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百鬼夜行絵巻の謎 集英社新書

小松和彦

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784087204728
ISBN 10 : 4087204723
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2008
Japan

Product Description

新発見の絵巻をオールカラーで本邦初公開!
2007年夏、それまでの定説を完全に覆す画期的な絵巻が発見される。そして著者は、内外に知られる「百鬼夜行絵巻」すべてを精査し、その成立と系統の謎を解明していく。宮部みゆき氏推薦!

Content Description

二〇〇七年七月、画期的な絵巻「百鬼ノ図」が発見される。この新発見の絵巻の登場によって“謎”だらけといわれてきた百鬼夜行絵巻のミステリーが一気に解け、これまでの定説は完全にくつがえることになったのである。著者は、国内外にある百鬼夜行絵巻の伝本六十余の画像をすべて収集、それらの詳細な分析により、絵巻の成立と系譜の全容の解明をはたす。この発見と研究のプロセスを収録した本書は、妖怪研究第一人者による、百鬼夜行絵巻研究の決定版である。本邦初公開の「百鬼ノ図」をはじめ、初紹介の伝本多数をカラーで掲載。

目次 : 第1章 すべては日文研本「百鬼ノ図」から始まった!(「百鬼ノ図」と中世/ 次々にわかってきたこと)/ 第2章 「謎」だらけの百鬼夜行絵巻(「謎解き」の歴史/ 本格的な「謎解き」)/ 第3章 百鬼夜行絵巻の全諸本が分類できる(四つの系統がある/ 組み合わせの着眼点)/ 第4章 妖怪イメージ誕生の秘密(擬人化と妖怪/ 戯画から妖怪へ/ 妖怪の出現を描く)

【著者紹介】
小松和彦 : 1947年、東京都生まれ。国際日本文化研究センター教授。埼玉大学教養学部教養学科卒業、東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程修了。専門は文化人類学・民俗学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    どうしてこんな陳腐なタイトルにしたのだろうかと思う。著者の小松和彦は、この分野および妖怪研究の第一人者であり、民俗学の最前線で活躍している人。また本書の内容も、一般向けに分かりやすく書かれているとはいえ、百鬼夜行絵巻に関する従来の通説の根底からの見直しを迫るものだ。しかも、現在所在の明らかになっている60種以上に及ぶ百鬼夜行絵巻のすべてをデータベース化することで、詳細な検討を行っている。その核になっているのが、最近になって日文研が入手した絵図だ。それにしても、この分野でも何点もが海外に流出していたとは。

  • tamami

    『百鬼夜行絵巻』という絵巻物の存在、正式な名称を本書で初めて知りました。初読の感想は、日本にはこんなに面白いものがまだまだあるんだ、というものでした。本書刊行の目的は、著者によれば現在数十種類?は伝世している絵巻の伝本、異本の系統の整理だそうですが、何、細かなことは研究者に任せておいて、まずは総カラーで描かれた百鬼夜行の姿を楽しむことかと。『鳥獣人物戯画』また『稲生物怪録』、近くは水木しげるの漫画や宮崎駿の『平成狸合戦』に出てくるような妖怪変化の類いが、日本文化の遺産の一つとしてあることを素直に喜びたい。

  • テツ

    深夜に徘徊する鬼や妖怪の群れ。百鬼夜行。残された数々の百鬼夜行絵巻をカラーで収録しつつ懇切丁寧な説明もしてくれている全国千二百万人の百鬼夜行ファン(いるのか?)垂涎の一冊。夜道で行き合えば生命を奪われると当時は説明されていた彼らも絵にしてしまえばシンプルな鬼や動物が化けた妖怪、器物が変じた付喪神まで多種多様な存在が入り混じり邪悪で怖しいという感じはしない。こうして文字や絵で記された瞬間に怪異からは大なり小なり異なれど神秘は削られてしまうんだろうな。もう今は絶滅してしまった百鬼夜行。在りし日の姿を眺めよう。

  • ゆきこ

    様々な百鬼夜行絵巻をカラーで、しかも新書で楽しめるという、とても贅沢な一冊でした。まるで博物館に行って小松先生の解説を聞きながら絵巻を鑑賞しているような、そんな気分になりました。日文研本の黒雲シーンが謎めいていて特に印象に残りました。今後新たな絵巻の発見によりさらに研究が進むことを期待します。

  • Kikuyo

    新発見の「百鬼ノ図」をはじめすべての百鬼夜行絵巻を掲載、ハンディサイズでコンパクトにまとまってます。絵巻の成立から謎解きまで。黒雲渦巻く怪しい魔物や、角のある動物に乗る異形のもの、どこかコミカルで可愛い(?)妖怪たち。その可愛さは鳥獣戯画にも通ずるところがあって味わいがあります。

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