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クリングゾール さんのレビュー一覧 

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  • 12人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/05/01

     開封してまず嬉しかったのが、パッケージとデザイン。全集にありがちな、ディスクを跨いだ編集ではなく、曲ごとに(2枚組のものは見開き型)紙ジャケットで収まっている。初出時で使用された、ベックリンをはじめたとした絵画が大変美しく、センスもとても良い。これからマーラーを聴こうという気分を盛り上げてくれること請け合いだ。
     筆者はこれらの演奏を聴いて、マーラーが古典として、これからも永く演奏され続けることを確信した。ジンマンは世代的にはアバドや小澤とほぼ同世代だが、その解釈においてはシャイー、ラトルらにより近いものを感じさせると思う。響きは美しくフレッシュで、視点は常に未来を目指しているようだ。精緻なことにかけてはブーレーズに匹敵するほどだが、音楽はずっと暖かみに充ちているところが嬉しい。全体的に手抜きを全く感じさせない、丁寧で誠実な姿勢にとても魅了された。ただ難点をあげるとすれば、響きを常に精緻なものに保つ努力が払われている分、リズムの推進力にやや物足りなさがあり、マーラー特有のヨーロッパ辺境のニュアンスには欠けることか。とはいえ、その引き換えとして、音楽はインターナショナルでグローバルな魅力を獲得していると言えるが、このあたりは評価が分かれそうだ。
     既にかなりの数に上るマーラー全集、殊に名うての巨匠たちのひしめく中で存在価値を主張するのは相当大変な事かと想像されるが、このセットは充分それに成功していると思う。録音も最高。特にこれからマーラーの交響曲を聴きたいという方には、価格面も含め、真っ先にお薦めしたいセットの一つだ。しかし、チクルスを最初から順に追っかけてきたユーザーにとってはは、ちょっと複雑な心境かも(SACD15枚組+α・7190円は安すぎ!(^^;)

    12人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/04/22

     今回テスタメントからリリースされた5タイトルの中で、最も感銘を受けたのがこのディスクだ。
     
     まずはプフィッツナー。
     滅多に演奏されることの無いこの序曲を、テンシュテットは、劇付随音楽にもかかわらず、あたかもこれから大作のオペラが始まるかのように演奏している。そして、BPOはまさに全身全霊でこれに応えている。この演奏を聴くと、彼の指揮でのオペラ全曲録音が残っていなかったのが本当に悔やまれる、それほど劇的感興に満ちた演奏だ。
     
     次にモーツァルト。
     正直言って、この演奏を聴いてモーツァルトのピアノ協奏曲のイメージが変わった、と言ったら言い過ぎだろうか。まったくユニークな演奏だが、もしかしたらかつてのドイツでは、このようなスタイルが日常的だったのかもしれない。テンシュテットが、彼の尊敬するフルトヴェングラーの系譜に連なる指揮者であることが、この演奏ではっきりとわかった。ソリストのヒアーホルツァーは、あたかも騎士たちに守られた貴婦人のようで、素晴らしいコンビネーションを発揮している。一般的には賛否は分かれるかもしれないが、個人的にはこのコンビで別のモーツァルトも聴いてみたいと感じた。
     
     そしてドヴォルザーク。
     この力強さ、自在さはBPO以外には考えられない。LPOとも同曲には名演が残されているが、この曲に関してはBPOの圧勝だろう。よく「暴れ馬」に喩えられるBPOだが、存分に暴れてさせても決して手綱を緩めず、自在に操ったテンシュテットの実力には、改めて驚嘆させられた。腹の底から思い切り空に向かって雄叫びを上げている、そんな演奏だ。

     テンシュテットに限らず、いわゆる秘蔵音源のCDには、コレクターズ・アイテム以上ではない物も散見されるが、このディスクに関しては、ファンやマニアに限らず、広くユーザーにお薦めできる内容であると言いたい。演奏はもちろん、録音も大変優れているし、まるで一晩のライヴを追体験しているような、そんな気分に浸ることが出来るのが最大の魅力だ。テスタメントによるテンシュテット/BPOライヴ・シリーズは、今回の5タイトルが第1弾とのこと。第2弾が本当に楽しみだ。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/02/28

     正直言って、今日的には記録以上とは言えない演奏も、中には含まれていると私も感じる。
     しかし、これはフルトヴェングラーのセットだ。
     すで誰も成し得るの出来ない表現が、このセットには詰め込まれている。
    例えば「皇帝」の第2楽章。同じくベートーヴェン・Vn協奏曲の第2楽章。「トリスタン」のエンディング、など。
     おそらく、この巨匠に続く多くの指揮者たちが、彼の演奏に啓発されたり、あるいはアイディアを盗んだに違いない。
     いずれにせよ、このボリューム・クオリティ・値段で、これほどのセットが入手出来るとは、一昔前なら到底考えられないことだ。
    「イマイチ」と感じた諸兄諸姉も、すぐに手放さずに、ぜひ手元に置き続けることをお奨めします。気が変わってまた欲しくなっても、たぶんその時は入手困難になっている可能性が高いですから。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/07/18

    ちょうど戦後の疲弊から抜け出した世界経済が、好景気に沸いた1950年代後半から60年代前半は、レコード(特にステレオ)は時代を象徴するアイテムとして、飛ぶように売れたと聞きます。

    相当なエネルギーと資金をつぎ込んで作られたその当時のレコードは、逞しい生命力に満ち溢れ、今日でもその魅力は少しも色褪せていません。

    演奏は、どれも昨今の「癒し系」などどこ吹く風、アグレッシヴでパワー全開なものばかりで、聴いて元気が出ること請け合い!

    録音も、真空管時代の、マルチトラック・レコーダーが導入される以前のもので、空気感や自然さといった点では、今日の最新録音を凌ぐものも多いのではないでしょうか。
    リマスターも自然で、大変聴きやすいものになっています。

    こうしたコンディションで、ライナー=CSOやミュンシュ=BSOを聴ける喜びといったら!
    それがこの価格、この品質です。
    まだまだ未聴のディスクが沢山残ってます。
    本当に楽しみです。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/09/12

    一気に聴けました。
    音楽の流れは決して滞ることなく自然で、迫力にも事欠かない。
    コンサートでの一体感を思い出させてくれる、そんな演奏です。。
    LPOは大健闘!素晴らしいバランス&持続力!
    ぜひともたくさんの方々にお勧めしたい…のですが、みなさん仰るように、音のコンディションが万全とは言い難い(1984年録音なのにADD!)。
    よって☆は4つにさせて頂きました。
    もしこれが優秀録音なら、この曲の代表的ディスクの1つに数えられることは間違いないでしょう。
    テンシュテット(特にこのコンビ)のライヴが好きな方でしたら、至福の時が過ごせますよ、きっと。

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