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なぎさホテル

Shizuka Ijuin

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784093863063
ISBN 10 : 4093863067
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2011
Japan

Product Description

湘南逗子海岸に建っていた伝説の「なぎさホテル」を舞台に作家・伊集院静が誕生していくまでの7年半余りを綴った自伝的随想15章。

「私が作家として何らかの仕事を続けられて来たのは、あのホテルで過ごした時間のお陰ではなかったか、と思うことがある」〜伊集院氏が作家としてデビューする前から数年間にわたり暮らしていた伝説の「逗子なぎさホテル」。湘南海岸に建ち、クラシックホテルとして名高かった名門ホテルも、平成元年に幕を閉じ、いまは跡形もない。東京での生活に疲れ、人生に絶望した時、ふとしたきっかけでこのホテルに住むことになった私。そのいきさつから、作家デビューしていく過程、宿泊代を取らずに支えてくれたI支配人のこと、ホテルで出逢った不思議な女性や人々との心温まる交流など、作家を生業としていくまでの苦悩や青春の日々が綴られている。全てを静かに受け入れてくれるホテルを舞台に「夢のような時間」の中で若き日の私が感じたものは何だったのか。これまで描かれることのなかった青春の日々、彷徨しながらも大人の男へと歩んでいくひとりの青年の姿が、鮮やかに浮かびあがってくる。以前から交流のあった写真家・宮澤正明氏がホテル取り壊し直前に撮影していたモノクロームの秘蔵写真をふんだんに織り交ぜながら、まさに幻の「夢の中のホテル」が時代を超えて蘇る。

Content Description

苦悩する若者を温かく受け入れ、家族のような目で見守ってくれた伝説のホテルとその人たち。絶望から再生へ、作家・伊集院静が誕生するまでの7年余りを初めて綴った自伝的随想15章。

目次 : 白い建物/ ワンピースの女/ 夜の海/ 波頭/ 借金/ 追憶/ 最終選考/ 転機/ 湯煙りの中で/ プレゼント/ オンボロ船/ 潮風/ 帰郷/ 変わる季節/ 正午の針

【著者紹介】
伊集院静 : 1950年、山口県防府市生まれ。立教大学文学部卒業。81年「皐月」で作家デビュー。91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、翌年に『受け月』で直木賞を受賞。その後も『機関車先生』で柴田錬三郎賞、『ごろごろ』で吉川英治文学賞を受賞する。作詞家としても、1987年『愚か者』で日本レコード大賞を受賞するなど活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • おしゃべりメガネ

    読メのレビューをみて手にとりましたが、ココロにスッと染み渡る素晴らしい作品でした。作者さんの自伝的随想からなる15編で、作者さんの無名時代から「伊集院」さんになるまで過ごしたホテルでの暮らしを中心に描かれています。ホテルでの暮らしに7年という歳月をかけていますが、とにかく人格者である「支配人」と「副支配人」そして、そこで働く従業員さんの人柄あってこその成り立ちだと思います。海を見ながらの生活に安らぎを感じる描写が、なんとも穏やかで決して派手さはありませんが、ココロが落ち着く素晴らしい一冊になりました。

  • さと

    いいなぁ、伊集院氏の世界。文章の確立は論理的にではなく、生理的なものなのでは と述べる。彼の作品が読むというより感じる といった方がしっくりくるのも頷ける。アイデンティティも不確かなまま流れに身を任せ、そこに生きる人たちによって、伊集院静が掘り起こされてきた気がする。心のままに生きる彼の黎明期に立合った感あり。

  • ミーコ

    伊集院さんの作品は何冊か読んでいるのですが 売れるまでにこんな過去が有ったなんて知りませんでした。なぎさホテルで過ごした7年があるから 良い作品を生む作家さんになられたのですね。支配人さんとの出会いがあったから立ち直れた・・・ 人格者だった支配人さんと、皇居御用達の なぎさホテルが輝いて見えます。夏目雅子さんとのなれそめも初めて知りました。また伊集院さんの作品を読んでみたくなりました。

  • nonpono

    20代、文春のエッセイが大好きで、鎌倉を観光がてら、本書に出てくるK寿司の前を通ったことがある。妙にドキドキした気分に浸った。今の時代なら、Google先生のお知恵を拝借し、なぎさホテルの跡地も訪ねただろうか。エッセイのファンにおなじみの逗子なぎさホテルが一冊の本にまとまる。嬉しいかぎりである。やはりI支配人はすてきな大人だし、船を見に行く話も好きだし、懐かしい。リアルタイムでは東京で読んでいたわたしが、今、雪国でこたつで愛犬と密着しながら読んでいると聞いたら驚くかな。一つの本を間にしたわたしの流転を。

  • がいむ

    伊集院静の自叙伝的小説、というか随筆。身近な人を亡くしているせいか、淡々と描かれていながらも怒りや哀しみ、余韻のようなもの感じる作品。逗子なぎさホテルに住んでいた7年間。なぎさホテルの人たちとの交流には心があたたまります。「あなた何をやったって大丈夫。」と見守るI支配人。そんなにのんびりできた時代ではなかったはずだけど、きっと放っておけないような伊集院さんの人間的魅力なのでしょうね。敵も多いが味方も多い。夏目雅子さんについて触れた短い文に切なくなります。

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