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風信子 さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/11/07

    胸に沁みた 冬が始まった日にフォーレの優しさはいけない ナイーヴになっている身には堪える 劇付随音楽からの3つの組曲と歌劇”ペネロープ”前奏曲そして4つの歌曲というプログラム 先ずバルタザール=ノイマン合唱団が歌う”カリギュラ”が素晴らしい 豊かな思いに包まれる オルガ・ペレチェンコが歌うのは”夢のあと”をはじめ歌曲4つと”ペレアスとメリザンド”の1曲 芯が通っていながらフレキシブルでこれは美しい ”シャーロック”の歌とマドリガルをベンジャミン・ブルンスが歌ってこれも印象に残る ボルトン&SBが水際立った演奏を繰り広げる 外連があってはフォーレは台無しになる かと言って木偶の坊では役に立たない フォーレを演奏する資質は知的で情に熱い人格を必要とする 熱狂はいらないが愛し続ける情熱が必要だ バーゼルsoはこの素晴らしいバランスを備えた者たちだ 平明にして滋味深いこの味わいを あなたも如何

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/11/07

    キアロスクーロQua.の切れ味がこれほど音楽表現に生きた演奏もこれまでなかったのではないか 何しろ第13番”ロザムンデ”を聞き逃していることを悔やんでいるわたしだが 口惜しさも多少漱げたというものだ この第14番”死と乙女”のデュナーミクはppとffの対比だけで書かれている 明と暗 柔と剛 氷と炎が目まぐるしく入れ替わる音楽は強烈な悲痛さをその微笑みの中にも宿しているが 基底に流れるのはppの黄泉の川だ 澄んだ流れは躍動しても熱を帯びることはない イヴラギモヴァのVnは今にも消え入りそうな声でささやき歌う 流れの中で高揚してもすぐに途切れる ただ時の流れだけが歩みを止めない 哀しみに立ち止まることを許されない不条理が自由な生をきりきりと締め上げる シューベルトの魂はメビウスの帯の上を走っていたのかも知れない わたしたちは時々シューベルトが閉じ込められているこの場に戻ってきて対話しなければならない 忘れてはいけないものがここにある あなたも如何      

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     2018/11/06

    実に牧歌的な演奏 或いはそういうスコアなのかも知れない 通常演奏されているものより30分近く長いように思う 現行版が原典をどう改訂したのか知らないからこれが楽譜による違いなのかユロフスキーの解釈によるのか分からない ただ劇的な高まりを期待する向きは裏切られるだろう 繊細な歌に満たされた”白鳥の湖”から何を聴くのか それは聴衆に委ねられた オーケストラがロシアだろうが何処だろうがユロフスキーの音楽は揺るぎない アンサンブルを基調としたサウンドは刺激物で人を脅すような演奏にはなり得ない このバレエのストーリーを知っていればこの音楽この演奏は納得づくだと思う それは金管も高らかに鳴るしフォルテッシモのトゥッティだってあるが円やかなソノリティは変わらない 実に品の良い内向性に支えられた静謐な音楽なのだ その美しさは無類だと言っていい 秋の夜長 読書する部屋に鳴らして邪魔にならないゆかしさだ あなたも如何 

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     2018/11/06

    第2番に深い感銘を受けた メンデルスゾーンが天分のうちに持ち短い生涯をかけて研ぎ澄ました音楽形式の典型が簡潔な表現法によって示されている わたしがメンデルスゾーンを聴きたいと思う時 はじめにAllegro vivaceがある メンデルスゾーンといえば先ずこれ 明るく快速で駆け抜けるソノリティを求める ここにも始めと終わりにこれがある そして速くないスケルツォ 静かだが重くない緩徐楽章 この個性を愛す しかも五重奏でありながら実質Trioのラインで構成されている簡素さも彼の音楽の資質と骨格だけを見せて潔い なんと美しい魂と生き様か 何故だろう涙が止まらない 十代で書かれた第1番は溢れ出る楽想をいっぱいに詰め込んだ若々しさに微笑む 豊かな心が向かう果てない旅路がもう祝福を受けているようだ 闊歩する歓びとついてくる影の寂しさを併せ持つ音楽は真実の言葉となって人の心を打つ それにしても面白い はじめ緩徐楽章を持たず中間楽章をメヌエットとスケルツォが占めていたとは さもありなんと肯き微笑む あなたも如何

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     2018/11/05

    豪胆なサウンドに面食らう ナガノに持っていたわたしの印象からかけ離れたソノリティをエーテボリsoと作り出していた 音楽の性格がそうさせたのか もともと同楽団が身につけた響きなのか知らない しかしR.シュトラウスはこうしたものだと言われてしまえば首肯せざるを得ない 何が不満なのかと問われれば それは色彩であり心の揺れが醸すニュアンスの影を感じられないことだ これではR.シュトラウスと語り合いたいと思えない 音楽が演奏されるところは指揮者 演奏者 聴衆 そして作曲者が対話する場だと感じて音楽に親しんできた ドイツ・オーケストラ音楽の見事な提示なのだが わたしに何を語り掛けたいのか分からない ナガノは聡明な指揮者だからそれと知ってR.シュトラウスの本質をあからさまにしたのかも知れない  

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     2018/11/05

    四半世紀以上前の録音だが仕方がない もうナガノはラヴェルを振らないだろうから 彼がリヨンのオペラ座を振っていた頃の名残りの”ダフニスとクロエ”がこうして聴けるだけでも有難い 何でもこなす人だが器用貧乏だ 何が好きなのか 何がしたいのか なんでもかんでもしてみたいのだろうけれど 永遠のエトランゼに見える アイデンティティーを見つけることことができない人とは思えないが 会ったことも無い実演を聴いたことも無い指揮者だけれど 今も忘れないしこうして彼の演奏を聴きたくなるけれど 今は何処にいるのか 何をしているのかさえ知れない 出るティスクを見るとエーテボリらしいがどうだろう 日系三世のアメリカ人で妻も日本人 血は顔も紛れもない日本人なのに 日本は遠い国だ 彼は何処にいても異邦人なのだろう 世界を転々とする永遠の旅人 帰る所のない孤独が彼の音楽をガラスのように透き通らせている その質量を感じない響きの軽さに目がくらみそうになる だからナガノのラヴェルは絶品なのだ 気づいているナガノはもう自分の心を裸にするラヴェルを二度と振らないだろう あなたも如何  

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     2018/11/04

    ブッフビンダーのベートーヴェン ピアノ協奏曲全集は幾種類もあるが これがベストだ 永年の研究が演奏に反映され ベートーヴェンの音楽が如何に素晴らしく面白いかを直截伝えている 5曲に好みが分かれ わたしは1番3番ばかり聴いていたから 久しぶりに全曲を通して聴いて目から鱗が落ちた 演奏から滲み出る自然な美しさに耳を奪われた 加えてボーナスとしてつけられたカイザーとの対話から伝えられたブッフビンダーの証言と思いの丈に教えられ大いに共感した 特に第1番第一楽章344小節からのオクターブを右手で弾く十六分音符の下降音階と345小節の五線下の左手で弾くト音の全音符を誤魔化すようになったらもう弾かないと語ったこと そして5つのピアノ協奏曲を弾いていてスイングを感じる そしてまさに人生を共に歩み続けていると語って閉じている そうベートーヴェンとは私たちにとってそうした存在なのだ あなたも如何  

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     2018/11/03

    秋深し 空高く虫の音も去りしじまが広がる 乾いた空気を通って遠くで鳴った音が近く感じられる 人恋しくもなろうと言うものだ フォーレのチェロ曲を聴いた この手の曲ではショパンと並んで最も好きかもしれない チェリストのためにこれは無く 音楽のためにチェロがあると感じられて好ましい トルトゥリエとユボーが素晴らしい 半世紀以上も前の録音だが十分に音は生きている その音楽はわたしに今もたくさんのことを語る わたしはたくさんのことを想い思い出す 笑みも涙も超えて音楽が人間的だ 知っていることもしようとすることもあるようにあれと肯定されている 許されていると感じる フォーレとは不思議な作曲家だ 聞かせようとしないその楽曲はフランス人だけでなく多くの人を援け養うだろう 末尾にドビュッシーのVcソナタが付いている 熱情を隠さず詠嘆する音楽はフォーレとは一線を画す 表現したいものが多々あったのだろう 秋の夜長 あなたも如何  

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     2018/11/01

    TACETの録音の優秀さが先ずわたしを惹きつける オランダCOは現代楽器を用いていて殊更ピリオド奏法を取り入れているわけでもないのに わたしのような原点主義者でも無視できない魅力を持っている オーケストラはサークルを組んで演奏している 指揮者はいない コンサートマスターのニコリッチを見て息を合わせている 文字通り円環状に並んでいるから サラウンドで再生すれば 前方に弦が円弧状に並び その続きに木管楽器が右から後方へ 金管楽器が左から後方へ 弧線を延長してわたしの真後ろで結ばれている そんな不思議な配置で音楽を聴いたことがないから おかしなものに聞こえやしないかと訝しがる方こそ御一聴を これが美しい 勿論通常のステレオでも音楽は楽しめる モーツァルトが二十代後半に書いた”ハフナー” ”リンツ””プラハ”の三交響曲は他に類を見ない情趣と愉悦に包まれている この演奏はその本質を見事に表出していて愉しい 演奏する喜びが伝わってくる あなたも如何

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     2018/11/01

    わたしは聴いてはいけなかった 思い出してしまった あの人と見ていた空を雲を風を あの日の夕日を 月を ひとり帰った並木道を もう”Calling You”することもできない 呼びかけてももう返ってこない声を 眼差しを取り戻せない 寂しいそれでいて美しい面影ばかり思い出す 今も胸が詰まる それほどカプソンのヴァイオリンは妖艶で幻影の中に誘い込む魔力を放って唸る あの映画は観てない その映画は知らないなんてどうでもいい ”Moon River”で涙を越えた やっぱり今日も明日もしゃんと背筋伸ばして歩いて行かなきゃって思えた あなたが抱えた痛みや苦しみの中で見つめていた瞳の語っていた実存の美しさを忘れない 哀しみと一緒に笑って生きることを自分に誓う 孤独の中でこそ美と向き合える 飾らない装わない生を全うしたい 哀しみを知っている人は聴いてはいけない でも幸せなあなたは如何 

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     2018/10/31

    序曲ト短調はへ短調交響曲(00番)と同じ頃に書かれている 対して”クィンテット”はイ長調交響曲(6番)の時期と重なるから音楽の質が全く違う 前者は作風を模索していた時代であり 後者は第4交響曲に至ってブルックナー交響曲の形式が確立した後の作品なのだ では何故旺盛な交響曲創作の盛期に弦楽五重奏なのか その鍵は3拍子だ 程よいModeratoで奏でる3拍子の曲(第一楽章)を思いついたからだと思う これは確立したシンフォニー様式のどこにも収まらない これをシャラーが二管編成のオーケストラ曲に編曲した 全交響曲に止まらず シャルク版まで録音したブルックナーオタクなのだ あのキャラガン補筆完成版の第9に飽き足らず シャラー自身の校訂完成版まで録音した人だから驚かない だが全5楽章になっている 後から第二楽章の差し替え用に書いた”間奏曲”を第四楽章として加えているからこれは驚いた 肝心の中身はと言うと 原曲スコアの五段譜を21段譜のオーケストラに割り振ったのではなく 追加省略は勿論のこと デュナーミクも変えデフォルメされている ただ優れていると思ったのは 室内楽だった時の静穏さが保たれていること そして響きがブルックナー交響曲しかもあの第9の未完の終楽章のソノリティーを醸していることだろう 聴かなければ始まらない あなたも如何 

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     2018/10/31

    貴重な録音にしてベルリオーズの真実が記録されている その管弦楽法の先進性ばかり称揚される傾向があるが 幻想交響曲ですらその根底にこうした声楽的発想が音楽の根幹を支えているのだと知らなければ詰まらない ピアノも碌に弾けなかった作曲家だが 声という最も本源にあるものを引き出しにたくさん持っていたのだ どの曲を聴いても歌っても人間の自然な歌と鼓動が息づいている 歌いやすく美しいメロディーは柔軟に起伏し流れ自ずと人の心を歌い出す 繊細で柔和な歌い口は指揮者カンブルランの資質でもある ほとんど名のある指揮者の誰も取り上げないような小さな”歌”を管弦楽付きだからと言って妙に劇的に変に際立たせて特異な印象を纏わせたりしない 全体も静かに進行する ffがないわけではないが 高らかに叫ぶような演奏は皆無と言っていいほど聞こえない だが実にそれぞれの歌がしみじみとわたしの衷心に沁みてくる 女性的とも言える嫋やかさこそベルリオーズの真髄である あなたも如何 

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     2018/10/31

    なんと言う清廉 なんと言う慈しみ バッハのカンタータを重々しく豪快に鳴らす往年のスタイルに慣れてしまっている人には物足りないを通り越えて感動を共有できないだろう ただそうした慣れを持たない者や若い人にはその美の根底に流れる愛に触れることは容易なのだ 演奏は小編成の利を活かした透明感に優れ バッハが書いたスコアの妙味を苦もなく味わうことができる秀演だ 先ずは80番の初稿が素晴らしい 金管楽器や打楽器を排することによって繊細な慈愛ある音楽になった 神を讃え祈る音楽から人間へ傾けられた眼差しが優しい いやいや神も喜ばれる そして復活祭の4番 1つのテーマから変奏され構築されたカンタータは作曲技法の教科書であり またその音楽も美しく感動する 最後79番は管も打も有り壮麗なる演奏を繰り広げて全体を閉じる ヘルヴェッヘしかできないバッハだ これは美しい あなたも如何   

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     2018/10/30

    若いオーケストラの息吹と情熱が風となってわたしを包む なんと心地よいのだろう ノットの教育的メソッドとしてのプログラムにじっくり取り組んだ様子がよく見える ラヴェルでは音色とリズムに配慮した歌が聞かれ 一方ショスタコーヴィチではソロとアンサンブルの意気と協調が学ばれている 全体はテンポをゆっくりめに取り丁寧にディテールを彫刻していくも 豊かで清廉な推進力はいっときも失われない ノットあればこそであり若い奏者たちには資するもの多々ある経験だったことが伺える 演奏は穏やかで平明な明るさに照らされた朝の音楽と言おうか ショスタコーヴィチ第15番最後の交響曲から終末感は一切感じられない 作曲者も辞世のシンフォニーを書いた自覚はない 過去を身に纏いながらも未来へ歩みを進めんとする意志が全曲に漲っている 新しい風が吹いている わたしたちも固定観念の椅子を離れて何かを築くために明日へ旅立とうできないか あなたも如何 

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     2018/10/28

    1960年ライヴでしかもステレオと ちょっと信じられないような宝物が出てきた クーベリックとパリ音楽院O.のコンサートをそのまま二枚のCDに移したものらしい 冒頭マルティヌーの”〜フレスコ画”は面白い曲であり大変な熱演だ 先ずはクーベリックの祖国ものでご挨拶といったところか 続くコンチェルト部はハスキルのソロでショパンの第2 こんなに歌うショパンを初めて聴いた ピアノの流麗な歌と豊かな響きに劇場の空気が入れ替わった ハスキルの凄さを知らなかったことを恥じた 最後はベートーヴェンの第5シンフォニー パリ音楽院O.は創立当初からベートーヴェンを得意としている ここにオーケストラの個性が顕になって頗る面白い 音色の特異性は言うまでもない ヴィブラートが加わって面妖な雰囲気さえ醸す パリ人は日本やドイツのように整列行進は苦手だ アンサンブルでは嗾しかけ気味に突っ込んでくる楽器やパートがトリッキーな推進力になる 何より驚くことは演奏時間だ 当今のピリオド楽団より短い 速すぎると言われるオリジナルのテンポすら凌駕している クーベリックには興味が尽きない あなたも如何 

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