七緒のために

島本理生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062179829
ISBN 10 : 4062179822
フォーマット
出版社
発行年月
2012年10月
日本
追加情報
:
205p;20

内容詳細

二度と還らない友情のきらめき、そして痛み。
純粋さゆえに傷つけあう少女の関係を描く表題作と「水の花火」を収録する珠玉の小説集!

主人公の私=雪子は中学2年生。以前通っていた女子校に馴染めず、東京の中学校へ編入してきた。そのクラスで出会った本好きの少女・七緒に誘われて美術部に入り、予測のつかない彼女の言動に翻弄されながらも、きらめくような日々をともに過ごす。しかし次第に七緒がクラスから浮いていること、その言葉にウソが混じっているらしいことに気づき始める。美術教師の突然の死やカウンセラーとの関わりの中で、ふたりが共有した真実と嘘の間で揺れ動く私。やがてある事件を経てふたりは疎遠になっていく……。

●七緒のために
●水の花火

【著者紹介】
島本理生 : 1983年東京生まれ。2001年、「シルエット」で群像新人文学賞優秀作受賞。’03年、「リトル・バイ・リトル」が芥川賞候補となり、同年、史上最年少の20歳で第25回野間文芸新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 有 さん

    渦中にいるときには気が付けない。この頃の私も、自分の痛みには敏感なのに、他人を無自覚に傷付けていた。七緒と同じ歳だったら、彼女の抱えるものの一欠片もわからなかっただろう。どうして嘘をつかなければいけないのか、それを知って何が出来るのか。傷付け合って共に落ちたい訳じゃない、正義感を押し付け優位に立ちたい訳じゃない、伝わらない思い。ただ同じ目線で、同じものを見たいだけなのに。苦悩へ押し入られる苦しみと、苦悩へ押し入る苦しみは等しいと水の花火で語られるがそれでも、耐えられず途切れる儚さが今、ここに渦巻いている。

  • うしこ@灯れ松明の火(文庫フリークさんに賛同) さん

    女子高から共学に編入してきた雪子は七緒という少女と仲良くなった「七緒のために」。結婚した姉が夏休みに姪を連れて帰省した「水の花火」。全2話。この本のことを一言で表すのはとても難しい。ただ何かにひどく囚われていて、その呪縛から逃れられない感じ。もし思春期の時にこの本と出会っていたら、何だかグルグルしてしまいそうです。「七緒」はとても痛々しくて読んでいてとても辛い。でも最後まで読んでしまう不思議な話でした。「水」の方が私好みの話かな。話の雰囲気が好き。★★★★

  • chiru さん

    このテーマは『よく知ってる世界』だからか、感想が難しいです。 主人公たちは、他者の視線を意識して、残酷にも最低にもなり、傷ついても傷を隠す普通の10代の女子。 脆くて壊れそうな友情をつなぎとめるため、エネルギーを『嘘』に費やす子って必ずクラスにいました。 友情も恋愛も、惹きあう関係に『理由』が介在しないのが本物だと思うし、嘘つきだから惹かれなくなるというのも違う。 孤独とその本質に気付く主人公が成長する姿に感動しました。 ★3

  • ひめありす@灯れ松明の火 さん

    七緒、貴方は今何処にいますか。七緒という美しい名は捨て、只の凡俗な女になり下がってしまったのでしょうか。あの十四歳限定ともいう病。嘘をつき虚言で身を堅め、そしてその嘘ごと貴方を受け入れ、疎みながら、呪いながら、それでも寄り添わなくてはなくては生きてゆけなかったあの日々。貴方の偽りを花びらをのように一枚一枚毟り取り、踏みつけたとしてもそこには何も存在しない。嘘があっての貴方だったと、絶望的な痛みと喪失感の中に思い知る。今は独りで歩む広い鏡面、足元の影に貴方の姿をふっと見つける。七緒の為、と嘯く私の為の嘘を。

  • おかむー さん

    男性との愛憎に翻弄され傷ついてゆくいつもの島本理生とはちょっと毛色の違った、女同士の友情を軸とした二篇の物語(愛憎もあるけどね)。『よくできました』。痛々しく孤立する七緒の視点ではなく、その友人・雪子の視点からの描写が新鮮かと思いきや、次第に雪子自身の虚ろさや痛みも現わになる表題作は、終盤で意味合いが掴めない含みのある描写がちと難解。『水の花火』は傷を負い、惑いながらも島本作品にしては比較的穏やかな結末。というか猫を出してしまったらさすがの島本節も柔らかくならざるをえなかったのか(笑)

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