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masato さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/19

     『美しき水車小屋の娘』『冬の旅』は,若々しい,荒々しい表現も時として魅力となる。F=ディースカウ&ムーアのような見事な演奏をベストと思いつつも,若手の新鮮な演奏を欲してしまう時もある。ところが,この『白鳥の歌』に関しては,これ以外に聴きたいと思ったことはない(ブレンデルとの再録音も魅力的ですが)。『白鳥の歌』こそ,経験豊かなコンビが最高の技術と精神的バランスでもって奏したものこそ相応しい,と私は思う。中でも「アトラス」以降のハイネの作品と,正に白鳥の歌「鳩の便り」…は,ここでの2大家のような演奏で聴きたい。11〜13曲の声(音)の深さはどうだろう…!言葉にならない。
     『美しき〜』『冬の旅』と,ピアノ伴奏が歌い手の内面へと徐々に踏み込んでいく。『美しき〜』では,美しく歌に寄り添い,『冬の旅』では,主人公の一挙手一投足を外面・内面から彩っていく。そして,この『白鳥の歌』では,更に歌い手の心(内面)に入り込んでいく…。そこでのムーアの素晴らしさ!正に“至芸”。『美しき〜』『冬の旅』では素晴らしい“パートナー”であったが,この『白鳥の歌』ではパートナーを超え,“一心同体”の域。★は5つ…7つ欲しい…。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/18

     冒頭が勝負!エルガーのチェロ協奏曲も,私がそう強く感じる1曲です。そして,それに見事勝利しているのが,このデュ・プレ。彼女が渾身の力(情熱)を込めた冒頭を最初に聴いた時は,身体が硬直しました。最もパッションを感じさせてくれる奏者,そしてそのパッションを空回りさせず,見事に作品の表現に生かすことのできる奏者,デュ・プレとアルゲリッチ…この二人しか思い浮かばない。
     バルビローリ&ロンドン響のバックも素晴らしい。英国紳士が作った作品を,英国紳士が(イタリアとフランスの血が流れているようですが),英国紳士が多く所属する集団を指揮して描き出すのだから,紳士的にならないはずがない。それが,一人の女性の情熱を尚一層引き立てる。この作品の他の演奏,私には必要ない…。
     今回のSACD化,少し作為的の部分が気になりました…。ただ,細部まで明瞭に聴けるようになったのは事実。それがデュ・プレの音にとって,プラスなのかマイナスなのかは,まだ判断できていないですが,音の良し悪しを超えた至芸の前では,大した問題でもなさそうです。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/18

     『美しき水車小屋の娘』に続いて鑑賞しました。『美しき〜』の3D感・立体感にも驚きましたが,こちらはその上をいきます…。『冬の旅』のピアノ伴奏は『美しき〜』よりも更に歌い手の傍に寄り添う必要があると思います。歌い手の“歩み”を表すことが多いですから。時にはやや後から,時にはあたかも足元から響いてくるように聴こえてきてほしい。このアルバム,ムーアのピアノが正三角形のほぼ中央に位置して聴こえます。そして,F=ディースカウが,そのピアノに手をかけて,すくっと立っているような感じ。二人はしっかりと寄り添っています。“伴奏”を超えた,まさに“伴走(伴歩?)”。目を閉じると,本当にその姿が目に浮かぶようです。2大家が作り出す音(美声!美音!)が拡がっていく様,減衰していく様は,まさに圧巻。至宝です。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/17

     我が家の愛すべきB&W802Diamondと私で作られる正三角形。その内部,中央やや左寄りにF=ディースカウがすくっと姿勢よく立っている。そして,中央やや右寄り,歌手のやや後ろにムーアが座っている。…この3D感,立体感は驚異的…。少しボリュームを上げ,目を閉じる…この2大家が我が家のリスニングルームにわざわざ尋ねてきてくれて,私だけのためにリサイタルを…。歌手の動き,二人の目配せさえ聴こえてきそうな臨場感だ…。歌詞対訳,いらないかも…勿論,意味が解るともっと楽しめるのかもしれないが,この2大家の演奏は,まるで“声楽のためのソナタ”のよう。“詩”が“声”が,とてつもなく美しい“音”となって耳に響いてくる…。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/17

     私には,名盤と言われているにもかかわらず,ピンとこないものが3点ありました。バックハウスのベートーヴェンの最後のソナタ,クライバーのシューベルトの『未完成』,そしてこのシューリヒトのブルックナーの9番です。理由はいずれも同じで,“あっさりしすぎ…”。聴後はいつも「もうちょっと思い入れたっぷりに表現してもいいんじゃないかなぁ…」となってしまうのです。
     ベートーヴェン以外はいずれも“未完”…そういえば,ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』も“未完”。この名作を読む時はいつも,最後の章「大審問官」はゆっくり・じっくり読んでしまう。「これがこの大作の締めくくり,ドストエフスキーの最後の表現なんだ…」という意識から,ついじっくり読もう,という気持ちになってしまうのです。
     未完成作品を聴く時も同じ心理状態で聴いてしまっていないか…ということに気付きました。「これで終わることになるんだから,ゆっくり・じっくり・荘厳でなければ…!」と。ところが,実はまだ続きがあるはずなのです。『未完成』にしろ,この『9番』にしろ,この後,圧倒的な締めくくりがあったはずなのです。だからこそ,“あっけなく”終わる。『カラマーゾフ』も,もし第3部が完成されていたら,「大審問官」をゆっくり・じっくり読むような気持ちにはならなかったはず…。一刻も早く先を読みたくて,つい急いで読んでしまうかも…。
     改めて気付きました。クライバーの『未完成』も,シューリヒトの第9も,最後の音が止んだ時,「あぁ…この続きを聴きたい…!」となる。もしかしたら,この感じこそ“未完作品”の理想なのかもしれない…。ヴァントのように「完全に完成された作品だ!」と感じさせてくれるような演奏,クライバーやシューリヒトのように「あぁ…この続きを…!」と感じさせてしまうような演奏,2通りのスタイル,どちらも素晴らしい。
     ベートーヴェンの32番…弟子が「2楽章で終わりですか…?なんで続きがないんですか…?」と尋ねたらしい。この作品も弟子にとっては“未完”だった…。ベートーヴェンが弟子に聴かせた演奏,ベートーヴェンが本当に望んだ最後のソナタの姿は,バックハウスのような表現だったのかもしれない…。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/14

    ブルックナーも交響曲全集が何通りも聴けるようになった。我が家にあるだけでも,このカラヤン,シャイー,インバル,スクロヴァチェフスキ,マゼール,パーテルノストロ,もちろんヨッフムにヴァントも。1曲1曲をみれば,一番のお気に入りは様々ですが,“全集”となれば,間違いなくこのセットが選ばれます。私のブルックナー全集体験の原点であるということ,現代オケの究極の姿(といってもいいと思います)を見せてくれるものであるということ,録音も申し分なく…挙げたらきりがないですが,要するに,ブルックナーの凄さ,カラヤンの凄さ,ベルリンフィルの凄さ,これらが直に心に響いてくるのです。少し頑張って全集を連続して聴いて,聴きとおしたときの(9番の3楽章の音が消え去ったときの)充実感・達成感を一番与えてくれるのが,このセットなのです。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/13

    普通に手に入るペルトのアルバムはたいてい聴いていますが,中でもここに収められた『ラメンターテ』は私の心に響く物です。冒頭から私のペルト観に対して「え?」を投げかける。徐々にその「え?」は大きくなっていき,打楽器の強打に至り,呆然・恍惚となる。音楽作品であることを忘れさせる数少ない音楽作品です。ピアノのソロ作品も,真っ白な譜面に黒の音符たちが書かれてあるのが(神秘的な水墨画のように!)目に浮かぶような,美しい音楽。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/12

    個々の曲にマイ・ベストはあります。ここに収められたものは,それらを超えられるものではありません。1曲1曲を取り出して聴いたら,ちょっと抵抗を感じることも多々あるんだろうなぁ…と思ってしまう。ところが,番号順に連続して聴くと,何とも魅力的な連続演奏会が現出。聴く側もマゼール節に慣れさせられてしまい,後期に差し掛かる頃には,普通なら抵抗を感じるであろう部分も,やけに魅力的に…。結構ライブ感のある録音も,それを助長してくれる。6番のアダージョでは,久しぶりにジーンときてしまったし,8番のエンディングでは,改めて「大きな交響曲だなぁ」と実感させてくれたし,9番の第1楽章では,31分が21分に感じられた。そして,9番の最終楽章の音が鳴り止んだとき,「俺はブルックナーの全交響曲を聴き通したんだなぁ…」という感慨を与えてくれた。いい“セット”だ。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/12

    お気に入りは,ブーレーズ(新盤),ドラティの2つ。明晰・クリアな解釈・録音のお手本。ずっとこの2つで,『火の鳥』に親しんできました。で,このアンセルメ…温かい…!弦・管,全てが温かく柔らかく響く…。アンセルメのこの作品への愛情が音になっているような温かさ。その温かさが,私のこの作品への愛着を更に増してくれた。よくよく聴き比べてみると,ブーレーズのは完全な管弦楽作品,楽譜に書かれているこの作品の素晴らしさをストレートに耳に届けてくれている。それに対し,アンセルメは,まるでレコーディング・セッションのバックで舞踊団も一緒に踊っているかのよう…。アンセルメは踊り手たちにとって決して無理なテンポをとらない。踊り手たちから主役の座を奪うような派手な音は鳴らさない。そえが,私の耳に届いたアンセルメの温かさのような気がする。彼の『白鳥の歌』が『火の鳥』…かっこいい!

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/11

    今回発売の5枚の中では,構成的(選曲的)に1ランク落ちるかなぁ…と思っていたのがこの1枚です。ところが,ところが,さすがカラヤン&ベルリン・フィル,聴き始めたとたん,そんな思いはどこかへ飛んでいきました。改めて感じたことですが,カラヤンは“出”が上手い! とにかく,出だしからグッと私の耳を惹きつける。そして,エンディングまで離さない。僅か2分台の小曲もある。長く味わっている時間はない。無音の状態で全神経を集中し,“出”に全てを懸ける…そんな感じのレコーディング・セッションが目に浮かんでくるようだ。今回のSACD化,そのように“目に浮かぶ”ように彼らの紡ぎ出す美音を届けてくれる。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/11

    「勢いでごまかしている」…そう言われても仕方のない演奏だと思います。マルケヴィチ&ラムルー管とクリュイタンスの東京ライヴ(たまにチョン・ミュンフン)に親しんできた私も,「何もここまで煽らなくても…」という瞬間が頻発するこの演奏には,ずっと抵抗を覚えてきました。ですが,熱気・情熱・狂気…これらを見事に描きつくしたミュンシュの“勢い”こそこのアルバムの魅力であって,この演奏を長きに渡って名演たらしめている点なのだとも思います。今までは,録音面が,この“(過度)の勢い”を助長していたような気がします。キンキンと角の立ったような刺激的な音…。ところが,今回のSACD化で音がまろやかになり,すごく聴きやすくなりました。そして,この演奏に対する私のイメージをかなり変えてくれました(いい方に)。マルケヴィチ,クリュイタンス,そしてこのミュンシュのベスト3…すごく贅沢な,美しい三角関係になりそうです。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/11

    非常に魅力的な管弦楽作品としての表現! 踊ることを目的として書かれた作品だったとしても,聴かせるための作品としても一級品であることを見事に証明してくれている。何も《ニュー・イヤー・コンサート》という一大イベントの中でなければ輝きを放てない,これらはそんな作品ではない。これらは,盛り上がりに盛り上がったコンサートのアンコールでなければ輝きを放てない,そんな作品でもない。それを改めて実感させてくれた素晴らしいアルバム。それにしても,なんて美しく響くオケなんだろう…。その美しい響きを引き出した指揮者,ホール,録音スタッフ,そして今回のSACD化…全てに拍手喝采です。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 11人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/11

    『四季』という作品に対し,ひたすら“美しさ”を追求していた時代の偉大な記録。それが最近は追及するものが“刺激”になってきてしまった…。それはそれでいい。私も楽しませてもらっている。だけど,これを聴くと改めて思う。長きに渡って愛すべきなのは,やっぱり“美しさ”を追い求めたものなんだなぁ…と。

    11人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/11

    お気に入りは,ブーレーズ(新盤),ドラティの2つ。明晰・クリアな解釈・録音のお手本。ずっとこの2つで,『火の鳥』に親しんできました。で,このアンセルメ…温かい…!弦・管,全てが温かく柔らかく響く…。アンセルメのこの作品への愛情が音になっているような温かさ。その温かさが,私のこの作品への愛着を更に増してくれた。よくよく聴き比べてみると,ブーレーズのは完全な管弦楽作品,楽譜に書かれているこの作品の素晴らしさをストレートに耳に届けてくれている。それに対し,アンセルメは,まるでレコーディング・セッションのバックで舞踊団も一緒に踊っているかのよう…。アンセルメは踊り手たちにとって決して無理なテンポをとらない。踊り手たちから主役の座を奪うような派手な音は鳴らさない。そえが,私の耳に届いたアンセルメの温かさのような気がする。彼の『白鳥の歌』が『火の鳥』…かっこいい!

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/07

    チェンバロでは,ピアノのようにダイナミックな表現ができない…と書かれているのを読んだことがある。このセットはそれが全くの嘘だということを証明してくれている。ここで行われているダイナミックな振幅はどうだろう…! 紙の上にかかれた単なる“おたまじゃくし”たちが,見事に音となって踊っている。レオンハルトのチェンバロは“厳格さ”を味わわせてくれる(これもまた魅力的!)。ショルンスハイムのチェンバロはこの上ない“愉悦感”を味わわさせてくれる。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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