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スローライフ さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/12/02

    このレビュー欄にはテンシュテットの84年来日公演のコメントが多く,私も人見記念講堂のそのときを思い出してコメントを重ねさせていただきます.約30年間に多くのコンサート(カラヤン,クライバー,バーンスタイン...)を聴きましたが,これこそが最高の夜でした.前半のモーツァルトの端正な音楽と全く対照的に,マーラーの世界が響き渡るトランペット独奏から,それこそホールが”鳴り切った”感じのオケの全奏があまりに凄く,そこから5分程度で手が汗でびっしょりになりました.爆発的な終演まで,これほど凄絶で,完璧で,美しく重厚で,渦巻くような音響世界で,演奏者も観客もノッた演奏は他に知りません(強いて言えばクライバーのシュトラウスかな?).当然,アンコールはなく,それを当然と受け止めて,みな大満足で帰ったのを記憶しています(会場を出る人が皆すごい笑顔だったし,ガッツポーズの観客も沢山いた).当日はこのようにただただ興奮しましたが,改めて思い出すと,弦も管も音量やバランスが緻密にコントロールされ,響きが溶け合って,ホールが最も効果的に鳴り響く計算された音であり音楽であったと理解させられます.さて,本ディスクが最初に登場したときにはかなり乾いた音で,音楽的にもやや直裁的な感じがして,ホールで聴いたモノとはかなり違うな,と思いました.スピーカーやイヤホンでは再現できないコンサート体験なのだから,本来は当然とも言えますが,むしろ88年のライブディスクがホールで聴いたモノに近く,長らく愛聴版となっていました.シングルレイヤーSACDとなった本盤も基本的な印象は変わりませんが,クラシック音楽が日本にもたらした記念碑的な演奏の貴重な記録としての価値は永遠に失われないと信じたい気持ちです.それにしてもテンシュテットにはもっと長生きしてほしかったな−.そうすればクラシック音楽の理屈抜きの別次元体験がもっともっと多くの人たちに理解されただろうに...と.

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2011/01/24

    これはバーンスタインの最高傑作と思っている。バーンスタインだと、よくマーラー、ショスタコービッチなど劇的な音楽で評判が高いでしょ。でも実はバーンスタインのマラ9の実演を生で聞く機会があって、そのときの感想を書くと、自己没入で計算がなかった感じです。オケは指揮者に付いていこうとしますが、乖離した感じが否めない。やけに興奮している指揮者と緊迫感があるけれども何か違うな、というオケの不思議なバラバラ感がありました。オケによってはそうではないかもしれないが、CDを聞いても、どこか別の国の偉大な曲を偉大に振ろうと興奮しているような節があって、こちらものめり込めないものがあります。前置きが長くなりましたが、そもそもバーンスタインはアメリカ人だということがこのCDでよくわかる。肩の力が抜けている感じなのにオケが緊張感と楽しさをもって指揮について行っている感じがよく伝わってきます。(同じ感じで思い出すのはクライバーのシュトラウスとか。)しかも響きに何とも言えない奥深い迫力や広がりがあり、アパラチアの春などは大草原の小さな家などを思い出させて、アメリカの音楽っていいものだなーと聞き入ってしまいます。初めてCDを買ってから20年以上になりますが、聞き飽きない愛聴版のひとつです。当時はラプソディーは別盤でしたが、これも同時期に出たもので、バーンスタインの晩年の深みが出ていて、他の盤よりも好きです。ということでいいとこ取りのこのCDはとてもお勧めします。

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