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一人のクラシックオールドファン さんのレビュー一覧 

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     2013/06/18

    VPOとのベートーヴェン交響曲第7,8番と言えばアバドは1960年代後半にこの二つの曲を録音しており当時シュミット・イッセルシュテット/VPO盤もあり30代と60代の演奏の違いが分かった様な気になっていたものでした・・・いい加減なものですね。第7番をメインにコメントいたします。1987年(アバド54歳頃)の当時一連のライブ録音で意外と私にはスンナリ入ってきた演奏です。第1楽章冒頭ソフトな当りで序奏部VPOらしく厳めしさは皆無、だらける寸前で主部に突入する前の管楽器の微妙さも素晴らしいです。反復演奏されておりとにかくこの楽章雰囲気を楽しみましょう。若さの迸った1966年演奏(演奏タイム@13’10A9’47B10’06C9’02)とは勿論違った落ち着きがあります。第2楽章も粛々というより柔らかい肌触り、変奏形式を歌うに時折音量を抑制したりして変化をつけます。第3楽章も抑えた音から上げていく過程もこの勇ましい交響曲に繊細さを見る思いです。最終楽章は酒精神バッカスの踊りの如く繰り返しの「しゃくりあげ」の陰影や後半への移行時のティンパニーの扱いそしてついに?前のめり気味にこの曲の本懐を遂げ結果、演奏タイムは@14’30A8’37B9’03C8’56となりました。なお、ベーレンライター版による演奏でBPOとの1999年盤は@13’22A7’55B8’46C8’08でありBPOとの2001年盤も@13’34A7’38B8’58C8’12とアバド大病前後の演奏となって些か様子に変化が見られますね。人気曲のこの第7番と第9番「合唱」に挟まれてとかく影の薄い第8番には私はVPOサウンドがより適しているかと思ってはおります。本盤もどちらかと言うと他の収録曲のやや付け足し的な位置付けのようですがアバド/VPOの演奏(1987年ライブ録音)はVPOの生々しさが伝わって来る面白さが味わえた感じであります。事大主義にはならず方向性には明快さが伴います。演奏タイムは@9’42A3’53B4’51C7’18と後年2000年BPOと録った演奏(@8’41A3’54B5’30C6’58)や2001年同BPOライブ演奏(@9’21A4’13B5’48C7’12)と若干凸凹はあるものの基本的には変わってはおりません(なお、先述の第7番とセットで1968年VPOとの録音演奏・・・タイム@8’58A4’05B4’47C7’35・・・もありました)。第1楽章切れの良い古楽器演奏のような感じで時には粗く活きた感じです。詰めの流しが素晴らしいです。続く楽章はやや表情をきつく強調します。第3楽章のトリオ部分のホルンの線太さが逆に美しいです。最終楽章も割りと線濃く展開しますが・・・正直ダレ気味に感じた処も・・・VPOの持ち味も手伝って行儀良く終始しました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/17

    以前書き込みを行った者ですがデータ中心に再書き込みさせていただきます。ブラームス交響曲第1番を御大指揮者フルトヴェングラーが振ったものは演奏・音源・盤起し種類等でいろんな盤があり手元の資料では一応全楽章通しで次の様なライブ演奏を中心に記録(年月、オーケストラ、タイム)が残っております・・・・1947/8VPO(ライブ、タイム@14’55A10’04B5’12C16’21)、1947/8ルツチェルン祝祭O(ライブ、同@14’40A10’10B5’01C16’24)、1947/11VPO(本盤演奏分、同@14’52A10’40B5’06C16’37)、1950/7ACO(ライブ、同@14’14A9’59B4’55C16’14)、1951/10NDRO(ライブ、同@15’01A10’08B5’16C17’08)、1952/1VPO(ライブ、同@14’17A10’14B5’07C16’51)、1952/2BPO(ライブ、同@14’40A10’39B5’20C17’06)、1952/3トリノ・イタリアO(ライブ、同@14’27A9’56B5’19C17’06)、1953/5BPO(ライブ、同@14’10A10’36B5’13C17’07)、1954/3ベネズエラSO(ライブ、同未確認)等。フルトヴェングラー指揮のブラームス交響曲の四曲中一番多く記録として残っているのが交響曲第1番であり確かにストーリーの組み立て易さやフルトヴェングラーの資質からも向いている曲で本盤は唯一のスタジオモノラル録音である1947年11月演奏分で全体としてはVPOの風格と61歳の指揮者の雄大な構成力に裏打ちされた仕上がりになってはおります。第1楽章のスタートはそう力まず次第にウネリの内にフルトヴェングラー節が頭をもたげて来ます。大変雄渾で強靭な意思を感じさせますが私は微妙な伸縮自在さに時折何故か「滔々」とした流れの途中で浅瀬に引っかかる感触もあったというのが正直な処です。第2楽章は特に冒頭付近での雰囲気での粘っこい美しい高ぶりはこの演奏の聴き処であり何気なく聴き落とす箇所でもハッとさせられました。第3楽章も一筋縄では進まず何か弄んでいる面白さがあります。いよいよ最終楽章は意外と芝居気度合いは低く例の歓喜テーマもテンポ速く自然に運んで行きます。その為もう少し起伏感というか片をつける運びが欲しいとは思いました。SP盤起し?の音質自体の事もあるのでしょう。本盤の演奏が一期一会的で繰り返し聴くということに執着しなければ素晴らしいランクかと思われます。彼の演奏は出来具合のブレもあるそうですがスタジオ録音だけに多分比較的整った演奏の方なのかもしれません。なお、本盤の併録曲「ハイドン主題変奏曲」(1952年演奏、タイム19’07)はもう少し音質は良い様であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/16

    ブラームスの交響曲第1番はクラシック音楽不案内の特に若い人にも一生に一度位は是非聴いて欲しい曲目の一つと私は思っております。さてそのブラームス交響曲第1番を御大指揮者フルトヴェングラーが振ったものは演奏・音源・盤起し種類等でいろんな盤があり手元の資料では一応全楽章通しで次の様なライブ演奏を中心に記録(年月、オーケストラ、タイム)が残っております・・・・1947/8VPO(ライブ、タイム@14’55A10’04B5’12C16’21)、1947/8ルツチェルン祝祭O(ライブ、同@14’40A10’10B5’01C16’24)、1947/11VPO(本盤演奏分、同@14’37A10’43B4’39C16’25)、1950/7ACO(ライブ、同@14’14A9’59B4’55C16’14)、1951/10NDRO(ライブ、同@15’01A10’08B5’16C17’08)、1952/1VPO(ライブ、同@14’17A10’14B5’07C16’51)、1952/2BPO(ライブ、同@14’40A10’39B5’20C17’06)、1952/3トリノ・イタリアO(ライブ、同@14’27A9’56B5’19C17’06)、1953/5BPO(ライブ、同@14’10A10’36B5’13C17’07)、1954/3ベネズエラSO(ライブ、同未確認)等。フルトヴェングラー指揮のブラームス交響曲の四曲中一番多く記録として残っているのが交響曲第1番であり確かにストーリーの組み立て易さやフルトヴェングラーの資質からも向いている曲で本盤は唯一のスタジオモノラル録音である1947年11月演奏分で全体としてはVPOの風格と61歳の指揮者の雄大な構成力に裏打ちされた仕上がりになってはおります。第1楽章のスタートはそう力まず次第にウネリの内にフルトヴェングラー節が頭をもたげて来ます。大変雄渾で強靭な意思を感じさせますが私は微妙な伸縮自在さに時折何故か「滔々」とした流れの途中で浅瀬に引っかかる感触もあったというのが正直な処です。第2楽章は特に冒頭付近での雰囲気での粘っこい美しい高ぶりはこの演奏の聴き処であり何気なく聴き落とす箇所でもハッとさせられました。第3楽章も一筋縄では進まず何か弄んでいる面白さがあります。いよいよ最終楽章は意外と芝居気度合いは低く例の歓喜テーマもテンポ速く自然に運んで行きます。その為もう少し起伏感というか片をつける運びが欲しいとは思いました。SP盤起し?の音質自体の事もあるのでしょう。本盤の演奏が一期一会的で繰り返し聴くということに執着しなければ素晴らしいランクかと思われます。彼の演奏は出来具合のブレもあるそうですがスタジオ録音だけに多分比較的整った演奏の方なのかもしれません。なお、本盤VPOとの併録曲は「ハイドン主題変奏曲」(1949年演奏、タイム18’12)、ハンガリー舞曲第3番(1949年演奏、同2’27)、ハンガリー舞曲第10番(1949年演奏、同1’45)であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/15

    ブラームスの交響曲第1番はクラシック音楽不案内の特に若い人にも一生に一度位は是非聴いて欲しい曲目の一つと私は思っております。さてそのブラームス交響曲第1番を御大指揮者フルトヴェングラーが振ったものは演奏・音源・盤起し種類等でいろんな盤があり手元の資料では一応全楽章通しで次の様なライブ演奏を中心に記録(年月、オーケストラ、タイム)が残っております・・・・1947/8VPO(ライブ、タイム@14’55A10’04B5’12C16’21)、1947/8ルツチェルン祝祭O(ライブ、同@14’40A10’10B5’01C16’24)、1947/11VPO(本盤演奏分、同@14’43A10’38B5’02C16’28)、1950/7ACO(ライブ、同@14’14A9’59B4’55C16’14)、1951/10NDRO(ライブ、同@15’01A10’08B5’16C17’08)、1952/1VPO(ライブ、同@14’17A10’14B5’07C16’51)、1952/2BPO(ライブ、同@14’40A10’39B5’20C17’06)、1952/3トリノ・イタリアO(ライブ、同@14’27A9’56B5’19C17’06)、1953/5BPO(ライブ、同@14’10A10’36B5’13C17’07)、1954/3ベネズエラSO(ライブ、同未確認)等。フルトヴェングラー指揮のブラームス交響曲の四曲中一番多く記録として残っているのが交響曲第1番であり確かにストーリーの組み立て易さやフルトヴェングラーの資質からも向いている曲で本盤は唯一のスタジオモノラル録音である1947年11月演奏分で全体としてはVPOの風格と61歳の指揮者の雄大な構成力に裏打ちされた仕上がりになってはおります。第1楽章のスタートはそう力まず次第にウネリの内にフルトヴェングラー節が頭をもたげて来ます。大変雄渾で強靭な意思を感じさせますが私は微妙な伸縮自在さに時折何故か「滔々」とした流れの途中で浅瀬に引っかかる感触もあったというのが正直な処です。第2楽章は特に冒頭付近での雰囲気での粘っこい美しい高ぶりはこの演奏の聴き処であり何気なく聴き落とす箇所でもハッとさせられました。第3楽章も一筋縄では進まず何か弄んでいる面白さがあります。いよいよ最終楽章は意外と芝居気度合いは低く例の歓喜テーマもテンポ速く自然に運んで行きます。その為もう少し起伏感というか片をつける運びが欲しいとは思いました。SP盤起し?の音質自体の事もあるのでしょう。本盤の演奏が一期一会的で繰り返し聴くということに執着しなければ素晴らしいランクかと思われます。彼の演奏は出来具合のブレもあるそうですがスタジオ録音だけに多分比較的整った演奏の方なのかもしれません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/14

    本盤はブルガリア出身のピアニスト、ワイセンベルクが大凡十年の演奏活動休止後の1967年フランスに活動拠点を構え収録したショパンの二つのピアノ協奏曲の内第2番(タイム@14’59A10’52B8’43)で伴奏はショパンの生まれたポーランド出身のスクロヴァチェスキーが指揮するパリ音楽院Oであります。ちょっと横道に逸れますが1967年はワイセンベルク38歳、スクロヴァチェスキー44歳の頃でこの年この伴奏オーケストラ・パリ音楽院Oはクリュイタンス亡き後心機一転一旦解散してパリOに改組された時期でワイセンベルク自身もこの頃から暫くカラヤン・バックの協奏曲を多く録音するマァ全盛期を迎えつつある頃だった様に思えます。彼のちょっとハードボイルド的な男前のルックスがその演奏とマッチしてこのショパン協奏曲も一音一音はっきり粒立ちした音色で何か聴く者に対してツベコベ有無を言わせぬ説得感溢れる「男」の演奏であります。ショパンでの聴き処要素でもある甘い儚いと言った世界とは明らかに異なってテンポがややゆる目な展開によりはっきりこのピアニストの硬質なタッチと鮮やかな指周りに聴き入った次第です。伴奏もやや厚めのサウンドでしっかりサポートしスクロヴァチェスキーによく評される一音たりとも無駄にせず音化していく「レントゲン写真のような演奏」とは雰囲気は異なって特にショパンのオーケストレーションの貧しさも感じませんでした。この共演者、年齢的にも近くそして収録時期にも過不足の無い頃(尤もスクロヴァチェスキーの方はもっと後年巨匠の仲間入りをするわけですが・・・)で繰り返しになりますが少なくとも軟弱ではない演奏を味わえそうです。なお、併録の、ワイセンベルク/スクロヴァチェスキー/パリ音楽院Oによる同年演奏の「ポーランド民謡の主題による幻想曲」(同13’50)及び「クラコーヴィアク (演奏会用大ロンド)」(同14’11)は未聴でありますので★一つ保留させて下さい。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/13

    本盤はブルガリア出身のピアニスト、ワイセンベルクが大凡十年の演奏活動休止後の1967年フランスに活動拠点を構え収録したショパンのピアノ協奏曲第1番(タイム@21’02A10’31B10’03)と第2番(同@14’59A10’52B8’43)で伴奏はショパンの生まれたポーランド出身のスクロヴァチェスキーが指揮するパリ音楽院Oであります。ちょっと横道に逸れますが1967年はワイセンベルク38歳、スクロヴァチェスキー44歳の頃でこの年この伴奏オーケストラ・パリ音楽院Oはクリュイタンス亡き後心機一転一旦解散してパリOに改組された時期でワイセンベルク自身もこの頃から暫くカラヤン・バックの協奏曲を多く録音するマァ全盛期を迎えつつある頃だった様に思えます。彼のちょっとハードボイルド的な男前のルックスがその演奏とマッチしてこのショパン両協奏曲も一音一音はっきり粒立ちした音色で何か聴く者に対してツベコベ有無を言わせぬ説得感溢れる「男」の演奏であります。ショパンでの聴き処要素でもある甘い儚いと言った世界とは明らかに異なってテンポがややゆる目な展開によりはっきりこのピアニストの硬質なタッチと鮮やかな指周りに聴き入った次第です。伴奏もやや厚めのサウンドでしっかりサポートしスクロヴァチェスキーによく評される一音たりとも無駄にせず音化していく「レントゲン写真のような演奏」とは雰囲気は異なって特にショパンのオーケストレーションの貧しさも感じませんでした。この共演者、年齢的にも近くそして収録時期にも過不足の無い頃(尤もスクロヴァチェスキーの方はもっと後年巨匠の仲間入りをするわけですが・・・)で繰り返しになりますが少なくとも軟弱ではない演奏を味わえそうです。懐かしさも込めて最高ランクで・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/12

    コダーイの管弦楽曲はハンガリー音楽には元々東洋的民族音楽的雰囲気により親しみ易いものが多いだけに少し聴き慣れない曲もありますがじっくり楽しめるものが多いです。そうした曲をハンガリー出身の指揮者が扱いますと更に説得力のある演奏が記録されている様で本盤ショルティ/LPOによる収録分は少し古いモノラル分も含まれていますがショルティがまだ四十二,三歳の頃のギラギラした壮年期だけにハイ・テンションで確信に満ちた演奏かと思います。ハンガリーのある村でほら吹きの名物男ハーリ・ヤーノシュが宿屋で自分の武勇伝を語り始めようとした時、傍にいた若者がハーックション!とくしゃみをする・・・こうしたユニークなスタートをする組曲この「ハーリ・ヤーノシュ」は1955年の収録(トータルタイム20’58)であります。ショルティの「ハーリ・ヤーノシュ」演奏CDは他に1949年バイエルン国立Oを振ったもの(同22’25)、1993年CSOを振ったもの(同22’38)(1995年VPOとのDVDもある様ですよ)があり若干本盤演奏は前のめりな感じはしますが彼のエネルギッシュな指揮ぶりは勿論オーケストラLPOの奮闘ぶりがポイントでしょう。オランダのオーケストラARCO創立50周年記念に委嘱された「ハンガリー民謡「孔雀は飛んだ」による変奏曲」の民謡「孔雀は飛んだ」はかつてオスマン帝国支配下でのマジャール人を囚人になぞらえ、彼らの自由への情熱を歌ったものだそうで本盤1954年の演奏もの(同22’49)も曲運びがショルティ自身資質的に合ってもおり上手さ分る様な感じがします。ただ後年1996年VPOとの演奏もの(同24’05)と比べても変奏展開上ユトリも欲しい感じもしました。併録のW・マッカルパイン(T)との「ハンガリー詩篇」(1954年収録、タイム18’56)は残念ながら未聴であります。当面OKランクで・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/11

    本盤はシャイー指揮によるブルックナー交響曲集収録(1984年からスタートしオケストラはBRSOとRCOが分担)のラストを飾るRCOとの1999年・・・シャイー46歳・・・録音演奏の大曲第8番(タイム@16’10A15’01B25’36C22’03)で全体としてはシャイーの歌わせ上手或いは彼自身の対ブルックナー観15年間の熟成とRCOのまろやかなビロードサウンドにDECCA録音特性も加わりコク味のある演奏に仕上がっている様に思いました。大作故、過去の数々の大指揮者の重厚さにウエイトが置かれた演奏に長大さの印象が倍加し勝ちなケースが私の場合多かったので本演奏にちょっと助かったというのが正直な処です。第1楽章ややゆっくりしたペースでスタートし近い弦と遠い管を対照的に織り合って微妙に変化して行きます、クライマックスへのアプローチは割れない全奏で充分鳴らしその後ティンパニーを轟かせて次第にスロープダウンして行く有様はこの曲の感動的場面ですね。第2楽章はややテンポの速い中間部を挟む前後のスケルツォ部の執拗な繰り返し強奏の末での雄大さがブルックナーへの陶酔を深めます。第3楽章はスタート時の弦主題の扱い方に特徴的な立体性を見せますが以降弛緩する事なく滔々とした流れをRCOサウンドが抑制気味に展開して行きます。後段での管の咆哮を経てハープバックで〆に向います。最終楽章は結構「押し」強く進め演奏昂ぶりをアップさせ中段での立体性も強調して〆へは実に堂々とはしつつ悠然とコントロールされた処が感動を更に誘います。この辺りは全集のHMVレビュー欄に・・・選りによって第8番演奏を引用して分り易く載っております。。シリーズ完成も記念して最高ランクに・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/10

    ピリスというとどうしてもモーツァルト弾きの印象が先行しますがシューベルトやショパンも重要なレパートリーに入っており本盤はそのショパンのピアノ協奏曲第1番(タイム@20’25A9’40B10’38)及び第2番(同@14’59A9’27B9’01)を1977年彼女がまだ33歳の頃、スイスの指揮者ジョルダン(当時45歳)/モンテカルロ国立歌劇場Oのバックで収録演奏したものです。両曲共若い女性ならではの繊細で初々しいセンスに満ちた曲運びが素晴らしいですね。若い頃は小柄でボーイッシュな容貌からもあってそんなに深く掘り下げた演奏の印象は持っていないのですが特にゆったり目で進めている第2番の瑞々しく割りと硬いタッチが逆にこの曲の抒情性を増している様に思いました。第1楽章オーケストラ前奏は結構深みある音色に対して入るPは鮮烈さはありますが決してキツイ感じはせずとにかく持って回った様な処がないのに好感を持ちました。中間楽章も女性向きと片付けてしまうのにはイージーでしょうがちゃんと筋道立てて展開し中ほどの緊迫感も映えさせます。最終楽章も分を得たオーケストラのサポートよろしく多分に安易に走り勝ちな楽章をPは知情バランス良く進めややこしくしておりません。第1番の方は少し伴奏に怪しさは残ったものの彼女は若い一途な清新さに満ち溢れた魅力で演奏をとにかく全うしております・・・・・・。彼女は一時病いで活動を制限していたのですが1990年以降活動再開しこの二つの協奏曲も再録・・・第1番はクリヴィヌ/ECO(1997年、タイム@20’44A10’15B10’55)、第2番はプレヴィン/RPO(1992年、同@14’36A9’11B8’46)との夫々の共演・・・しております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/09

    ピリスというとどうしてもモーツァルト弾きの印象が先行しますがシューベルトやショパンも重要なレパートリーに入っており本盤はそのショパンのピアノ協奏曲第1番(タイム@20’25A9’40B10’38)及び第2番(同@14’59A9’27B9’01)を1977年彼女がまだ33歳の頃、スイスの指揮者ジョルダン(当時45歳)/モンテカルロ国立歌劇場Oのバックで収録演奏したものです。両曲共若い女性ならではの繊細で初々しいセンスに満ちた曲運びが素晴らしいですね。若い頃は小柄でボーイッシュな容貌からもあってそんなに深く掘り下げた演奏の印象は持っていないのですが特にゆったり目で進めている第2番の瑞々しく割りと硬いタッチが逆にこの曲の抒情性を増している様に思いました。第1楽章オーケストラ前奏は結構深みある音色に対して入るPは鮮烈さはありますが決してキツイ感じはせずとにかく持って回った様な処がないのに好感を持ちました。中間楽章も女性向きと片付けてしまうのにはイージーでしょうがちゃんと筋道立てて展開し中ほどの緊迫感も映えさせます。最終楽章も分を得たオーケストラのサポートよろしく多分に安易に走り勝ちな楽章をPは知情バランス良く進めややこしくしておりません。第1番の方は少し伴奏に怪しさは残ったものの彼女は若い一途な清新さに満ち溢れた魅力で演奏をとにかく全うしております・・・・・・。彼女は一時病いで活動を制限していたのですが1990年以降活動再開しこの二つの協奏曲も再録・・・第1番はクリヴィヌ/ECO(1997年、タイム@20’44A10’15B10’55)、第2番はプレヴィン/RPO(1992年、同@14’36A9’11B8’46)との夫々の共演・・・しております。本盤は若い頃の彼女の写真の方が・・・とした思いがチラッと掠りました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/08

    ドヴォルザーク演奏の別CD盤で東京の方のレビューに載っていましたようにドヴォルザークのピアノ協奏曲という珍凡品が正に「鶏を割くに牛刀を用ふ」との諺通りリヒテル(当時61歳)、C.クライバー(同46歳)という極めて個性的な両巨匠によって1976年オーケストラはバイエルン国立Oバックで収録演奏されたもの(タイム@18’25A8’50B11’03)で作品の演奏ということと両巨匠共演の記録としては中々面白いものであります。私は偶々この演奏をFMで聴いての感想を述べさせていただきます。チェコのヴァイオリニスト・・・カレル・スワロフスキーの為に他のドヴォルザークの協奏曲同様「短調」で書かれたものですが彼の言わばアメリカ時代での充実期以前の作品だからという若干先入観も手伝って曲自体一級品には少し及ばない感じがしました・・・まぁ平たく言えばそんなに数多く演奏盤があるわけではないのもピアノの華やかさを披露する場面が少ないのかバックオーケストラ演奏が主体的でそれも例えば第1楽章スタートはドヴォルザークらしいチェコ民謡風の哀愁を帯びた前奏が今一焦点定まらない内に骨太で深いタッチPソロが入ってすぐにメロディに推移して風情感をチラつかせます。一旦高揚してテーマを全奏するもののこの辺りの繰り返しの有様で単調と言えば単調・・・共演の両者も各々それなりにやっている感じがしました。カデンツァで一応形を示し〆はテーマの堂々再現。中間楽章スタートは比較的穏やかなPメロディで進んで中ほどクライバーの厳しい様相も聴かれ最終楽章はドヴォルザーク常套アプローチでの民族舞踊的なテーマの展開で賑やかではあってもこの辺りにもう一つ私は共感満点とは行きませんでした。二人の共演がそんなに丁々発止的な処も曲の性格上発揮度合いが低かったのかも知れません。しかしとにかくスタジオ録音でこの両者がこの曲を採り上げた動機が如何程のものだったのでしょうか。決してこの作品が駄作というわけではなく第1楽章などは結構じっくり聴いて見てみると次第にその良さが吹き込まれる感じもしないではありません。リヒテルにはこの協奏曲の1966年スメタチェック/プラハSOバック、ライブ収録(タイム@18’22A9’31B10’42)があるようです。作品主体のレビューとなってしまいますが曲への新鮮な印象と演奏者の挑戦意義からオマケで素晴らしいランクとしましょう。次によくカップリングされるグリーグ、シューマンのイ短調ピアノ協奏曲(私の世代ではリパッティ演奏盤が馴染み深いものです)についてです・・・1974年事もあろうにあの御大マタチッチ(当時75歳)が指揮するMNOO伴奏でのリヒテル(同59歳)の演奏盤で聴く前からキャストから正直少し重すぎるのではと思いました。リヒテルのグリーグの方は本盤意外私は知りません、それだけリヒテルが北欧の透明さと隔たりがあると自他共に認めてはいるのでしょう。演奏タイムとしては@12’38A6’07B9’54と顕著な特徴はありませんが第1楽章の出だしから大きな構えというか他の演奏とは路線を異とする方向性は明らか・・・。続くテーマでのゆっくりした運びがその気迫を伝えようとしています。凄まじいカデンツァでは自然の厳しさを「ほうふつ」させ全体を充分過ぎるロマンチック性で展開しています。逆に中間楽章は変に情に流されずバックもリヒテルの設計通りになっています。最終楽章も第1楽章同様豪快な感じであると共に普段聴き流す処がクローズアップされる等すっかり巨匠演奏ムードになっております。多分リヒテル、マタチッチ両人彼らにとっては珍しいこの曲への対応を熟慮の上のこの演奏結果でそのがっちりした重厚さは我々が持つこの曲へのイメージとは明らかに異なった異世界を提供してくれ一聴是非おすすめします。リヒテル自身この演奏は比較的気に入っていた様です。次にシューマンの方ですがリヒテルは小品を含め結構シューマン作品をこなしており録音盤も多くあります。シューマンのある屈託性が気に入っていたのかピアノ協奏曲も本盤演奏(タイム@14’35A5’06B10’21)の他に1948年ガウク/MSRO、1954年ガウク/MSRO、1958年ロヴィッキー/WPO、1958年ジョルジュスク/USSRSO等が残っておりある意味弾き慣れた曲なのにリヒテルは本盤演奏はグリーグほどには満足していなかったそうですね。第1楽章割と元気よくスタートし伴奏も威勢がよい感じです。分り易く言えば「濃い」味で「切なさ」とはこれ又違う領域です。第2楽章は落ち着いた情感を安らぎのうちに進みますが切れ目無しに続く最終楽章はこの曲の構成上やや執拗な華麗さを更に念押しするが如くの演奏です。スケール感と言ってよいのか分かりませんがその様な事が果たしてシューマンのこの曲に似合っていたのか・・・?、この二人の演奏アプローチからはグリーグ同様避けられない方向性なのですが万全なリヒテルの技巧が分厚いオーケストラに塗され若干考え過ぎた演奏の様に思え正直しんどかったです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/07

    本演奏の別CD盤で東京の方のレビューに載っていましたようにドヴォルザークのピアノ協奏曲という珍凡品が正に「鶏を割くに牛刀を用ふ」との諺通りリヒテル(当時61歳)、C.クライバー(同46歳)という極めて個性的な両巨匠によって1976年オーケストラはバイエルン国立Oバックで収録演奏されたもの(タイム@18’25A8’50B11’03)で作品の演奏ということと両巨匠共演の記録としては中々面白いものであります。私は偶々この演奏をFMで聴いての感想を述べさせていただきます。チェコのヴァイオリニスト・・・カレル・スワロフスキーの為に他のドヴォルザークの協奏曲同様「短調」で書かれたものですが彼の言わばアメリカ時代での充実期以前の作品だからという若干先入観も手伝って曲自体一級品には少し及ばない感じがしました・・・まぁ平たく言えばそんなに数多く演奏盤があるわけではないのもピアノの華やかさを披露する場面が少ないのかバックオーケストラ演奏が主体的でそれも例えば第1楽章スタートはドヴォルザークらしいチェコ民謡風の哀愁を帯びた前奏が今一焦点定まらない内に骨太で深いタッチPソロが入ってすぐにメロディに推移して風情感をチラつかせます。一旦高揚してテーマを全奏するもののこの辺りの繰り返しの有様で単調と言えば単調・・・共演の両者も各々それなりにやっている感じがしました。カデンツァで一応形を示し〆はテーマの堂々再現。中間楽章スタートは比較的穏やかなPメロディで進んで中ほどクライバーの厳しい様相も聴かれ最終楽章はドヴォルザーク常套アプローチでの民族舞踊的なテーマの展開で賑やかではあってもこの辺りにもう一つ私は共感満点とは行きませんでした。二人の共演がそんなに丁々発止的な処も曲の性格上発揮度合いが低かったのかも知れません。しかしとにかくスタジオ録音でこの両者がこの曲を採り上げた動機が如何程のものだったのでしょうか。決してこの作品が駄作というわけではなく第1楽章などは結構じっくり聴いて見てみると次第にその良さが吹き込まれる感じもしないではありません。リヒテルにはこの協奏曲の1966年スメタチェック/プラハSOバック、ライブ収録(タイム@18’22A9’31B10’42)があるようです。作品主体のレビューとなってしまいますが曲への新鮮な印象と演奏者の挑戦意義からオマケで素晴らしいランクとしましょう。なお、本盤併録の1963年収録のリヒテル演奏のシューベルト「さすらい人幻想曲」(トータルタイム20’45)は聴いておりません。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/06

    C.ディヴィスが亡くなっ今、老兵と言えどもA.ディヴィス(以下ディヴィス)はある意味英国楽壇での責任が更に増してその存在感が注目される事となりましょう。彼の演奏はマァそのレパートリーにも左右されてはいますが澄んだ響きが特徴で私は無難な処でディーリアスとかエルガーの英国系管弦楽曲を先行して聴いていました。本盤はそうした一枚、1991年録音のエルガーの管弦楽曲集でディヴィス47歳の頃BBCSOを指揮した演奏で何と言ってもやはり他の演奏と比較出来ることもあって「エニグマ変奏曲」(トータルタイム31’36)が先ず注目する曲目でしょう。この曲は周知の通り各変奏の一つ一つが、エルガーの愛する人、友人、知人を表しているというエピソードからそれらを照らし合わせて聞くと、エルガーの人柄が身近に感じらると共に映画「エリザベス」の重要なシーンでも流れる「変奏9」の「ニムロッド」は荘厳で美しく正にイギリス音楽だなぁといつも聴きながら思います。従ってこの曲・・・に限らずエルガー作品の演奏はどうしても英系指揮者とオーケストラによる演奏に集中しがちで本盤演奏でもデイヴィスはマァ先に述べた様に無難に安定した進行具合で仕上げています。正直もう少しメリハリとか輪郭の明確化が欲しいとも思いますがその辺りが彼の持ち味なのでしょう。デイヴィスは勿論この曲収録については本盤演奏だけではなく1981年PHO(同32’39)分とか2007年PHOライブ分(同32’28)とかその他にもある様です。本盤併録の「コケイン」序曲(同14’54)はちょっと威風堂々の感覚に似た曲で後段オルガンやティンパニーを動員しての堂々の〆も気持ち良かったです。題名の「コケイン」とは、コクニー(cockney)から派生したというロンドンの異名であり、生粋の ロンドンっ子が用いたらしいですよ。「弦楽の為の序奏とアレグロ」(同14’43)はスタート悲劇的な色合いなのが曲想が様々変転してちょっと捉えどころをしっかりしなければなりません。「弦楽器オーケストラの為のセレナード」(同@3’28A5’54B2’25)はエルガーらしい雰囲気満載でディヴィスの入念な仕上げに好感を持ちました(この「弦楽器オーケストラの為のセレナード」は先のPHOとの2007年ライブでも録音(同@3’24A5’40B2’54)されております)。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/05

    本演奏のCD盤で東京の方のレビューに載っていましたようにドヴォルザークのピアノ協奏曲という珍凡品が正に「鶏を割くに牛刀を用ふ」との諺通りリヒテル(当時61歳)、C.クライバー(同46歳)という極めて個性的な両巨匠によって1976年オーケストラはバイエルン国立Oバックで収録演奏されたもの(タイム@18’25A8’50B11’03)で作品の演奏ということと両巨匠共演の記録としては中々面白いものであります。私は偶々この演奏をFMで聴いての感想を述べさせていただきます。チェコのヴァイオリニスト・・・カレル・スワロフスキーの為に他のドヴォルザークの協奏曲同様「短調」で書かれたものですが彼の言わばアメリカ時代での充実期以前の作品だからという若干先入観も手伝って曲自体一級品には少し及ばない感じがしました・・・まぁ平たく言えばそんなに数多く演奏盤があるわけではないのもピアノの華やかさを披露する場面が少ないのかバックオーケストラ演奏が主体的でそれも例えば第1楽章スタートはドヴォルザークらしいチェコ民謡風の哀愁を帯びた前奏が今一焦点定まらない内に骨太で深いタッチPソロが入ってすぐにメロディに推移して風情感をチラつかせます。一旦高揚してテーマを全奏するもののこの辺りの繰り返しの有様で単調と言えば単調・・・共演の両者も各々それなりにやっている感じがしました。カデンツァで一応形を示し〆はテーマの堂々再現。中間楽章スタートは比較的穏やかなPメロディで進んで中ほどクライバーの厳しい様相も聴かれ最終楽章はドヴォルザーク常套アプローチでの民族舞踊的なテーマの展開で賑やかではあってもこの辺りにもう一つ私は共感満点とは行きませんでした。二人の共演がそんなに丁々発止的な処も曲の性格上発揮度合いが低かったのかも知れません。しかしとにかくスタジオ録音でこの両者がこの曲を採り上げた動機が如何程のものだったのでしょうか。決してこの作品が駄作というわけではなく第1楽章などは結構じっくり聴いて見てみると次第にその良さが吹き込まれる感じもしないではありません。作品主体のレビューとなってしまいますが本盤LPで音色から楽しむ事として曲への新鮮な印象と演奏者の挑戦意義からオマケで素晴らしいランクとしましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2013/06/04

    東京の方のレビューに既に載っているようにドヴォルザークのピアノ協奏曲という珍凡品が正に「鶏を割くに牛刀を用ふ」との諺通りリヒテル(当時61歳)、C.クライバー(同46歳)という極めて個性的な両巨匠によって1976年オーケストラはバイエルン国立Oバックで収録演奏されたもの(タイム@18’25A8’50B11’03)で作品の演奏ということと両巨匠共演の記録としては中々面白いものであります。私は偶々この演奏をFMで聴いての感想を述べさせていただきます。チェコのヴァイオリニスト・・・カレル・スワロフスキーの為に他のドヴォルザークの協奏曲同様「短調」で書かれたものですが彼の言わばアメリカ時代での充実期以前の作品だからという若干先入観も手伝って曲自体一級品には少し及ばない感じがしました・・・まぁ平たく言えばそんなに数多く演奏盤があるわけではないのもピアノの華やかさを披露する場面が少ないのかバックオーケストラ演奏が主体的でそれも例えば第1楽章スタートはドヴォルザークらしいチェコ民謡風の哀愁を帯びた前奏が今一焦点定まらない内に骨太で深いタッチPソロが入ってすぐにメロディに推移して風情感をチラつかせます。一旦高揚してテーマを全奏するもののこの辺りの繰り返しの有様で単調と言えば単調・・・共演の両者も各々それなりにやっている感じがしました。カデンツァで一応形を示し〆はテーマの堂々再現。中間楽章スタートは比較的穏やかなPメロディで進んで中ほどクライバーの厳しい様相も聴かれ最終楽章はドヴォルザーク常套アプローチでの民族舞踊的なテーマの展開で賑やかではあってもこの辺りにもう一つ私は共感満点とは行きませんでした。二人の共演がそんなに丁々発止的な処も曲の性格上発揮度合いが低かったのかも知れません。しかしとにかくスタジオ録音でこの両者がこの曲を採り上げた動機が如何程のものだったのでしょうか。決してこの作品が駄作というわけではなく第1楽章などは結構じっくり聴いて見てみると次第にその良さが吹き込まれる感じもしないではありません。作品主体のレビューとなってしまいますが高品質盤で音色から楽しむ事として曲への新鮮な印象と演奏者の挑戦意義からオマケで素晴らしいランクとしましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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