【ピアノ協奏曲第6番〜第1楽章より】
日本語解説付き
近年注目が高まるフェルディナント・リースのピアノ協奏曲全集
フェルディナント・リースは1784年にドイツ・ボンで生まれ、作曲家のみならずピアニスト、指揮者としても幅広く活躍した人物です。ベートーヴェンにピアノを師事し、晩年には師に関するエピソードを綴った「覚書」を執筆するなど、ベートーヴェンの伝記の中にはよく登場しますが、彼自身の作品については長らく忘れられていました。しかし存命時には「作曲家&ピアニスト」として驚くほどの人気を獲得、その生涯の終り近くまでヨーロッパ全土で名手としての知名度を欲しいままにしていたリースのこと、その作品も見事なものばかり。フンメルやモシェレスを思わせるヴィルトゥオーゾ風パッセージが盛り込まれた美しい旋律、ベートーヴェン風の力強さを持つオーケストラ・パート、ショパンを予見させるようなロマンティックな味わいを持つ緩徐楽章などどれも創意工夫に溢れています。
クリストファー・ヒンターフーバーとウーヴェ・グロットによって足掛け6年を掛けて完成されたこの協奏曲全集には、ピアノ協奏曲全8曲をはじめ、リース自身のテクニックを誇示するために作曲されたであろう「ロンド」や「変奏曲」などの演奏会用の曲など、リースがピアノとオーケストラのために書いた全ての作品を収録!
リースの協奏曲は、ヴァイオリンとピアノを合わせて附番されているため、第1番はヴァイオリン協奏曲となりこのボックスには収録されておりません。
国内仕様盤には、リースに関する著作があるかげはら史帆氏による日本語解説が付属します。
「ご存知だろうか? ベートーヴェンの『ピアノ協奏曲第5番「皇帝」』と、ショパンの『ピアノ 協奏曲第2番』『第1番』との間に約20年の空白があることを。その狭間の時代を生き、全8作のピアノ協奏曲を世に送りだした音楽家──彼の名はフェルディナント・リース(1784-1838)。ベートーヴェンから薫陶を受けた弟子である彼が目指したのは、「芸術性と名人芸」 を融合したハイブリッド型協奏曲だった! ナポレオン戦争下の危険な演奏旅行、大都会ロン ドンでの奮闘と挫折、故郷ラインラントへの愛。波乱万丈の音楽人生を彩る8つの綺羅星を、 ロスト・ジェネレーションの遺物として捨て置くのはあまりにもったいない。リースを自身の 「ソウルメイト」と語るピアニスト、クリストファー・ヒンターフーバーが愛情をこめて奏でる、世界初にして唯一のピアノ協奏曲全集。」〜ライター/かげはら史帆〜(輸入元情報)
【収録情報】
リース:ピアノ協奏曲全集
Disc1
● ピアノ協奏曲第8番変イ長調 Op.151『ラインへの挨拶』
● ピアノ協奏曲第6番ハ長調 Op.123
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
ニュージーランド交響楽団
ウーヴェ・グロット(指揮)
録音時期:2005年2月1-3日
録音場所:ニュージーランド、ウェリントン、マイケル・ファウラー・センター
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc2
● スウェーデン国民歌による変奏曲 Op.52
● 序奏とポロネーズ Op.174
● ピアノ協奏曲第3番嬰ハ短調 Op.55
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
イェブレ交響楽団
ウーヴェ・グロット(指揮)
録音時期:2006年1月10-13日
録音場所:スウェーデン、イェブレ・コンサート・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc3
● ピアノ協奏曲第7番イ長調 Op.132『イングランドでのお別れコンサート』
● 『ルール・ブリタニア』による大変奏曲 Op.116
● 序奏と華麗なる変奏曲 Op.170
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
ウーヴェ・グロット(指揮)
録音時期:2007年1月9,10日
録音場所:リヴァプール、フィルハーモニック・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc4
● ピアノ協奏曲第5番ニ長調 Op.120『田園風』
● ピアノ協奏曲第4番ハ短調 Op.115
● 序奏と華麗なロンド WoO.54
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
ボーンマス交響楽団
ウーヴェ・グロット(指揮)
録音時期:2008年6月2,3日
録音場所:イギリス、プール、プールズ・センター・フォー・ジ・アート、ライトハウス
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
Disc5
● ピアノ協奏曲第2番変ホ長調 Op.42
● 序奏と華麗なロンド Op.144
● ピアノ協奏曲第9番ト短調 Op.177
クリストファー・ヒンターフーバー(ピアノ)
ニュージーランド交響楽団
ウーヴェ・グロット(指揮)
録音時期:2011年9月12-14日
録音場所:ニュージーランド、ウェリントン、マイケル・ファウラー・センター
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
輸入盤国内仕様(日本語解説付き)
【クリストファー・ヒンターフーバー】
1973年オーストリア生まれ。ウィーン国立音楽演劇大学にてアレックス・パペンベルグ、ルドルフ・ケーラー、ラザール・ベルマン、アヴォ・クユムジャン、ハインツ・メジモレックらに学び、その後イモラ国際ピアノ・アカデミーにて、オレグ・マイセンベルグとウラディーミル・アシュケナージの指導を受け、さらなる研鑽を積みました。ライプツィヒで開催されたバッハ国際コンクール、ザールブリュッケン国際バッハ・ピアノ・コンクール、プレトリア国際コンクール、チューリッヒのゲザ・アンダ国際コンクール、ウィーンの国際ベートーヴェン・コンクールなどに入賞、2002/03年のシーズンにはパトリツィア・コパチンスカヤと共演し世界的名声を得たほか、数多くの指揮者、オーケストラと共演し高い評価を受けています。2010年からはウィーン国立音楽演劇大学にて教授として後進を指導、また室内楽の演奏にも積極的です。(輸入元情報)
【ウーヴェ・グロット】
1958年生まれのニュージーランドを拠点とするフルーティスト・指揮者。ヨハン・バプティスト・ヴァンハルの交響曲のCDがカンヌ・クラシックアワード2000の「ベスト18世紀オーケストラ録音」で最優秀賞を受賞するなど古典派作品の演奏に定評があります。(輸入元情報)