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身近な雑草の愉快な生きかた

稲垣栄洋

User Review :4.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480428196
ISBN 10 : 4480428194
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2011
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
三上修 ,  

Content Description

「名もなき草」の姿を愛情とユーモアに満ちた視線で観察した植物エッセイ。本来か弱い生き物であるはずの雑草は、さまざまな工夫により逆境をプラスに転換して、したたかに生きのびてきた。彼らの個性的な暮らしぶりを知れば知るほど、その人間くさい仕振りに驚愕し、共感する。全50種の雑草に付けられた繊細なペン画イラストも魅力。

目次 : スミレ―野に咲く花のシティライフ/ オオイヌノフグリ―キリストの奇跡が結実した後は?/ ハコベ―七草ハコベの七つの秘密/ ホトケノザ―口から生まれた世渡り上手/ スズメノテッポウ―異能集団は逆境に強い/ カラスノエンドウ―ビジネスライクが引き起こしたしっぺ返し/ スギナ―地獄の底からよみがえった雑草/ ナズナ―だらだらと生き残れ/ タンポポ―ついに勃発したしたクローン戦争/ ハルシオン―移住者の数奇な運命〔ほか〕

【著者紹介】
稲垣栄洋 : 1968年静岡市生まれ。岡山大学大学院農学研究科修了。農学博士。専攻は雑草生態学。農林水産省を経て、現在静岡県農林技術研究所上席研究員、静岡大学客員教授

三上修 : 1954年横浜市生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。自然科学全般のイラストを得意とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『 身近な雑草の愉快な生き方 』タイトルか...

投稿日:2021/07/19 (月)

『 身近な雑草の愉快な生き方 』タイトルからすでに擬人化しての表現で、雑草の視点で雑草の世界をのぞきみようとする著者の発想と意気込みがもう面白い。身近に感じさせてくれる話しぶりと、興味を持てる内容の数々。知っているもの、全く知らないもの、なんとなくは聞いたことあるもの、こまやかで良いイラストも添えられて、楽しめます。ホトケノザ、マンジュシャゲ、ヒメムカシヨモギ、セイタカアワダチソウ。短かすぎず長すぎず、ちょうど良い感じでテンポ良くページを進んで行けます。自然を知ることの喜びに加えて、メッセージも込められていたりして考えさせられもします。逆境でも根を下ろした場所からはにげだすことはできない。厳しい環境での生き抜く姿勢も教えてくれているようです。「雑草ばかりではない、動物も、鳥も、昆虫も、肉眼では見えない微生物も、すべての生命あるものは、より強く生きたいというエネルギーを持っている。そしてすべての生命が強く生き抜こうと力の限りのエネルギーを振り絞っている。向上心のない生き物はないのだ。」と言う熱い言葉もありながら、さまざまな雑草を知れて充実しています。

seigo-hk さん | 長崎県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ふう

    草が好きなはずなのに、この季節はせっせと庭の雑草を抜いています。「ごめんね。今度は野原に生えてね。」と言いながら抜いています。この本を読んだら、そのけなげさに、さらに申し訳ない気持ちになりそうです。 雑草は、生き残るために、想像もつかないくらいの強さや仕組みを身につけてきました。その仕組みを、人の生き方と重ねて擬人化し、楽しくわかりやすく表現しています。小さいがゆえに工夫にあふれた自然の力に感心することばかり。身勝手ですが、庭以外の場所では「ガンバレ!」と応援してしまいそうです。

  • chantal(シャンタール)

    紹介されているのは本当によく見かける雑草。精緻なイラストのおかげで「あ、あの花ね」とすぐに思い浮かぶ。雑草たちの何と機能的で賢く、したたかな生き様!説明がわかりやすく、ユニークな文体に思わず声を上げて笑ってしまう。蜜を吸われてるうちに虫の背中に花粉を着けてしまう「バカ」と書いた紙を背中に貼る悪戯作戦とか、ゴルフ場で刈られる高さに合わせて成長するとか、原爆のため数十年は草が生えないと言われた広島で真っ先に生えたスギナとか。露草のオウンゴールは絶品!とても楽しい本!これからはつい下を向いて歩いてしまいそう。

  • へくとぱすかる

    雑草は強いというイメージがある。植物としての生き方をさぐると、そのあまりの巧妙さに思わずうなってしまう。場合によっては、植物としての常識の逆をいったり、あれがだめなら次にはこれとか、競争に負けまいと、何とか子孫を増やしていくやり方には、感心するほかない。本当はそうじゃないと知っていても、この本のように擬人化して描き、植物が積極的に進化していったかのように書いてあると、すんなり理解できるし、生き物としての共感もわく。そして、かえって農業や園芸の対象にしている植物がひよわに感じられる。それも人間のせいですね。

  • seacalf

    たとえどんなに良い植物図鑑であってもなかなか植物名が頭に定着しないのだが、忘れがたいエピソード付きだと俄然覚えが良くなるもの。けっこう専門的なことも書いてあるのに評判通り語り口が滅法上手くて面白い。イラクサの漢名は蕁麻疹の蕁麻、へそくりの語源となったカラスビシャク、カラスムギのひげ根の長さは東京〜大阪間にほぼ匹敵、東回りと西回り別々に進化して日本にきたイチビ、三角柱の茎を両端から引き裂くと蚊帳のように四角形になるカヤツリグサ、オナモミの二つの種子の秘密。身近な植物の脅威の生態と雑学の宝庫。記憶に残る良書。

  • やいっち

    著者の本としては2冊目、関連の本としては、つい最近、多田 多恵子著の『したたかな植物たち 秋冬篇』を先月23日に読んだばかりである。吾輩は格別植物好きというわけではない。むしろ逆で、庭仕事で雑草に日々悩まされている。別に敵視するつもりもないが、なんとも思い通りにならない現実に、これはこれでとんでもない生き物の世界が身近に跋扈していると思い知っているがゆえの読書なのである。

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