CD 輸入盤

歌劇『友人フリッツ』全曲 アラーニャ、ゲオルギュー、ヴェロネージ&ベルリン・ドイツ・オペラ管

マスカーニ (1863-1945)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4778358
組み枚数
:
2
レーベル
:
Dg
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

舞台裏効果にも注目のオペラ
マスカーニ歌劇『友人フリッツ』
アラーニャ&ゲオルギューの共演盤


【マスカーニの不遇な傑作】
プッチーニより5歳年下ながら、1890年、『カヴァレリア・ルスティカーナ』の大成功によって、若くして有名になったマスカーニが、翌1891年に書いたオペラがこの『友人フリッツ』。アルザスを舞台にした「登場人物の死なない」オペラは、ヴェリズモ・オペラというには牧歌的に過ぎるためか、上演の機会もそれほど多くなく、レコード会社による録音も少なく、今回のDG盤はパヴァロッティのEMI盤以来、実に40年ぶり(!)のメジャーからの登場ということになります。
 しかし、音楽そのものには聴きどころが多く、後年の『道化師』や『ボエーム』にも影響を与えたと思われる部分や、『カヴァレリア』同様、舞台裏の音響を効果的に用いた手腕の卓抜さ、マスカーニならではの情熱的な旋律の美しさなど、聴かずにおくにはもったいないような優れた部分も多い作品と言えるのではないでしょうか。

【演奏会形式でのライヴ・レコーディング】
このアルバムは2008年9月にベルリン・ドイツ・オペラでおこなわれた演奏会形式での上演をライヴ・レコーディングしたものです。演奏会形式でのオペラ上演は、オーケストラがステージ上に置かれるため、サウンド面での仕上がりがセッション録音と同じように情報量の大きなものになるという特徴があり、未知の作品を隅々まで音楽的に味わうには最適なスタイルともいえます。実際、ここでも歌手・合唱・オーケストラのすべてが鮮明なサウンドで聴きとれ、加えて音質が優秀なため、舞台裏効果などもきちんとわかるのが大きなポイントともなっています。
 演奏は、プッチーニ音楽祭の音楽監督を務めるイタリアの実力派アルベルト・ヴェロネージを指揮者に迎え、オーケストラとコーラスをベルリン・ドイツ・オペラの面々が担当したもので、歌手陣には、ロベルト・アラーニャとアンジェラ・ゲオルギュー夫妻や、近年活躍が著しいラウラ・ポルヴェッリやゲオルゲ・ペテアンなど豪華キャストを配するという万全の体制でおこなわれています。

【オペラの内容】
第1幕
舞台は19世紀末のフランス、アルザス地方の地主、フリッツ・コブスの屋敷。フリッツは資産家の地主で、恋愛や結婚を否定する考えの独身主義者。誕生日を迎えた彼のもとを訪れたダヴィッドは、村の貧しい娘たちの結婚を世話することに熱心な司祭で、この日もフリッツのもとに、ある貧しい娘の持参金を貸してくれるようお願いに来ていました。これに快く応じたフリッツは、誕生日の宴を始めることにし、そこにヒロインの小作農の娘、スーゼルが花束を届けにやってきます。
 宴の音楽はベランダでジプシーの少年が奏でるヴァイオリンによって開始されますが(トラック5)、ここが実にユニーク。まずチューニングによって開始され、名高い間奏曲にも使われた美しい旋律が延々3分半も演奏されるのです。ヴァイオリンを聴いたスーゼルは美しさに涙を流し、それを見たフリッツは心を動かされてしまいます。
 オペラのキーになる重要なシーンですが、マスカーニの巧みな「舞台裏」の使い方は、『カヴァレリア・ルスティカーナ』冒頭の独唱と同じく忘れ難い印象を残します。
 ソロが終わるとにぎやかな乾杯となり、今度は司祭はスーゼルにも結婚を世話したいと言い出し、彼女に心動かされたばかりのフリッツは、それが面白くありません。そして司祭は当のフリッツにもそろそろ結婚を考えてみたらどうかと話をしますが、フリッツはこれを断り、彼がもし結婚をした場合には、司祭にブドウ園を与えるという賭けまでしてしまいます。幕切れはフリッツの誕生日を祝いに訪れた孤児たちが施しを受けるという場面で、どこか『道化師』や『ボエーム』を思わせる雰囲気の音楽となっています。

第2幕
舞台は農園。畑のサクランボが熟し、スーゼルは、地主のフリッツが見回りに訪れるのを待っています。この場面も、マスカーニの「舞台裏」の使い方のうまさが映えるシーンで、サクランボ畑で働く女たちの合唱が遠くから聞こえる美しい音楽は非常に魅力的(トラック12)。
 やがてフリッツがやって来ると、スーゼルは花を渡して、二人でサクランボを摘み、フリッツはあらためてスーゼルの美しさに気付きます。後から来た友人たちは、いつになくフリッツの顔が輝いていることに驚きます。
 フリッツ一行が農地を見まわる間、残ったスーゼルに対して、司祭のダヴィッドは、旧約聖書のレベッカの物語を聞かせます。スーゼルの結婚への気持ちを確かめるためですが、ちょうど話がレベッカの返事の場面に来た時、フリッツが戻ってきます。スーゼルは、偶然の出来事に動揺し、頬を染めて駆け去ってしまいます。
 それを見た司祭ダヴィッドは、スーゼルはまもなく結婚するだろうとフリッツに告げると、フリッツは激昂して彼を追い払ってしまいます。まだ恋愛や結婚を否定する考えのフリッツは、混乱したまま農地を後にします。
 幕切れは再び「舞台裏」効果。サクランボ畑で働く女たちの合唱が遠くから聞こえる中、スーゼルはフリッツに挨拶もせずに駆け去ってしまった自分の非礼を後悔して涙ぐみます。

間奏曲
『友人フリッツ』の名がオペラ本編の人気とは関係なく、なぜかよく知られているのはこの見事な間奏曲のおかげ。第1幕のベランダの音楽などを効果的に用いた情熱的な美しさにあふれた素晴らしい音楽です。

第3幕
舞台はフリッツの屋敷。フリッツは、スーゼルを愛し始めていることに気づきますが、そこに司祭ダヴィッドがやって来て、スーゼルの結婚が決まったようだと話します。フリッツは取り乱し、怒って部屋を出て行ってしまいます。そこに、スーゼルが果物を届けに訪れます。司祭ダヴィッドは、フリッツへの非礼を悔いて元気のないスーゼルを励ましますが、フリッツを待つ間も、スーゼルの心は晴れません。
 やがて部屋に戻って来たフリッツは、スーゼルに対して、結婚話が決まったのかと問いかけます。すると彼女が泣き出すので、フリッツは思わずスーゼルを抱きしめ、ついに彼女への愛を告白します。
 司祭ダヴィッドは、フリッツとの賭けに勝って手に人れたブドウ園を、スーゼルに譲ると語り、フリッツと同じく独身主義の友人たちは、結婚を決めたフリッツをからかいながらも祝福するうちに幕。

【収録情報】
マスカーニ:歌劇『友人フリッツ』全3幕
 ロベルト・アラーニャ(テノール)
 アンジェラ・ゲオルギュー(ソプラノ)
 ラウラ・ポルヴェレッリ(メゾ・ソプラノ)
 ゲオルゲ・ペテアン(バリトン)
 ベルリン・ドイツ・オペラ合唱団
 ウィリアム・スポールディング(合唱指揮)
 ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
 アルベルト・ヴェロネージ(指揮)

 録音時期:2008年9月
 録音場所:ベルリン・ドイツ・オペラ
 録音方式:デジタル(ライヴ)

 プロデューサー:クリストファー・アルダー
 エンジニア:ヴォルフ=ディーター・カルヴァトキー

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Pietro Mascagni - L'Amico Fritz - Preludietto
  • 02. Pietro Mascagni - L'Amico Fritz / Act 1 - Ma Questa E Una Pazzia!
  • 03. Son Pochi Fiori
  • 04. Orsu, Vieni Tra Noi
  • 05. Chi Mai Sara?
  • 06. Laceri, Miseri
  • 07. Viva Lo Zingaro!
  • 08. Per Voi, Ghiottoni Inutili
  • 09. Il Suo Sermone E Splendido!
  • 10. Son Gli Orfanelli...
  • 11. Pietro Mascagni - L'Amico Fritz / Act 2 - Andantino Con Moto
  • 12. Ah, le Belle Ciliegie!
  • 13. Bel Cavalier, Che Vai Per la Foresta...
  • 14. Suzel, Buon Di.
  • 15. Tutto Tace
  • 16. Oh! Chi E Che Giunge?
  • 17. Vediamo un Po'!
  • 18. Faceasi Vecchio Abramo
  • 19. Come Va?
  • 20. Quale Strano Turbamento
  • 21. Fritz, Noi Partiamo
  • 22. Che Piu S'aspetta?

ディスク   2

  • 01. Pietro Mascagni - L'Amico Fritz - Intermezzo
  • 02. Pietro Mascagni - L'Amico Fritz / Act 3 - Tutto Ho Tentato...
  • 03. Buon Giorno, Fritz!
  • 04. O Pallida Che un Giorno MI Guardasti
  • 05. O Amore, O Bella Luce del Core
  • 06. L'Amico Fritz Fantastica d'Amore!
  • 07. Povero Fritz, l'Amore in Te Si Desta
  • 08. Non MI Resta Che Il Pianto
  • 09. Come S'e Fatta Pallida!
  • 10. Ah! Ditela Per Me, Quella Parola
  • 11. Amici, Ho Vinto! Ho Vinto!
  • 12. Tu Sposi, Fritz?

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