安部公房ファン必聴?の現代音楽
アルディッティ四重奏団のヴァイオリニストであり、現代音楽界きっての名手として名を轟かせているアーヴィン・アルディッティを迎えた1枚。デイヴィッド・フェルダーは1953年生まれでアメリカを代表する作曲家で、90年代にはバッファロー・フィルのコンポーザー・イン・レジデンスを務めていました。
『他人の顔』は安部公房のあの小説を基にした無伴奏ヴァイオリン作品。現代人のアイデンティティの危うさが浮き彫りにされ、即物的な恐怖に支配される世界のなか、僅かな抒情を残して消えていく何とも言えない後味の音楽です。
ストラヴィンスキーの『カルタ遊び』を連想させるタイトルの『タロット遊び』はタロットカードの大アルカナに基づく「魔術師」「愚者」「女司祭」「隠者」「女帝」「司祭」「月光」の全7楽章からなる作品。ヴァイオリンと、多彩な楽器による室内アンサンブルのために書かれています。
ヘブライ語の「道」をタイトルとした『ネティボト』は、「献身」「隠遁」「雲の柱と火の柱」の3楽章からなる弦楽四重奏曲。微分音を用いた難曲を完璧に演奏する四重奏団に注目です。(輸入元情報)
【収録情報】
フェルダー:
1. タロット遊び
2. ネティボト
3. 他人の顔
アーヴィン・アルディッティ(ヴァイオリン:1,3)
アルディッティ四重奏団(2)
ブラッド・ラブマン指揮、アンサンブル・シグナル(1)
録音時期:2017年3月29-31日、2018年6月6-9日
録音場所:ニューヨーク
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)