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独居人 さんのレビュー一覧 

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/29

    第1楽章の出だしから、疾走感あふれるテンポである。
    この曲の場合これが適切なのかどうか甚だ疑問を感じるところだが爽快さが残ることは確かだろう。
    第2楽章も出だしはつんのめりそうになる位速いが、そのうち標準+α位の速さに落ち着く。
    一転して第3楽章はゆったりとした出だしで特徴的なレガート奏法も相まって、美の極致を聴かせる。
    が、こともあろうにだんだんと速くなってきて、室内楽的なサラリとした印象になる。
    第4楽章は ”vor Gott!” 以降、演奏・声楽とも鳥肌が立つくらい美しく広がりのある力強いサウンドになる。

    惜しむらくは、ライナーノーツにあるように、突発的な機材不調のため急遽ビデオのマイクラインを使ったことだろう。
    そのせいか若干、中低域がスポイルされたような印象だ。
    しかし、その他のバランス・音質共にとりたてて悪いとは感じられなかった。
    むしろ一触即発のトラブルに見事に対処出来た録音スタッフこそ絶賛されるべきだろう。

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     2010/09/29

    「第4番」の第1楽章は陰影の深い序奏から力感溢れるトゥッティを経て、一気に疾走感のある主題へと跳躍する様が見事だ。
    第2楽章は室内楽的にサラッとこなし、第3楽章は躍動感を伴い、第4楽章は名人芸ともいえる快速感で一気に聴かせる。


    「第7番」の第1楽章は力感溢れるトゥッティと爽快なテンポのレガート奏法で幕を開ける。
    第2楽章の葬送行進曲はうねりを伴ったコントラバスが重々しく進んでいく。2’33”前後にピシリという雑音混入。
    第3楽章は静と動の対比が美しい。
    第4楽章は、「リズムの権化」「舞踏の聖化」と呼ばれるこの曲の特徴をよくあらわしているド迫力の演奏だ。
    またライブならではの瑕疵は多少あるけれども、ものともしない内容だろう。

    音質は豊かな低域、広がり感、残響も十二分あり、迫力ある音場を作り出している。
    驚くべきはこのような名演、優秀録音が、日本の、普門館という音楽専用ホール以外の場所で行われたことだ。
    さらにこの2年後、カラヤン氏との間で決定的な確執を迎えるテーリヒェン氏(ティンパニ)の晩年の演奏を聴ける貴重なライブと言える

    だろう。
    このあたりの事情は(新潮選書刊「証言・フルトヴェングラーかカラヤンか」川口マーン恵美著)に詳しいので興味のある方は御一読され

    ると良いだろう。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/09/26

    「田園」は颯爽とした演奏で、何故そんなに急ぐのか?と思いがちなのだが、そこはそれ、ライブならではの熱気、躍動感に満ちている。
    絶頂期のカラヤンがベルリンフィルを鳴らしきっていて、エンディングまで一気に聴かせる。
    特に弦楽セクションが美しく瑞々しい。

    「運命」も爽快なテンポで幕を開ける。
    冒頭の運命動機などはもう少し引っ張ってほしいと思うのだが、軽やかなベートーヴェンもまた乙なものであろう。
    とはいえ要所要所では、力感溢れる演奏で、最弱音から最強音までのデュナーミクの大きなサウンドを聴かせている。
    特に最終楽章は圧倒的な迫力だ。

    音質は、豊かなホールトーンを含み、低域から高域まで満遍なく捉えた広がり感のある優秀録音である。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2010/09/20

    ブラームスはキッチリまとまった落ち着きある演奏。
    伸びやかなホルンのイントロから次第に熱を帯びてくるピアノ。
    第3楽章の美しさはどうだ。
    巨匠の緩徐楽章にはいつも心を奪われる。
    気品あるフィッシャーのピアノと巨匠の腕のさえがマッチング。

    グルックはバロック的な荘厳性あふれる演奏。
    プチノイズ多数混入、板起し?
    ダルベールは非フルトヴェングラーとされるが、曲の良さと相まって楽しめる。

    音質は歪みが多々ある。
    例によってリマスタリング時にステレオプレゼンスを加えてあるようだ。

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     2010/09/11

    「エン・サガ」は北欧の暗く陰鬱な冬の空を連想させる。
    遠い神話の世界を語りかけてくれる。

    「ヴァイオリン協奏曲」のうねりを持ち、かつ瞑想的な演奏は、北欧の空を染める夕焼けの色を彷彿とさせる。
    緩急自在に超絶的技巧を弾きまくるソロが見事だ。
    巨匠の棒も情感の高まりをもたらしてくれる。

    「コリオラン」は冒頭のトゥッティがいかにもドラマチックだ。

    音質は歪み、ノイズともあるが、ものともしない内容だ。
    例によって残響音に若干のステレオプレゼンス。

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     2010/09/11

    「グレイト」の第一楽章はゆっくりとした開始であるが、やがてアッチェレランドがかけられて、デュナーミクの大きな演奏となる。
    金管の音圧がすごいが、トゥッティでは若干の歪み。

    シュトラウスの「歌曲集」は深遠なる世界観がうかがえる。
    Peter Andres(Tenor)の声は伸びやかで濁りがない。
    演奏も荘厳で観念的で、かつドラマチックな展開が見事だ。
    音楽の中に情感を盛り込んだ演奏だ。

    音質は、例によってリマスタリング処理の過程で、若干のステレオプレゼンスが付け加えてあるが比較的成功していると思われる。
    フルヴェン特有の最弱音から最強音に至るデュナーミクを比較的よく捉えた録音であると言える。
    がしかし、いささか中高域にピークがある様で、歌声が若干耳に付く部分もある。
    ひずみノイズ共若干あるが、総じてこの時期にしては優秀な録音状態と言えるだろう。

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     2010/09/05

    戦前の日本の新進気鋭の作曲家であった貴志康一は1930年代のベルリンにおいて作曲と指揮を学んでいる。
    作曲はヒンデミットに、指揮はフルトヴェングラーに師事したとされている。
    また、京極伯爵とフルトヴェングラーの会見(3人の写真が現存)や、幻といわれるベルリンフィルとフルトヴェングラーの東京公演のために奔走したと言われている。(詳しくは「横田庄一郎著 フルトヴェングラー幻の東京公演 朔北社刊」)
    公私にわたりフルトヴェングラーとの親交が深かったようである。

    交響曲「ブッダ」は後期ロマン派に影響を受けた作風で、単に日本音階をなぞるのではなく、確固とした西洋音楽の伝統的理論の上に独自の世界を構築している。
    欧米の著名な作曲家の作品群の中においても決して色あせることのない魅力を放っている。
    まぎれもなく天才のなせる業である事は間違いない。
    惜しむらくは28歳の若さで夭折したことであるが、もし存命なら日本の音楽界の発展に大いに貢献したことであろうと思われる。

    演奏の小松一彦&サンクトペテルブルク響も丁寧で力強い演奏を聞かせてくれている。
    音質はライブの熱気をはらみつつ、中低域が豊かでマイルドな印象だ。

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     2010/09/01

    ハーフ・クリムゾンと言ってもよいメンバー構成なので、当然その制作手法は熟知していることだろう。
    クリムゾンの破壊力と、アバンギャルド性を兼ね備えている。
    ただ完全なクローンなので、目新しさはない。
    ディシプリン・クリムゾンと70年代の良いところをよせ集めた様な感じか?
    ある意味クリムゾンとフィリップ卿の作り出した音楽を超えてはいない。

    ボーカルやラップも、そつなくこなしている。
    2本のチャップマン・スティックもロバート・フィリップや、エイドリアン・ブリューばりのソロやフレーズを難なくこなしている。
    どちらがどのフレーズを弾いているのかさっぱり分からないが、凄い。

    そして白眉のファイアーバード。
    このクラシックの名曲を、より深く表現していると言えるだろう。
    しかもスティックメン(クリムゾン)の音楽となんら違和感を持たずに融合している。
    この路線も今後大いに期待出来る。

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     2010/08/31

    「ダフニスとクロエ」はフランス人をして、決して真似できないと言わしめた演奏。
    ゆったりとしたテンポで厳かな雰囲気が漂うスケールの大きな演奏である。

    神話的なファンタジー性も失うことなく非日常的な空間を演出している。
    「夜明け」では、クライマックスで音が飽和してしまい、歪みでメロディーラインが聴き取れないが、雰囲気は感じることができる。
    「パントマイム」では表情豊かにストーリーを語りかけている。
    「全員の踊り」では徐々に盛り上がっていく様が手に取るように分かる。

    音質はレベルが大きく、より中域に張りがある。
    若干のステレオプレゼンスが付け加えてある。
    ヒスノイズはほとんど聞こえない。

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     2010/08/31

    ベートーヴェンはハンゼン(P)の正確無比で緩急自在のピアノテクニックを聴かせてくれる。
    グリーグの第2楽章ではギーゼキング(P)のピアノの出だしを聴いただけでとろける様なサウンドに身も心も奪われる。
    その美しさにあがないようもなく別世界へと誘われる。

    音質は、明るく張りがある。リマスタリングによると思われる若干のステレオプレゼンス。
    中高域が豊かな周波数特性だ。
    歪み、、ノイズ、音づまり等多少あるがそれを乗り越えてなお情感に訴えかけてくる懐の深い演奏だ。

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     2010/08/22

    やはり、デュアン・オールマンと比較してしまうのだが、単なるコピーに留まらず、新鮮な息吹を感じさせる、新時代のギターヒーローだ。
    実力派ミュージシャンならではの、ライブの臨場感、迫力を感じさせる演奏だ。
    最初は静かな出だしで次第に熱を帯びて行き、最後は空駆ける様圧倒的なソロが印象的だ。
    基本的にはブルース・ベースドなミュージシャンと言えるが、時としてその範疇のアメリカン・ルーツ・ミュージックを飛び越えてJAZZ・FUSION的な傾向さえ見せる。
    このあたりは叔父であるブッチ・トラックスが所属し、自らもメンバーであるオールマン・ブラザース・バンドのDNAをしっかりと受け継いでいると言えるだろう。

    ”ALREADY FREE”におけるシタールを想わせる奏法が革新的だ。
    新しさを秘めつつも、しっかりと伝統的な音楽性を保持するなどなかなか強かである。
    ”AFRO BLUE”におけるコルトレーン調のインプロビゼーションも迫力がある。
    ”Key to the Highway””Anyday”は、ご存知の様にデレク&ドミノスの名曲であるが、縦横無尽に弾きまくる姿は神懸かっている。
    エリック・クラプトン・バンドで来日時に、デレクに煽られたクラブトンが普段よりエキセントリックなフレーズを連発していたのが微笑ましく思い出される。

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     2010/08/07

    完全にJazzの作風にアレンジしてあり、作曲者のカラーは希薄なものとなっている。
    ヴェロニカ本人も、ジャズ・シンガーとしては割とオーソドックスな声なので、よりいっそうの感がある。
    裏を返せば、マイケル・フランクスの独特な唱法がいかに曲そのものと結びついているのかを物語っている。
    そのせいか、M7” Leading Me Back to you” でマイケル本人の声が聴こえてくると、いきなり彼のカラーに変節する。
    多少、年のせいか、ざらついた声質となるが、まだまだ健在ぶりを示している。
    どうせならデュエット・アルバムにしても面白いかなあと思うのだが、そうなるとまったく彼のセルフカバー・アルバムとなってしまうのだが…。
    つまるところ、マイケル・フランクスの存在感というのはずば抜けているということか。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/08/06

    ジュリーニ絶頂期のロサンジェルス・フィルとの録音。
    彼らしい、紳士的な落ち着きと気品のある演奏となっている。

    「英雄」はスケールの大きさを感じさせつつ、ゆったりと落ち着いたテンポでフルヴェン的なデュナーミクのある名演である。
    「運命」は多少、突込み気味で性急さを感じさせながら、堂々たる展開である。
    「ライン」はこれこそ気宇壮大で勤勉実直なジュリーニの演奏だ。
    特に個人的なお勧めは、お得意のドビュッシー、ラベルのレパートリーだ。
    「海」の様々な表情を想像力豊かに生き生きと表現している。
    「マ・メール・ロワ」は子供の頃の感受性豊かな側面を通した幻想的な世界観を表現している。
    「スペイン狂詩曲」は南国特有の熱帯夜のようなけだるい出だしから、色彩美あふれる世界観を表現している。

    LPOのサウンドは金官が柔らかく響いて、CSOのような機能的な美感には欠けるが、それがより一層、優しさや慈愛を際立てているようだ。
    とにかくこの値段でこのクオリティ、絶対損はないです。
    リマスタリングは残念ながら、されてないようです。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/07/20

    田園は、お気に入りのアーティスト、バンド、オーケストラなどの、ライブコンサートに出掛けた時に感じる、満足感、本当に来てよかったという想い、それらを感じさせてくれる演奏。
    ここでの巨匠は凄腕のシェフのように音楽を調理して私たちに提供してくれる。
    そしてただそれを味わうだけで、幸福感で心が満たされる。

    トリスタンは濃密なエロティシズムとパワーを放ちながら高みを目指し、愛の死の強烈なクライマックスでは甘美なる至福感に満たされたカタルシスを味わう事ができる。
    女性ファンに愛された巨匠ならではの演奏。
    いつものように、エンディングの最後の音まで丁寧に演奏され耳が離せない。

    マイスタジンガーは、民衆の団結力、正義感を感じさせる。

    音質は、田園、トリスタンとも歪みはあるが、ノイズの少ないクリアーなもの。
    マイスタジンガーは、AM放送録音のようである。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/20

    鬼神の如き壮絶な演奏である。
    第一楽章から、不安と絶望感をあおるティンパニの轟音。恐怖感すら感じる。
    第二楽章においても轟音は続く。それは怒りの表れであろうか。
    第三楽章において、絶望の淵から救いの手が差し伸べられ、つかの間の平和に満たされる。
    そして歓喜の第四楽章へとなだれ込んで行くが、これも尋常でないエネルギーの奔流となる。
    戦時下の異様な緊張状態の成せる業か?はたまた巨匠の絶頂期の記録なのか?
    いずれにせよ、二度とない名演である。
    音質は尻上がりに良くなる。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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