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風信子 さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/06/23

    陽光の下で朗々と歌われる”スメタナ”に視界が開けた思いだ 苦難の歴史を振り返る重苦しさから解き放たれた楽天性を歓迎する クチャルの気性が持つ向日性は調べに推進力を与えリズムを若々しく躍動させる 音楽が好きになる演奏と言ったら本末転倒だろうか 見通しの良い楽曲の運びに引き込まれていった 実はまだ「わが祖国」を聴いただけでこれを書いている 書かずにいられない 先ず”ヴィシェフラド”の雄々しい神々しさに打たれる 祖国に生きる誇りがふつふつと湧き上がる ”ヴァルタヴァ”の流れは血潮の奔流を自覚させて生命力が漲ってくる ”わが祖国”に風景の叙景はない 心情に訴えかける音楽は人を謳う ”シャールカ”から”女性”を感じさせた演奏をわたしはこれまで知らなかった 全曲中もっとも美しい”シャールカ”を聴くだけでもこのDIscの価値がある 音楽はいよいよ戦場へ向かう ”ボヘミアの森と草原”も風景賛美でなく 戦場と化す不穏な気に満ちた国土を憂える そしてついに”わが祖国”の肝へ ”ターボル”と”ブラニーク”の対比の見事さに舌を巻く 長年彷徨った濃霧の森から抜け出た開放感さえ与えてくれた これが戦争と平和の音楽だったのだと今更知る クチャルとJPOの”わが祖国”は”今を生きる”人に生きる喜びと勇気を与える 衷心より推薦する  

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/06/19

    蘇った響きに唯々聴き惚れた ピリオド楽器と楽曲縁の楽堂あれば演奏せずにいられなかったハーゼルベック&OWAの情動を酌む てっきり交響曲全集になるものと思い込んでいたRE SOUNDシリーズが新たな広野へ出た爽快感に包まれた 放たれた音塊は切ないほど余計な残響を残さない軽やかさだ 未だ聴き得なかった響きが再現されている(耳を澄まされよ) 前年に書かれた「田園」とハ短調交響曲の余韻は随所に残り香のように漂う「エグモント」が古雅な舞台の産物であり 同世紀後期の壮大な浪漫演劇とは隔絶した世界にあったという至極当然な事実にさえ改めて気づかされる 「献堂式」序曲も同様のスタイルで颯爽としかし重くならず草原を駈けぬける 衷心より推薦する 

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/06/09

    チェイコフスキーが憧れたイタリアの蒼空が見える演奏 音楽のチカラを直截表出して音楽を聴く爽快感に包んでくれた チャイコフスキー演奏には歯切れ良い律動と豪放に放たれるる響音がなければならないが 何より奏者それぞれの歌心と歌い交わそうとする気構えが貫かれなければ作曲者の思いを聴衆に届けることはできない パッパーノと聖チェチーリア音楽院Oにはこの全てがある チャイコフスキーは時を超えて今も人間に語りかけている 何を聴きとるかは聴く者ひとり一人違うだろうが 皆が一様に優しい心の広場に出ることだろう チャイコフスキーは音楽で人を愛した人だと知る 改めて音楽が好きになる演奏と言おう パッパーノとOANSCに最大級の賛辞を贈りたい 衷心より推薦する   

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/28

    ドヴォルジャークへの愛に捧げられた交響曲全曲演奏の決定版 チェコPOがプラハ「芸術家の家」の作曲家の名を冠したホールで為した連続演奏会と作曲家紹介を織り込んだ演奏会へ臨む指揮者とオーケストラのドキュメント映像 加えて曲(楽章)間にはピエロフラーヴェクがMarek Ebenと懇談形式で詳細な楽曲紹介を併載している ドヴォルジャーク・ファンには汲めども尽きない泉が湧き出たようで その畔りから離れられない思いに満たされた ならば肝心の演奏はどうだろう 有名を馳せたノイマンの後を継いだピエロフラーヴェクは2年でチェコPOを去り20年を経て返り咲いた 彼が武者修行で成長したのではない チェコPOが脱皮して彼の時代に追いついたのだ 若々しいコンマスを筆頭にオーケストラが生まれ変わろうとしている今ピエロフラーヴェクが必要だ 四半世紀前の記憶で不当な無視を続けている世間を嗤いたい ピエロフラーヴェクは素晴らしい仕事をしている スラヴ情緒恋しさなど老人の幻聴妄想だ そこではスコアから読み取られた音楽が奏でられ魂から息吹が噴き出している 生きているドヴォルジャークがそこにいる 今を生き対話する音楽を歓迎する いずれ曲の演奏も若々しい躍動と清々しい歌に溢れるが 特に4、5、7、8、9番が名演 さらに9番は突出した感動に包まれる 衷心より推薦する 

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/19

    ”謎”を解き明かした演奏に筆を取らずにいられなかった 既に充分な推薦文をいただいているDiscに敢えて蛇足になる駄文を加える わたしもイギリス音楽を愛する者の末席を汚す エルガーの音楽も少年の頃より小生の人間性を養う糧となったが ”エニグマ”変奏曲は最後まですとんとこの身の内奥まで落ちてこない一曲だった わずかにトスカニーニの演奏だけがいつも心へ通じる隘路で引っかかっていた音塊をなんとか深潭まで届けてくれた それでも得体の知れなさは付き纏い 音楽の美に触れ対話する時を愉しめなかった メニューインは音楽の構造を開陳した 自明だったはずの一つの創作主題による変奏曲だと聴き取れた それがNimrodで締めくくられ Intermezzo: Dorabellaで新たな主題が登場して世界が一変する 二つの主題は綯交ぜになり変奏し Romanzaを経てFinaleへ至る 見えた物語はエルガー個人のものであり同時に人誰しもが経験する人生風景なのだと知る なんとあたたかく心愉しい人生だろう 孰れもエルガーの音楽からは愛が溢れる ”南国にて””威風堂々第4”も心揺すぶられる演奏だ さらに余談だが わたしの感動の一助になったのは SACDをユニバーサル・プレーヤーのPure Directで再生しAVアンプのPure Audioから出力ことだと付け加えたい 衷心より推薦する  

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/05/08

    スラヴの言の葉と魂が生み出した音楽の精華を聴く プラジャークQua.の傑作 チェコ音楽のまさに本場モノたる貌などかなぐり捨てて音楽の力を振り絞る演奏 だが 力任せに謡いのめしたりしない 絶叫もしない 一瞬たりと機械的でない生きるものの鼓動を打ち 連綿と続く律動に乗って軽やかにしかし深く歌い染めるその進行に ただ唖然として聴き入ってしまった ヤナーチェクはドイツ的なるものを忌避しロシアにスラヴの理想を見ていたが 先進のドイツ音楽技法を学んだ後 そこに自身の内なる音楽を表出するに学ぶべきものなしとし 故郷モラヴィアにスラヴ音楽の源流を発見し自身の音楽語法の出発点とした時 レオシュは不惑の坂に差しかかろうとしていた ここから合唱指導もするオルガン奏者兼教師による40年にわたるオペラ創作が始まる そして死に至る最後の6年間に重要な5曲の室内楽が書かれた その3曲がここで聴ける 詩精神と音楽技法の結晶であるこれらはヤナーチェクとわたしたち20世紀人にとって遺されなければならない作品だった そして未来の人がこれを聴くとき彼らの心の襞をも照らし出す光を放つだろう 衷心より推薦する     

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/26

    ヴォーン・ウィリアムズ傑作誕生の決定的瞬間を作曲から百年を経て漸く迎えた 交響管弦楽として傑出した作品であることを証明した演奏がこれだ バロックヴァイオリニストの雄マンゼが指揮台に立った意味がここにあった 何しろ音楽表現の振り幅が大きい 遠近深浅の間隔が広い ロンドン交響曲がこれほど豊かに鳴り響いたことはない これはバロック奏法が生かされていることと無縁ではない 弦は極力ヴィブラートを控えている すると音に力感が出て伸びやかに響く マンゼはロンドンの風景や情景を雄弁にそして微細に描写したのではない 音構成の構造物として交響曲を展開した結果 RVWが感得し心傾けた”ロンドン”が自ずと姿を現した それは愛すべき都市であり人間そのものだった そしてベートーヴェンの「第8」に匹敵する傑作第8交響曲も決して添え物ではない見事な演奏を聴かせるマンゼの次回作が待ち遠しい 衷心より推薦する   

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/25

    ラヴェルの”青春”が濶歩する草原に居る 久しぶりにラヴェルの管弦楽全集を通聴した ブランギエ指揮するトーンハレ管の響きにベームやケンペが登壇していた頃の軽やかさが残っていたことに驚きと歓びを得て 二度目に聴いたときにはしみじみとした感慨に捉われた ジンマンが奮闘していた20年間の演奏その殆どを聴いていなかった 独墺系の大曲ばかりが目につくプログラムに食傷していた ラヴェルが書いた管弦楽譜の(二つのオペラを除く)ほぼ全てを音にしているブランギエがどれほどラヴェルを愛していることか もうそれだけで喝采をして彼を迎えたい思いが溢れる 仕舞いのDisc4は「ダフニスとクロエ」で埋まるが 前の3Discs はよく考えられてプログラムが組まれている いわゆる管弦楽曲と協奏曲そしてバレエ音楽が見事な均衡をもって並ぶ一つのコンサート・プログラムに成っている ソリストにはブランギエと同じ20代の中国・台湾の俊英を起用しているは英断だ 演奏に拍車を掛ける働きをした では若いからさぞ突っ走っているのかといえば然に非ず 音構造を立体視させるばかりか音の交錯から生じる陰影も映し出しているから ラヴェルの心模様を浮き彫りにしてわたしの心を打つ 例えば「左手のためのピアノ協奏曲」を聴くとき胸が裂ける思いに襲われる ラヴェルの戦争への憤りが止め処なく流れ出している ブランギエは考えている この「左手〜」をDisc3のバレエ音楽の額縁で囲った中に置いて周囲をわたしの大好きなピアノ曲から編曲した絶品の小品たちと二台のピアノでも聴かれる「スペイン狂詩曲」で埋めている なんという優しさだろう このブランギエ只者ではない 衷心より推薦する 

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/18

    RVWを世界に曳き出したプレヴィンの金字塔がこれだ 全集だけに価値があるとは言わないが これが録音された1968-72年に曲がりなりにもRVWの交響曲を全曲録音していたのはボールトだけ それをジャズメンから転身したアラフォーのユダヤ系ロシア人(米国籍)がLSOを指揮して世界にとって未知なる作曲家RVWのシンフォニーを全曲見事に演奏披露した この時の新鮮な驚きを今も忘れない この美しさはどうだ その後幾多の指揮者がRVW交響曲を取り上げたが この立体的透明感を持ってRVW音楽を鳴らした指揮者はいない 巷間高い評判を維持しているトムソン盤も音響の美しさで不満が残る トムソンはウォルトン全曲を筆頭にその録音の殆どを聴いて真価を認めるわたしでもトムソン盤一等と言う称揚の声に首肯できない もっともわたしがプレヴィン・ファンだということも隠しはしない プレヴィンの奏でる音楽はわたしに安寧と勇気を与える生命力に満ちている 私事で恐縮するが病の床に臥せった時わたしの魂と肉体が求めたのはただプレヴィンの生み出す歌と律動の響きだった 実はレイフ・ヴォーン・ウィリアムズの音楽もわたしたちに生きる勇気とこの世界への愛を語りかけているのではないか プレヴィンにとってもRVWは演奏せずにやり過ごすことができない音楽だったと思うがいかが 衷心より最高の推薦をする

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/14

    ハイドンが描いたロマンチックな真円の芯に入った憶いに浸った ハイドンはロマンチックな作曲家だと言ったら首を傾げる向きもあるやもしれぬ 現代のわたしたちが日々紡ぎだす感情に照らしてハイドンは同等の情熱と想像力に溢れた人だったと音楽は語りかけている ハイドンは八十余曲の弦楽四重奏曲を残したが 出版した第6集(第36番)まではディヴェティメントと題していた 作品9の時点でも クァルテットが純粋で高度な表現力を持つ室内楽形式だという確信に至っていなかったが 新形式確立への萌芽を見られるのがこの作品9だ LHQもそれを意識してか 作品9-4ニ短調(第22番)を冒頭に置いている これ以降ハイドンは六曲セットのクァルテット集には必ず一曲短調の曲を挿入している そしてこの作品9のニ短調がハイドン最初の短調クァルテットになる 蓋し名曲である これをLHQは当然ピリオド楽器ピリオド奏法で演奏している これが重要なのだ わたしはこれまでアウリンQの溌剌とした名演奏を優秀録音で聴いていた それはハイドンの音楽から滴るような生命力を引き出した見事なものだ だがLHQの演奏を聴いてしまうと AQのそれはハイドンが歌い語った音楽の一面に留まっていると言わざるをえない それもハイドンから出たものに違いはないが別物の誹りを間逃れない これはハイドンその人ではない思いが膨れ上がってしまった 面白い現象が見られる AQとLHQの演奏時間(20分余)を比較したら LHQの方が1分半速い 緩く張った弦と弓を触れ合う方が要らぬ力が入っていない分余計な間が生まれない 音楽の流れが自然になり生じる情感が豊かになっている 古楽器が低機能だという迷信はもう捨てよう ハイドンと長く語り合うためにLHQの演奏に耳を傾けることになる 以前は六曲セットを通しで聴くと肩が凝ったものだ LHQと一緒なら退屈も疲労もない 衷心より推薦する 

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/04/03

    ティルソン・トーマスは一頭地を抜いた鮮明な”アイヴズ”に出会わせてくれる 1999年秋に録音された当ディスクは”13の歌”を中心に据えたアルバムだ ピアノ伴奏とSFSOを指揮したT.トーマスが構成したプログラムの機微に先ず感嘆する 管楽器を主体として室内楽曲をアルバムの額縁としている ”教会の尖塔と山々より”で始め”答えのない問い”で終わる粋さ加減はどうだ 中に”ニューイングランドの三つの場所”と”交響曲第4番第3楽章フーガ”を挟んで 歌曲を三つのエリアに分置している 第一エリアはピアノと管弦楽で交互にハンプソンの歌を伴奏して 締めの5曲目は少年を含むコーラスで”サーカス・バンド”を歌う 第二エリアは3曲で 中の”They are There!”をコーラスが歌い 前後をT.ハンプソンが歌う 前はオケ後ろはピアノと色分けをする 第三エリアも3曲だが最終エリアを意識している ”フーガ”に続く一曲目は”Psalm C” 本来無伴奏合唱曲だが冒頭頭尾にはオルガンも加えた管弦楽伴奏がつく 終曲”ブース大将の天国いり”ではT.ハンプソンとコーラスが共演してドラマチックで一際愉しい 全曲の締めくくりはトランペットが答えのない問いかけを繰り返して幻の鳥のさえずりだけが残る摩天楼の闇の彼方へと消えていく アイヴズの真骨頂がここにある 衷心より一聴をお薦めする 

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/03/23

    ハイドンとは誰か ようやく描かれた肖像ではない呼吸し会話する彼に遭えた 古楽器とその奏法の復元に多くの才能が費やされて尚い 長年甦った演奏の新鮮な音色とエスプリの発見に心躍らせ堪能させてもらった だがその新機軸にー仮令聴衆の関心を呼び覚ますためとはいえー言い訳めいた妥協がそれとなく紛れ込んでいたことを知った 現代人の耳を退屈させまいと刺激という蛇足をつけた演奏の何と多いこと LHQはピリオド楽器を持ちハイドンが残した楽譜に向かいピリオド奏法で演奏しただけだ これが誰かのお気に召すも召さないも与り知らない しかしこれがハイドンの頭の中で鳴り250年前の聴衆が聴いた音楽だ 全ての意味が違う フォルテもピアノも スタッカートもマルカートもレガートもアーティキュレーションのバランスとニュアンスが決定的に異なる 緩く張ったガット弦を力の伝わりづらい弓で弾けば自ずと生まれる結果だ 出会ったハイドンの世界は完全に独自で複雑な様相を垣間見せながらどんどん遠ざかっていく銀河のようだ 神秘の時空が広がっている この意味を知るために長い航海と探検する勇気が要る ハイドンは拒絶しない むしろ微笑み己の世界を開陳して向かい入れてくれる その美と意味を知ろうとする者には本然の姿を語るだろう 真に音楽を愛する友に衷心より推薦する  

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/03/22

    「我が祖国」を解放した演奏だ 各交響詩が描出する祖国の風土と歴史を踏まえた上に 楽曲の普遍性と汎世界性を高らかに謳いあげたフルシャ&プラハpo 六曲それぞれの起承転結を明瞭に表現したことで六曲の魅力が均衡した 「ヴルタヴァ」が突出した印象を残すことがなく「ターボル」「ブラニーク」の一本調子が解消し 六曲が見事な六面体となった 随って全曲の一体感が高まり長尺感が消えた そこで見えてきたのが「我が祖国」の戦闘性なのだ 題材がそうした歴史を背景にしたものだと言うが「ヴルタヴァ」や「ポヘミヤの森と草原から」にも戦う人の眼差しと息遣いを感じさせる スメタナがこの六曲作曲中に完全に聴覚を失ったことが反映しているのだろうか フルシゃの演奏には戦場の残酷さや悲愴感はない どこまでも希望を失わない調べを歌いと鼓動を打ち続けている このディスクは豊かな残響のある部屋で余裕のある音量で奏でたい 衷心より推薦する 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/03/21

    物語る人は涙を見せない 微笑みを絶やさない相貌は崩れない 哄笑も激昂もないが 深く閑かに思いは全身に沁みていく 語り部フルシャはスークの音楽をことばにして伝えてくれた ここではドヴォルジャーク晩年の組曲がまず聞かれる 簡素で叙情を秘めた小品は枯淡の味わいだがフルシャは率直な語り口で綴ってみせる そしてスークへ 弦楽セレナードはスーク作品随一の演奏頻度を持つが 味わいはあっても強い印象を残した演奏に出会った記憶に乏しい 長岡京室内アンサンブルとターリヒ&チェコpoの演奏が残した聴後感は今も鮮やかだが フルシャ&プラハpoの演奏はさらに明瞭な印象を刻む それでも このディスクで一番の聴きものは掉尾の「幻想的スケルツォ」なのだ スケルツォと言っても序曲・前奏曲に匹敵する内容と味わいがあるスークの傑作だ 衷心より一聴をお薦めする   

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/03/21

    風が吹いた 山から降りて来たのか 川を遡って来たのか知らん 春の風だ まだ枯れ草の残る草原を亘っていく清麗な風に深く重い表情はない 行き先を知り得ない自由な身は澄んで軽やかだ 柔らかい若草に触れても弾む身は快いリズムを連ねていく 歌は朝靄のような余韻を残して飛び去る 青春の弦楽セレナードを聴いた 管楽セレナードには愉悦と諧謔の日を謳歌するやはり青年の姿を見る ややかしこまって儀式へ参列した青年が饗宴の中で次第に解放され弾む心を抑えられなくなる フィナーレにはジャズ風の歌い回しまで織り込まれている 愉しい思いを素直に表現できた見事な演奏だ 若い心は永遠なる憧憬として全ての人に宿る 時にいやいや屡若い心の息吹に吹かれたいものだ 春の風のような‥ 衷心より推薦する  

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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