手塚治虫と戦時下メディア理論 文化工作・記録映画・機械芸術 星海社新書

大塚英志

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065144763
ISBN 10 : 4065144760
フォーマット
出版社
発行年月
2018年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
牧野守 ,  
追加情報
:
461p;18

内容詳細

戦後に花開いた日本映画の担い手たちは、元をたどれば共通の歴史的・文化的体験を有している。東宝が映画を用いて行った戦時下の「文化工作」もその一つであり、あの手塚治虫もまた、それら先鋭的な映画理論やロシア・アヴァンギャルド運動を貪欲に吸収した人物であった。本書では、種々の新史料の発見を通じて、手塚をそれら戦時下のメディア理論の文脈から新たに捉え直すことで、彼の戦後の営みを再解釈せんとするものである。執筆にあたり助力を得た映画史家・牧野守氏の貴重なインタビューや、氏が執筆したTVアニメ『鉄腕アトム』幻の第一話脚本も収録。

目次 : プロローグ 『アトム』は何故「文化映画」の夢を見たのか/ 第1章 東宝プロデューサー松崎啓次の「文化工作」―偽装中国映画『椿姫』から実写版『アトム』へ/ 第2章 まんが記号説はエイゼンシュテインから生まれた/ 第3章 手塚版『罪と罰』は「ストーリーまんが」の実験だった/ 第4章 「日本」はいかにして「映画的」になったか/ 第5章 マルチプレーンとレイヤーのジャポニズム/ 第6章 空想から機械へ―中野重治と科学という転向/ 第7章 機械芸術論と占領下の『スーパーマン』/ 付章 牧野守インタビュー 映画史家・牧野守とアニメ『鉄腕アトム』幻の第一話シナリオをめぐって/ 資料 牧野守脚本『鉄腕アトム』第一話「フランケンシュタインの巻」

【著者紹介】
大塚英志 : まんが原作者・批評家。1958年東京都生まれ。まんが原作者としての近作に『クウデタア“完全版”』『恋する民俗学者』、海外のまんがアニメ研究者の日本語による投稿論文に門戸を開く研究誌『トビオクリティクス』を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ぐうぐう さん

    『手塚治虫と戦時下メディア理論』は、過去十年ほど、大塚英志があちこちの媒体に掲載した評論を改稿し、一冊にまとめたものである。複数の短い評論が一本の長い評論になるとは、それだけ大塚の主張が、少なくともここ十年、ぶれていないことの表れだ。要点はシンプルで、戦後の手塚漫画が、戦時下の映画理論、文化工作の影響を受けて誕生したとする説が繰り広げられている。大塚の著書に接してきた読者には、お馴染みの理論だ。(つづく)

  • 田中峰和 さん

    鉄腕アトムや手塚治虫が戦前の軍国教育の賜物なのがよくわかる。巻末でインタビューを受ける牧野守は、戦時下の思想教育の一環で強化された記録映画、文化映画のスタッフだった人物。鉄腕アトムの実写版では助監督、アニメ版でシナリオを依頼されるも没にされる。実写版がアニメに先行したことが認識できたが、戦時下と呼ばれるのが、15年戦争と著者が繰り返すような長期間だったことに驚く。少年向けの漫画や映画にしても、科学技術に対する憧れをもたせ、国力増強に利用した者。その影響をうけたのが手塚本人だ。北朝鮮はその路線のママなのだ。

  • いか さん

    無理を感じる憶測も多いが、面白い情報も多く、「機械化」といった視点の取り方もかなり魅力的。その分、なぜそこまでして手塚の話ということにするのか、大塚英志らしいが…。明らかな誤植が多く、特に書き下ろしの第1章は一文に同じ副詞句が二度出てくるなど読みにくい文章が多い。以前読んだものもそうだったが、星海社新書はあまり校正しないのだろうか。

  • Y.C.STUPID さん

    手塚治虫が映画理論を実践して創作していた可能性を突き止めていく下りが楽しい。歴史に埋もれた作者たちの文化工作者としての一面が浮かび上がる圧巻の論考。

  • 山盛元気 さん

    すごく面白かった。ただ残念なのは手塚の直接的な映画理論への言及がとれていないから全て推測にすぎないこと。状況証拠的に戦時下映画理論から影響受けたのは間違いないだろうが著者が言うほどかは留保すべき。とくに今村の流線的モンタージュと新宝島改訂版の関係性は眉唾物。そしてレイヤー構造の映画理論からの発見は流石にむりくり感が。だってそもそもエイゼンシュタインがそんなこと言ってないからね。ただスーパーフラットの方が適当だし著者の言うように何故海の新兵でマルチプレーンを選んだのかはもっと研究対象にすべき あと牧野守凄い

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大塚英志

1958年生まれ。まんが原作者・批評家。まんが原作者としての著書は永山則夫をモデルとした『アンラッキー・ヤングメン』(藤原カムイ作画)など自作ノベライズを含め100冊近い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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