松尾芭蕉の俳句をモチーフに! フィリップ・エルサンの『エフェメール』
フランスの作曲家フィリップ・エルサンは、1999年から2003年まで『エフェメール』という、無秩序で不規則な短いピアノ曲を27曲作りました。元々はあるピアニストの依頼により、与謝蕪村の俳句を題材に短い曲を書いたところ、さらに書き続けたくなり、その際に選んだ題材は蕪村のものではなく、松尾芭蕉のものを選び作曲を続けることとなりました。その際に特別なルールを決めることなく作品を作っていったので、最短のものは30秒ほど、最長でも4分ほどの作品群となりました。芭蕉の句からインスピレーションを受けたエルサンは、芭蕉が描く各地の風景に自分の旅の記憶も相まって、様々な国の音楽の影響をこの作品に入れたということです。一つの作品にまとめる際に、27の作品の中からどうしても受け入れられなかった3曲を外し、意図したわけではなかったと語っていますが、24の曲集として完成されました。
1967年生まれのフランスのピアニスト、サンドラ・シャムーは、ヴィオッティ国際音楽コンクールやブゾーニ国際ピアノ・コンクールで優勝を果たしており、ペルルミュテールなどに師事しました。フランスもののドビュッシーはもちろんのこと、様々な情景から想起されたフィリップ・エルサンの『エフェメール』でも、その卓越した表現力を活かした演奏には驚かされます。(輸入元情報)
【収録情報】
● エルサン:エフェメール
● ドビュッシー:映像 第1集/映像 第2集
サンドラ・シャムー(ピアノ)
録音時期:2019年&2020年
録音場所:フランス、シラン修道院
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)