サイモン・ウィンチェスター

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精密への果てなき道 シリンダーからナノメートルEUVチップへ ハヤカワ・ノンフィクション

サイモン・ウィンチェスター

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784152098795
ISBN 10 : 4152098791
フォーマット
出版社
発行年月
2019年08月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
480p;20

内容詳細

コンピュータの最新CPU開発者はいま、ナノメートル(10億分の1メートル)単位という驚異の精密さに挑んでいる。ものづくりでは、誤差ゼロに近い精密さを実現できるかは大きなカギだ。その「精密」に人間が取り憑かれたのは意外と最近で、18世紀の産業革命期に蒸気機関が登場して以来のこと。そしてこの精密をみるみるうちに磨き上げていった発明家や企業人の奮闘は、成果のかげに隠れて知られることがない…工作機械の父、ウィルキンソンをはじめとする並みいる天才技術者や、フォード、インテル、セイコーなどのエポックメイキングな高精度工業製品を生み出した企業の、精密への尋常ならぬ傾倒を綴り、技術史の埋もれがちな側面を炙り出す傑作ノンフィクション。

目次 : 第1章 星々、秒、円筒、そして蒸気/ 第2章 並外れて平たく、信じがたいほど間隔が狭い/ 第3章 一家に一挺の銃を、どんな小屋にも時計を/ 第4章 さらに完璧な世界がそこに/ 第5章 幹線道路の抗しがたい魅力/ 第6章 高度一万メートルの精密さと危険/ 第7章 レンズを通してくっきりと/ 第8章 私はどこ?今は何時?/ 第9章 限界をすり抜けて/ 第10章 絶妙なバランスの必要性について/ おわりに―万物の尺度

【著者紹介】
サイモン・ウィンチェスター : オックスフォード大学で地質学を学んだのち、雑誌新聞に寄稿するジャーナリストとして世界中を飛びまわる。その後、ノンフィクション作家として活動を始め、これまでに歴史、科学、政治など、幅広い分野にわたる著書がある。オックスフォード英語大辞典(OED)の誕生秘話である『博士と狂人』は全米ベストセラーとなった

梶山あゆみ : 翻訳家。東京都立大学人文学部英文科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 泰然 さん

    精密と正確の違いは?本書は今日当たり前過ぎて日常に溶け込んでいる「精密」さに焦点を当てた傑作な技術の歴史書だ。人類はどのようにして精密さ追求してきたかを知る読み物としてもすこぶる面白いし、精密さと個人と社会の幸福の哲学的論考としても良い。黎明期の航海時代を影で支えた帆滑車に経度計算に不可欠な航海時計から現代デジタルに不可欠な半導体チップにいたるまで個人や組織の偉業がエキサイトに描かれる。精密化は要は規格標準化技術によるバラツキ管理の歴史だが、個人の気質はもう不用なのか?著者は日本の事例で巧く思案している。

  • Shin さん

    〈精密さ〉は普段全く意識していないが、現代のエレクトロニクス生活は気が遠くなるような微細加工の恩恵によって成り立っている。人類の歴史の近代化は、蒸気機関を可能にするための工作機械の発明=繰り返し同じ精度でモノが加工できる能力の獲得から始まった。〈精密さ〉の獲得は部品標準化による工業の大量生産ライン化を可能とし、ひいてはそれが資本主義の根幹(というか前提)になっていることに気付かされ、改めて技術と経営、自然科学と人文科学の緊張関係に気付かされて目から鱗が落ちる思いだった。

  • hide さん

    大砲の製造から出発した「精密さ」の概念が研ぎ澄まされて誤差を縮めていく様子は、そのまま蒸気機関→標準化と規格化→自動車の大量生産→航空機製造→宇宙開発→半導体 と人類の技術開発の足跡と重なっている。と同時に、精密さの障害となる「人間」が生産現場から疎外されていく歴史でもある。/精密さという概念をキーに、許容誤差を指標として生産技術史を語った構想が素晴らしいし、エピソードもどれも面白い。生産や技術に興味のある人はぜひ読んでほしい。

  • 六点 さん

    ワットの蒸気機関が開発された時、シリンダー結合部の隙間は1mmもあったが、開発者達は大変に満足していた。それから200年以上の時が経ち、私達の周囲は「上空を通過する人工衛星からの電波のドップラー効果を計測」する板を持ち歩き、絶縁体が微小になりすぎて、電子が絶縁体を飛び越えかねぬプロセッサを搭載したPCでビジネスに関する殆どの用を足している。著者とともに「精密」を辿る旅は興味深く、また生臭い。「手仕事と精密さに同様の敬意を表す」日本と評する著者の評価は面映いが、精密さと美意識を持つ事は大切だろうね。

  • NoControl さん

    精密技術の発達を体系的に描くというよりかは、その時代ごとの最先端技術とそれにまつわるエピソードの集合体といった趣の一冊。テクニカルな話は少なめ。ただ、個々の話の内容は、分野としても工業部品、半導体、自動車、宇宙開発と幅広く、トピックスも職人芸、規格化、品質保証など多岐に渡っており飽きずに読める。訳文に癖がないもの読む上でありがたい。

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