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スナフキン さんのレビュー一覧 

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     2023/05/16

    ミュンシュ指揮のモーツアルトの「トルコ風」は戦時中の1942年、ドビッシーは有名なコルトーとの1929年、ヤノボウロとのシューベルトは1945年、クライスラー編のモーツアルトのロンドは1936年と、録音年に幅がある。

    ドビッシーとモーツアルトのロンドは安定した技巧に裏打ちされた、洒落た演奏で、テイボーの面目躍如。

    問題は、トルコ風、シューベルトとなると、洒落た歌心に十分技巧が追いつかなくなる場面が出てくること。 この点は気にするかしないかということで、テイボーの演奏には、空に羽ばたく自由がある。 傷はあるが、何故か聴いていて心がなごむ演奏。 

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     2023/05/16

    有名な録音なので説明は不要と思いますが、テイボー、コルトーとも最盛期、フォーレは1927年、フランクは1929年の録音で、晩年の録音にあるような技巧上の破綻はありません、と書きたいところだが、フランクで、コルトーが盛大に外している。 今だったら絶対にとりなおすところ、というか、生演奏でもこんなに外すピアニストはいない。  音質も、とにかく1920年代の録音で、それなり。 こうした傷があるが、なお、この3曲を通して感じられる、香しさは得難い。 テイボーのヴァイオリンは、最盛期とはいえ、今の達者なアーテイストに比べると、弱い。 しかし、いくら強奏しても決して品位が失われない、不思議なエレガンスがある。 自由に、思いのままに弾けた、佳き時代の、佳き演奏。

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     2021/05/11

    知る人ぞ知る、フランスの女流ピアニスト、アニー・ダルコの名盤。アニー・ダルコは、チェリストのアンドレ・ナヴァラの共演者として、シューベルトのアルペジョーネ・ソナタで素晴らしい演奏を披露している。過度な感情移入はないが、さりとて決してメカニックではない、情緒とテクニックのバランスがとても上品なピアニスト。あいにく独奏盤は少ないが、メンデルスゾーンの無言歌、ショパンのワルツがある。このシャブリエも数少ないソロ。シャブリエの曲はマイナーでこうやってまとまって聴く機会もあまりなく、その意味でも貴重。演奏はすっきりした白ワインのように、上品。

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     2021/05/11

    誠実な、ドイツ正統派の演奏。曲目からして、正に「ドイツ正統派」。演奏も誠実そのもの。1930年代に活躍した、アドルフ・ブッシュを彷彿とさせる演奏です。ベートーベンはもう少し力強さが欲しいところですが、モーツアルト、シューベルトは、等身大の、素直な演奏で、心に響きます。ヴィルトーゾ・タイプではなく、録音も古めかしく、音楽に何を求めるかで、評価が分かれると思います。

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     2021/05/11

    104歳の、フランス女流ピアニストの、ドビッシー他。
    評価は分かれると思います。

    テンポはさすがに「スローテンポ」で、おかげで、「喜びの島」など、普段聴こえない旋律が聴こえます。しかし、一定のテンポ以上で弾かないと聴こえない、音の重なりと、光がきらめくような動きは聴けません。

    テンポが遅いせいか、音を探しながら弾いているような、もどかしさがあり、それについていけない人には、評価は低いと思います。ついていける場合には、普段聴こえない音が聴こえます。

    いづれにせよ、格別な演奏です。

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     2021/03/15

    「男は黙って」の美学、美しいボーイングが目にうかびます。

    ナヴァラの魅力は、チェロらしい奥深い音、音楽が高揚しても決して節度を失わない、品のよさ、落ち着いた大人の音楽。「男は黙って」、俺は泣いたり叫んだりしないから、(音楽を聴いて)あとはお前ら考えろ、という、喜怒哀楽の全てを表に出さない、奥深しさ。生演奏を聴きましたが、ボーイングの美しさは一生忘れません。チェロを弾いてる姿が絵になるチェリストでした。

    曲目は、宵待草、浜辺の歌等、日本の歌が14曲、それに、ショパンのソナタがおまけについている。ピアノの素晴らしい。日本の歌の相棒の女流、アニー・ダルコ。ソロは、メンデルスゾーンの無言歌などわずかしか残していないが、その繊細さは、ピアノが打楽器であることを忘れさせる。ショパンのエリカ・キヒナーのピアノの素晴らしい。

    最後に一言。ナヴァラは、音楽は「音楽は黙って」だが、ヘビースモーカーで、おいしいもの、美人の女性が大好きな、生粋のフランス人だったそうです。(お弟子さんから聴きました。)

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     2020/05/03

    ピアノ協奏曲は、2010年のライブ。 ラトルがシェフであった期間、最も協演の回数が多かったソリスト(の一人?)が内田光子さんということで、豪華な組み合わせの演奏。

    演奏は期待に違わず、ピアノもオケも、音の隅々にまで気を通じさせている演奏で、素晴らしいです。 是非、本場で生演奏を聴いてみたかった、という演奏。

    完璧なまでに、隅々まで神経が行き届いた演奏なので、ベートーベンの音楽に、おおらかさというか、ある種の楽天性を求める聴き手には、体ごと身を預けてしまう気持ちにはならないかもしれません。

    (交響曲はまだ聴いておりません。)

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     2019/03/05

    「超お買い得」のCDだと思います。 ベートーベンのコンチェルトはいづれも感動が新鮮な演奏。 ケンプというと晩年来日した時の枯れた演奏が思い浮かぶが、ここでは壮年期の骨太の演奏が展開されている。 1953年のケンペン指揮ベルリンフイルは、まだフルトウ”エングラーの時代の熱きゲルマンの魂の歌が聞こえる。 第一番、第二番といったところも、いい曲だなと思わせる、心温まる演奏。

    モーツアルトはカール・ミュヒンガーと2曲、カラヤンと1曲。 ミュヒンガーとはオケの録音が貧弱だが、ピアノは素晴らしい。 カラヤンとの1曲も含め、サラサラ流れていくモーツアルトではなく、たっぷり厚みのあるモーツアルト。

    ベートーベンとモーツアルトは、おそらくケンプ自身作曲したと思われるカデンツアが使われていて、これが滅法面白い。

    リストが意外と面白い。 華麗な技巧曲ではなく、リストがドイツ音楽の後継者であることを示す、骨太のロマンが薫る、やや異色の演奏。 シューマンも抒情性もさることながら、芯が一本通った演奏。 ブラームスは無骨ともいえるが、弾き切れておらず、ゴツゴツして、やや音楽の流れが悪い。

    すべてのCDは、協奏曲のあとにソロが入っている。 主にベートーベンの、悲愴、月光、熱情ソナタ、ワルトシュタイン、告別といった、有名どころ。 子の中では熱情ソナタがよい。 肩の力を抜いた演奏故、音楽本来の美しさが際立つ。 

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     2012/03/20

    心安らぐ、ベートーベン。 大作曲家、ベートーベンの名曲に対峙する、といった大仰な構え様ではなく、等身大のベートーベンおじさんと語らいあうような演奏。 一時期、乾坤一擲の大勝負!といった熱演、あるいは新しい解釈に惹かれたこともあったが、今は、ケンプのこの慈父の眼差しの演奏に心が安らぐ。(自分が歳をとっただけかもしれない。) 「語らい」といっても、苦悩も歓喜もある。 しかし、決して声高にならない、心の静けさが得がたい。

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     2012/01/29

    最高のトルコ行進曲。

    モーツアルトのピアノは最近も内田光子さんはじめ立派な演奏が多いが、K.331ばかりはこのギーゼキングの古い録音から離れられない。

    普通の人よりほんの一息遅いテンポ。「ほんの一息」というのがミソで、グールドのような過剰なテンポの設定ではない。名人しか取れない間合いのようなもので、このため、まるでおもちゃの兵隊さんが行進していく、おとぎ話の中の風景を観るような、落ち着きと雅がある。

    殆どイン・テンポで、強弱、音色の変化も簡素。しかしそれが故、モーツアルトの音楽が持つ様式美が際立つ。子供も練習に弾く簡素な曲で、特に変わった事をやる訳でなし、ただ普通に弾いているだけなのだが、こういった演奏が一番弾けそうで弾けない。

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     2011/12/25

    渋谷のタワーズで視聴盤を端から聴いて、ピアイチだったので即買って帰りました。 非常に巧みに弾かれており、「これがビバルデイ?」と思わせるほど躍動感あふれます。 強いていえば、作曲家を固めた構成の為でしょう、全曲同じような印象を与えますので、全曲息をひそめて聴くというよりも、寝起きの悪い日曜日の朝、元気つけて飛び出す為に聴く、という聴き方がいいのでは。

    ケラスについては、NHKで放映された、来日時の、タロー(Pf)とのメンデルスゾーンが、何と言っても印象に残っています。 生きのいい魚がスルスルと泳ぎまわるような俊敏な身のこなしが、この人真骨頂ではないでしょうか。

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     2011/12/24

    慈父のまなざしの、心和む演奏。 絶えず新たな音の発見をし続けるグールドの演奏とは対極。 演奏の問題ではないが、この曲はもともと結構長い曲で、ケンプの演奏はゆったるとしたテンポなので、暇で時間がある時向け。 数十分で満足感を得たい場合には、グールド。 そういった意味で、こうしてケンプの演奏を聴くと、改めてグールドの演奏に「現代性」に気づく。

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     2011/12/04

    「皇帝」は、どっしりと重い「皇帝」の正反対で、すがすがしい、颯爽とした姿の皇帝です。知的な解釈とピュアな音色、超絶技巧に裏打ちされた「余裕」のなせる技。録音は1945年1月ベルリンという状況を考慮に入れずとも、最高の出来。1番の方は録音が悪く、聴くのに苦労が必要です。

    ギーゼキングのBeethovenのソナタはなんとなく生真面目で面白くないですが、この「皇帝」は彼のアプローチがフイットした名演です。録音に残しておいてくれた方々に感謝します。

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     2011/11/19

    ここまで聴き手に対して全く「媚び」のない演奏も珍しい。 若いころから押しも押されぬ大家が、人生も晩年となり、自分の演奏が誰にどう言われようと全く意に介さないという、悠々たる風格がある。 ここまで書くと「孤高の演奏」となるが、そのような人を寄せ付けない演奏ではなく、とびきりの美音による、しみじみとした味わい深い演奏になっているところが面白い。 ひしめく過去の大家の名演を前に、自分の「色」を出していかなくてはならない若手演奏家にとっては誠にうらやましい演奏であろう。

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     2011/11/14

    生命力の充実した音で走り抜ける、完璧な演奏。 やや線が細めでもう少し潤いがあったらと思うのはないものねだり。 

    バッハの無伴奏は、バイオリンにせよ、チェロにせよ、もともと単旋律の楽器に複旋律を要求している。 音を重ねるのも一つの手段だが、単旋律の中に重要な音のみを響かせて、あたかも複旋律のように歌わせる部分が非常に沢山ある。 その部分は、言ってみれば人間の耳の残響に対する錯覚を利用するようなもので、ある一定のスピード以上で弾かないと本来の効果が出てこない。 要は、そこらの安全運転では醍醐味は楽しめないということである。
    その点、このミルシュタインの演奏は、つむじ風が吹き抜けるようなテンポで駆け抜けるので、バッハの考えている効果が十二分に楽しめる。 
    CDは聴いていないが、今年(2011年)の王子ホールでのイザベル・ファウストは、感性は異なるが、サッと走り抜けるような演奏で、久しぶりに堪能した。 

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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