白い月が柔らかく枝にキスする〜歌曲集　ウルフ・ベストライン、チャールズ・スペンサー

白い月が柔らかく枝にキスする〜ツァイスル：歌曲集

ウィーンに生まれ、早くから音楽の才能を発揮、14歳でウィーン音楽院に入学し15歳で最初の歌曲を書いたという作曲家エーリヒ・ツァイスル。ウィーンで華々しい活躍を始めるも、ユダヤ系であった彼はナチスの侵攻に伴いニューヨークに亡命、ハンス・アイスラーの口添えでハリウッドにて映画音楽の作曲に携わります。いくつかの映画のために曲を書いたものの、製作主との主張の違いから存分に力を発揮することができなかったツァイスルは、『ヘブライ・レクィエム』などの宗教色の強い作品などを手掛けることで自身の方向性を見出していきます。
　このアルバムに収録された彼の歌曲はすべて1939年の亡命前に作曲されたものであり、どれも不協和音にも時折美しい響きが感じられる、後期ロマン派風の半音階的和声を伴う旋律が特徴です。また曲間に挿入された伝承曲の編曲については、書かれた年代は不明ですが、ツァイスル自身の作品とは違い親しみやすい曲調が耳に残ります。
「メロディは音楽の核心であり、メロディを構築することはできない。メロディは音楽的才能の本質である」と語ったというツァイスルのメッセージが込められた歌曲集、21曲が世界初録音です。（輸入元情報）

【収録情報】
ツァイスル：
1. 伝承曲：スウィング・ロー・スウィート・チャリオット（ツァイスル編）
2. 連作歌曲集〜第1曲『憧れのため息』
3. あなたが去ったので
4. 来たれ、聖なる夜よ
5. 死んだ労働者
6. 伝承曲：行け、モーゼ（ツァイスル編）
7. 静寂
8. ヴェール
9. 裏切り
10. 6つの歌〜第3曲『夜明け前の心地よいひととき』
11. そうだ、私は知っている、私がどこから来たのかは！（見よ、この人を ）
12. 伝承曲：小さなダヴィデ（ツァイスル編）
13. 連作歌曲集〜第5曲『そしてゆっくりと雨が降る』
14. Es spinnt sich ein, Stachlige Ballade
15. 6つの歌〜第4曲『叫び』
16. 連作歌曲集〜第9曲『切手』
17. 夕べの気分
18. 秋の歌
19. Ein buckliger Waisenknabe singt
20. Ich kann es nicht vergessen
21. 労働者
22. 雨
23. さすらい人の夜の歌
24. 明るい夜
25. 連作歌曲集〜第13曲『墓碑銘』
26. 伝承曲：Waterboy（ツァイスル編）
27. 連作歌曲集〜第3曲『最後の踊り、バラード』
28. 伝承曲：深い河（ツァイスル編）

　ウルフ・ベストライン（バリトン）
　チャールズ・スペンサー （ピアノ）

　録音時期：2022年1月3-6日
　録音場所：オーストリア、TONAL Studios Vienna
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　世界初録音（1-3,5-9,12,14,16-24,26,28）