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林檎太郎 さんのレビュー一覧 

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     2019/06/15

    ジャケット写真のイメージのまま。こんな風に歳を重ねたいと思わせる、滋味溢れる秀演。このディスクを手に取ろうとした人が、期待するものを余すところなく与えてくれる。ひとつの人生の理想を見る思い。

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     2019/04/28

    録音のせいもあるかもしれないが、ダイナミック、テンポいずれをとっても、レンジが控えめの表現に聞こえるディスクである。そのため峻烈な表現を求める聴き手にはおそらく物足りなさをを感じさせるものと想像できる。一方で、中庸で落ち着いた表現を好む聴き手にとっては、愛聴盤になり得るだろう。いかにもドイツの中堅といった良心的な演奏を聴くことができる。好感を持てる全集だった。

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     2019/02/24

    稀代の名演と思う。テンポについての違和感は、個人的な感覚では全く無い。特にカタコンブはこうでなければと思われる。まだアファナシエフも若く、打鍵の豪放さもこの音楽に必須のものと思われる。で、しかも瞑想的。個人的には理想的な表現に思われ、なぜ早く手に取らなかったのか後悔しきりで荒る。

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     2019/01/06

    最近の演奏のトレンドはスコアからどれだけ多くの情報量を引き出すことができるか競い合っているようで、このディスクはその最右翼。膨大なディスコグラフィーの山の中から存在価値を示すために腐心している跡がうかがえる。2楽章のホルンとか、新たな発見をさせてくれる点で興味深く聴いた。ただ表現主義が鼻につかないかというと、嘘になる。個人的に愛聴盤になるとは言いがたいが、時々取り出して、聴きこむことにはなりそうだ。この人には、やはりヨーロッパで録音の仕事をしてほしいと思う。

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     2019/01/06

    後期ソナタの書法を明快に解き明かし、しかも感覚的にも美しい。すばらしい演奏だと思います。ただ、音源については、電子的にややお化粧しすぎなのではないかと思ったのも正直なところ。もしやと思って確かめたところ、やはりキースジャレットのケルンコンサートと同じプロデューサーによるものだった。

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     2018/12/22

    クラシックCDの価格が下がったおかげで、ピアノソナタ全集が手軽に入手できるようになり、気がつくと20種を超える全集ボックスを架蔵するに至ったが、この全集の演奏に最も感動を覚える。南米出身であるにもかかわらず、いや、であるからこそ、ヨーロッパ古典音楽芸術の精髄を極めようという求道者的精神が、ここかしこから伝わってくる。重心が低く、絶妙に重ねられる音の美しさには息を呑む。すばらしい!!!

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     2018/12/22

    遅ればせながら聴いてみたが、なるほどたしかに新しい個性の発露という点では、際だった演奏を聴かせてくれている。しかし、このダイナミックレンジは、実演の聴感を伝えるものなのか、ひどく疑問を感じる。演奏者も含めた意図的なものだとするならば、それには賛同できないというのが正直な気持ちだ。実演に触れてみたい。

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     2018/06/15

    CD39に不具合があると当サイトより連絡をいただきました。それで流通が止まっているのかもしれませんね。対応後、引き続き販売されることを望みます。なぜなら、ここには20世紀の再現芸術のもっとも良質な成果が凝縮していると、言って過言ではないすばらしい演奏の数々が収められているからです。マーラーの交響曲のディスクも、クーベリックのLPの初出時には、想像も出来ないほど大量のディスクが、現在リリースされています。それらを耳にして、もう一度クーベリックに戻ってみると、全く色あせない、いやむしろ新鮮に聴くことが出来る、虚飾を感じさせることの無い純粋な音楽の数々に耳を奪われることになります。情報量を競うのではなく、太い筆を握って,さっと一筆で書き上げたような、そんな魅力を覚えるのです。

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     2018/06/01

    寸法を間違ったのかと思われるお粗末なケース。およそ美しいとはいえないジャケットやケースのデザイン。CDボックスが、次から次へとリリースされる中、これほど外見の商品力が低いボックスの中に、こんなに豊かで濃密な音楽が封じ込められていたとは!!自分の年齢なら、いくらでもこのピアニストの演奏に接することが出来たのにと、後悔しきりである。が、一方、驚きとともに、恐ろしく凝縮度の高い音楽をまとめて享受する時間を持つことが出来た喜びも一入だ。一枚一枚、大切に聴いていこうと思う。

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     2018/06/01

    ベートーヴェンのソナタ全集を任されるピアニストの演奏がそもそも悪いはずが無いのだが、この全集は、その中でもすばらしく、聴きはじめると、次へ次へとやめることが出来ない。まず響きの美しさ、そして特筆すべきは豊かな歌だと思う。大言壮語せず、慎ましく歌いぬくのだが、その美しさにはっと息を呑む。ライブならではの感興も加わり、まことに美しい時間が流れる。録音もクリア。ただし、ジャケットやケースのデザインセンスは、演奏に反比例して感心しない。

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     2018/05/22

    まだすべてを聴いたわけではないが、大きなインパクトを受けた。かつてネヴィル・マリナーの登場時に受けたインパクトのような、と言ってみる。英国人らしいという形容はあまりに陳腐かもしれないけれど、あえて言ってみたいと思わせる。慎ましく、紳士的なブルックナーである。これほどスコアの隅々までクリアに聴こえるブルックナーの演奏に、これまで出会ったことは無かった。クリアで美しい響きが一貫して奏でられる、耳の大掃除が出来るブルックナーで、存在価値は大きいと思われる。ただ、その反面、やはりネヴィル・マリナーにも感じた壁のようなものを、この演奏から感じてしまうことも事実。あまりに慎重で、緻密な音量バランスの設計は、時に脆弱さや物足りなさを覚えてしまうことは仕方あるまい。多様な芸術を味わいたい。

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     2018/02/09

    美しい!の一言。力みも山っ気も、混じりっ気もない、純粋、素朴なブルックナーの素の姿を、マズアの指揮で聴くことができるなどと、想像もしていなかった。録音も特にルカ教会での3曲は理想的と言ってよく、それ以外もこのオケの渋い響きをよく捉えている。ブルックナー交響曲全集も手当たり次第、手を出したが、ひょっとすると最後に残るのはマズア盤ではないかとさえ思う。マズアか?などと思わずに、先入観を捨てて、虚心にこの響きに耳を傾けることをお勧めする。、

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     2018/02/03

    まだすべてを聴いたわけではないが、これこそ未来に遺し、録音で聴き継ぐべき演奏と思われる。並み居る巨匠が活躍した20世紀にミュンヘンで、またバイロイトで絶大に支持されたという事実だけでも、この指揮者の演奏は傾聴に値する。指揮という再現芸術とは何かという観点でも、この演奏を聴かずに通り過ぎることはできないだろう。素性のわからぬレーベルということもあり、まじめなファンには受け入れられないかもしれないが、この指揮者を知るために、こんな重宝なボックスはない。

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     2017/06/17

    30曲に果敢に取り組んでおり、若々しく気負いのあるアグレッシブな演奏で、すばらしい。この曲の録音にしたって、すでに多くの蓄積があるのだし、しかも演奏者はまだ若いのだから、オーソドックスにまとめる必要など全くないだろう。自分の刻印を演奏の中に残そうという並々ならぬ意志は、気持ちが良い。老成などせず、走り続けてほしい。

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     2017/05/10

    箱の大きさ(特に高さ)のことを別にすると、数あるボックスものの中でも、屈指の丁寧さ。EMI(ワーナー?)の、パールマンへのリスペクトの高さが想像される。ブレンデル、カラヤン等、アーチストボックスの中でも商品力という点では、ベストと言えよう。

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