シェーンベルク(1874-1951)

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SACD 輸入盤

【中古:盤質A】 シェーンベルク:グレの歌、ルーセル:交響曲第3番 ピエール・ブーレーズ&BBC交響楽団、ニューヨーク・フィル(2SACD)

シェーンベルク(1874-1951)

中古情報

新品ジャケット
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:
A
特記事項
:
2枚組み,SACD(ハイブリッド)
:
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基本情報

ジャンル
カタログNo
2CDLX7367
レーベル
フォーマット
SACD
その他
:
輸入盤

商品説明

(こちらは新品のHMVレビューとなります。参考として下さいませ。中古商品にはサイト上に記載がある場合でも、封入/外付け特典は付属いたしません。また、実際の商品と内容が異なる場合がございます。)


ピエール・ブーレーズ/シェーンベルク:グレの歌

【収録情報】
● シェーンベルク:『グレの歌』


 ジェス・トーマス(テノール/ヴァルデマール)
 マリタ・ネイピアー(ソプラノ/トーヴェ)
 イヴォンヌ・ミントン(メゾ・ソプラノ/山鳩)
 ジークムント・ニムスゲルン(バリトン/農民)
 ケネス・ボーウェン(テノール/道化クラウス)
 ギュンター・ライヒ(語り)
 BBCシンガーズ
 BBCコーラル・ソサエティ
 ゴールドスミス・コーラル・ユニオン
 ロンドン・フィル合唱団の男声メンバー
 BBC交響楽団
 ピエール・ブーレーズ(指揮)

 録音時期:1974年10-12月
 録音場所:ロンドン
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)

● ルーセル:交響曲第3番ト短調 Op.42

 ニューヨーク・フィルハーモニック
 ピエール・ブーレーズ(指揮)

 録音時期:1975年12月
 録音場所:ニューヨーク、マンハッタン・センター
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)

 Remastered from the original analogue tapes by Michael J. Dutton
 Multi-ch Stereo
 All tracks available in stereo and multi-channel

 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND

ユーザーレビュー

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ルーセルの交響曲第3番は、LP時代(2021年1...

投稿日:2021/03/02 (火)

ルーセルの交響曲第3番は、LP時代(2021年1月にファリャと組み合わせてSACD化された)デュカス「ラ・ぺり」のカップリングされて発売されていたのだが、まるでオマケのような扱いで大いに不満である。 ブーレーズのルーセルは、アンセルメやクリュイタンスのような角を丸めた表現とは違い、冒頭からアクセントを強調し、この曲がヒンデミットの「画家マチス」オネゲルの「交響曲第1番」ストラヴィンスキー「詩篇交響曲」などと同時代の、表現主義から新古典主義へと変遷する時代の音楽として捉えて(つまりフランキスト的な文脈ではなく)演奏させている。 日本では、ルーセルと言えば、未だにフランクの使徒であったダンディの弟子という観点から「フランキストの作曲家」として紹介されるが(確かにルーセルは「循環形式」を活用していたのだが)実際に作曲家としては当時の流行に即して印象主義的な作品から表現主義、新古典主義とスタイルを変遷させており同世代のフランキスト、例えばマニャールやロパルツとは一線を画している。当時のモダニズム、つまり6人組などに近い立ち位置にいると言えよう。 ところで、LP時代、我が家の再生装置は普通の2チャンネルステレオだったので4チャンネルではついぞ鑑賞できなかったのだが、現在の5.1chサラウンドシステム(本当は映画用に組み上げたのだが)でこのSACDを再生すると、通常のステレオだと音塊になるような箇所も楽器が前後左右に分離して再生される分、管弦楽法の機微がよくわかる。ただ、実際の演奏会ではコントラバスや木管楽器が後ろに定位するわけはないのだが・・・

吉川英治 さん | 奈良県 | 不明

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 沈みゆく陽の光を受けて「きらめく波」を...

投稿日:2020/10/21 (水)

 沈みゆく陽の光を受けて「きらめく波」を、聴いた・・・。1975年にピエール・ブーレーズとBBC交響楽団の来日記念最新録音として発売された国内盤LPレコードは、作曲家の林光氏がライナーノートを執筆していた。第1部冒頭の壮大な管弦楽序奏についての林光氏の解説が秀逸である。「木管金管群あわせて50人、四つのハープ、鍵盤・打楽器のたぐい、細かくわけられた弦楽器群、これらが総がかりで、それぞれのパートが沈みゆく太陽の光を受けてきらめく波頭のひとつひとつを受け持ち、だがぼくたちは、そのひとつひとつをでなく、総体としての「きらめく波」を聴く。40段のスコアいっぱいに鳴り響いている「きらめき」のそれぞれを、くっきり浮き出させるというのは、だれにでもできることではないだろう。ブーレーズは、やはりそれをやっている。ブーレーズの演奏のちからが、それを可能にしたのだと思う。」そして、林光氏は「ブーレーズのやりかたは、正解にちかいのではないだろうか。」としめくくっている。  当時高校生であった私は、このレコードで初めて『グレの歌』を聴いた。まず、美しい旋律の数々、創意あふれるオーケストレーションとその音たちの魅力に惹きつけられた。そして、「劫罰」と「救済」という劇的な内容を、青春の記念碑といえる壮大な音楽作品に仕上げたシェーンベルクの天才に、今もなお魅了され続けている。そして、現在まで45年間、愛聴盤として繰り返して聴いている。『グレの歌』は、現時点で20種類に迫るレコードが世に出ている。ケーゲル盤・シノーポリ盤・ラトル盤・ギーレン盤など優秀な演奏が多い。だが、私はやはりベスト盤としてこのブーレーズ盤を推す。その理由として、ブーレーズとBBC交響楽団の演奏の完璧さをあげることができる。独唱者と語り手の6人がみな理想的だ。ブーレーズと演奏者たち全員が『グレの歌』を完全にわがものにしている。それもそのはず、ブーレーズとBBC交響楽団と各ソリストは、1973年と1974年のBBCプロムナード・コンサートで、二年続けて『グレの歌』を演奏している。そして、1974年の10月から12月にかけて、入念なセッションを組んでレコーディングが行われた。  ブーレーズは、第1部から第3部まで一貫してやや遅めのテンポを設定している。第1部冒頭の管弦楽序奏の演奏時間は7分16秒である。現在までにリリースされている全レコードの演奏時間の平均は6分54秒であり、標準偏差は28秒である。(ただし、林光氏がブーレーズ盤と比較検討されていたフェレンチク盤は、私は未聴である。)沈みゆく陽の光を受けてきらめく波と、黄昏が訪れて海と陸が蒼暗くなっていく情景の静寂さを描写する管弦楽序奏は、遅めのテンポ設定が必然的である。ヴァルデマルは、『グレの歌』の主役であり、第1部から第3部にわたって全部で8曲を歌う。歌手にとって非常に負担の重い役どころだ。テノールのジェス・トーマスは、張りのある声で力強く、ドラマティックな歌唱がみごとである。トーヴェは、『グレの歌』のもう一人の主役であり、第1部で全4曲を歌う。ソプラノのマリタ・ネイピアーは、美声であり、可憐なトーヴェ役にふさわしい。彼女のドイツ語の発音は正確なため、安心して聴ける。ちなみに、他の盤のトーヴェ役は、英語なまりで適当に発音する歌手が多く、興ざめてしまうことがある。トーヴェの歌の最後の “Denn wir gehn zu Grab wie ein Lacheln , ersterbend im seligen Kuss ! ” (表示の制約のため、Umlautを省略。以下同様。)の絶唱は感動的だ。「森鳩の歌」は、第1部を締める重要なパートである。森鳩役のイヴォンヌ・ミントンの歌唱が、『グレ』の悲劇にふさわしい重さを与えている。ミントンは、ブーレーズの信頼が厚く、私も大好きな歌手である。1977年録音のブーレーズとの『月に憑かれたピエロ』でも、すばらしいシュプレヒ・シュティンメを披露していた。第3部の農夫役のジークムント・ニムルスゲンは、出番は少ないが、亡霊となったデマルと臣下たちの夜行(やぎょう)の恐ろしさを歌う。道化役クラウスのパートは227小節にもおよぶ。斬新な音型とリズムを伴って、『グレの歌』という巨大な音楽に輝く個性を与え、作品の構成をひときわ魅力的にしている。クラウスは、亡霊となってヴァルデマルの狩りに随行しなければならない身の上を嘆く。難しい役どころであるが、テノールのケネス・ボウネンの歌唱がすばらしい。「夏風の荒々しい狩」の管弦楽序奏は、ピッコロ(および特殊楽器?)による非常に高いh2音とh3音が断続的に響く。少し不気味で神秘的な雰囲気が、「語り」の始まりを待つ私をわくわくさせてくれる。植物学者でもあった詩人イエンス・ペーター・ヤコブセンの詩による「語り」は132小節にもおよぶ。“ Herr Gansefuss, Frau Gansekraut, nun duckt euch nur geschwind, ” という始まり方が魅力的だ。夏の嵐の激しさの中に、蚊の群れ、葦、ブナの葉、蛍、霧、麦畑、蜘蛛、蝶、蛙などが描かれる。中盤の “ Still, Was mag der Wind nur wollen ? ” 以降は、死してなおヴァルデマルを愛し続けるトーヴェの愛による救済が暗示される。ヴァイオリンの音色が、まるで夢を見ているように心地よい。終盤の “ Ach, war das licht und hell ! ” 以降は、死が支配する長かった夜の世界が終わりを告げて、生あるものたちすべてが輝かしい朝の太陽の光を希求する。管弦楽と「語り」は躍動し、最後の一節 “ und spaht nach der Sonne aus. Erwacht, erwacht, ihr Blumen, zur Wonne ! ” を、ギュンター・ライヒは朗々と歌いあげる。終曲「太陽を見よ」の混声合唱へなだれ込む演出効果は絶大であり、圧巻と言うほかない。艶があり落ち着いたシュプレヒ・シュティンメが、壮大な音楽作品を格調高く仕上げている。ライヒを「語り」に起用したことが、このレコードの大成功を決定づけている。  1975年のブーレーズとBBC交響楽団の来日時、私は5月24日のNHKホールにおける演奏会を聴いた。曲目は、ブーレーズ自作の『リチュエル〜ブルーノ・マデルナの追憶のために』、ドビュッシーの『遊戯』、ストラヴィンスキーの『火の鳥』(1910年原典版全曲)であった。現代音楽の世界初演と現代音楽の古典的作品2曲という刺激的なプログラムは、私にとって生涯忘れられない音楽体験となった。『火の鳥』は、ブーレーズが来日する4か月前にレコーディングが済んでいたニューヨーク・フィルとの演奏とも少し味付けが異なり、ライヴならではの熱い演奏であった。以来、私はブーレーズの新録音をすべて聴きこんできた。とくに、BBC交響楽団とのコンビによるレコードでは、ベルリオーズ、シェーンベルク、ベルク、ウェーベルン、バルトーク、ベリオなどの作品に親しんでいる。優れた楽曲を優れた演奏で提供してくれたブーレーズとBBC交響楽団に、私は心から感謝をしている。  ブーレーズの『グレの歌』もついにSACD化された。全集・選集・海外盤などいろいろあるが、親しい人へのプレゼントも含めると、本SACDは、国内初出LP盤から数えて8回目の購入である。最近、久しぶりにLPレコードに針を落としてみた。もともとの録音がたいへん優秀であることが確認できる。たとえば、第1部の管弦楽序奏においては、林光氏の指摘のとおり、各パートが鮮明に分離して聴こえている。総じて管弦楽の各パートの分離がよく、バランスもよい。非常に優秀な録音である。ただ、終曲の混声合唱の各声部の分離にはやや不満が残る。20bitマスタリングされたCDによって、以前から音質にはとくに不満を感じていなかったが、 SACDの方式上のアドヴァンテージを確かに感じることができる。より自然な音質で、音楽そのものに浸りきることができる。初出LP盤のジャケットデザインが復刻されている点も嬉しい。

宗仲 克己 さん | 東京都 | 不明

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