現代音楽のエキスパート吉川真澄による、平野一郎、武満 徹、林 光の歌曲。
現代音楽のエキスパート吉川真澄による、平野一郎、武満 徹、林 光の歌曲。日本語の詞に寄り添い、時に激しく渡りあう三者三様の音楽を、それぞれに個性きわだつ3人のピアニストと共に収録した1枚です。
特殊発声やボディ・パーカッションで、自然に満ちる声や音を再現した『平野一郎「四季の四部作〜春夏秋冬」』(本作などを実演した舞台で2015年佐治敬三賞を受賞)とはまた違って、今回はことばのある作品を選んで演奏しています。
『邪宗門・魔睡』は、平野一郎が14歳の時から魅了されていた北原白秋の「邪宗門」をモノオペラにしたものがもととなった作品。もともとは全6章からなり、15楽器と指揮者、そして声(母音唱や歌唱、朗唱、朗読などおよそ6段階に大別される多様な発声が要求される)という編成ですが、吉川真澄がこの作品の第I部『魔睡』をぜひ連作歌曲として再編してほしいと平野に打診して完成したのがここに収録されたもの。現実とも夢ともつかない吉川の言葉の表現に、世界に引き込まれます。
武満作品は、鷹羽弘晃のあらたな編曲を得ての録音。林 光作品は未出版ですが「アメリカ」にまつわる佐藤 信(劇作家・演出家)の詩に林 光が、語るようにうたい、かと思うとうたうように語り、時にシャウトや『ウェスト・サイド・ストーリー』の断片、ジャズまでもが登場する音をつけた作品。少ない音符とコードネーム、リズムのアウトラインを記した譜面がそのまま遺されているだけの作品なので(委嘱者の伊藤 淑と林 光による録音が存在)、奏者は大胆にアプローチすることが求められる作品です。(販売元情報)
【収録情報】
● 平野一郎:邪宗門・魔睡(2012)〜女声とピアノによる連作歌曲 詩:北原白秋
No.1 : 邪宗門扉銘
No.2 : 邪宗門秘曲
No.3 : 室内庭園
No.4 : 赤き僧正
No.5 : 赤き花の魔睡
No.6 : 空に眞赤な
No.7 : 接吻の時
● 武満 徹:ソングスより〜編曲:鷹羽弘晃 詞:武満 徹(1,3,5)、谷川俊太郎(2,4,7)、秋山邦晴(6)
1. 翼
2. 恋のかくれんぼ
3. 小さな空
4. 死んだ男の残したものは
5. 明日ハ晴レカナ、曇リカナ
6. さようなら
7. うたうだけ
● 林 光:アメリカ・アメリカ 竜の尻尾を見つけた黒い犬のことなど 詞:佐藤 信
吉川真澄(うた)
河野紘子(ピアノ:平野一郎)、水戸見弥子(ピアノ:武満 徹)、Momo(ピアノ:林 光)
録音時期:2021年11月24-26日
録音場所:埼玉県、富士見市民文化会館キラリ☆ふじみ メインホール
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
5.6448MHz DSD Recording & 192kHz 24bit Editing
Microphones: PureT Records current transmission microphones with Schoeps MK2S capsules, designed and manufactured by Mouri Tadaharu(毛利忠晴) (PureT Records), 2015 (last modified 2018), Tokyo
Stereo setting: A-B stereo
Preamplifier: PureT Records PT-CMP01, designed and manufactured by Mouri Tadaharu(毛利忠晴) (PureT Records), 2015 (last modified 2016), Tokyo
AD converter: Mytek Digital Brooklyn ADC
Recorder: TASCAM DA-3000
Master clock: Grimm Audio CC2
DSD/PCM to PCM converter: Weiss Saracon-DSD