Nの廻廊 ある友をめぐるきれぎれの回想

保阪正康

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065306932
ISBN 10 : 4065306930
フォーマット
出版社
発行年月
2023年03月
日本
追加情報
:
264p;20

内容詳細

昭和二十七年春、札幌の中学に通うため汽車に乗った二人の少年は、三十年余を経たのちに再会する。ひとりは気鋭のノンフィクション作家になり、ひとりは学生運動の闘士から経済学者、さらには保守的思想家へと転じていた。それからまた三十年、突然の別れがやってくる…。

【著者紹介】
保阪正康 : 1939(昭和14)年、北海道生まれ。現代史研究家、ノンフィクション作家。同志社大学文学部卒業。1972年、『死なう団事件』で作家デビュー。2004年、個人誌「昭和史講座」の刊行など、一貫した昭和史研究の仕事により菊池寛賞を受賞。2017年、『ナショナリズムの昭和』(幻戯書房)で和辻哲郎文化賞を受賞。近現代史の実証的研究をつづけ、これまで約4000人から証言を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 踊る猫 さん

    なぜ「N」と名前を隠すのか解せなかったのだけれど、ぼくなりの解釈を語るならどうしたって実名を明かすと(まさに本書に登場するさまざまな乱暴な読者のように)彼の最期や彼の『朝生』でのパフォーマンスに目が行った「大文字の」ノンフィクションとして読まれかねないからではないだろうかと思った。そうした読みを拒む、もっと「小文字の」友情の形を記した交遊録としてささやかに読まれたいというスタンスをぼくは感じる(それでいて、彼に対する畏敬の念を忘れない「背筋が伸びる」1冊とも思った)。そのスタンスにこそぼくは畏敬の念を抱く

  • ピンガペンギン さん

    Nとは西部邁氏。北海道で13歳と14歳の頃からの近い友人だった著者が思春期と西部さんが東大教授を辞めて評論、テレビなどで活躍したものの多摩川で自裁する晩年までの時間を行ったり来たりする回想の記録だ。著者は昭和史の専門家で西部さんと思想的にかなり違うが、ルールを決めて気持ちよく付き合えるようにしていたという。一人称が僕なので若い人が語っていると錯覚しそうだが、発表は80歳を過ぎてからで、どうしても書かないといけない書だったと思われる。特に二人が汽車で越境通学をしていた思い出が繰り返し語られる。

  • ほんままこと さん

    筆者とN(西部邁)は13歳の時から汽車で一緒に越境通学をする関係という意外性がこの本のインパクトだ。これを読むと人間は子供の頃からその本性が決定されていて、それがその後の人生を決めるということを感じる。その子供がその後出会った歴史的、社会的状況に、その人の本性が反応して行動が生じるのだ。社会の方により多くの欺瞞を見出すうちにNは孤立し、同志であった妻の死によって自死に向かった。保阪氏は友情によってNの、人生を生きることの痛ましさを見出し、哀悼を捧げていると思う。西部邁の文体、文章はかねてより好きだった。

  • NAGISAN さん

    著者は、中学時代の越境通学で行動を共にし、N(西部邁)氏から大いに影響を受け、成人して以降も心の友というべき関係を保つ間柄で、それだからこそ書けた書。マスコミの営業に利用されていると分かっていながらも演じ、「ありきたりの批判」に激高し、現実に向き合う姿勢の確立を訴えたN氏。後年、編集者など交流の人々を若手に代え、自身の人生を一変させ、育成に切り替えた。N氏の死は自殺ほう助に注目されたが「自裁死」としての評価は少ない。個人的に『ソシオ・エコノミックス』に影響を受けたが、その他の言論も読みたいと思わせられた。

  • たっちゃん さん

    この本が、図書館の郷土資料コーナーにあった。 一昔前の札幌の風景がよく描写されているとともに、著者の友人Nに対する尊敬と親愛の思いがよく理解できる。 ・人生とはあるものを探し出す旅といったN ・学生運動とN ・奥さんに支えられてたN

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