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風信子 さんのレビュー一覧 

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     2017/05/11

    踊るフランス ベル・エポックの花園に入る 「サティと9人の仲間たち」も世紀末のパリ万博を頂点とする華やかな時代を映して見事だったが これはさらに深くフランスなるものへ没入する曲集となった 視点が動いたとも言える 先の主役だったサティは一曲だけ 15人の作品が集められたが ドビュッシーとプーランクが四曲と最多 ラヴェルが三曲 そしてオペラ バレーなど劇場音楽作家のアーンが二曲と複数置かれる 踊る或いは踊りをイメージする作品の羅列は絢爛な都市生活を謳歌している人々の姿のようでありながら その陰に潜んでいる不安や狂気をも映し出している 未来の悪夢を予見している不穏な響きがそこかしこに谺している 平和の中で闇に光る目を見る天才たちの証言を聞いているようだ 人は愛すべきものだがまた愚かであるとも言える 栄えては滅びる 繰り返される愚行を止められない 音楽はただ歌うだけ 何ほどの力もない だがいつかは地に平和をと信じたい ご一聴を 

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     2017/05/10

    シベリウス音楽の肝に触れる 胸を締め付けられる懐かしさと冷風に触れた緊張感とが同時に沸き起こる 学生劇のために書かれた「カレリア」原曲は復元されたものとはいえ 組曲版では消えていたフィンランドなるものの「声」が直截訴えてくる力を持っている 祖国独立を希求する思いは「フィンランディア」原曲である「新聞祭典の催しの活人画のための音楽」全曲を聴くことでより鮮明に迫ってくる その終曲「フィンランドは目覚める」を改定して「フィンランディア」としたが 支配国ロシアが慌てて演奏を禁止しなければならなかったことが肯ける それほど祖国愛が前面に押し出している音楽だ でもなぜだろう 地球の裏側に生まれたわたしがこれを分かるのか やはり自由は人類共通の欲求なのだろう 自由を奪うもの 自立を阻害するもの 他人を支配し所有し使役しようとするものを憎む心がある限りシベリウスの音楽は世界中で演奏され聴き続けられるだろう そして今もこれに共感する心あることは 今迫り来る恐怖を感じているからなのだ   

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     2017/05/09

    涙が溢れて止まらない 20年前にノリントンがRVWの交響曲全集を録音していたことを忘却していた てっきり新録音かと雀躍して取り寄せてみれば 明らかに再販盤の意匠を纏っているではないか 初版出版当時わたしは無視してやり過ごしてしまったようだ 何と愚かなことをと後悔しきりである ぜひ全集盤の再発売をお願いしたい 聴けば分かる その美しさに胸打たれている 田園交響曲がフランスでRVWが従軍した体験から生まれた戦争交響曲であることは理解していた そして第5番も第二次大戦下で生まれたことは知っていたが オペラ「天路歴程」から派生したという俗説を信じ込んでいた 戦争の惨禍に傷ついたRVWが心の平安を歌った天国的音楽と妄想していた バカだった 解説士に言われるまでもなく 耳澄まし心傾ければ自ずと聞こえていたではないか 耳を塞ぎ心閉じていた 愚か者はわたしだ RVWの第3〜第6交響曲全てが戦争から生まれざるを得なかった交響曲だった 20世紀とはかくも無残な戦争の世紀だったのだ 目眩しは己の弱い心の中に住んでいる RVWの哀しみの何をわかっていたのか 恥ずかしい ご一聴を  

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     2017/05/09

    フェアリー・ガーデンに迷い込んでしまった風情に 暫し時を忘れ夢幻に遊んでしまった 先ず《マ・メール・ロワ》がいい 前奏曲冒頭ホルン・ソリの鄙びたエコーの綾に聞き惚れる これがないと《マ・メール・ロワ》は始まらない バレエ版でないと物足らなくなるのはこれが為だ ロワールO.の醸すソノリティが好ましい そして《ジャンヌの扇》は録音も少なく貴重な記録となった ジャンヌ・デュポストの依頼を受けた10人が書いたバレエのための小品を綴り合わせて扇のように連結され束ねられた珍しい作品だが ラヴェルのファンファーレに始まる一曲一曲が珠玉なのだ 単独で演奏される価値を持つ イベール ルーセル プーランク オーリック シュミットの一曲は殊に優れた曲だ アクセルロッドの指揮は音楽の持つ力を自然に引き出している 何より癖を感じさせない曲運びが幸いしている バレエ曲の性格を生かす描出力に長けている 繊細な耳を持つから色彩感が出る 間もよくよく歌うが細部に拘泥しない軽やかさを保てる 貴重なフランス音楽集が生まれた ご一聴を   

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     2017/05/07

    ビゼーは無辺の大海に灯る一点の灯台の光だ 残る作品は限られているが何れ劣らぬ宝石なのは周知だが 高貴で華麗な宝珠ではない 市井の片隅に転がっているガラス玉に見えるほど質素で素朴な石だから 初めは気付かず見過ごしている だが一度触れなばその飾らぬ意匠から受けた印象を忘れることができなくなる 生前ビゼーの描いた美に皆気付かず無体に扱いビゼーから生きる力を奪った わたしたちはビゼーを愛している いっ時も忘れることができない 繰り返し繰り返し聴きたくなるその単純な音楽のどこから無限の魅力が放たれるのか タンゴー&アイルランドNSOは小気味好い演奏でビゼーに応えた この飾らぬ音楽に相応しい 爽快な初夏の風が似合う音楽そして演奏だ ご一聴を 

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     2017/05/07

    夏風の中 湖上を揺蕩う小舟に寝て 流れる雲に心遊ばせる風情 二台のギターが爪弾くドビュッシーとラヴェルは極上の語り部となる 聴くも良し聞かず空想にふけるも良し 気の向くまま心の赴く方へ飛べば良い 聞かせようとしない音楽は自由を妨げない 邪魔にもならない さりとてこちらの気が向けばいつでも音楽の世界に戻れる 音楽は微笑み迎えてくれる サティが目指した家具としての音楽がここにある ひねもすランダムに繰り返すように掛けておいてもいい ギター編曲で音構造が透視図のように見えた面白さもある おひとつお部屋の壁に掛けてみてはいかが 

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     2017/05/07

    Favori(好意)に満ちたベートーヴェン像 10年を経て好意的な論評ひとつ添えられないまま放置されるのは腑に落ちない ”月光ソナタ”以外小品を集めたような曲集を編んだケフェレックに共感する人はいないのか 30年をはるかに越えた昔インマゼールが似たようなアルバムを出したが それでもソナタが二曲入っていた ケフェレックは何を伝えようとしたのだろうか 劇性や哲学性は廃された ベートーヴェンの人柄に光を当てようとしているように見える むしろ彼が望んだ性格と言うべきか 温もりを感じる関係を他人との間に気づきたかった人だと音楽は語っている ただそれがすんなりと手に入るような人格ではなかったと伝える曲(12曲目)も挟まっている 幸福と縁遠く切ない孤独を生きたベートーヴェンを慰める母性の眼差しが照らしている 心傷つき巷間をさすらう魂にこそ沿わせてやりたい優しい音楽集なのだ ご一聴を  

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     2017/05/05

    感謝と慈しみが全編を流れる また悼みと憾みが水底を流れてもいる どうしても祈りたいような心境に捉えられる 選ばれた21曲の3/4が短調曲であれば自ずと哀感が滲み出す 緩徐曲が多くなって心の振れ幅も弛緩してくる 深くへ収斂集中していく心地となる ドラマチックでなし ロマンチックでなし 静謐な水底を覗くような心境になる 止まってしまってはいけないから”プレリュード”が6曲入っている 良い推進力になっている ケフェレックはメロディーを大切にして弾くが感情的ではない 突き放してもいない 寄り添い歩みゆく道程をかけがえのない一瞬として生きている 再びは歩まぬ道であれば共に歩くのは一度だけ 過ぎ去る時間を振り返る間はない 言い残せなかった心も掛けられなかった手もそのままに歩み続けるしかない 思いだけが心の奥にうず高く積もっていく ケフェレックも私たちも孤独を生きる 残るものはやはり祈りだけなのだろうか ご一聴を     

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     2017/05/02

    ようやく第一次トスト集が出た メンバー交代のためか間隙があって心配した 純正のピリオド・クァルテットは希少な存在なのだ 数多あるハイドン演奏ではもう聞いていられない あれほど共感していた”ザ・リンゼイズ”も耳が受け付けない 居ても立っても居られなくなる そうでは無いと言わずにいられない 耳障りな音塊が飛び込んできて耐えられなくなる それはハイドンじゃ無い ロンドン・ハイドンQの響きと音楽の流れに身を浸した者だけが知る心地よさを多くの人に知ってほしい 彼らが第二次トスト アポニー エルデーディ ロブコヴィツヘ進むことを願っている そしてモーツァルト ベートーヴェンへと夢は続いている  

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/05/02

    ピアニスト嫌いだが面白かった 何故かK.B.は「マザーランド」以来ほとんど聴いているのではないかしら 打鍵感が無いと言うのか 叩かないし品をつけて歌わないのもいい 本人ピアノを聞かせようと言う気が無い だから空虚な”ピアノ音”を聞かないで済む ”いい音でしょ””よく弾けるでしょ”とピアノそのものを見せつけられるピアニストにどの位出会ったことか ラフマニノフは音楽を書いたのだし わたしは音楽を聴きたい どなたかも書いておられたが 同時期に聴いた”ラフ3”がそれだった 自身のピアニズムが前面に出ているからラフマニノフとの対話ができない K.B.のテンポが速いと言われる方があるけれど それは情報量の豊富さと粒立ちを失わない音像の為せる業だ ラフマニノフは作曲ができないと嘆いていた ピアニストは生活の糧で生涯の多くの時間を奪われた 古希まで生きて作品45で止まった だからシンフォニーやコンチェルトには二曲三曲分のアイディアが詰め込まれている 演奏時間を超えて膨満感や過剰感を感じるほど長大な作品になった そして憧憬と哀感がどの作品からも滲み出ることになった K.B.をピアニストではなく音楽家として注目している ご一聴を  

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     2017/05/01

    19世紀交響曲史の美事なオベリスクが建った 9人の交響曲(エルガーが違う曲なので残念)はそのまま交響曲の歴史だ ピリオド様式演奏を以て特別視するのはやめよう 奏法の違いはとうに超えて美しく心打つ演奏だ テンポも決して速きに特化していない 敢えて言えばシューベルトがベートーヴェンのテンポ感に準拠しているだろうか スコアに示されたテンポ設計を掌握した運びが自然に情感を刺激する 例えば「イタリア」の第二楽章でわたしは涙ぐむ イメージは街路をずんずん歩きながら涙が止まらない 前後の状況設定は千変万化だが この青春性こそメンデルスゾーンでありわたしは好きだ この刺激は低弦の刻みに誕を発するが 速すぎても遅くても泣けない ノリントンは加減が分かっている 計算で分かっているのではない スコアを介して作曲者の意図を汲み語り合い導き出された最善の美しきフォルムから人間の抒情が流れ出す 音楽に誇張も力みもない ただおおらかな情趣に覆われた宇宙が広がっている 万人に奨めたい一巻がこれほどの安価でここにある ご一聴を 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/04/29

    春の名残りを漂わせる風に吹かれて聴きました 青空の似合う”第4”になりました‥しかし暮れ方には雷雲が流れ着き荒れるとか ヘルヴェッヘのブラームス・シンフォニーがなかなか現れなかった訳に思い当たった いやピリオド演奏自体希少だ 19世紀音楽を時代交渉して演奏にかける試みはワーグナーやブルックナーそしてドヴォルジャークでも続々と始まっている 孰れも面白い成果を聞くことができる ではブラームスは如何に ブラームスでは滅多にしないことだがスコアを見ながら聴いてみた シンコペーションを多用した書法であると改めて認識した以上に瞠目したのはスコアのシンプルさだ まるでハイドン・モーツァルト時代だ トランペットにバルブもピストンも要らない ベートーヴェンを一歩も出ていないスコアの古色に愕然とした 時代楽器でやったら半世紀も時間が戻ってしまうような趣だ 他のロマン派音楽はピリオド・スタイルで演奏してさらに音楽の先進性が見え 作曲者が未来へ架けた橋が眼前に浮かび上がった だがブラームスはどうだろう ぜひこのヘルヴェッヘの一曲を聴くことをお奨めする 美しい だが閉ざされた部屋に収めておくにふさわしい美のように思えて仕方がない ヘルヴェッヘは全集を作らないと思う   

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/04/28

    再びサティを弾くアンヌに出会おうとは思わなかった しかも同時代を生きた仲間の音楽とともに聞こうとは ならば20世紀初頭のフランス・ピアノ小品集なのかといえば然にあらず 29曲中15曲がサティで他に10人の曲が挟まる印象だ ドビュッシー3曲 ラヴェルとアーンが2曲ずつ 残る7人が1曲ずつ ではサティが”額縁”あるいは”プロムナード”の役割を担うのかといえばこれも当たらない あくまでサティが主役 それはサティの代名詞である六曲の”グノシェンヌ”と三曲の”ジムノペディ”全てが各所に散りばめられていることが証左だ 冒頭サティ三曲が続けて演奏されるとセヴラック〜ラヴェルの四曲へ移る 次はサティ フェルー サティ サティ アーンと目まぐるしく入れ替わる 四度サティへ戻ると五曲続く そして二度目のラヴェルからドビュッシーまで五曲サティから離れる 五度サティを四曲続け ケクラン〜シュミット三曲で結ぶと云う壮大なアンソロジーになっている CDの収録限界時間をフルに使った労作だ 分厚い単行本を読み終わった感覚が残る 小品集だからといって とてもBGMにできるような代物ではない 一曲一曲に刻まれた詩情と技巧の深さとその冴えに刺激されどうしても正面で向き合わざるを得なくなる ケフェレック渾身の傑作を一人でも多くの人が味わうことを願う ご一聴を   

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2017/04/28

    壮年マッケラスに青年マッケラスが挟まった集成 チェコの人とばかり思っていた アメリカ生まれのオーストラリア人とは知らなかった ヤナーチェクやドヴォルジャークもあるが印象深いのはサリヴァンやコーツやディーリアスそしてエルガーの演奏なのだ この五枚のほぼ半分のスペースを占めている 血は争えないというが ブリティッシュ・フェアリーが呼び集めたかのようではないか ミューズを その歌こごろはどこそこで誰かに学んだから身についたものではないだろう 実に伸びやかで長閑なこころの歌である 殊更に思いの丈を込めたりする人ではない清廉と前進性がどの音楽のどの隅々にまで行き渡っているので清々しい 生涯青春の潔さを失わなかったマッケラスの老いることがなかった音楽を愛す マッケラス・ファンは言うに及ばず多くの人の胸に滲みる音楽がここにある ご一聴を   

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/04/25

    未来の記憶を掘り起こしたシューベルト 失われた未来に鳴り響いたであろう幻の交響曲の予兆を聴く思いに捉われていた ピリオド演奏の探求の旅を経て尚大オーケストラで挑むシューベルトは斯くあろうと頷いた シューベルトが無意識のうちに思い描いていた交響曲の未来はある意味でブルックナーに至って具現したが シューベルトがベートーヴェンの寿命と同程度の時間を生きられたら 交響曲の未来は全く違ったものになっただろう それはシューベルトが残した最後の交響曲群の書法を受け継いだ者がいないことで明らかだ 未だ聞かれず永遠に聞けない音楽をわたしはいつも空想している シューベルトの「グレート」「未完成」にはそういう愉しみ方もある フィリップにアルミンの残影を見るか否かは別の話だ スイス出身か否かもシューベルトの前では意味をなさない そこには音楽家が夢見またいつ果てるともなく続く幻想のFieldが広がっている ロマン主義とは一線を画すロマンチシズムの風がいつも吹いている この広野を通らずして音楽の未来はない ご一聴を  

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