波の塔 下 文春文庫

松本清張

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167697235
ISBN 10 : 4167697238
フォーマット
出版社
発行年月
2009年09月
日本
追加情報
:
16cm,407p

商品説明

結城頼子の夫は政治家がらみの情報ブローカーで、R省を舞台にした汚職事件に深く関わっていた。特捜部の担当検事として捜査をし、喬夫は初めて頼子の真の姿を知る。悩んだ末に新たな道に踏み出そうとする喬夫だが……。新任検事と被疑者の妻の悲恋を、彼に憧れる若い女性の思慕と対比して描いた異色の恋愛小説。 解説・西木正明

内容詳細

結城頼子の夫は政治家がらみの情報ブローカーで、R省を舞台にした汚職事件に深く関わっていた。特捜部の担当検事として捜査をし、喬夫は初めて頼子の真の姿を知る。悩んだ末に新たな道に踏み出そうとする喬夫だが…。新任検事と被疑者の妻の悲恋を、彼に憧れる若い女性の思慕と対比して描いた異色の恋愛小説。

【著者紹介】
松本清張 : 1909(明治42)年12月、福岡県企救郡板櫃村(現・北九州市)に生れる。53(昭和28)年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。56年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。63年「日本の黒い霧」などの業績により第6回日本ジャーナリスト会議賞受賞。67年第1回吉川英治文学賞受賞。70年第18回菊池寛賞、90年朝日賞受賞。92(平成4)年8月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • Nozomi Masuko さん

    波の塔下巻。新任検事と被疑者の妻の悲恋を描いた異色の恋愛小説。上巻で明かされなかった主人公が恋仲にある女性の正体は、政治家絡みの情報ブローカーで、自身が捜査に当たる被疑者であったー。検事役所の汚職事件に迫る描写も多かったので、ゴテゴテの恋愛小説って感じはなかったけど、いつもの作品と毛色が違ったので新鮮だった。もうちょい粘性のある絡みシーン欲しかったけど。笑。

  • きのこ さん

    堪能。芥川賞作家の視野の広さを堪能。深大寺と富士の樹海を名所に押し上げた作品。深大寺そばを食いたくなった。

  • YUUUUMI さん

    タカオ・ヨリコ・ワカコに庸雄というヨリコの夫が登場し、点と点で描かれていた描写が線となっていく。ヨリコの控えめでありながら大胆な姿、ワカコの頼りない若さ、タカオの一途な情熱などが如実に丁寧に描かれていて、不倫という題材でありながらとても情熱的で上品だと受け止めた。人はなぜ行き止まりの道だと分かりながら進んでしまいたくなるのか。そこに何かがあると希望を抱いてしまうのだろうか。タカオと庸雄の絡み合いは思っていたのとは違う角度からでお見事であるが出来事には責任が起こるという不条理を描いたヒューマンドラマだった。

  • koji さん

    清張さんの恋愛小説ですが、その恋愛観には、暗い情念が横たわっています。例えば、石坂洋次郎(青い山脈、若い人)のように戦後民主主義の自由を謳歌するような個人単位の恋愛観は、本作では希望として語られていても(仕合わせな充実感を感じさせる輪香子、屈託ない輪香子の親友和子の描写)、根底は、日本の戦前の封建制度的歴史観の上に成り立った不幸、絶望、恨みによる悲劇的な結末です。ただ男女を対比すると違いを感じます。女は(良くも悪くも)強かで一直線です。一方男は弱く感傷的で従属的です。この辺り普遍性がありますね。傑作でした

  • カタコッタ さん

    やはり清張先生は凄かった。のめり込んで読み終えるとはこのことか。女性誌に連載した小説なのでこの様な恋愛小説なのでしょうが、当時のご婦人の心を鷲掴みにした事は間違いない。小野木検事の古代史好きといい、輪香子の名の由来といい、清張先生の好みが散りばめられている。頼子の姿形も清張先生好みでしょう。面白かった。

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人物・団体紹介

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松本清張

1909年、福岡県小倉(現・北九州市)に生まれる。50年、“週刊朝日”主催の“百万人の小説”で「西郷札」が三等に入選。53年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。55年、短篇「張込み」で推理小説に進出し、56年に作家専業となる。58年に刊行した初の推理長篇『点と線』は大ベストセラーになり、一

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