『だったん人の踊り』も合唱入りヴァージョンで聴かせます。
Disc8
1. ヴェルディ:『運命の力』序曲
2. ヴェルディ:『ナブッコ』序曲
3. ヴェルディ:『シチリア島の夕べの祈り』序曲
4. ヴェルディ:『椿姫』〜第1幕への前奏曲
5. ヴェルディ:『椿姫』〜第3幕への前奏曲
6. ロッシーニ:『どろぼうかささぎ』序曲
7. ロッシーニ:ロッシーニ:『絹のはしご』序曲
8. ロッシーニ:『シンデレラ』序曲
9. ロッシーニ:『セヴィリャの理髪師』序曲
10. ロッシーニ:『アルジェのイタリア女』序曲
11. ロッシーニ:『ブルスキーノ氏』序曲
ロンドン交響楽団(1-5)
ミネアポリス交響楽団(6-11)
アンタル・ドラティ(指揮)
1957年録音
Disc9
● R.シュトラウス:ドン・ファン
● R.シュトラウス:死と浄化
● R.シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯
● R.シュトラウス:『ばらの騎士』組曲(アンタル・ドラティ編)
ミネアポリス交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1958、1955年録音
Disc10-11
● チャイコフスキー:交響曲第1番『冬の日の幻想』
● チャイコフスキー:交響曲第2番『小ロシア』
● チャイコフスキー:交響曲第3番『ポーランド』
● アレンスキー:チャイコフスキーの主題による変奏曲
ロンドン交響楽団(チャイコフスキー)
フィルハーモニア・フンガリカ(アレンスキー)
アンタル・ドラティ(指揮)
1965、1958年録音
Disc12
1. チャイコフスキー:交響曲第5番
2. チャイコフスキー:スラヴ行進曲
3. チャイコフスキー:『エフゲニ・オネーギン』〜ワルツとポロネーズ
ロンドン交響楽団(1)
ミネアポリス交響楽団(2-3)
アンタル・ドラティ(指揮)
1961、1958年録音
Disc13
● ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』第1幕への前奏曲
● ワーグナー:『パルジファル』〜聖金曜日の音楽
● ワーグナー:『ローエングリン』第1幕への前奏曲
● ワーグナー:『ローエングリン』第3幕への前奏曲
● ワーグナー:『タンホイザー』〜序曲とヴェヌスベルクの音楽
● ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』〜前奏曲と愛の死
ロンドン交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1959、1960年録音
Disc14
『フェネル・コンダクツ・ガーシュウィン』
● アイ・ガット・リズム
● ラヴ・イズ・スウィーピング・ザ・カントリー
● 歩み入る恋
● ス・ワンダフル
● 待てば海路の
● オー・レディ・ビー・グッド
● 魅惑のリズム
● ライザ
● エンブレイサブル・ユー
● 私の彼氏
● 優しい伴侶を
● バット・ノット・フォー・ミー
スタジオ・オーケストラ
フレデリック・フェネル(指揮)
1960、1961年録音
Disc15
『フェネル・コンダクツ・ヴィクター・ハーバート』
● ザ・ストリーツ・オブ・ニュー・ヨーク
● ハバネラ
● I'm Falling In Love With Someone
● March Of The Toys
● スウィートハート
● Ah, Sweet Mystery Of Life
● イタリアン・ストリート・ソング
● The Irish Have a Great Day Tonight
● キッス・イン・ザ・ダーク
● Romany Life
● Thine Alone
● キス・ミー・アゲイン
スタジオ・オーケストラ
フレデリック・フェネル(指揮)
1959年録音
初CD化。
Disc16
『フェネル・コンダクツ・コール・ポーター』
● ブロウ・ゲイブリエル・ブロウ
● ソー・イン・ラヴ
● イッツ・オールライト・ウィズ・ミー
● ライディン・ハイ
● 夜の静けさに
● ビギン・ザ・ビギン
● 夜も昼も
● 私の心はパパのもの
● 夜は夜もすがら
● あなたはしっかり私のもの
● イッツ・デラヴリー
● 帰ってくれたら嬉しいね
スタジオ・オーケストラ
フレデリック・フェネル(指揮)
1961年録音
Disc17
1. ロジャース:『回転木馬』のワルツ
2. マスネ:歌劇『ル・シッド』〜オーバードとアラゴネーズ
3. ボルツォーニ:メヌエット
4. ジャーマン:『ヘンリー8世』のための舞曲集
5. ベンジャミン:『コティヨン』組曲
6. ロッシーニ:歌劇『ウィリアム・テル』〜6人の踊り
7. リムスキー=コルサコフ:軽業師の踊り
8. ラフマニノフ:前奏曲 ト短調
9. グリエール:ロシア水夫の踊り
10. リムスキー=コルサコフ:貴族たちの行進
11. ワインベルガー:『バグパイプ吹きのシュワンダ』〜ポルカとフーガ
ロンドン・ポップス・オーケストラ(1-7)
イーストマン=ロチェスター・ポップス・オーケストラ(8-11)
フレデリック・フェネル(指揮)
1965、1959年録音
Disc18
『バレエ音楽名曲集』
● サリヴァン:パイナップル・ポール
● ロッシーニ/レスピーギ:風変わりな店
● グノー:『ファウスト』よりバレエ音楽
● ワーグナー:『ローエングリン』と『神々の黄昏』より
イーストマン・ウィンド・アンサンブル
フレデリック・フェネル(指揮)
1959年録音
Disc19
『クラシカル・マーチ名曲集』
1. ウォルトン:宝玉と王の杖
2. ベートーヴェン:トルコ行進曲
3. シベリウス:『カレリア』組曲〜行進曲風に
4. ボロディン:歌劇『イーゴリ公』〜行進曲
5. シューベルト:軍隊行進曲第1番
6. グリーグ:忠誠行進曲
7. ワーグナー:『タンホイザー』〜大行進曲
8. ワーグナー:『リエンツィ』序曲
9. ワーグナー:聖金曜日の音楽
イーストマン=ロチェスター・ポップス・オーケストラ(1-7)
イーストマン・ウィンド・アンサンブル(8,9)
フレデリック・フェネル(指揮)
1960、1959年録音
Disc20-21
● アダン:バレエ音楽『ジゼル』全曲
ロンドン交響楽団
アナトール・フィストゥラーリ(指揮)
1959年録音
● J.シュトラウス2世:卒業記念舞踏会
● オッフェンバック:パリの喜び
ミネアポリス交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1957年録音
Disc22
● ブロッホ:コンチェルト・グロッソ第1番
● ブロッホ:コンチェルト・グロッソ第2番
● ブロッホ:シェロモ
ジョルジュ・ミケル(チェロ)
イーストマン=ロチェスター・オーケストラ
ハワード・ハンソン(指揮)
1959年録音
Disc23
● ガーシュウィン:ピアノ協奏曲へ調
● ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
● ガーシュウィン:キューバ序曲
● スーザ:星条旗を永遠なれ
ユージン・リスト(ピアノ)
イーストマン=ロチェスター・オーケストラ
イーストマン・フィルハーモニア
ハワード・ハンソン(指揮)
1957、1962年録音
Disc24-25
「ハワード・ハンソン・ザ・コンポーザー・アンド・ヒズ・オーケストラ」
● オペラ『メリー・マウント』組曲
● 管弦楽のためのモザイク
● 管弦楽のための組曲『初めてのとき』
● ピアノ協奏曲、ほか
イーストマン・ロチェスター・オーケストラ
ハワード・ハンソン(指揮)
ブラスでもおなじにもハワード・ハンソン。ここではオーケスラを駆使した親しみやすく演奏効果満点の自作をとりあげています。自身による解説も。
Disc26
● スメタナ:道化師の踊り
● ニコライ:『ウィンザーの陽気な女房たち』序曲
● J.シュトラウス1世:ラデツキー行進曲
● ウェーバー:『アブ・ハッサン』序曲
● マイアベーア:戴冠式行進曲
● ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
● トマ:『ミニョン』序曲
● チャイコフスキー:『マゼッパ』〜コサックの踊り
● スッペ:『陽気な若者』序曲
● オッフェンバック:カンカン
● ウェーバー:舞踏への勧誘
● グリンカ:ホタ・アラゴネーサ
ロンドン交響楽団
サー・チャールズ・マッケラス(指揮)
1961年録音
Disc27
● ベルリオーズ:幻想交響曲
● ベルリオーズ:劇的物語『ファウストの劫罰』〜「ハンガリー行進曲」
● ベルリオーズ:歌劇『トロイ人』〜「トロイ人の行進曲」
● ベルリオーズ:序曲『海賊』
● ベルリオーズ:序曲『ローマの謝肉祭』
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
1958、1959年録音
Disc28
● ドヴォルザーク:交響曲第9番『新世界より』
● シベリウス:交響曲第2番
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
1960、1959年録音
昔から有名なパレーの『新世界』は、快速テンポと強烈なメリハリ、パート・バランスの面白さでグイグイ聴かせるすごい演奏。シベリウスの2番も同じく快速交響系の演奏で、マーキュリーの引き締まったサウンド・ポリシーも奏功して非常に聴き応えがあります。
Disc29
● フランク:交響曲ニ短調
● ラフマニノフ:交響曲第2番
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
1957、1959年録音
パレーによるフランクのニ短調交響曲は、同作品の代表的演奏のひとつと目されてきた素晴らしい演奏。克明なリズムと明晰な声部の扱いが実に快適です。組み合わせのラフマニノフは当時一般的だったカットがおこなわれていますが、演奏そのものは高水準です。
Disc30
● ラロ:『イスの王様』序曲
● ラロ:『ナムーナ』第1組曲
● バロー:ひとりの死者への捧げ物
● ショーソン:交響曲変ロ長調
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
1958、1956年録音
ショーソンの交響曲は、演奏の傾向によってずいぶん印象の異なるものとなりますが、パレーの演奏は剛性の強いもので、盛り上がる部分の迫力、静かな部分でのテンションの高さには定評があります。若きドビュッシーを夢中にさせたことでも知られるラロの『ナムーナ』は、親しみやすい旋律とリズムと色彩が面白い傑作です。
Disc31
● メンデルスゾーン:『夏の夜の夢』より
● メンデルスゾーン:交響曲第5番『宗教改革』
● ハイドン:交響曲第96番『奇蹟』
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
1958、1956年録音
古典派作品や前期ロマン派作品が、パレーの手にかかるとキビキビと迫力のある音楽へ変貌するという好例。『宗教改革』での甘さを排した音楽、『夏の夜の夢』での克明なリズムの心地よさ、ハイドン第96番での力強い響きなど大編成オケの表現力を堪能させます。
Disc32-33
● シューマン:交響曲第1番変ロ長調 作品38『春』
● シューマン:交響曲第2番ハ長調 作品61
● シューマン:交響曲第3番変ホ長調 作品97『ライン』
● シューマン:交響曲第4番ニ短調 作品120
● シューマン:『マンフレッド』序曲
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
1953〜1958年録音
第4番のみモノラル録音。切れ味鋭いフレーズ感覚に猛然としたアタックがすごいシューマン演奏で、中でも第4番はその強烈な開始部分に驚かされます。第1番も『春』という副題が吹っ飛びそうな力強さが痛快そのもの。第2番、第3番も基本的なコンセプトは同一で、シューマンの霧が晴れ上がった克明な音響が印象的です。
マーキュリーならではの鮮明な録音も、ユニークな演奏の再現に大きく貢献、モノラルの第4番でさえFレンジ、Dレンジとも十分なのが嬉しいところです。
Disc34
『フランスの序曲と行進曲集』
● マイアベーア:戴冠式行進曲
● グノー:あやつり人形の葬送行進曲
● サン=サーンス:フランス軍隊行進曲
● サン=サーンス:英雄行進曲
● ルージェ・ド・リール:ラ・マルセイエーズ
● アダン:『われもし王者なりせば』序曲
● ボイエルデュー:『白衣の婦人』序曲
● オッフェンバック:『美しきエレーヌ』序曲
● オッフェンバック:『天国と地獄』序曲
● オッフェンバック:『ホフマン物語』組曲
● ロッシーニ:『ウィリアム・テル』序曲
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
1959、1960年録音
ローマ大賞を受賞した作曲家でもあったポール・パレーの芸風は、カッチリとメリハリの効いたサウンドをベースに、自在なアゴーギクを駆使して独特の表現世界をつくりあげた見事なもの。色彩感の描出と緊迫したダイナミズムの創出には特に秀でており、こうした序曲や行進曲の扱いにも素晴らしいセンスをみせていました。
Disc35
● ワーグナー:『さまよえるオランダ人』序曲
● ワーグナー:『ニュルンベルクのマイスタージンガー』コンサート用組曲
● ワーグナー:『ワルキューレ』〜ヴォータンの告別と魔の炎の音楽
● ワーグナー:『リエンツィ』序曲
● ワーグナー:『神々の黄昏』〜夜明けとジークフリートのラインへの旅
● ワーグナー:ジークフリート牧歌
● ワーグナー:『トリスタンとイゾルデ』第3幕への前奏曲
デトロイト交響楽団
ポール・パレー(指揮)
1960、1956年録音
パレーのワーグナーは各声部の動きを鮮やかに聴きとることができるのが特徴で、旋律素材やリズム素材に配慮した情報量の多い演奏には独特の魅力が備わっています。
Disc36
● シューベルト:交響曲第5番
● シューベルト:交響曲第8番『未完成』
● シューベルト:『ロザムンデ』より
ミネアポリス交響楽団
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
1962、1961年録音
スクロヴァチェフスキが30代の頃に録音したシューベルトは、長く音楽監督を務めていたミネアポリス交響楽団との初期の演奏で、ここでは。
Disc37
● シューベルト:交響曲第9番『グレート』
ミネアポリス交響楽団
スタニスワフ・スクロヴァチェフスキ(指揮)
1961年録音
● シューベルト:交響曲第6番
ロンドン交響楽団
ハンス・シュミット=イッセルシュテット(指揮)
1958年録音
スクロヴァチェフスキが30代の頃に録音した『グレート』と、ドイツのシュミット=イッセルシュテットによる第6番の組み合わせ。どちらもミネアポリス交響楽団との演奏です。
Disc38
● ヒナステラ:交響的変奏曲
● ブリテン:青少年のための管弦楽入門
ミネアポリス交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1954年録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。
Disc39
● コープランド:交響曲第3番
ミネアポリス交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1953年録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。モノラル録音。
Disc40
● レスピーギ:ローマの祭り
● レスピーギ:教会のステンドグラス
ミネアポリス交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1954年録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。モノラル録音。
Disc41-42
● チャイコフスキー:組曲第1番ニ短調Op.43
● チャイコフスキー:組曲第2番ハ長調Op.53
● チャイコフスキー:組曲第3番ト長調Op.55
● チャイコフスキー:組曲第4番ト長調Op.61『モーツァルティアーナ』
ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1966年録音
アビーロード・スタジオでの新リマスター。チャイコフスキーらしいキレイな旋律が随所に顔を出す組曲は、かつてはなぜか録音にあまり恵まれず、全曲収録はこのドラティ盤が最初でした。マーキュリー・レーベルによって制作されたアルバムでしたが、CDはPHILIPSブランドで登場し、長くこの曲集の代表盤として親しまれてきたという経緯があります。
Disc43
● ベートーヴェン:交響曲第3番『英雄』
ミネアポリス交響楽団
アンタル・ドラティ(指揮)
1957年録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。快速テンポで仕上げられた当時のドラティらしいベートーヴェン演奏。
Disc44
● リスト:ピアノ協奏曲第1番
● リスト:ピアノ協奏曲第2番
スヴィヤトスラフ・リヒテル(ピアノ)
ロンドン交響楽団
キリル・コンドラシン(指揮)
1961年録音
PHILIPSレーベルで有名だった演奏ですが、マーキュリーのスタッフがレコーディングしたものということでここに収められています。
Disc45-46
● ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第1番ヘ長調Op.5-1
● ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第2番ト短調Op.5-2
● ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調Op.69
● ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第4番ハ長調Op.102-1
● ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第5番ニ長調Op.102-2
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)
スヴィヤトスラフ・リヒテル(ピアノ)
1961〜1963年録音
PHILIPSレーベルで有名だった演奏ですが、マーキュリーのスタッフがレコーディングしたものということでここに収められています。
Disc47
● ムソルグスキー:死の歌と踊り
● チャイコフスキー:ただ憧れを知る者だけが
● チャイコフスキー:おお、友よ語るな
● チャイコフスキー:信じるな、我が友よ
● プロコフィエフ:アンナ・アフマートヴァの5つの歌
ガリーナ・ヴィシネフスカヤ(ソプラノ)
ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(ピアノ)
1961年録音
PHILIPSレーベルで有名だった演奏ですが、マーキュリーのスタッフがレコーディングしたものということでここに収められています。
Disc48
『ザ・ワールド・オブ・フラメンコ』
● Sevillanas
● Malaguenas
● Saetas y Seguiriyas
● Alegrias por Rosa
● Rumba
● Bulerias
● Zapateado
● Alegrias
● Bulerias al golpo
● Soleares de Cadiz
● Taconeo Punteado
● Improvisation On Guajiras
● Tanguillos
● Farrucas
● Petenera
● Caracoles
● Milonga
● Sevillanas
ロメロ・ギター四重奏団
1966年録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。
Disc49
● ヴィヴァルディ:ソプラニーノ・リコーダー協奏曲 RV445
● ヘンデル:リコーダー協奏曲 Op.4-5
● ヘンデル:リコーダー協奏曲 Op.3-3
● テレマン:リコーダー協奏曲 TWV51-C1
バーナード・クレイニス(リコーダー)
ロンドン・ストリングズ
ネヴィル・マリナー(ディレクター)
1965年録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。
Disc50
● ヒンデミット:吹奏楽のための交響曲
● シェーンベルク:吹奏楽のための主題と変奏 Op.43a
● ストラヴィンスキー:管楽器のための交響曲
イーストマン・ウィンド・アンサンブル
フレデリック・フェネル(指揮)
1957年録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。ヒンデミットの『吹奏楽のための交響曲』は、シンフォニック・バンドの表現力を徹底して活かした作品。シェーンベルクの『吹奏楽のための主題と変奏』は、シェーンベルク唯一の吹奏楽作品となるもので、調性音楽による主題と7つの変奏、終曲の流れが、大編成バンドによって演奏されます。ストラヴィンスキーの『管楽器のための交響曲』は、23人の管楽器奏者のための作品です。
Disc51
1. ソレール:ソナタ 嬰ヘ短調
2. ソレール:ソナタ 嬰ハ短調
3. ソレール:ファンダンゴ ニ短調
4. ソレール:ソナタ ニ短調
5. ソレール:ソナタ 変ニ長調
6. ソレール:ソナタ ニ短調
7. ソレール:ソナタ ハ短調
8. ソレール:2台のチェンバロのための協奏曲ト長調
ラファエル・プヤーナ(チェンバロ)
ヘノベーバ・ガルベス(チェンバロ:8)
1967、1963年録音
アビーロード・スタジオでの新リマスター。
Disc52
● チャイコフスキー:序曲『1812年』
● チャイコフスキー:イタリア奇想曲
ミネアポリス交響楽団
ミネソタ大学ブラス・バンド
アンタル・ドラティ(指揮)
1954、1955年モノラル録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。ドラティの『1812年』といえばステレオ録音盤が有名ですが、その少し前にモノラルで同じレーベルに同じ演奏者で録音していたのがこちらになります。
Disc53
● ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第4番
● ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番
ボロディン四重奏団
1962年録音
アビーロード・スタジオでの修復による初CD化。結成当初から作曲者に演奏法を直接指導されたというボロディン四重奏団による初期の演奏。
ボロディン四重奏団は、1960年にショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲の代表作となる第8番を初演し、翌1961年には
ザルツブルク音楽祭で国外初演。ETRENAレーベルへの録音もおこない、さらに翌1962年6月17日にはモスクワ音楽院にマーキュリー・レーベルのウィルマ・コザートらが招かれ、この第8番(と第4番)を35mmマグネティック・フィルムで高音質でセッション・レコーディングしています。
それがここに収められた音源ですが、その2か月後にはイギリスのエディンバラ音楽祭の英国初演でも演奏しています。また、その際に
デッカ・レーベルでもこの第8番をセッション録音していたので、ここまでですでに5種類のボロディン四重奏団による録音が存在することとなります。中で最も音質・演奏条件に恵まれて緊迫感が強いのがこのマーキュリー盤なので、今回のCD化は非常に歓迎されるところです。ちなみに第4番もエネルギッシュな表現など聴きどころの多い優れた演奏です。