基本情報
内容詳細
「レトリックの戦場で僕は之から戦おうと思ふ」―戦後を代表する『雑種文化』や『日本文学史序説』で知られる作家・加藤周一は、その青年期にヴァレリーをはじめとするフランス文学の論者として活躍した。ロマン・ロランやレジスタンス文学を経て、パリ留学後のサルトルまで、加藤はフランス文学から受け継いだレトリックを磨き、日本文化論へと応用していった。稀代の知識人の軌跡をフランス文学との関わりに焦点を当てて検証し、外国文学を読むことの意義を探る一冊。
目次 : 序章 フランス文学者としての加藤周一/ 第1章 ヴァレリーと象徴主義(戦争とヴァレリー/ 押韻詩の挑戦/ 反ロマン主義としての「象徴主義的風土」/ 『道化師の朝の歌』と象徴主義/ ヴァレリーから離れて)/ 第2章 理性の文学(反翻訳主義/ 世界文学としてのフランス文学/ 「新しき星菫派」と「我々のマンドリン」/ 理性・人間性・人民/ 一八世紀的理性)/ 第3章 抵抗の文学(『ウーロップ』誌の周辺/ レジスタンス文学/ 『ある晴れた日に』と戦争責任)/ 第4章 フランスで考えたこと(「人道の英雄」における植民地主義批判/ 『運命』におけるフランスとの決別/ 現代フランス文学論の終焉」/ カトリシズムの問題とシモーヌ・ヴェイユ/ ヴァレリーからサルトルへ)/ 第5章 『日本文学史序説』とフランス文学史(文学史の構想/ フランス文学史の方法/ シナ語・日本語/ラテン語・フランス語/ 作品としての『日本文学史序説』)
【著者紹介】
岩津航 : 金沢大学人間社会研究域教授。パリ第4大学で博士号取得。専門はフランス文学・比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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