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adagietto さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/19

    コバケンのチャイコフスキーの4番はチェコ・フィルとのライヴ盤も含めると5枚目となる。この曲を第5番と共に十八番とし演奏頻度も高いが、第5番の曲を食べ尽くすような雄弁な表現と比較すると、第1、2楽章などは、この指揮者にしてはあっさりしており、第4楽章になってやっと熱が入ってくるといった感じで、コバケンの芸術としてはやや物足りなさが残っていた。しかし、今回の新盤は、その欠点を克服し、第1楽章冒頭からスケールが大きく、全体的にゆったりとしたテンポで感情移入も今までにないほど見せている。フィナーレについても以前のように「終わりよければすべて良し」的な飛ばしまくる演奏ではなく、若干遅めのテンポで曲を進めていくため、全楽章を通してバランスが良い。最後のアッチェレランドは聴く者を驚愕させてくれる。オーケストラも優秀。特に弦楽器の音色は惚れ惚れとするものがある。コバケンも70歳を過ぎ、いよいよ巨匠への道を歩みだしたと言ってもよい。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/13

    このオランダの名門オーケストラとシベリウスの組合せの録音は、ほとんどないと言ってもいいくらいだ。(60年代にジョージ・セルとの録音があったぐらいか。)理由は歴代の音楽監督(メンゲルベルク、ベイヌム、ヨッフム、ハイティンク、シャイー)がシベリウスを得意とする指揮者ではなかったということも関係しているように思える。ハイティンク時代に客演し、しばしばこのオーケストラと録音したコリン・デイヴィスはシベリウスを得意とするが、録音はボストン交響楽団と行った。これについては、コンセルトヘボウ管弦楽団とシベリウスの相性の問題もあったものだと推測できる。

    当盤の演奏について一言で申し上げると、あたたかく春の到来を告げるような伸びやかで平和なシベリウス。春にぴったりの音楽のような気がする。北欧の指揮者と北欧のオーケストラの演奏のように、ひんやりとした感触とか贅肉をそそぎ落とした厳しさのようなものは皆無と言っていいくらいで、要はシベリウスらしくない演奏と言えるだろう。それでも、この第2番の演奏は魅力的だ。コンセルトヘボウ管弦楽団特有の暖色系の音色の弦楽器群や木管楽器のカラフルなソロが耳に心地が良い。全4楽章を通して耳のご馳走が続くが、特に第1楽章では、その魅力を満喫でき、まさにシベリウスの「田園交響曲」と呼ばれるこの作品に相応しい。
    フィナーレにおいては、開放感にあふれた胸のふくらむような楽想にぴったりの演奏で、たっぷりと思う存分に有名な第1主題を歌わせる。その後のクライマックスまでの劇的な展開、高揚感も素晴らしいとしか言いようがなく、終結部の第一主題の動機は実演で聴いたら鳥肌ものだろう。世界屈指の音響を誇るコンセルトヘボウの響きを生かした録音も素晴らしい。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/11

    僕が一番好きなシベリウスのシンフォニーは第6番。演奏は定番のベルグルンド&ヘルシンキ・フィルハーモニーの演奏が素晴らしい。音楽を言葉で表現するのは難しいが、音彩が宝石のように煌いている。感触はクールながらもどこか民族的な土くささがある。勿論、それは、第6番以外の演奏にも言えることである。
    シベリウスの交響曲を聴き始めた頃はバーンスタイン&ウィーン・フィルの演奏を好んで聴いていた。晩年に収録された第1,2,5,7番の4曲である。しかし、バーンスタインは第3,4,6番を録音せずに他界してしまったため、代わりとなる演奏を探し見つけたのが、このベルグルンド盤。そして、この演奏を聴いた途端に、その余りにもの奥行きの深く清涼な演奏に驚きを覚え、バーンスタインのマーラーの演奏の如く濃厚で遅いテンポに違和感すら感じたのである。ヘルシンキ・フィルとの演奏は全てが実に内面的。奇を衒ったところが全くなく、どんなに鮮やかな音も心の内側から発せられた自然音になっている。どんなに美しいものでも、表面的に美しいだけでは心を打たれない。内面的な美しさがあってこそ、真に美しいと思う。ベルグルンドの第6番を初めて聴いた時、バーンスタインやカラヤンのシベリウス演奏では聴かれなかった美しい音が頻発してきて、本当に目眩しそうだった。シベリウスの交響曲第6番は、宝石箱から溢れ出そうな音楽なのだ。

    なお、この曲に傾倒して作曲家を志したという吉松隆は、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」との不思議な類似を指摘する。第1楽章のリズムは列車の律動、2楽章は渡り鳥の歌。

    6人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/08

    第1楽章から飛ばす飛ばす!フィナーレのコーダも圧巻!全体的にパワフルで速めのテンポが特徴ですが、雑になることはなく、非常に緻密な演奏です。コバケン盤のメンデルスゾーン的なメルヘンティックさとは正反対のこれぞロシア!というようなサウンドで楽しませてくれます。併録の「イタリア奇想曲」もダイナミックかつパワフルな名演です。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/08

    このCDを聴けば、ティーレマンのブルックナー指揮者としての力量について、疑いを持つことはないだろう。このCDはミュンヘン・フィルの総音楽監督に就任した2004年10月に行われた第5交響曲のライヴ・レコーディングである。その他、ウィーンフィルの演奏会やミュンヘン・フィル来日公演でも実力は実証済み。過去にケンぺやチェリビダッケの薫陶を授かった名門ミュンヘン・フィルに息づくブルックナー演奏の伝統にティーレマンがじっくりと遅めのテンポ設定で形づくる巨大な音楽は、巨匠不在で欲求不満に陥っているブルックナーファンを満足させてくれることであろう。トラックタイムか(82分34秒)ら分かるように、多くのファンが期待する重厚長大なスタイルによる演奏。名実ともに現代屈指と呼び声の高いティーレマン&ミュンヘン・フィルのブルックナー演奏を楽しんでいただきたい。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/01

    死者のための鎮魂ミサ曲としては、まずは悲壮感漂うモーツァルトのレクイエムが挙げられるが、そのような宗教曲であるが故に、壮麗かつ威厳に満ちた重厚な演奏を求める方も多いことだろう。最近の演奏はピリオド楽器により合唱の人数も少なく、壮麗や威厳さがスポイルされてしまっている演奏が主流となりつつある。
    ここで紹介するのはカール・ベーム指揮ウィーンフィルの演奏(1971年録音)だ。ピリオド楽器の演奏と比較すると遅めのテンポで、各パートをじっくりと響かせて、聴く者を悲しみの底に突き落とさんとするが如きベームの指揮ぶりは理想的。録音から30年以上も経た現在もなお、モーツァルトのレクイエムの代表的な演奏として聴き継がれている所以も、ひとえにこの真摯な姿勢と、ウィーンフィルの美しくも峻厳な響きにあると思う。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/01

    死者のための鎮魂ミサ曲としては、まずは悲壮感漂うモーツァルトのレクイエムが挙げられるが、そのような宗教曲であるが故に、壮麗かつ威厳に満ちた重厚な演奏を求める方も多いことだろう。最近の演奏はピリオド楽器により合唱の人数も少なく、壮麗や威厳さがスポイルされてしまっている演奏が主流となりつつある。
    ここで紹介するのはカール・ベーム指揮ウィーンフィルの演奏(1971年録音)だ。ピリオド楽器の演奏と比較すると遅めのテンポで、各パートをじっくりと響かせて、聴く者を悲しみの底に突き落とさんとするが如きベームの指揮ぶりは理想的。録音から30年以上も経た現在もなお、モーツァルトのレクイエムの代表的な演奏として聴き継がれている所以も、ひとえにこの真摯な姿勢と、ウィーンフィルの美しくも峻厳な響きにあると思う。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/01

    2005年に亡くなった20世紀を代表する指揮者ジュリーニの追悼盤だ。タイトルにはベートーヴェンの交響曲第5番とあるが、いわゆる「運命」と呼ばれている超ポピュラーな名曲中の名曲。演奏についてはドラマティックさは、さほどなく、あくまでも正攻法な演奏である。カンタービレが効き歌心があるのが特色だ。

    もう1曲はシューマンの交響曲第3番変ホ長調Op.97「ライン」である。これは名盤とされており、同曲の最高な演奏と挙げる人も多い。僕もこの演奏は大好きだ。ドイツのライン川周辺の雰囲気が伝わってくる。明るく雄大で重厚な演奏であり、所々に同曲のマーラー編曲版のアイディアが生かされている。シューマンのオーケストレーションが効果的でないということで、マーラーがオーケストレーションを改訂した編曲版がある。しかし、あまりにも整理整頓されており、薄味になっているのが気になり馴染めなかった。勿論演奏も行けなかったのだが・・・。これは改訂版ではなく一部にそのアイディアを取り入れた演奏らしい。第一楽章の第一主題のホルンの扱い方などが顕著な例である。テンポもこの演奏くらいが丁度いい。指定より遅めで悠々と演奏したほうがこの曲の楽想にあっていると思う。他の演奏では朝比奈 隆/新日本フィル(フォンテック)のものが好きだ。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/01

    このCDは1988年にバーンスタインがモーツァルトのレクイエムを録音して2年ほど後に同じバイエルン放送合唱団とバイエルン放送交響楽団を率いて録音したものである。レクイエムで名盤とされるベーム盤より更に遅いテンポ設定ながら名演を聴かせてくれたバーンスタインが2年後に大ミサ曲ハ短調K.427(417b)に挑戦。ぼくはカラヤン盤やガーディナー盤のある種の軽さに物足りなさを感じていたが、バーンスタイン盤でようやく満足のいく演奏にめぐり合えた。おそらく彼の目指していた大ミサ曲はレクイエムに負けないくらいの重厚であったと思う。ソリストが歌う場面ではオケの音量も抑えぎみにして、ソリストの持ち味を尊重するようにバーンスタインが配慮しているようにうかがえる。オケと合唱団が一体となって繰り広げられる音の絵巻は圧巻の一言。
    併録されているのは、合唱に厚みがありながらも、静けさを湛えた「アヴェ・ヴェルム・コルプス」K.618とアーリン・オージェーがまるでオペラアリアの如く華やかに歌うモテット「踊れ喜べ、汝幸いなる魂よ」K.165(158a)でこのCDの聴き所の一つといえるだろう。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/01

    内田光子による最新再録音。今回は名門クリーヴランド管弦楽団を弾き振りでの演奏である。前回の録音に比べ円熟と深みが加わり、細部が磨きあげられ、内田の意思が徹底された演奏となっている。内田のタッチ、音色は相変わらず美しい。オーケストラも木管楽器が非常に雄弁かつカラフルで、それらが効果的に陰影を与え、モーツァルトを聴く喜びを堪能させてくれる。収録されているのは、第24番と第23番というモーツァルトの極めつけの傑作。このような名演奏になればなるほど、その演奏者の個性を超えてモーツァルトが直接語りかけてくるように感じる。今回は弾き振りのため、細かいことを言い出せばきりがないが、そのような観点は別として、本当にこれらの曲の素晴らしさをあらためて再認識した今回の演奏だった。モーツァルト・ファンはもちろん、音楽の好きな方には是非聴いていただきたい演奏である。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/29

    これはコバケンのチャイ5の決定盤(2005年録音)かもしれない。両端楽章など、聴き手をこれでもかというぐらい暴力的に引きずり回す。第2楽章は冒頭のホルンの音色こそ1999年録音のチェコフィル盤に軍配をあげたいが、曲が進むにつれ、チェコフィルの弦楽器群とはまた違った音色の魅力を感じる。続く第3楽章もアーネムの弦が優雅な響きを醸し出す。第4楽章フィナーレは、第1楽章と同じことが言え、手に汗を握らせるような凄演!
    チェコフィル盤は美しいが彼のライブを知る者としては少々物足りない。日本フィル新盤(2004年)は、ライブ録音だけに炎のコバケンの演奏を堪能できるが、オーケストラの質感がいまいちなのが残念。このアーネムフィル盤はライブのような迫力、深くコクのある弦楽器の音色といい、コバケンだけならず、過去の同曲盤のトップを行く名演だと思う。音質も素晴らしい。「くるみ割り人形」組曲も丁寧な仕上がりで、このコンビでの今後の録音が楽しみだ。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/02/13

    第1楽章序奏のホルンの独奏が印象的で首席のヴラベッツが柔らかく朗々と民謡調の旋律を吹き鳴らす。
    やがて同じ旋律をファゴットが引継ぎ、様々な管楽器がくり返し奏する。印象的なのは落ち着いたホルンの音色と深みのある弦楽器の音色である。
    主部のアレグロ・ヴィーヴォでも、コクがあり重心の低い弦楽器を主体にホルンをはじめとする管楽器が絡み合い、現在絶好調のチェコ・フィルを堪能できる。

    第2楽章は行進曲調の楽章で冒頭のティンパニに導かれ2本のクラリネットが主題を奏でるが、非常にニュアンス豊かである。これは他の木管楽器にも言えることで、生命力に満ちた木管楽器群は特筆に価する。テンポ感も小気味よく洗練されている。
    この楽章については同じオーケストラを振った小林 研一郎盤が9分35秒かかるのに対しマーツァル盤は7分20秒である。

    第3楽章のスケルツォも第2楽章と同様、非常に流れのよい演奏だ。
    コバケン盤は少々、テンポがだれ気味なのが気になっていたが、アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェに相応しいのはこのマーツァル盤だと思う。

    第4楽章もスピード感溢れる演奏である。「切れがあってコクがある」このキャッチフレーズがぴったりと当てはまる。
    全楽章を通してマーツァルはチェコ・フィルから非常に密度の濃い音を引き出している。
    歌うところは歌い、激しいところでは切れば血のでるような壮絶な表現でこのシンフォニーを聴く喜びを味あわせてくれる。
    アンサンブルも一昔前では考えられなかったほど引締まっており、アンチェル指揮の演奏を彷彿とさせるのは僕だけではないだろう。推進力があり田舎臭さのないストレートな演奏である。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/12/11

    1993年録音の新盤。後に同じチェコ・フィルを指揮した小林 研一郎盤より、このオーケストラならではの魅力が溢れ出ているように思う。 マーラーの演奏にありがちな粘り気や極度なデフォルメはないが、いざというときの迫力は他のマーラー指揮者と言われている人達にひけをとらない。 ノイマンの演奏は典型的なボヘミアンマーラーの演奏であり彫が深く味わい深い。 平和でのどかさがあり、オーケストラの各楽器のソロがたまらなく愉しい。特にケイマルのトランペットソロとティンシャルのホルンソロは聴きものだ。SACD化により高音質で聴けるようになったのも嬉しい限りだ。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/25

    日本フィル盤(2001年録音)より表現が練れており、特に第3曲「若い王子と王女」での甘美さには身も心も蕩けそうだ。
    そして、あの定番アンコールの「ダニーボーイ」での祈りを彷彿とさせてくれるのも、この指揮者の演奏らしい。その他の楽章も素晴らしい。第2曲「カランダール王子の物語」でのファッゴットのいじらしいまでのソロに始まり、続く管楽器達の詞的なソロなど、耳のご馳走が続く。

    これはライヴではなく、セッションによる録音であるが、日本フィル盤以上に感情移入があり、Total Timeは52分。各楽章とも1分以上遅くなっており、スケールもより大きい。至福の時を与えてくれるアルバムだ。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/24

    チェコ・フィルとの演奏と比べ、小林研一郎ならではの解釈を随所で聴くことができるが、決して爆演とならず、スケールが大きく熱いながらも正攻法な演奏から逸脱していないのは流石である。指揮者の「わが祖国」への強い思い入れが感じられてならない。録音も鮮明で唸り声もないということで、多くの方にお薦めできるCDといえよう。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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