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ダルマ人間 さんのレビュー一覧 

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     2014/02/20

    セールになったのでレビューします。下のレビュアーさんと似た内容で恐縮ですが…。あいかわらずNHKは呑気にフルプライスで売っていておかげで在庫がだぶついてるのでしょう笑 まずブックレットの解説に「マーラー作品をディスクに残していないブロムシュテット」と記述がありますが間違いですね…かつての手兵SFSと2番を残してます。(タワレコで復刻されてますし間もなく発売されるボックスにも入ってます)そのほか録音の詳細や肝心のブロムシュテットの来歴なども記載がなく、ページ数はそれなりにあるのに、適当なブックレットです。これでフルプライスなんだから国内盤買う気なくなりますよ(と言いつつやっぱ目当ては演奏なので悔しいけど買ってしまう…)さて内容は、85年の5番が意外なほどの熱演!まだ独墺系の濃ゆい音色で、これが本当にN響なのかと思ってしまいました。金管なんて肝心なときメタメタで笑っちゃいますがそれも一部、ライブならではの熱さ、スリリング。曲と指揮者の相性のよさも感じます。オケのスケールが厚く聴き応えがありました。私のような若年層にとっては新鮮に感じられる、昔の記録です。録音もいい。さて01年の4番は佳演ですが熱い5番とは全く違います。デュトワによる改革のためか同じオケとは思えないほど音の質感が変わっていることに驚きます。少しゆっくりめで大きな緩急はつけない、丁寧で優しげな美しい演奏を目指しています。耳につくミスは驚くほど少ない。ただ、やはりところどころパート間の呼吸がうまくあわず、流れが悪くなっている箇所も。人畜無害にみえて実際はドギツイ対比を含んでいる曲だと思うので個人的に物足りなかったです。オケも勿論最近の水準レベルですがちょっと水っぽくよそよそしいのは録音やマスタリング編集のせいもあるのかな。悪い演奏ではないのですが期待したほどではなく。5番はとても満足。結論としてはブロムシュテットのファンで、かつマーラーが好きなら是非!というところでしょうか。ブロムシュテット、もっと発掘してほしい…(あえて星5つ)

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     2014/02/17

    EMIが吸収されたのでワーナーから出ましたか。すべて新録音。一曲が数分程度の小品集ですが、古今の作曲家から選ばれていて飽きません。タローは場末の空気も匂わせるようなウォームな音を出しますね。選曲もコテコテの独墺系はほぼなく、バッハくらい。全体の印象は夜の洒脱なピアノ音楽。お得意のラモー、クープランはもちろん、小犬のワルツなどもやりすぎない絶妙なユーモアで、アルバム全体のアクセントになっています。輸入盤なら安いし、とてもオススメ。国内盤のほうで視聴もできます。ただ、優等生的な演奏ではありませんね笑 結局タローを知ってるひとしか買わないんだろうなあ…

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     2013/12/05

    毒も、棘も、本音も、隠すことに意味がある。ショスタコーヴィチの大きな特徴であるアイロニーとは、そういう事でもあるだろう。社会的存在である人間は、本音と建前を使い分けたり、方便をいったり、認知バイアスがあったりと、倒錯した感情や言動を表明してしまう生き物だ。それに現代に生きる我々は、もはやシンプルな、倚り懸かれるような価値尺度を失っている。このことは、様々な学問芸術の分野で随分前から告発されてきた。アンビバレンスさ、割り切れなさ、都合の良さ、それに対する反発、葛藤、そして移ろいゆく儚さ、くだらなさ…きっとこれらもまた人間の妙味だ。そしてそれはショスタコーヴィチの交響曲の妙味でもある。(マーラーをヒントにしてはいるが。)例え作曲の経緯がジダーノフ批判に対する名誉回復を狙っていたとしても、前作の素材から切り貼りして作られたようなこの作品に、ひとりの人間として、思いを込めずにはいられなかったんじゃないかな。インバルの演奏では、ショスタコーヴィチの隠し切れなかった思いを「隠し切れなかった」ことがわかるように感じ取ることが出来る。インバルもまた、徹底的に、神経質に過ぎるくらいに恣意性を廃し、エゴを消し去ろうとするのだが、曲の佳境に来ればむしろエゴはついに抑圧をバネにして噴出し、代えがたいほどに壮絶な印象を刻み付ける。個人的に都響との演奏は、マーラー等よりもずっとショスタコーヴィチのほうがあっていると感じる。それは上記のような演奏者と作曲者の、意外なほどの共鳴があるおかげなのだと思う。(あと都響のシャープな音、機動性反応性。)表象としての演奏は確かにドライで楽譜に忠実なのだが、決して突き放しているわけではない。むしろ逆だ。私は最終楽章の所謂「強制された歓喜」の部分に涙した。なんという虚しさ。この曲、随分飽きていたのに、こういう演奏にあえるからライブ、新録は面白い。

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     2013/06/25

    安価だったときに買いました。お洒落で、ちょっと気障で、ウィットに富んだブルックナーなんて想像できるだろうか?(誤解を承知で言うと「プーランクみたいな」という形容。プレートルはプーランクの使徒的指揮者。)プレートルはいままでのブルックナー指揮者が試したことのない(そんな気すら無い)アプローチで料理している。(彼の芸風には、シェフとかスタイリストという言葉がすごく似合う。)シューリヒトのようだというレビューにあるように、決して重くゴツくならないように音作りをしているし、ゲネラルパウゼもトゥッティもほとんどタメずにスイスイ進む。と思えば、休息をとるかのようにゆったりと羽を伸ばしている箇所もある。そしてスケルツォのステップの足取りの軽いこと。確かに全体は颯爽としているがそれだけでなく、掴みどころのない楽想、とりとめのない楽想を実に洒脱に「着飾らせている」ので、普通のブルックナー観からすると軽々しいし、煩わしいことこの上ない。そういう点では前の方のご指摘通り、芸風としてはマーラーのほうがウケるだろう。個人的には最初は「ちょっと無茶だなあ」と思ったが、「こういうのもアリか、さすがにキャリアが長い人だし珍妙な説得力がある」と慣れてしまった。合わないと思ったら、しばらく距離を置いて、忘れた頃に聴くといいかも。値段はもとに戻ってるので、常道のブルックナーに飽きが来ちゃった人向け。

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     2012/10/30

    そら恐ろしいショスタコーヴィチ. ソ連勢とは違う方向で,非常に深刻,深淵な音楽に仕上がっています. ある意味玄人向けの演奏で,最初に聴くのは勧められません. 西側で初めて本格的にこの作曲家をとりあげたハイティンクですから,悪かろうはずもないのですが,内容は諸氏のレビュー通り.音質はCDなのにマスの響きをしっかり捉えていてしかも鮮烈,ただダイナミックレンジがとても広く弱音と強音の差が大きい. ちょっと高級機向きかな. 最近は本家コンドラシンSKD,ラトルCBSO,インバル都響などの熱く,しかしシニカルさや軽妙さを忘れない凄演に触れ,手に取る機会の減っていたこの盤ですが,改めて聴いてみるとこれらとかなり異なる特殊なタイプの演奏であると再認識. ハイティンクは凡庸とされてきた過去がありますが,ちゃんと聴けばむしろ普通の曲のイメージからはかなり違ったものを目指しているのがわかります. この作品の演奏にありがちな意図的にチープな音色,暴力的な音色は聞かれず,いつものハイティンクらしい質感高いサウンドで,曲が解体されてしまっているかのようなテンポを守り,じっくりと,じわじわと造形し,終始仄暗い冷たさ,恐怖感から解放されません. おどけきらないのです. 盛り上がる箇所も煽ったりしない. この作曲家特有の洒脱感や軽音楽っぽさ,無機的な怪物感は慎重に拭い去られ,まるで世紀末音楽のような音色の重なりが見えます. しかし突き放しきっているわけではない. だからこそ不思議な暖かさが残る. スルメアルバム. この曲が好きで,いろんな盤を聴きつくしてしまったという人に是非薦めたいです. (廃盤ですが彼のチャイコフスキーなども同じ印象)DVDも作曲から初演の経緯について,演奏風景とソ連の風景をPVのごとくドキュメンタリー風に追体験できる意識の高い内容. おまけにしてはよくできてる.

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     2012/10/20

    メロメロ。本人演奏によるレトロ風音響処理が効いたバッキング。風呂場で歌ってるみたいなボーカル。タイムカプセルみたいで、新しいのに懐かしさしかないw 知らない人に聴かせたら絶対古い音源だと思うはずw 一様にトロトロってわけでもなく、軽いノリにも事欠かないのです。次作でいきなりメジャーデビューしましたが、さて。

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     2012/10/20

    どこか寂しいけれど、暖かく包んでくれる。泣きそうになってしまう。歌詞も含めて。語りかけるような歌い方で、こころに届く。いろいろな景色、シーンをみせてくれる。しかし喪失を感じさせるラストの曲が怖い。裏切られたような哀しい気持ちになる。1曲目との落差が凄まじい。

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     2012/10/20

    ショルティ評は手垢まみれで、無機質、筋肉質、チンドン屋と結構散々なものも目にする。実際彼の他の、主に80年以降の録音を聴いても、「オケのドライブ感はすさまじい、でも最後まで聴いていられない」という状態で、この録音も予想よりかなりローファイでところどころ金管の音がクリップしてききづらく、ハチャメチャな爆演と感じて一度聴いたきり、しばらく避けていた。しかしあらためて色々な5番を聴いた後にもう一度ききなおすと、「あれ、こんなによかったっけ!」と再発見。もちろん解釈が相当むりやりな部分もあり、また金管が豪快すぎる部分もあり、笑ってしまうのだが、とにかく押しては返すたぎるような熱い演奏で一気に聴かされてしまう。知性や屈折などは薄まっているがとにかく感情的で下品(ホメてる)、ある意味バーンスタインのような部分も感じられるのは意外だった。1970年の時点で、マーラーの俗っぽくて騒々しく、劇的で、破滅的でやぶれかぶれな一面をクローズアップし世に送り出したのはやはり評価されるべきだと思う。ライブのように粗すぎるのだがそれもご愛嬌。歴史は繰り返すらしい、レヴァインや小澤、ブーレーズやアバドの丁寧、精緻を土台においた演奏(その集大成がジンマンかな)が流行したが、それを吸収し、また一方でテンシュテットやバーンスタインを見本に感情的な発露を恐れないハイブリッドスタイルが確立されたのは面白い。ルイジやミュンフン、(コントロールされてはいるが)MTT、ゲルギエフなどから共通点を感じる。

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     2012/10/20

    ジャケットが少し変わっていて、プレゼントにしたら喜ばれそうな絵本風。ただちょっとディスクが取り出しにくく、傷つきそうで怖い。さて内容だが、この人の「音楽家」としてのポジションがよくわかるが、昨今の録音水準を考えるとやや中途半端に感じてしまった。カップリングはなし。チクルスを一気に録音するのは商業上最近では普通ではあれど、それでもじっくりやり込んで新機軸を打ち出すという類のものではないし、ものすごく録音が良質という程でもない。ブラームスは古典的と捉えられがちで、ここでも古楽アプローチをとるのかと思いきや、違う。ブラームスをロマン派として捉えた上で、(マーラーでもそうだったが)エゴを抑えてインテンポで気持ちはやめに、停滞しないようさらさら音楽を流していく解釈は一般的な演奏と比するとかなり肩透かしを食らうかもしれない。特に1番2番に顕著だがタメらしいタメもなく非常にあっさり、自然体。こじんまりしていて(誤解を招く言い方だが)まるで英国音楽のような、音楽に没入しすぎない、濃淡の差をとりすぎないスタイル。変な力み皆無の脱力系。ことさら構築的ともシンフォニックとも感じないが音響現象としてはなかなか美味い。4番が一番感情的で肩に力が入っている(それでも煽りやケレンは丁寧に排除されている)。ニュートラルに振舞うことで、ブラームスの交響曲を崇高なドイツ的神棚から降ろし、誇張気味の巨大なイメージや、あるいはまたそのアンチテーゼとしての新古典というイメージを避ける狙いはよくわかる。ただちょっとまとめすぎてしまってもう少し面白みがあってもいい気がした。他レビューにもあるように弦楽器は滑らかで確かに心地良いのだが、微温的すぎるという人もいるだろうし、個人的にはVnがときおり鼻につくのがひっかかる。繰り返し聴いていると、ひけらかしのない歌心がすっと馴染んでくる。心揺さぶるのではなく、心を潤すブラームス。聴いていて、ブラームスの自己憐憫ではなく素直な寂しさが伝わってくる。彼のマーラーが気に入った人はこちらもお気に召すのではないかと思う。コンサートとしては満足できるものだが商業録音として残すにはちょっとウリが少ないかも。

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     2012/10/16

    親しみやすい演奏ですね。マーラーというと演奏効果に耳がいきやすいですが、そればかりでなく(というよりはそれも含めて)ちゃんと曲の雰囲気や世界観を醸し出せるかどうかも問題になります。この演奏は柔和で懐が深く、どこか夜の森に迷い込んだ不気味でさみしい雰囲気と、そこに淡い光が差し掛かるような暖かく幸福な瞬間が交錯する一筋縄ではいかない録音。私はこれ、田舎の電車での長旅のときなんかに、夕暮れを見ながら聴いています。車窓と演奏の相性もバッチリ。音質も、ひけらかすような部分がなく誠実でよい仕事。オケの音も最近のアメリカ系の下卑たものと違って(それはそれで好きだが)こちらは上品で少々ほの暗く、田舎っぽさと都会っぽさのバランスが心地良い。ジャケットも印象的で繰り返し聴ける、とても好きな演奏。確かに強烈な表現は(おそらくあえて)避けられており、いい仕事としてまとまりすぎているかも。分裂的で鮮烈な表現はあまり聞こえない古典的解釈で安心して聴ける。はじめての方にもオススメです。

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     2012/10/14

    2枚組1000円でシリーズ化しているEMIの企画廉価盤。ジャケットデザインにも統一感があり、店頭で並べられるのを見てつい絵葉書感覚で手が出てしまいました。シマノフスキの代表曲が収録されており、板についた演奏内容も侮れない。シマノフスキ特有の妖しさをよく捉えており、特にヴァイオリンが秀逸。真夜中の夢の世界に誘ってくれる。年代的にもマーラーからシェーンベルグの間に位置する作風で聴きやすい。競合盤も少ないのでこれだけで長く楽しめそう。78年前後のアナログ最後期の録音で、90年代のデジタルリマスターが施されておりオーディオ的愉悦も及第点。ブックレットはあってもなくてもいいかな。名曲に飽きたらばこちら。

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     2012/09/21

    私は純粋に楽しめたので星5つ…といいたいとこだけどオススメ度の反映と考えるとやはり4つ。ファーストチョイス足りうるかというと二の足を踏んでしまうので。ただ、そもそも溢れかえるほどディスク数が豊富な5番だし、その中でもゲルギエフを買うという時点である程度覚悟、というか予想というのはなされていると思うので「思ってたんと違う」ということはなかなか起こりにくいコンビなのでは。(ただしパブリックイメージとして「爆演指揮者」と言われるゲルギエフでもマーラーではそうともいえないのでは。)さて演奏はもうこれぞ「ゲルギエフ風」で、非常に独特な手指を痙攣させる指揮ぶりが奏功してか(災いしてか)毎度のように拍節感がヌルンヌルンだが、デジタル的に楽想が切り替わる癖のあるマーラーだと逆にこれがじわじわとした景色の変化として感じられ新鮮だ。音楽の運びも(なにかと細部が粘着気質であるとはいえ)全体としてはむしろスルっと流すような部分が多く実際の演奏時間より短く感じられた。ここはさすがに劇場系指揮者らしい仕事。対旋律を浮かび上がらせ、そのヒエラルキーを反転させているような部分もあり、埋もれ気味だった旋律が主役となっていて面白い。もちろん激しいとこは煽るので騒演となるのだが、その根幹が動物的で、(従来の)人間的な感情移入がしにくいマーラーか。暑(苦し)さはあれど意外とドライという一風変わった演奏とも感じる。マリンスキー管では野卑、土俗的すぎるだろうから(ロシア物に適性)ここでのLSOの音色が有り難い。濃厚なマーラーの世界を味わい尽くしたいという人にはおすすめできないが、カンフル剤として面白いのでたまには違うものでも、という人にはオススメ。バービカンホールはたしかにプリプロ的にはアレだがポスプロはケチを付けるほどではなかったかな。最近は録音が演奏会の記録としてシフトしており、レコード芸術的な側面は小さくなりつつある以上、これといった不満はないです。(勿論SACDだからなんでもいいってわけではないのは持っておくべき視点だと思う。)さて全集、安いし買ってみようかな。

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     2012/09/19

    Dreams Come Trueのライブのゲストとしてギターを弾く姿がなんともいえず素敵で、印象的だった。たまたまCDショップのジャズのコーナーで見かけて、おお、このじいちゃんは…とつい買ってしまった。心が暖まるクリスマスアルバムだ。バーバラの可愛げのある枯れた声がまた魅力的で、冬、暖炉の前でお婆ちゃんとおしゃべりしているかのような心地良さ。2曲目でちょっと笑うところなんてすごくチャーミング。最後の曲はデビ爺本人が、低く渋いトーンで語るとも歌うともつかない調子でWearMyLove...といってくれる。小さな幸せを味わえる愛すべき時間が流れていきます。是非。楽器隊は終始落ち着いて微笑ましいプレイで、二人と楽しそうに演奏しています、うらやましい。

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     2012/09/19

    背伸びをして初めて自分から買ったクラシックのCDで、あのときは右も左もわからなかったが、「あの、昔見た、文字通り腕を振るうムーティ?」「しかもあのモツレクとやらかあ!」と買ってしまった。(背伸びついでにJazzの名盤Somethin’elseも買った。)確かここのレビューもほとんどなかった。今や、古楽が当たり前に浸透していて、ベームは決定盤扱いで云々というクラシック界レコード芸術界の「お常識」を身につけてしまったが、自分の感性に素直になることだけは見失いたくない、という気持ちでレビュー。諸兄のおっしゃるとおり隠れた名盤だと思っています。自分にとっての名盤との出会い、というのは大切ですね。ここまで壮絶で劇的な演奏内容が現代に再現されることはなかなか珍しいんじゃないかなぁ。言い尽くされていますが、合唱の精度と透明感、オケの緊張感と迫力はロマン主義的で、人間の内面の発露が極限まで描かれているようです。それは宗教曲としてのあり方としては外れていると揶揄されるかもしれませんが、要するに共感出来るかどうかだと思います。そういう意味では原理主義者は買っても損するだけな盤でしょう。日本のディスク批評では評価の芳しくないムーティですがこういう「当たり」はちゃんと紹介したいです。少なくとも一笑に付されるにはあまりにも惜しい一品。その意味でレビュアー諸兄、ちゃんと再発してくれるレーベルには感謝します。より多くの人にこのCDを手にとってみてほしいと切に願います。蛇足ですが最近ではベルリン・フィルとのシューベルト「グレート」がDVD化されていますが、この人は意外とこのオケと相性がいいのでは。個人的にジャケットは国内盤のほうが好きですが。

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     2012/09/19

    CD盤のほうは今叩き売り状態だが、プレイヤーのある方は是非SACDを。SKDの、まろやかで代えがたい音色がSONYらしいDSDのソフトなフォーカスで収録されていて、これだけでも聴きものです。さて、すでにこの歌劇場とは喧嘩別れしてPMFやMET、ウィーン響で活動しているルイージ、コンサート指揮では激情的な演奏をしてくれる中堅どころ。このブルックナーもかなり熱い血の通った演奏で、「白鳥の歌」というイメージに真っ向から反抗しているかのよう。また曲の全体構造を捉えて適宜アゴーギグを加えており、伸縮自在、また楽想の接続は歌劇場たたきあげらしく見事。全体的に、ワーグナーやマーラーに近い仕上がり。ティンパニと金管が強奏気味で鋭く、ここらへんは同郷のシャイーを彷彿とさせ、個人的な好みではちょっと疑問かな。録音の特性上CDだと特にうわずってきつく聞こえるかもしれません。ハイティンクの予見どおり(彼も喧嘩別れだが)長続きしなかったコンビですが下記のレビュアーさんに概ね同意で、勿体無い。すでに揺るぎない地位と人気を築いており、経営も出来るティーレマン(しかもドイツ人)が喉から手が出るほどほしかったのはわかりますが、シノーポリ急逝以降ここは指揮者との関係が危なっかしくて心配になります。しばらくは安泰でしょうが。

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