マウリシオ・ソテロ:『エル・プブリコ』
マドリードのテアトル・レアル(王立劇場)で初演されたこの『エル・プブリコ』はフェデリコ・ガルシア・ロルカの戯曲に基づく挑発的な作品です。タイトルの「エル・プブリコ」とは視聴者の意味であり、1929年にロルカがニューヨークに短期留学していた頃に着想されたと言われています。
その翌年に大方のテキストが書き上げられたこの作品は、当時は禁じられていた「あからさまな同性愛者」エンリケが主人公に据えられています(これはロルカ自身がモデルであるとされています)。彼は長い間「友人」ゴンサロと関係を続けていますが、普段は同性愛を否定する立場を取り、表向きにはエレンという妻もいます。彼はゴンサロと会うときだけは自分自身でいられるのですが、様々な人々と関わりを持つにつれて、ついにはカミングアウトを決意するのですが・・・ロルカ作品の中でも最も難解で神秘的といわれる戯曲「エル・プブリコ」は、同性愛の問題をとりあげつつ、根底にはブルジョアに対する反抗の叫びが隠されています。
これを元に、アンドレス・イバニェスが台本を制作、スペインを代表する現代作曲家マウリシオ・ソテロが曲を付けた歌劇『エル・プブリコ』は、7人の歌手が歌う官能的な歌だけでなく、フラメンコもふんだんに使われるため、優れたダンサーの起用も必須とされています。そのため、登場人物には歌手に混じって、アルカンヘル、ヘスース・メンデス、ルベン・オルモ、カニサレスという、フラメンコの著名なアーティストたちの名前も見えます。
青と白を基調にした美しい舞台も必見。名作『血の婚礼』を凌駕する名作の誕生です。(輸入元情報)
【収録情報】
● ソテロ:歌劇『エル・プブリコ』全曲
監督(エンリケ)/ブドウの葉:ホセ・アントニオ・ロペス
第1の男(ゴンサロ)/鐘/赤い裸体:トマス・タツル
第1の馬:アルカンヘル
第2の馬:ヘスース・メンデス
第3の馬:ルベン・オルモ
第2の男/第1の白馬/百人隊長:ホセプ・ミケル・ラモン
第3の男/黒馬/羊飼:アントニオ・ロサノ
打楽器:アグスティン・ディアスセラ
ギター独奏:カニサレス
王立劇場合唱団
クラングフォルム・ウィーン
パブロ・エラス=カサド(指揮)
舞台監督:ロベルト・カストロ
衣装デザイン:ウォチェック・ジェジェツ
振付:ダレル・グランド・モールトリー
収録時期:2015年3月
収録場所:マドリード王立劇場(ライヴ)
収録時間:142分
画面:カラー、16:9、1080i High Definition
音声:PCM 2.0、DTS-HD master Audio 5.1
字幕:スペイン語、フランス語、ドイツ語、韓国語
25GB
Region All
ブルーレイディスク対応機器で再生できます。