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masato さんのレビュー一覧 

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     2013/02/17

     ケント・ナガノ&ベルリンフィルの演奏がこの作品との出会いでした。ライブということもあるのでしょうが、「細部に拘る」とか「録音が」ということよりも、マクロ的にこの作品の素晴らしさを教えてくれました。そして、シャイー盤に出会います。こちらはミクロの視点でもこの作品を見せてくれ、おまけにとんでもなく録音がよく、ほぼ満点。ずっとシャイー盤こそ私にとっての『トゥーランガリーラ』でした。で、最近プレヴィンのSACDと出会います。かつて聴いたことのある演奏だったのですが、ずっと棚の中…レベルの印象しかありませんでした。ところが、評価一変!凄い演奏、凄い音、正に音の洪水。シャイー盤+圧倒的な迫力で、打ちのめされました…。こうなったら、棚の中に眠る『トゥーランガリーラ』を聴き比べてやろうと、サロネン盤や小澤盤、カンブルラン盤を棚から引っ張り出してきたわけです。
     で、この小澤盤。迫力満点です。シャイーやチョンが繊細な面を見せてくれているのに対して(勿論、迫力も申し分ないレベル。繊細な感じを受けるのはデジタル録音の賜物(?)でしょうか…)、小澤は勢いに任せて押し切っている感じです。当然、繊細さは犠牲になりますし、素敵に聞こえてくるはずの音も、音の洪水の中で埋もれてしまったり、という感じを受けることもしばしばでした。特に9,10楽章など「これは『春の祭典』か…」と思ってしまうような瞬間も(特に打楽器の強打の折など)。やはり、プレヴィンを筆頭に、シャイーやチョン盤の最新技術も味方につけた繊細さと豪快さの両立の方に、より惹かれます。が、この“勢い”も凄く魅力的です。若さほとばしる小澤のリード、全力で食らい付き、音を鳴らし切っているオケの面々。こんな『トゥーランガリーラ』だってあっていいでしょうし、棚でずっと眠らせておくのは勿体無い…と改めて感じました。プレヴィンのようにSACD化されたものを聴くと、また違って聴こえるかもしれません。実際、プレヴィン盤がそうでしたから。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/16

     ケント・ナガノ&ベルリンフィルの演奏がこの作品との出会いでした。ライブということもあるのでしょうが、「細部に拘る」とか「録音が」ということよりも、マクロ的にこの作品の素晴らしさを教えてくれました。そして、シャイー盤に出会います。こちらはミクロの視点でもこの作品を見せてくれ、おまけにとんでもなく録音がよく、ほぼ満点。ずっとシャイー盤こそ私にとっての『トゥーランガリーラ』でした。で、最近プレヴィンのSACDと出会います。かつて聴いたことのある演奏だったのですが、ずっと棚の中…レベルの印象しかありませんでした。ところが、評価一変!凄い演奏、凄い音、正に音の洪水。シャイー盤+圧倒的な迫力で、打ちのめされました…。こうなったら、棚の中に眠る『トゥーランガリーラ』を聴き比べてやろうと、サロネン盤や小澤盤、カンブルラン盤を棚から引っ張り出してきたわけです。そして、このチョン盤を新規購入。
     まず、音がきれい! 『幻想交響曲』のときにも感じたのですが、本当にきれいな音を出すオケだ(このコンビのが最も好きな『幻想』冒頭です)。弦(特に高弦の弱音!)のきれいなことといったら、もうウットリのレベル。第6楽章など、その弦の繊細さが最大限に発揮されていて、もしかしたら私の知る中では最美の第6楽章かもしれない。第6楽章に限らず、とにかく静寂・弱音が美しい…! その一方、迫力という面ではいまひとつ…という感じ(打楽器の強打は迫力満点ですが)。第1楽章、第5楽章など、もう少し圧倒されたい気がしました。ただ、最終第10楽章は素晴らしい! 「これが最後だ!」とそれぞれの楽器がしっかりと自己主張をしていて、おまけにそれらがことごとく聞こえてきて(ここら辺のチョンの手綱さばきは見事!)、快感この上なし。第6楽章同様、最高の終曲かもしれない。迫力不足と感じたのも、もしかしたらこの終曲への準備だったのか…。もう少し聴き込んでみよう…プレヴィン盤といい勝負かもしれない。

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     2013/02/15

     ケント・ナガノ&ベルリンフィルの演奏がこの作品との出会いでした。ライブということもあるのでしょうが、「細部に拘る」とか「録音が」ということよりも、マクロ的にこの作品の素晴らしさを教えてくれました。そして、シャイー盤に出会います。こちらはミクロの視点でもこの作品を見せてくれ、おまけにとんでもなく録音がよく、ほぼ満点。ずっとシャイー盤こそ私にとっての『トゥーランガリーラ』でした。で、最近プレヴィンのSACDと出会います。かつて聴いたことのある演奏だったのですが、ずっと棚の中…レベルの印象しかありませんでした。ところが、評価一変!凄い演奏、凄い音、正に音の洪水。シャイー盤+圧倒的な迫力で、打ちのめされました…。こうなったら、棚の中に眠る『トゥーランガリーラ』を聴き比べてやろうと、このサロネン盤を引っ張り出してきた次第です。
     プレヴィン盤に圧倒された直後なので、他盤にはちと不利な状況なのですが、かつて感じたものとは違う魅力に気付かされもしました。他盤に比べ点滅するかのような金管・木管の音は非常に魅力的だったし(特に第7&9楽章)、オンド・マルトノも他盤より大きく聞こえ、存在感たっぷり。ただ、もう少し迫力が欲しいなぁ…と感じることもしばしば。前半を締めくくる第5楽章の終結部など、もっとガツンッと決めてもいいんじゃないかと思いました。クロスリーのピアノも少し堅く(録音も関係しているのだと思いますが)感じられ、ベロフの“煌めき”までには至らず、という感じ。“愛”に関わる楽章群ももう少し“妖艶さ”があってもいいのでは…。プレヴィン盤が妖艶さと精妙さの見事な拮抗を聴かせてくれたので。申し分ない“精妙さ”は聴かせてくれているのですが…。
     と、こんな感じです。圧倒的なプレヴィン盤の後なので、少々の不満も感じてしまいますが、素晴らしい表現・録音であることは間違いありません。このサロネン盤を聴いて、プレヴィン以前のNo.1だったシャイー盤が“機械的に”感じられてきました。人肌の温もりのある名演だと思います。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/12

     私にとってのブラームスの交響曲“全集”は、カラヤン&ベルリンフィル(最新盤)、ザンデルリング&SKD、そしてこのセル&クリーブランド管、この3つ。重厚・ドッシリのザンデルリング…大きくふくよかなブラームス。完璧な美的バランス・音響バランス…カラヤンの黄昏、いかにも美しいブラームス。そして、このセル。シャープで格好いい! 適度な激しさ、勢い・前進性があり、カラヤン、ザンデルリングとまた一味・二味違った魅力をもつ。加えて、クリーブランド管の“揃い方”の見事なこと! それも、機械的に揃っている感じじゃないのが、また凄い! 何から何までピタッと決まっている。かといって、杓子定規の感は微塵もない。4曲とも終結部での煽り・盛り上げは、こちらを熱くさせてくれるし、緩徐楽章での味わいも申し分ない。セルの揺ぎない解釈、オケの揺るぎない自信とセルへの信頼、そこから生まれた、クリアでありながら温かみのある素晴らしいブラームスだと思います。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/07

     「凄まじいばかりの音響にはただただ圧倒されるのみであり、称賛の言葉すら思い浮かばない」というmejiさんのレビュー、まったくその通り! ほんと、圧倒された。今までは、第1にシャイー(こちらも優秀録音)、第2にナガノで、このプレヴィン盤は完全に私に無視された状態だったのですが、これを聴いて一変!何て豊かで奥深い素晴らしい演奏なんだろう…!となってしまいました。『トゥーランガリラ』での録音の影響力の大きさを改めて実感した次第です(マーラーの第8『千人』も)。
     ヴィブラフォンなどの音が宙に漂っている感じ(空気の震え、余韻)がたまらない。そして、その上に重なる管楽器の何て美しいこと!大編成・大音響の中で輝く小さな美!大寺院の大庭園の中でひっそりと自己主張する、1本の小さな山もみじ、小さな猪威しのよう。そして、それら小さな美は、大音響の中でも決して埋もれない、しっかりと聞こえてくる、しっかりと自己主張をしている…! これがまた凄い。加えて、ピアノの音が減衰していく様、オンド・マルトノのあのフォワ〜ンとした感じ…こんなに見事に聞こえてきたのも初体験。
     プレヴィンの取仕切りも大満足。枠を構成する1,5,6,10楽章をしっかりと固め、前半の2〜3楽章の“愛・トゥーランガリラ・愛”、そして7〜9楽章の“トゥーランガリラ・愛・トゥーランガリラ”、この2つの主要2グループも、しっかりとした枠の中で、美しく魅力的に響かせている。改めて、この作品の構成的な素晴らしさにも気付かされた。
     素晴らしい作品が、素晴らしい指揮者の組み立ての下、素晴らしいオケと素晴らしい録音でもって鳴り切っている。これ以上、何が望めよう…。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/03

     セッションでさえかっこよくベートーヴェンを演ずる彼らのライブ(日本での!)ですから、かっこいいのは当然! 私の中では、かっこよさではクライバーと双璧。クライバーのかっこよさが、リズム感・スピード感によるのに対し、このコンビは圧倒的な技量と音圧によるかっこよさ。どんなに速くなろうが、どんなに大音量になろうが、常に“かっこよく”音を出し続ける彼らには、本当に驚かされる。ライブであれば、当然、多少の傷はある。その傷でさえ“ライブ感”というプラスに転じてしまうほどの彼らの佇まい、存在感…ほんと、当時のカラヤン&ベルリン・フィルは凄かった!。
     4番冒頭、あの何とも魅力的な静⇒動を、ライブでありながら見事に表現。第2楽章の美しさはクライバーにない静謐さを湛える(勿論クライバーのだって美しい)、そして第3・4楽章の追い込みの素晴らしさは唖然とするレベル。
     7番の第2楽章の美しさも滴るようだし、終盤大きく加速していく様も4番同様(あるいはそれ以上に)圧巻だし…もう言うことなしのレベル。
     SACD化で、“空気感”が増した感じ。会場のノイズなど、CDよりもリアルな感じがする。だからこそやはり楽章間のインターバルもそのまま残して欲しかったなぁ…。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/03

     カラヤンのベートーヴェンを聴くと必ず思い浮かんでしまう言葉なのですが、やはり「かっこいい!」。更にライブ(おまけに日本での!)となれば尚更。セッションでさえ、あれだけスタイリッシュにかっこよくベートーヴェンを聴かせてくれるのに、そこにライブ感(高揚感)がプラスされるわけで、もうたまらないかっこよさ。それができるのも、やはりベルリン・フィルの技量があってこそ。低弦群のズッシリ・ドッシリ感たるや唖然とするレベルだし、高弦群の何て煌びやかなこと。優雅な木管群、絢爛豪華な金管群…ほんと当時のベルリン・フィルは凄かった…!。普通なら大音量になればなるほど、まとまりづらくなるだろうし、美しさ(美しい響き)を維持するのが大変になるだろうけど、ベルリン・フィルは違う…。どんなに大音量になろうが、暴力的な咆哮だろうが、美しく響いている。そして、その大音量の中でも、全ての楽器がしっかりと自分を主張している(バランスを考えながら!)。感心・感嘆・感激の連続のベートーヴェンでした!
     SACD化による音質のアップも第9ほどじゃなかったですが、第1・3よりよく感じました。まぁ、音質改善云々を超えた演奏が記録されているわけですが。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/01

     このカップリング、シューリヒトの非常に生き生きとした名演とほぼ同時に視聴。こちらは何と言っても70年代のライブ(おまけに日本での!)、圧倒的な推進力ではやはりこちらに軍配。奏者、リスナーをグイグイ引っ張っていくカラヤンの手腕に改めて感心。まず、第1。重厚でありながら、このスピード感…呆気にとられるほど。やや緊張しながらの(何で緊張しなきゃいけないのか…と微笑してしまうのですが、緊張させてしまうところ、そこがまたカラヤン)再生スイッチONから、あっという間のエンディング。“駆け抜ける高性能重戦車”。
     『英雄』はそこに更に作品の重量感が加わってくるから、正に「圧倒される」格好よさ。どうだろう…あのベルリン・フィルハーモーニーにおける記念演奏会とどっちが格好いいだろう…。完成度と気合の入り方ではベルリンでの演奏に(映像付きだし…)軍配が上がりますが、ライブ感と「日本での」というナショナリズムを伴った高揚感がこの演奏に大きく味方にする。…格好いい『英雄』ライブ、何枚あったっていいですよね!
     SACD化で、音圧がやや増したかなぁ…というレベル。音質では第9ほどの感動は得られませんでした。あと、不満はやはり楽章間のインターバルをそのまま残してくれていないこと。これほど圧倒的な演奏なのに…ライブ感に水が差されてしまう…残念。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/01

     Disk1しょっぱなのベートーヴェンの1番からもう圧倒された。やっぱり第1はこんな風に生き生きとしていなければ! この推進力、やはりシューリヒトは並みの指揮者じゃない! これを実感。
    ところが次の『英雄』が以外に落ち着いていてがっかり。でも、この1番の後だからこう感じるのであって、決して悪い演奏ではないと思います。特に第2楽章は非常に味のある名演ではないかと。
     そして、ベートーヴェン第1の生き生き感が、シューベルトの5番、そして何より次のブラームスの1番で戻ってくる。大好きなシューベルトの5番、この溌剌とした歩みこそ私が望むこの曲の姿。ブラームスの1番は、もしかしたら最も好きな演奏の仲間入りかも…。生き生きとして元気のいい演奏なのですが、ミュンシュのような聴後の疲労感がないのです。ほんと爽やかな聴後感。3番も爽快。で、次の4番。シューリヒトのブラームスの4番が悪かろうはずがない。クライバーとザンデルリンクを足して2で割ったような、いいとこどりの正に私の理想形。いやぁ…ほんとにいいブラームスの第1。
     『ライン』『家庭交響曲』も言うに及ばすの名演奏だし、その後も名演揃い。聴いて損なしの10枚組み。そういえば、シューリヒトの演奏、聴いてガッカリとしたことがないような気が…。もしかしたら、もっともハズレの少ない指揮者かもしれない。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/28

     この演奏は私に『巨人』の素晴らしさを教えてくれた思い出深いもの。ただ、その後、私の前に現われたバーンスタインの新盤、M.T.トーマス、シャイーらの後塵をしばらく拝していた。それは、好きな作品だけに、私が「新しいもの、新しいもの」を求めていたことによるし、録音の古臭さにもよる。
     そして、今回、SACD化によって再会。あまりの素晴らしさに絶句でした。やはり、この演奏は素晴らしかった。というより、凄かった。これほど無理せず、美しく流れていながら、しっかりと感動を届けてくれる。無理に気を惹こうとせずに、人を惹きつける凄さ。化粧などいらない“すっぴん”美人だ。これを聴いてしまうと、バーンスタインは暑苦しく感じてしまうほどだし、M.T.トーマスのはやけに分析臭がしてきてしまう。シャイーのも「やっぱり美しいだけじゃ駄目なんだな…」と、誠に申し訳ない感想さえ口に出かかる…。(もちろん、この3枚も素晴らしい演奏ですし、大好きです)
     もう一度、初心に帰ってこの演奏を聴き込んでみよう。初めての出会いの時と違い、LPじゃないから何度聴いても劣化はない。安心して聴き込める。間違いなく、この演奏とこの作品がますます好きになる。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/28

     ノイマン晩年のアルバムは全て“美しい”。彼岸の“美しさ”。『新世界』も、この『第9』も。
     開始早々、その美しさに圧倒される。これほど美しい開始は経験したことがない。これほど美しい弦の“揺らぎ”、どうやったらできるんだろう…と感じてしまうほど。やはり、彼岸(悟りの境地)を意識した者にしかできないことなのか…。本当に澄んだ美しい音だ。そして、そこに絡んでくる木管群の、これまた美しいこと! ただでさえ美しい音を出すチェコ・フィルだ…晩年のノイマンの手にかかると、その美しさは“ぞっと”するほどレベルになる。その後やってくる、咆哮も絶叫も、全てが“美しい”。
     第2楽章、何度も同じことばかりで恐縮ですが、こんなに美しい冒頭の「たたたたたった」は経験したことがない…。いやぁ…ほんと、“美しい”としかいいようがないんです。木管群を少し強めに吹かせている感じも、好印象。とにかく美しいので、この強さも気にならない。
     第3楽章も正に美しい“阿鼻叫喚”。美しさと阿鼻叫喚の同居…?落ち着いて考えてみたらおかしい(笑)。およそ、マーラーの第9の第3楽章に相応しくない音楽が鳴っている…。でも、とんでもなく美しい音楽が鳴っているんだから、まぁいいか。
     そして、最終楽章…! 「この美しさはこの最終楽章のためにあった」と言ってもいいぐらい。激しさなど、これっぽっちもない。ただただひたすらに“美しい”。終盤、絶叫から諦観への、あの素晴らしい音楽(!)、思わず目頭が熱くなる…。「あまりにあっけなく終わってしまって…」と書かれておられる方もある。確かにその通り。あっけなく終わる。でも、これでいいんだろう。人生もきっとこんな風にあっけなく終わってしまうものなんだろう…。
     美しく、素晴らしいマーラーの第9が聴けた。ノイマンに感謝!

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/26

     おそらく私の知る最も“格好いい”第9。…どうだろう…1977年ジルヴェスターの第9ライブ(DVD映像)の方が“格好いい”かなぁ…迷うところ。ただ、こちらは何と言っても我が国での演奏…どうしてもナショナリズムが心をくすぐってしまう。
     ライブなんだから、ミスがあるのは当然。何らかのトラブルだってあるだろう。ただ、それを覆い隠すほどの“格好よさ”がこの演奏にはある。「これから盛り上げるんだから待ってろ」というカラヤンの声が聞こえてきそうな、意外とセーブされた第1楽章。その後の第2楽章はスピード感たっぷりでエキサイティング。ティンパニの打ち込みも気持ちいい。第3楽章の美しさには言葉を失う…正に唖然。絶美の弦楽の上で舞う木管群の囀り、そしてそれを切り裂くような金管群の咆哮…時が経つのも忘れる…というより、「このままずっとこの音楽が続いてくれ!」と祈ってしまうほどのもの。そして、怒涛の最終楽章が来る。とにかくパワフルだ。低弦の迫力は正に“重戦車”と呼ばれるに値するもの。ウーファーが震え、部屋の空気が震え、それが聴いている私の心を震わせる。コーラスの迫力も凄い。最近の第9はやけにこじんまりとしてきているので、尚更だ。「カラヤン指揮の下、ベルリン・フィルを見下ろして歌っているんだ…!」というメンバーの喜びが感じられそう。思わずジーンと目頭が熱くなってきてしまうほどの迫力。大団円の加速感、迫力も最高だ。これぞライブの第9!
     CDでは流石に気になった音も、殆ど気にならないレベルに。こんなに変わるのか…と驚くほど。というより、1〜8番より高音のきつさが減少していて、角が取れて、逆に聴きやすいと感じたほど。
     ただ一つだけ不満が…。楽章と楽章の間、ライブ感を出すためにも切らずにそのままにしておいてほしかった…。聴く方もインターバルが欲しく感じる演奏でもあるし。
     ハイティンク&アムステルダムのような落ち着いた第9もいい。バーンスタイン&ウィーン・フィルのような温かいものもいい。古楽器勢の鄙びた感じも最近よく感じるようになってきた。そして何より、熱さ・激しさに奥深さの加わった(正に奇跡的な…)フルトヴェングラーの第9(たち)もある。だけど、こんな髪を振り乱すような熱く・激しい第9もいい。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/01/26

     聴後、マーラーの書いた素晴らしい音楽とウィーン・フィルの底力、そして若きメータが作品と演奏者たちに与えた推進力に圧倒されている自分に気付く。凄いエネルギー、パッション。それでいて聴いていて疲れないのだから、尚凄い(バーンスタインは新・旧両盤とも、聴後はグッタリ…)。
     冒頭は意外とアッサリで、少し拍子抜けするほどですが、その後の加速が凄い。圧倒的な爆発あり、その間に顔を見せる静謐な美(美しい弦楽の上で舞うような木管群はたまらない)。特に最終楽章、木管群と奥から聴こえてくる金管群の絡みには、ほんと唖然とする。
     しかし、聴後暫くして我に返り、落ち着いて考えてみると、やはり様々な名盤の魅力も思い出されてくる。怒涛のパッションでグイグイ聴かせるバーンスタインの旧盤、旧盤の“情熱”が“情念”となって奥深さを増した新盤、まるで音楽が透けて見えるような精緻さのジンマンやインバル、そして完璧と言いたくなるほどのバランス感覚のM.T.トーマス(録音も秀逸)。そして最近、含蓄深く、魅力的なハイティンクの新盤も聴いた。たとえ「聴後グッタリ…」とはいえ、私のベストはやはりバーンスタインの新盤かなぁ…。ま、ライバルたちが凄すぎるだけ。このメータ盤も魅力満載であることは確か!

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2013/01/22

     私の中での『未完成』のイメージ…「霧の中にボヤーッと浮かぶ光景」「霧に霞むロンドンの街」。冒頭の低弦で立ち込める霧が表現され、その後の何とも魅力的な旋律で霧の中で色々なものが動き始める。ただ、視界はクリアにならない。見えるもの、動くものは全て霧のカーテンの向こう。「もっとクリアに見たい!もっと遠くを見たい!霧よ晴れてくれ!」と手で撥ね退けても、目の前の霧が微かに揺らめくだけで、また同じことの繰り返し…。第1楽章終盤には、ついには霧に屈し、諦め、目を閉じ空想の中へと温かさを求める…(第2楽章)。
     こんなイメージですから、クライバーの演奏を聴いてシックリくるはずがない。「こんなクリアな『未完成』は…」となるのも当然。ただ、何故だろう、徐々に引き込まれていく。少しずつ、少しずつ、テンポも前のめりになっているのだろうか…手の届かないものへ必死に手を伸ばしてつかもうとするけど届かない…そんな姿が音の中から浮かんでくる。霧の向こうではなく、クリアに見える分だけ、手が届かないときのショックは大きい…。最初に受けた違和感はもうない。今では、私にとってのベストの『未完成』。
     第3番は最初からベストの3番。このウキウキ感はたまらない。これ以上温かく、美しいウキウキ感はクラシック音楽ではめったに体験できることじゃない。
     今回のSACD化で、『未完成』のクリアさ、そして3番のウキウキ感に磨きがかかった感じ。ただ、これは「音が良くなった」「細部まで聴き取れるようになった」といったことで評価が変わるような演奏じゃない。

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     2013/01/20

     私にとっての『ツァラトゥストラ』はカラヤンの73年、83年の2枚です。60年のウィーン・フィル盤も“勢い”という点で魅力的ですが、精緻さを極めた73年盤(ティンパニの存在感たるや言葉もなし!)、黄金色の黄昏色とでも言いたくなるような83年盤(迫力と温かみの見事な共存!)には届きません。
     そして、この70年のライブ。精緻さという点では、セッションのようにはいかないのは当然のことで、それによるマイナスを覆い隠すに十分な“ライブ感”(『春の祭典』やベートーヴェンの『第7』の“ライブ感”も凄かった!)が何とも新鮮。勿論、「精緻さという点では、セッションのようにはいかないのは当然」とは言っても、当時のベルリン・フィルの技量たるや、凄まじいの一言! 「後の世の人々について」から「歓喜と情熱について」にかけての盛り上がり、そして後半戦に突入し、特に残り15分になってからの弦楽の迫力と美の共存には、正に唖然。
     他の曲でも「R.シュトラウスは精緻さこそ命」とセッション録音ばかりを聴いてきましたが、この『ツァラトゥストラ』…73年、83年の両横綱に割って入りそうな、強力な大関になりそうです。

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