ショスタコーヴィチ：未完のヴァイオリン・ソナタ、ヴァインベルグ：モルダヴィア狂詩曲、ハルトマン：葬送協奏曲、他　リヌス・ロート、ガヤルド、ガザリアン指揮

ショスタコーヴィチ：未完のヴァイオリン・ソナタ、ヴァインベルグ：モルダヴィア狂詩曲、ハルトマン：葬送協奏曲、他
リヌス・ロート（ヴァイオリン）、ホセ・ガヤルド（ピアノ）
ルーベン・ガザリアン指揮ハイルブロン・ヴュルッテンベルク室内管弦楽団
ショスタコーヴィチ幻のヴァイオリン・ソナタがついに日の目を見た！

SACD Hybrid盤。これは凄い！　2012年に出版されたショスタコーヴィチの未完のヴァイオリン・ソナタがついに世界初録音されました。1945年、交響曲第７番『レニングラード』とほぼ同時期に作曲され、第１楽章の２２５小節が残されていますが、まだ主題提示部だけで、もし全体が完成していたら『レニングラード』交響曲ばりの大曲になっていたといわれています。かつてシュニトケが補筆完成を依頼されたものの、あまりに特異な構成ゆえ断念したといわれます。ショスタコーヴィチ・ファンが聴きたくてたまらなかった作品でしたが、ついに日の目を見ました。内容的には『レニングラード』交響曲よりも交響曲第10番に近いどす黒い闇に満ち、興味津々です。
　オーケストラ伴奏の２篇も注目。ハルトマンの作品は「反ファシズム」とも呼ばれ、絶望感が全篇に漂います。反面ヴァインベルグの小協奏曲は陽性でエネルギーに満ち、ハルトマンと対照的に人生肯定な内容となっています。さらに嬉しいのが『モルダヴィア狂詩曲』。これはヴァイオリンとオーケストラのための技巧的で鮮やかな民族色に彩られた作品で、さながらヴァインベルグ版『ツィゴイネルワイゼン』。かつてオイストラフの独奏、作曲者自身のピアノ伴奏による古い録音がありましたが、最新録音は大歓迎。
　リヌス・ロートは1977年ドイツのラーベンスブルク生まれ。2006年ＥＭＩよりＣＤデビュー。歴史に埋もれた作曲家や珍品の演奏で注目を集めています。ヴァインベルグのヴァイオリン・ソナタ全集は特に重要で、これにより世界的に注目されました。ザハール・ブロンやアッカルドに師事し、2012年からはアウクスブルクの大学の「レオポルト・モーツァルト・センター」で教授を務めています。1703年製のストラヴディヴァリ「Dancla」を使用。（キングインターナショナル）

【収録情報】
● ハルトマン：葬送協奏曲 (1939)
● ヴァインベルグ：ヴァイオリン小協奏曲 Op.42 (1948)

　リヌス・ロート（ヴァイオリン）
　ハイルブロン・ヴュルッテンベルク室内管弦楽団
　ルーベン・ガザリアン（指揮）

● ヴァインベルグ：モルダヴィア狂詩曲 Op.47-3 (1948)
● ショスタコーヴィチ：未完のヴァイオリン・ソナタ (1945)

　リヌス・ロート（ヴァイオリン）
　ホセ・ガヤルド（ピアノ）

　録音時期：2015年1月22-24日
　録音場所：ドイツ、オッフェナウ文化催事会館「ザリーネ」
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　SACD Hybrid
　CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND