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　2010/02/28

全体にゆったりとした演奏である。しかし、一音一音を大切に弾いている気持ちが真摯に伝わってくる。リルは日本ではあまり評価されていないようだが、ラフマニノフの全集を合わせて聞いてみると、その誠実な演奏には大変好感を持つことができる。評価の高い名盤の次に何か一枚と考えている方には、是非聞いてもらいたいセットである。

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　2010/02/28

ケンプの演奏については、技術的にいろいろ思うところがある方が多いようだ。自分は演奏者ではなくひたすら聴く側の立場にいる物なので、楽譜を追うような聴き方はできない。しかし、全体を俯瞰してとらえたときに、ケンプのベートーヴェンには大きな感動を感じることは間違いのない気持ちである。奇をてらうことなく、自分の信じる演奏を重ねてきた安心感が心地よく、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の規範となる価値を見いだすことができる。

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　2010/01/25

確かに内田光子のシューベルトはいいのだが、時に重苦しく聴き疲れを覚える。田部のセットは明るいところは明るく、ある意味わかりやすいシューベルト。録音も申し分なく、是非ファンには聴いてもらいたいセットです。

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　2010/01/24

「ノクターンの創始者」ということでしか名前が出てこないし、録音もけして多くないフィールドであるが、これはなかなか素晴らしい作品群だと思う。ショパンほど甘くはなく、シューベルトほど哲学的ではない。隠れたピアノ曲の録音が多いスパーダの演奏と録音も素晴らしい。軽い演奏になりがちの長調の曲が多いなか、適度に抑制がきいた演奏でいつでもどこからでも気持ちよく聞くことができた。

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　2010/01/19

HMVでよく売れているベトソナに比べれば、多少切れ味の足りないモツソナかもしれない。しかし、それでも他の演奏家に比べればグルダの持ち味がよく出た軽妙な演奏であるのは、正規の録音ではない気楽さも加わってのことか。もちろん全集であればさらに楽しめたであろうと思うと、ちょっと残念。

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　2009/11/08

確かにバリトンサックスでここまで、再現できるということはすごい。しかし、一度聴くに値するが、二度はいいかという感じだ。単音楽器であることの限界は歴然としており、いろいろな工夫に対して拍手は惜しまないが、そこまで。

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　2009/11/03

クナルダールにするかオピッツにするか、グリークの全集は二者択一である。自分はクナダールを選んだ。北欧のグリークのイメージと正統派ドイツ音楽のオピッツとが、どうしても結びつかなかったからだ。クナルダールの演奏は北欧の風景と同化して、清涼感のあふれる演奏で、この選択は正解だったと感じさせてくれた。

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　2009/11/03

クリーンのモーツァルトでも感じたが、このレコード会社の仕事にはどうもがっかりさせられる。せっかくの演奏なんだが、音が固くて耳障りで、聞き続けると大変疲労を感じるのは自分だけだろうか。もっともスクリャービンの曲そのものも原因かもしれない。

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　2009/11/03

なにげに安さにひかれて購入したが、なかなかの拾いもの。シューベルトはソナタ以外の独奏曲の録音が大変少なく、これだけまとまって聴けるのはありがたい。ソナタは観念的で演奏するものは難しいと言われるが、これらの小品はだいぶ力が抜けた分気楽に聴きやすい。

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　2009/11/03

現役版の中では最もすばらしいベト全集のひとつ。一音一音を的確に打鍵し、強すぎず弱すぎず、なおかつ奏者の情感をしっかりと押し出した演奏である。4ペダルピアノが効果的に響きを増していることも一因。これだけすぐれた演奏が入手困難とはもったいない。

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　2009/10/22

価値の不鮮明なボックス・シリーズが完結して、ついにオリジナルに近いマイルスの集大成が登場した。一から十までとっくに聴いているわけだが、もう一度時代とともに変革していくマイルスの姿を堪能してみたい。と、同時にマイルスのコレクションとしては最後にしたいと思う部分もある。とにかく、マニアも初心者もこれだけで、ほぼすべてのジャズの歴史を語ることができるのだから、手に入れないわけにはいかない巨大な箱である。