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のだめノビルメンテ さんのレビュー一覧 

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     2023/03/15

    私が中学生の時初めて聴きとりこになったエルガーの2番!当時はレコードを見つけることも難しかったこの名曲がいとも簡単に手に入るようになったことは隔世の感がある。英国のBBCウェールズでエルガーに惚れ込みエルガーの伝道師としてエルガー勲章を授与された尾高の演奏だ。悪いはずはない。尾高は過去にもエルガーの交響曲のディスクを出していたが、日本では人気のある第1番についてはテンポの遅さに違和感を感じていた。この大フィル版ではテンポ設定、テンポの伸縮(特に難解な第1楽章)が適正で数ある第2番のCDの中でも一番聞きやすい。大フィルの響きも尾高の指揮のもと、立派なエルガーサウンドになっている。昨年から今年(2022〜2023)にかけて交響曲2番の演奏会ラッシュだったが、ラトル・LSOは別として尾高の演奏はとびぬけていた。このCDでは高貴で英国的な第4楽章も聴きもの。エルガーメダル所持者の尾高の至芸をお楽しみいただきたい。お勧め!

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     2023/03/15

    N・ヤルヴィの演奏に不満があり、前の方のレヴューを参考にヒラー変奏曲を目当てに買いました。結果を言うと大当たり!NZSOの実力に不安がありましたが全くの杞憂。ややオケが薄いかなとも思いましたが、特にフーガで対位法的な処理が絶妙で最終部分も高弦がハッキリ聴こえ十分に楽しめました。
    私はニックネームからわかるように大のエルガーファン。エルガーはほぼ極めたので次はM・レーガーかなと思うきっかけになるディスクでした。
    ただし、マーラーなどの後期ロマン派の作品を十分にお聴きになる方にお勧めです。

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     2021/06/12

    このCDはボールト・BBCの1977年のBBCプロムスの実況録音である。ボールトはこの演奏に先立ち、1976年にロンドンフィルと同曲をセッション録音しているがほぼ同じ解釈の演奏である。残念なことは元々コンサートホールとしては今一問題のあるアルバートホールでの録音なので、やや音量が足りぬことだがこの演奏はレベルが高いので我慢できる。ボールトのエルガー演奏に関してはエルガー本人が高く評価していたことは周知の事実であるが、エルガー直伝のオーソリティに安住したものでは決してなく、ボールト自身のこの曲に対する愛情が垣間見られることは当然である。第1楽章は曲調やテンポの伸縮が激しく演奏がとても難しい楽章ではあるが、冒頭のB♭の音から生気があり2小節目からの生き生きとした進行に耳が奪われる。ボールトの独壇場とばかりにスムーズに曲が展開されている。オーケストラ各パートのバランスが良く、特に金管楽器が効果的に処理されている。続く第2楽章は深く美しい。第3楽章の躍動感。後打ちのリズムを引きずらずスムーズかつ迫力をもって進行される。中間部の木管が美しい。そして白眉の第4楽章!まさにノビルメンテ!英国情緒漂う風格のある上品な音楽を聴くことができる。そして最後に第1楽章第1主題の再現部分では最後の夕焼けの黄金の光が輝き渡る。あたかもR・シュトラウスの「四つの最後の歌」のように!これが現代の録音技術で録られていたいたらどんなに素晴らしかっただろうか。
     タンホイザーも名演だ。だが私はタンホイザーはドレスデン版という拘りが強く、パリ版はあまり好きではない。巡礼の歌が最後に戻るドレスデン版の完結した序曲であれば文句はなかったが・・・。
     色々余計なことを書いたが、多くの場合エルガーの交響曲、特に2番についてはスコアをよく読まずに演奏されていることが多いと思う。そのためテンポの伸縮やリズム処理がうまくいかず、何かに常に引っ掛かるような演奏(特に第1楽章)、薄っぺらでただ流すだけの演奏が多々見られる。だからつまらない、やたら長いと悪口を言われる。この曲の大ファンである私も「これじゃあつまらないや」と思う演奏、ディスクも多い。そんな中で「エルガーの交響曲はどうも苦手だ」という人にこそ聞いてほしいディスクである。

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     2021/06/12

    先の方がハ長調の交響曲が佳曲と言われていますが、私は Kleine Symphonie G を評価します。私にとってプフィッツナーというとハイルブロンのケートヒェンのイメージが強く、R・シュトラウス的な重い音楽を想像するのですが、この小交響曲では軽く爽やかな印象を受け大好きになりました。特に第1楽章と第4楽章。第一楽章冒頭のヴァイオリン(1stか2ndかは不明)とヴィオラの掛け合いから風情が感じられます。その後のクラリネットのフレーズの美しいこと!微風の中で木の葉が擦れ合い芳香を発しているかのようです。第4楽章では冒頭のフルートの旋律に心が和みます。決して名曲ではないと思いますが、最近初耳でここまで引き込まれた曲は珍しいです。小編成で解り易く短い曲なので、日本のコンサートでオープニングを飾るというのは私の夢でしょうか。バンベルク響の無理のない響きを秀逸な録音で楽しめます。

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     2020/05/16

    オールドファンにはわかると思うが、カラヤンの名盤1960年代のベートーヴェンの交響曲全集!私はベートーヴェンの交響曲はこれしか聴けない。(カラヤンのベートーヴェンの)1970年代のものはかなり作為的なものを感じるし、1980年代のデジタル録音は耳に会わない。この60年代の演奏はフルトヴェングラー時代の名残の残る重厚なベルリンフィルを若いカラヤンが豪快に牽引する。この推進力はあまたあるベートーヴェンの交響曲の中でも類を見ない。最近の指揮者のベートーヴェンの交響曲はベーレンライターの改訂版の影響もあるのだろうが、やたらピリオド奏法(弦楽器のビブラート無し奏法や要らない装飾音など)が目立ち好きになれない。原点に帰ることも大切なのだろうが、それならシューマンなどのロマン派の曲をピリオド奏法で演奏する意味がわからない。また、多くの方がラトル・ベルリンフィルのベートーヴェンの交響曲(全集)をお聴きと思うが、カラヤンとは全く方向性が異なる。ラトルの奏法のみならず、余計なディナーミクやフレージングの小手先の小細工が目立ち、ベートーヴェン本来の強い生命力を感じ取ることができないのだ。もっともカラヤンも第5番(「運命」ではない!)の第1楽章の再現部のファゴットをホルンで吹かせるところや、弦・管を必要以上に多く使うなどの批判を浴びる要素が無いわけでもないが、ベートーヴェンの生命力を如実に表現している点でアドヴァンテージありと思うのは私だけだろうか。録音に関してはさすがドイツ・グラムフォン、悪いわけなし。

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     2019/10/10

    グラズノフの8番目当てで買った。この曲は以前から大好きな曲で、出ているCDはほぼ全部を所有している。私とこの曲の出会いは、中学生時代にFM放送で聴きその後すぐ購入したスヴェトラーノフ・モスクワ放送交響楽団とのものだった。原版はソ連のメロディアだったがレコードは日本コロンビアの国内版で音も悪くなく、それまで聴いてきた曲とは違った清新さに心が躍ったものだった。その後CD時代になり、多くのディスク購入してきたがすべての演奏に満足できなかった。スヴェトラーノフ・ソヴィエト国立管弦楽団とのディスクも購入したが、音質がひどくとても聴けたものではなかった。なぜスヴェトラ・モスクワ放送響とのディスクが出ないのかとモヤモヤしながら同演奏のレコードをCDに焼き聴き続けてきた。
     前置きがやたら長くなったが、このディスク、かなり購入を躊躇していた。理由は私が日本のオーケストラにアレルギーがあったためである。N響の地方公演で「田舎者のお前らにはこんなもんでいいだろう」と散々陳腐な名曲を聴かされてきたからだ。そして朝日奈・大響にも決して感動できなかった。しかしこの曲があまりにも好きな私は賭けに出た。朝比奈の特性を逆に判断・期待した。満足できなかった多くのディスクはテンポがやたら速く、この曲の持つ歌謡性と対位法的な技法が聞き取れなかったからだ。そこで朝比奈のブルックナー的重厚長大路線に期待した。結果大当たりだった。第1楽章から情緒満点。決して遅いテンポではないが、各主題をしっかり歌い込む。ただのモチーフの様なメロディが美しい歌に代わってる。第2楽章。この重々しく葬送曲の様な曲を朝比奈は浄化されたアダージョ(楽譜上の指示はメスト)にしている。第2主題部で現れるフルートのメロディはスヴェトラのそれより美しい。闊達なスケルツォ(第3楽章)は丁寧な中にもユーモアを十分感じる。そして聴きどころの第4楽章。序奏の音階の4分音符を一歩一歩丁寧に丁寧に積み上げる。単純な音階が歌になっている。そしてヴァイオリンの高音のなんと美しいことか。その後ホルンとヴィオラ。チェロで奏でられる第1主題は地に足が着いておりかっこいい。クラで奏でられる第2主題もロシアの春の様に清新さに満ちている。その後展開部の対位法的な面白さ、再現部での堂々とした曲運び、感動的なコーダと朝比奈はまさにブルックナーのようにこの無名な交響曲を歌い上げる。実に堂々として爽やかな名演だった。この曲の良さを最大限に引き出した朝比奈に脱帽する。新星日響も時にロシアのオケか?と思わせる気迫で朝比奈に応えている。この演奏でスヴェトラでも感じなかったこの曲の良さに気付くことができた。やっと理想のグラズノフの第8番に出会うことができた。偏見とは良いものを見のがさせる、と反省した。朝比奈さんごめんなさい。日本オーケストラごめんなさい。買って良かった。早く買っておけばよかった・・・。既存の名交響曲に飽きたリスナーの皆さん。この機会にいかがでしょうか。

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     2019/05/03

    名盤中の名盤、ムラヴィンスキーの「悲愴」。中学生の時に買ったレコードと同じジャケットでまた私のところに帰ってきた。私はSACDの再生装置を所有しえいないのでこのハイレゾCDを購入した。このディスクは私の貧弱な再生装置でも明らかに違いが判る。今までのディスク感じた「べったりと張り付く」ような音ではなく、奥行きが感じられよりレコードに近い音質に改良されている。特筆できるのは、ある時は鋭い刃物のように、ある時は憂い満ちた深い表情を見せ、ある時は咽び泣くような弦楽器群!特に3楽章では吠えまくる金管群を凌駕する音量でマーチを奏で、4楽章では心の内心にまで届く響きで気持ちを滅入らせる。また、好き嫌いの分かれる旧ソ連のオケ独特のトランペットの音も、このオケの弦楽器群の独特な響きに溶け合う。また完璧なレニングラード・フィルのアンサンブルと確固たるテンポ感・説得力はまさにムラヴィンスキーの至芸といえるだろう。約43分間があっという間に聞き通した。個人的なことではあるが、実はこの演奏日時は私の誕生日とほぼ同じ(歳が判るか)である。まさに自分とともに生きてきた演奏という強い愛着がある。だからこの演奏に対して「歌がない」「昔の名演など意味がない」「ダメなものはダメ」といったレビューに立腹していた。私に言わせれば「良いものは良い」のである。しかしこれが決して決定版と言うつもりはない。私の友人の中にはフリッチャイしか聞けないという者もいる。聴く者それぞれに感性があるのだから・・だが、あえて世界遺産級の名演・名録音と言いたい。私にとって当ディスク・カラヤンのシューマン交響曲全集・エードリアン・ボールトのエルガーの2番(1976)があの世まで持って行きたい3大名盤である。

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     2019/03/19

    久々に買ったアイヴズの交響曲。1番、2番ともなんとも美しい演奏である。入門用としてはお勧めする。しかし、その美しさは時のよって弱点となる。具体的に例を挙げる。例えば第1番の1楽章は★5つ。クラリネットによる第1主題から瑞々しく美しい。テンポも快適。そして第2主題部のころころ調性を変える弦のフレーズ、木管による美しい旋律、古典音楽を思わせる高弦のフレーズ。滑らかに進行し、特に木管が美しい。展開部でまた木管が夢のような響きを出している。2・3楽章もお洒落に進む。しかし4楽章のコーダではオケの(録音)の薄さが目立ちトランペットによる頂点もなんの引っ掛かりもなく消化不良の状態で終わる。2番も同様で、第2楽章の中ほどではトロンボーンによる大切な旋律がさっぱり聞こえてこない。しかし、第5楽章では明滅するアメリカのフォークのメロディが懐かしく聞こえる。聞いていて楽しくなる。しかしコーダではまたオケの薄さがマイナスに作用する。これから買おうとする人には訳のわからない文章になってしまったが、たまたま多くの演奏を聴き比較対象があるから言えること。再度言うが入門用としては良いのではないかと思う。私としてのお勧めは1・2番はメータ・ロスフィル。3番はマリナー・アカデミー。4番は小澤・ボストン響と思うが、入手困難なものもあるのであくまで参考ということで。1つ注意したいのはメータの第1番の第4楽章では極端なカットがあること。色々つまらないことを述べてきたが、偏狭老人の好みを主張しただけで異論・反論は覚悟の上、無礼をお許し願いたい。最後にもう一回確認したいのは、アイヴズはとても親しみやすく美しい演奏なので、躊躇している方は是非一聴をお勧めする。私も同コンビの3・4番を購入してみたいと思っている。

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     2019/02/16

    このDVDはおすすめです。多くのエルガーを聴かれている方に対しては特に。CD演奏ではヒコックス・LSO他が最良かと思いますが、映像でこの曲を見れる(聴ける)ということが貴重だからです。(バレンボイム・BPO他の演奏がBPOデジタルコンサートホールで視聴できますが)演奏そのものはボールトなので問題ありません。音響・音質もDVDとして視聴する分には十分なものです。また、エルガーをはじめとする英国音楽に長年にわたり関わっている人にとってはボールトのドキュメンタリーは大変貴重なもので、英国音楽の資料として永久に保存したいものです。★を1つ減らしたのは、(特に第2部で)要らない画像が入ることですが、単純にテレビ画面で視聴するためにはこのくらいの演出は仕方ないでしょう。

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     2019/02/16

    このDVDはおすすめです。多くのエルガーを聴かれている方に対しては特に。CD演奏ではヒコックス・LSO他が最良かと思いますが、映像でこの曲を見れる(聴ける)ということが貴重だからです。(バレンボイム・BPO他の演奏がBPOデジタルコンサートホールで視聴できますが)演奏そのものはボールトなので問題ありません。音響・音質もDVDとして視聴する分には十分なものです。また、エルガーをはじめとする英国音楽に長年にわたり関わっている人にとってはボールトのドキュメンタリーは大変貴重なもので、英国音楽の資料として永久に保存したいものです。★を1つ減らしたのは、(特に第2部で)要らない画像が入ることですが、単純にテレビ画面で視聴するためにはこのくらいの演出は仕方ないでしょう。

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     2018/06/03

     美しい響きの2番だ。特に第1楽章はこの指揮者のスコアに対する洞察力の良さが伝わってくる。通常の交響曲では考えられないほどのテンポの緩急が自然に表現され、躓きなく曲が進んでいく。エルガーの作品を比較的多く演奏する機会のあるオケだからこそ対応できるのだと思うが、ガードナーのセンスの良さが伝わってくる。それに続く第2・3楽章も同様に進んでゆく。特に第2楽章の弦が美しい。響きの透明感は第4楽章でも活きていて、全体としてバランスよくまとまった2番となっている。しかし、第4楽章ではもう少し音の厚み(特に弦楽器とホルン)や起伏・内声部の掘り起こしがあればもっと良かったと思う。この点で申し訳ないが☆4つにした。弦楽セレナードはおまけ程度の扱いかと思っていたが、涼風を受けるかのような爽やかさで気持ちよく聞けた。エルガーって本当にいいなぁ・・。

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     2018/03/29

    ロシア人のエルガーが面白い。ソ連時代スベトラーノフが振った2番を持っているが、なかなかの力演(怪演?)であった。ワシリー・ペトレンコのこの演奏、気に入った。全曲を通して見通しがよく、すっきり気持ちよく聞けた。ただし、ボールトなどの英国系の指揮者のようにはいかない。細部細部で指揮者の意図が見えるのだ。だがそれが悪いとは思わない。ペトレンコのエルガー感がよくわかるということだ。スコアを研究し、自分なりの響きを丁寧に再現している。わかりやすくい言えば、ペトレンコのこの曲に対する真摯な姿勢(本当に好きで振っている)が理解できるのだ。オケもこれに従いこの指揮者に対するレスペクト感がよく伝わってくる。だから英国ローカルなエルガーではなく、世界のエルガーに仕上がっている。こだわりや偏見のない人が聞けばきっと気に入るはずである。特に4楽章は素晴らしい。これから初めてエルガーの2番聞いてみようかという人にとってはベストチョイスになると思う。ちなみにもう一人のペトレンコ、BPOのキリル・ペトレンコの2番も素晴らしい(正直こちらの方がよりパワー・推進力を感じて好きだが)ロシア人はエルガーが好きなのだろうか?

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     2016/10/10

    素晴らしエルガーのディスクが出た。久しぶりに爽やかな気分になった。「南国にて」は冒頭から勢いのある演奏。エルガーサウンドが炸裂する。ローマの古戦場を想起するような中間の部分やコーダにもう一つ勢いがあればと思うが、旋律がクリアでバランスの良く、これからも何度もチョイスしたい良演である。「エニグマ」は主題の部分から優しさがあふれ、第1変奏の弦が美しい。アリスを愛するエルガーの思いが伝わってくる。第6変奏のヴィオラソロの線の太さ、第7変奏でのティンパニの強打がかっこよい。優しさが溢れる第8変奏の後に続く「ニムロッド」!極端に遅いテンポ、徹底したピアニッシモがで始まる。その後の展開、そして頂点のスケールの大きさに感動する。「ああ、これがエルガーだ」と。約4分強、かなり遅い部類に入るが、美しい「ニムロッド」である。その後の変奏も気持ちよく流れ、第14変奏のフィナーレ(EDU)スケール感やバランスよさで最後まで楽しめた。残りの4曲は珍しい作品。すでにボールト盤で出ている「カリヨン」などは上記2曲に比べればかなり落ちるが、「砂漠の声」は本当に美しい。歌詞の内容はともかくエルガー最期の輝き・美しさがある。エルガーが好きな方ならば是非聞いてい欲しい小品である。玉石混交のCDだが、今まで述べた3曲だけでも十分に価値がある。心から推薦できる。最後に一言。BBCスコティッシュがここまでできるとは思わなかった。ブラボー!

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     2016/08/30

    日本のオーケストラに抵抗感があるため購入を躊躇っていたが、エルガーの曲(大部分は編曲者ペインのものであるが)であるため購入した。結論から言えば、客観的に☆5つ、積極的に購入をお勧めする。「客観的に」と前置きしたのは、私の中にはアンドリュー・デイヴィス氏のCDがあるためだ。実は私はロンドン滞在中にこの曲の初演を聴いている。演奏前、編曲者とデイヴィスによるレクチャーで完成までの細かい過程が説明され、どのようにしてエルガーの曲としての完成度に近づけたかが語られた。(この内容についてもっと論じたいが、本製品のレビューとしての論点からそれるため省略する)しかい、演奏後の聴衆の反応は上々であったが。やはり1・2番に比べて密度が低いということを語っており、自分も同感であった。このことが本CDでも顕著に現れている。要するに、デイヴィス盤に比べて水っぽい印象が残るからだ。しかし、それはクック版のマーラーの10番でも同様、あくまでスコアに起因するものであることであり、デイヴィスの演奏は早めのテンポで、BBC響の(エルガー演奏に慣れた)実力で水っぽい印象が少し薄まっているからだ。ほか数枚出ているCDでも同じことが起こっている。従って、尾高氏のように遅いテンポで演奏されれば、それだけ低密度に感じることは仕方がないことなのである。しかし、この演奏を否定はしない。それはこの曲(ないしはエルガーの作品)に対しての理解と共感、愛情がこもった演奏であるからだ。速く締まったデイヴィス盤がある意味無機的の感じる演奏であるが、尾高氏の演奏は極めて有機的で温もりを感じる。この点でデイヴィス盤よりも優っている。その一番の理由は第3楽章であろう。一音一音に魂があり、飽きないのだ。そして札響のレヴェルの高さも評価したい。この曲に対する尾高氏の要求に100%応えている。札響に対する印象が一変に変わった。結論として、この曲を聴きたいが、どの演奏を選べばよいか尋ねられれば躊躇なくこの演奏を推薦したい。長くなったので最後にしたいが、このコンビによる2番の演奏に大いに期待したい。尾高は間違いなくエルガー指揮者である。

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     2016/08/05

    このCDはレコード時代からの名盤と言いたいが、これはブラームスを聴くディスク。ハイドン変奏曲については、ベーム・VPO、ハイティンク・コンセルトへボウがお気に入りだったが、今ではすっかりこの演奏に惹かれている。全体的に速い演奏だが、LSOの実力で緻密でなおかつダイナミックな仕上がりとなっている。第1変奏と5・6変奏、最終変奏が特に良い。問題は「エニグマ」だ。私のニックネームからお気づきの方がいるかと思うが。エルガーに対しては特別の感情を持っている。この曲は知名度は高いが、名盤は意外と少ない。最終変奏(EDU)はこの曲の中で最も善し悪しが分かれる。曲想やテンポが次々と変わり、この変化に苦慮し、ゴツゴツして躓くような演奏に陥るからだ。英国の指揮者でもなかなか良いものを見つけにくい。しかし、このCDではヨッフムは健闘していると思う。しっかりとスコアを読んでおり、曲に愛着があることは理解できるからだ。だが最終変奏につては同じ罠にはまっている。また、第8変奏の後半に音が鈍る場所がある。これは演奏上の問題ではなく、録音側に問題がある。批判ばかりで恐縮だったが、「ニムロッド」は素晴らしい。通常は4分代が普通だがこの演奏では5分もかかる。しかし極めて遅いテンポでもしっかりと歌い上げ、クライマックスへと膨らみ、静かに終わる。終わった時には長大な曲を聴き終えたような感動を覚える。おまけのワグナーはかっこよい。だが敢えて入れる必要があるのか?天国のブラームスが怒るのではないのか?

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