現代オペラの大ヒット作、
シャリーノの『私の裏切りの瞳』
日本語字幕付き映像が登場!
サルヴァトーレ・シャリーノといえば、近年極めて人気の高い作曲家。1947年、イタリアのパレルモ生まれ。2012年1月には、コンポージアム2011「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」が催され、大きな話題となりました。
そのシャリーノの中で特に人気が高いのが、『私の裏切りの瞳』。1998年5月19日にシュヴェツィンゲン音楽祭で初演されるや、斬新な響きと舞台作品としての面白さが見事に融合した作品として大いに人気を博し、また小規模なことも幸いして、様々な都市で上演されました。たとえば大野和士がモネ劇場着任前に、いわば顔見せとして取り上げたのがこの作品でした。そして驚いたことに既に3種の全曲録音が発売されています。
物語は、ルネサンス期のイタリアの作曲家で貴族のカルロ・ジェズアルド[1566-1613]が、不貞をはたらいた妻とその愛人を殺した事実に基づいたもの。17世紀前半のイタリアの作家、ジャチント・アンドレア・チコニーニの作品を原作としています。物語としては、伯爵夫人と密通した客を伯爵が殺す、というだけのものです
が、伯爵と伯爵夫人の対話から心理を緻密に描写した点が優れています。
この映像は、2010年夏にイタリアのモンテプルチアーノで行われた上演で収録されたもの。フランクフルト歌劇場との共同制作のため、かなり力の入った上演です。伯爵のクリスティアン・ミードルは今非常に人気の高い若手バリトン。ドイツ南東部パッサウの生まれ。バロックから現代ものまで、シリアスな役もコミカルな役もこなせる優れた歌手です。伯爵夫人のニーナ・タランデクは、クロアチア出身のソプラノ、メッゾソプラノ。ここでの成功を受け、2011年5月にはマラスピーナ伯爵夫人をフランクフルトで歌い、大きな評判となりました。クリスティアン・パーデの演出は、16世紀風の衣装も取りいれつつもモダンさにも不足はない優れたもの。同時期の音声は他社からCDになっていましたが、この作品はやはり舞台としてみてこそ面白いでしょう。
嬉しい日本語字幕付です!(キングインターナショナル)
【収録情報】
・シャリーノ:歌劇『私の裏切りの瞳』全曲
ニーナ・タランデク(S マラスピーナ伯爵夫人)
クリスティアン・ミードル(Br マラスピーナ伯爵)
ロラント・シュナイダー(CT 客)
シモン・ボーデ(Br 召使)
アンサンブル・アルゴリトモ
マルコ・アンジュス(指揮)
演出:クリスティアン・パーデ
装置、衣装:アレクサンダー・リントル
照明:ジャンニ・トラバルツィーニ
収録時期:2010年7月29,31日、8月1日
収録場所:モンテプルチアーノ(ライヴ)
収録時間:本編69分、特典映像(メイキング)33分
画面:カラー、16:9
音声:PCM Stereo
字幕:伊英独仏日
NTSC
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