シチェルバコフ/ゴドフスキー:ピアノ作品集 第12集
ポーランド(現在はリトアニア)のソズウィに生まれ、14歳のときに一時期ベルリン高等音楽院で学ぶも、たった3ヶ月で辞めてしまい、以降、音楽の才能を独自に切り開いてきた天才ゴドフスキー。9歳で最初の作品を出版、10歳ですでにコンサート・ピアニストとして活躍していた彼らしく、その作品は恐ろしいまでに超絶技巧が張り巡らされていることで知られています。
このアルバムは彼の特異な作品集の第12集となり、他の作曲家たちの作品の編曲物と、自身の『左手のためのワルツ』を聴く事ができます。冒頭のシュトラウスの『セレナーデ』はあのギーゼキングも独奏用に編曲していますので、聴き比べも楽しいかもしれません。シューマンやシューベルトの曲は思いの他、シンプルな編曲が施されていたりしますが、ウェーバーの2つの作品は、もうゴドフスキーの独壇場とも言えるもので、例えば『舞踏への勧誘』の入り組んだメロディは、もう聴いていて混乱するばかり。彼のオリジナル作品もなかなかいい味出しています。演奏しているのはシチェルバコフ。説明不要のテクニシャンです。(Marco Polo)
【収録情報】
● リヒャルト・シュトラウス:セレナード Op.17-2(ゴドフスキー編)
● ゴドフスキー:左手のための6つの詩的なワルツ〜第1番、第2番、第3番
● ゴドフスキー:3つの演奏会用練習曲 Op.11〜第1曲ハ長調(グロテスコ)
● シューマン:『ミルテの花』〜第24曲『君は花のごとく』 Op.25-24(ゴドフスキー編)
● ブラームス:甲斐なきセレナード Op.84-4(ゴドフスキー編)
● シューベルト:『白鳥の歌』D.957〜第12曲『海辺で』(ゴドフスキー編)
● クライスラー:ベートーヴェンの主題によるロンディーノ(ゴドフスキー編)
● C.ベーム:夜の静けさ Op.326-27(ゴドフスキー編)
● シューマン:『ミルテの花』〜第14曲『ハイランド地方の人びとの子守歌』 Op.25-14(ゴドフスキー編)
● ゴドフスキー:左手のための組曲〜メヌエット
● ゴドフスキー:左手のための組曲〜ジーグ
● シューベルト:『美しき水車小屋の娘』 D.795〜第18曲『萎める花』(ゴドフスキー編)
● ゴドフスキー:左手のための6つの詩的なワルツ〜第4番、第5番、第6番
● ウェーバー:舞踏への勧誘(ゴドフスキーによる対位法的編曲)
● ウェーバー:無窮動(常動曲) Op.24(ゴドフスキーによる演奏会用編曲)
コンスタンティン・シチェルバコフ(ピアノ)
録音時期:2013年9月12,13日
録音場所:イギリス、モンマス、ウィアストン・コンサート・ホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)