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遊悠音詩人 さんのレビュー一覧 

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/31

    まさに「『巨人』はワルターに始まり、ワルターに還る」の言葉通りです。ワルター盤をファースト・チョイスとして聴いておきながら、随分と寄り道しました。しかし、最近はスコアに忠実なだけの演奏がはびこり、しかもそれこそマーラー演奏の新境地だと言わんばかりの絶賛の声に、強い憤りと落胆を覚え、縋る想いでワルターに還ったのです。マーラーのシンフォニックな面とロマンティシズムが見事に調和しています。マーラーに対する深い愛情や理解を随所に感じます。こんなにも温かく、慈悲深く、歌に満ち、心の底から突き動かされるような『巨人』は古今東西ワルター盤以外にないでしょう。ワルターはマーラーから「音楽の中にある最上のものは、音符からはみつからないよ」とアドバイスされていたとか。現代の自称マーラー指揮者諸君、この演奏を聴いて反省しなさい!(笑)

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/31

    今までクーベリック盤(ボストンSO盤、バイエルン放送SO盤、チェコPO来日ライヴ)を主に聴いてきましたが、ノイマン盤の素晴らしさは先の三枚と双璧の(ボストンSO盤は完全に凌駕している)ものと思われます。ほとばしる郷土愛や誇りがひしひしと伝わってきます。冒頭のハープの一音から引き込まれます!有名な《モルダヴ》も、ここまで優れた演奏が他にあるでしょうか。これは、もはや川の流れというより、チェコ人の熱い血潮やチェコの伝統の流れのようです。《ブラニーク》ではいい意味で洗練され過ぎないゴツゴツさが魅力で、まさにボヘミア的!ただ、終演近くで《高い城》の主題が回想される辺りからは、個人的にはクーベリック/チェコPOの来日ライヴ盤およびバイエルン放送SO盤の方が熱くて好きです。だから中々甲乙付けがたいのですが、首位が三つということでいかがでしょうか?

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/30

    クーベリック盤と双璧の大名演です。流麗でスピーディなクーベリックとは対照的に、ゴツゴツとしたよい意味での野趣がある演奏です。まさにボヘミアの民族的な熱気を感じます。ジャケットの女性のような踊り手達の跳躍が目に映るようです。コシのあるサウンドも秀逸で、あたかもブラームスのごときです。この曲の成立事情を鑑みると、ブラームス風の重厚さも曲に合致していると言えましょう。語り口も絶妙で、緩急自在でそつがなく、聴き飽きることを知りません。強力推薦盤です!

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/26

    決して、一般的なドビュッシーではありません。一般的な《海》は、印象派の水彩画のような、絵画的なタッチで演奏します。名盤として名高いマルティノンなどが好例でしょう。対するチェリビダッケの《海》は、荒々しさと崇高さを持った、まさしく海そのものを奏でるようです。もはや「印象派音楽」という枠はアッサリ通り越し、宇宙的な生命の躍動のごときうねりをもって、壮絶極まる演奏を披露してくれます。単なる色彩の妙だけで聴かせる演奏とは明らかに一線を画しているだけに、アクの強いことも事実ですし、純フランス的な演奏に聴き慣れている耳だと違和感を禁じ得ないかも知れません。しかし、一般的解釈とは違った角度から驚異的な次元の《海》を創造したチェリビダッケの手腕には、ただただ敬

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/21

    本当に楽しい!ニュー・イヤーも毎年恒例だからか、年によってはルーチンワーク的で新鮮味に欠け、正月早々がっかりすることもありますが、さすがはクライバー!何という歓び!何という躍動感!まさに夢のひとときです。VPOの艶やかな音色と高度なアンサンブル力を、最大限以上に引き出したクライバーにはただただ敬服せずにはいられません。ニュー・イヤーで今後も風化せずに生き残れるのは、クラウス、ボスコフスキー、クライバーの三名だけでしょう。しかし、彼らの芸風を録音物でしか味わえないのは何とも心苦しいです。彼らに代われる指揮者は、果たして現われるでしょうか?恐らく、可能性はゼロに等しいかも知れません…。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/21

    天性の美声…!シューマンの《詩人の恋》は、バリトンならF=ディースカウだけれども、テノールならやはりヴンダーリヒでしょう。繊細な表情付けもありながら感情過多で破綻することがない、見事な均衡を保った歌唱なので、じっくりと音楽世界に浸っていられます。併録のシューベルトとベートーヴェンも、恋をモチーフにしているものを選曲しており、CD一枚があたかも一つの作品のようでもあります。また、同時期に殆ど同じ曲目をザルツブルク音楽祭で録音したものもあり、復刻盤がORFEOから出ているので、こちらも併せて推薦したいと思います。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/21

    ドヴォルザーク特有の、良い意味での土臭さに溢れています。木管の素朴な響きといい、弦の何とも言えぬ燻し銀の光沢といい、まさにボヘミア的です。フッフロのチェロもよく歌います。愛情に満ちた表現から、アグレッシヴな質感を伴った表現まで実に多彩です。名盤として名高いH.v.K指揮/M.R.独奏のような、洗練の極みみたいな演奏も悪くはないですが、やはりドヴォルザークは渋みのあるチェコPOで聴きたいですね。スークのヴァイオリンも秀逸で、深みのある音色や情熱的な歌い回しからは、熱い血潮を感じます。この名演を一枚に収め、しかも定価1050円とは有り難い限りです。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/21

    木管の柔らかさ、弦の艶やかさ、そして溢れんばかりの良い意味での土臭さ!チェコPOのドヴォルザークには、他にはない温かさがあってとても素敵です。ドヴォルザーク自身の指揮で演奏会をスタートさせたという歴史を持ったオケですが、それを単なる語り種に留めずに、しっかりと誇りとして刻んでいるのでしょう。共感に満ち、よく血が通った名演です。演奏・録音ともに恵まれない二曲だけに、ドヴォルザークのエキスパートたる名コンビによる当盤は、筆頭の名盤と言えましょう。

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     2008/01/18

    マーラー演奏というと、例えばL.B.のように、感情表現が濃すぎて胃もたれしそうなものを思い浮べるでしょう。もしくは今日のP.B.やE.I.などのように、おおよそ精緻だけが取り柄のようなものを想起するかも知れません。ですが、ノイマンの演奏はそうした両極端な演奏とは違い、実に滋味深く麗しい音楽を聴かせてくれます。チェコPOならではの素朴かつ何とも言えぬ光沢を湛えた音色を生かしつつも、単なる流麗さだけで誤魔化さず、各パートを独立した有機体のようにドライヴしています。今まで聴き逃された微弱な音にまで魂が込められ、精妙な響きを作り出します。更に、マーラーがまごうことなきボヘミアの作曲家であることを裏付けるように、随所に牧歌的な叙情を滲ませているのも特筆すべきでしょう。一味も二味も違った魅力的な一枚です。音質も、豊かな残響のある素晴らしいものです。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2008/01/17

    マーラーからユダヤ的側面を剥ぎ取り、苦悩をなくしたら、残ったものはやたらに精緻な「楽譜」(“音楽”ではない!)だけだったのか。楽譜に忠実なことが、必ずしも音楽に忠実であることとは限りません。この演奏を聴くと、あたかも、名作の台本に書かれた台詞を一字一句正確に“棒読み”したような演奏に聞こえます。絶賛する人から「愚聴だ!」と言われるかも知れませんが、ブーレーズが現代を代表する指揮者であることを踏まえた上での批評です。「大袈裟な感情表現は皆無!」と称賛する向きもありますが、感情表現のない音楽とは?かなり疑問です。「シンセサイザー」と揶揄されるのもむべなるかなと思われます。変な例えですが、その内、最新鋭のロボットがオケを作って弾くような時代が来たら、先駆者的演奏として持て囃されるだろう演奏です。ブーレーズの精緻なアプローチが仇となり、“精緻だけが取り柄”な演奏となった訳です。けれども、絶賛する人を否定はしません。何故なら、マーラーには近代音楽への先駆けとなるような、複雑精妙な管弦楽法があり、その点に着目したアプローチとしてブーレーズを評価することも可能だからです。まあ、個人的には感情表現に乏しい演奏は受け入れたくないので、“いまいち”ですがね。長文多

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     2008/01/16

    例えば、ギレリス&ヨッフム/BPOのような、怒濤の迫力を感じる演奏を好む向きには、オケの力感にやや物足りなさを感じるだろう。しかし、視点を変えれば、実に室内楽的な親密さを持ったブラームス演奏と言えないだろうか。実際に、オケとピアノの掛け合いは互いに寄り添い合うようだし、四つ相撲のような演奏とはまた違った魅力がある。ブラームスのロマンがしみじみと歌われる、味わい深い演奏だ。

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     2008/01/10

    ラフマニノフ自身より「この曲を完全に消化している」と言わしめたホロヴィッツ、若い頃作曲者の自作自演でこの曲を振ったこともあるオーマンディ、そして全盛期のニューヨークPOが、三位一体となって奏でた歴史的ライヴ録音だ。とかく超絶技巧のお披露目になりがちな第3協奏曲から、かくもロマンに満ち溢れた響きを現出出来る三者の素晴らしさには、ただただ敬服するのみ。勿論ライヴ故(あるいはホロヴィッツの老衰の故)ミスが散見される。だが、正確無比でも味が無い演奏がはびこる中、ミスがありながらもここまで情感を行き渡らせた演奏も珍しい。ホロヴィッツは言う。「完全であること自体、不完全なのだ」。楽譜通り忠実に弾いただけでは得られない、曲の豊かな感情表現の追求に重きを置いていたのだろう。だから、テクニックの凄味やメカニックな正確さを求める向きには余りお薦めできない。だが、人間的で歌に溢れた濃厚至極のロマンティシズムを味わいたい人には、これ以上の名盤はないだろう。二曲とも終演後の拍手まで収録されており、会場の熱気が直に伝わってくる。

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     2008/01/09

    そうすると、これはむしろヴァントを聴く為の一枚と言えるかも知れませんね。巨匠のブルックナーに対する解釈や楽団を統率する力量を評価すれば、「最高!」でしょう。ただし、やはり〇〇〇(アバドかラトルでしょう)以降のBPOは、音が痩せてしまっています。幻滅された方も多いはずです。もはや、世界最高ランクからは明らかに脱落していると感じます。ピッチの正確さで言えば、ミュンヘンPOの方が格段に優れています。何しろあのチェリビダッケによって磨きぬかれてきたのですから(来日の折学生オケを振った彼は、コントラバスのチューニングだけで30分も費やしたそうです)。その土台の上にヴァントの詰めの厳しいアプローチが高次元で融合している訳です。ヴァントのブルックナー演奏の最高峰は、ミュンヘンPOと録音した第4と

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     2008/01/07

    先のチャイコフスキー・コンクールで優勝した神尾真由子がTVで、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲に対し次のように言い放った。「曲自体が良いので、演奏家が別に何かしなくてもよい」。私は唖然とした。全く何をか言わんや。どんな名曲でも、演奏家が魂を込めることで初めて素晴らしい曲になるのに…。やり切れない思いの反動からか、本物のチャイコフスキーを聴きたい一心で縋りついたのがこのオイストラフ盤だった。聴いて本当に良かった。歌に溢れ、情感に満ちている。音楽の喜びが、哀しみが、憧れが、憂いが、その他あらゆる想いが込められている。一つ一つの音が馥郁と香り立ってくる。息遣いや歌い回しが何とも温かく、自然に琴線に触れ、思わず涙腺が弛みそうになる。こんな感動は久々だった。録

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     2008/01/06

    ギレリス/ヨッフム&BPO盤と双璧をなす名盤!勿論両者は趣向が異なる。ギレリス盤は、強靱ながら時に繊細なピアノにBPOの重厚なサウンドが四つに組む構図である。対してこのバックハウス盤は、まろやかで温かみのあるピアノにVPOの暖色系のサウンドが寄り添う形である。迫力や情熱のこもった演奏を求める人はギレリスを、武骨ながら叙情的で温和な演奏を望む人はバックハウスを聴けば良いだろう。勿論、どちらも名盤だから、興味のある人は聴き比べも面白いと思う。因みに、輸入盤では96kHz/24bitのリマスタリングが施されており、その上モーツァルトの27番が併録されているのでお薦めだ。ただブラームスの終演間際にある音割れは如何せん変わらない。これさえ良くなっていればますます評価が上がるだろう。

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