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祝宴

温又柔

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103547310
ISBN 10 : 4103547316
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

長女・瑜瑜が同性の恋人の存在を告白したのは、次女の結婚式の夜だった。長女の「一番の理解者」でありながら、本音では戸惑う父・明虎。葛藤を深める彼は娘たち、自らの両親、そして自分、一族三代の記憶を辿り始める。小籠包からたちのぼる湯気が、あらゆる差異を包み込む感動長篇。第44回野間文芸新人賞候補作。

【著者紹介】
温又柔著 : 1980年、台北市生まれ。両親とも台湾人。幼少時に来日し、東京で成長する。2009年、「好去好来歌」で第33回すばる文学賞佳作を受賞しデビュー。2013年、演劇プロジェクト「東京ヘテロトピア」に参加し、東京で生きるアジア人の物語を執筆。2016年、『台湾生まれ 日本語育ち』で第64回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。2019年、文化庁長官表彰。2020年、『魯肉飯のさえずり』で第37回織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 旅するランナー

    到底我是什么(わたしって一体何なの)?  台湾·中国·日本を往き来する、台湾メーカーの重役楊明虎。家族は日本に住んでいる。父親からの目線で、家族と記憶が交差する。ガイジン、ヨソモノ、そして不正常。アイデンティティやマイノリティを問う、深い感情の襞。台湾の歴史を知る人は、感情を揺さぶられながら、優しい涙の終幕へと誘われることでしょう。

  • アキ

    台湾生まれ日本育ちの著者による父親目線から見る父娘物語。主人公の明虎は台湾生まれ、妻と共に仕事のため東京に移住し、長女瑜瑜と次女喜喜を育てた。次女喜喜と歩との結婚の祝宴の際に、両親は瑜瑜からのある告白を聞く。明虎の両親は大陸からの外相人、妻の両親は本省人、自身は台湾語とおぼつかない日本語、台湾訛りの中国語を、娘は流暢な日本語とカタコトの台湾語を話すが、国籍は台湾を選んだ。「ふつう」とは国境、時代、世代によって異なるもの。時を経て父親が瑜瑜の祝宴を開く時、机に家族でいつも食べてきた小籠包の湯気が立ちのぼる。

  • papapapapal

    次女の結婚式の夜、「私のパートナーは女性」と長女がカミングアウト。日本に妻子を残し台湾上海日本を舞台に仕事をしてきた父親が、アイデンティティやマイノリティ、家族の歴史に想いを馳せる物語。 大陸出身の両親のもと台湾で育った彼が、純粋な台湾人の妻と結婚する時に感じた視線。台湾人として日本で育った成績優秀な娘が、学校や社会で感じてきた視線。長女が使った「不正常」という言葉にショックを受けつつ、娘には「正常」を求めてしまう父親の心の葛藤を丁寧に描く。正常とは。

  • ヒデミン@もも

    淡々とした文章がとてもいい。温又柔さんの作品は台湾生まれ日本育ちのご自身のアイデンティティを追求してるように感じる。今作では主人公が大陸生まれで台湾に来て、生粋の台湾人である妻と結婚にあたり差別を受けるとか、その子ども達が日本で受ける差別であるとかが淡々と描かれる。その差別的な考えに苦しんできた主人公が自分の心の中に同じものを感じる辛さ。ラストにやっと表紙の美味しそうな小籠包が出てきて私の心も落ち着く。

  • ぶんこ

    異国の地で暮らす人、その人から生まれて、そこで暮らし続けている人。こういう人々の周囲からの『外人』『正常でない不正常』と呼ぶ純粋?現地人。こういった題材を扱った小説やエッセイを読んできましたが、今回ほど胸に響いた作品はなかったです。偶然台湾旅行時に「台北ニニ八紀年館」を訪問した時に、年配の男性が詳しく説明してくださり、強烈な印象を受けていたからか、台湾人が大陸から来た中国人に特別な感情を持っていることを肌で感じていたからかもしれません。瑜瑜さんの「自分はいったい何?」と悩み、同性を愛して悩むのが切ない。

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