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アンフォルタス さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/07/30

    第一番ハ長調のプレリュードが鳴り出した瞬間に、どこまでも透明な世界が広がっていき思わず息を呑んだ。なるほど、グノーがアヴェ・マリアの旋律を乗せたくなる演奏とはこのイリーナさんのような演奏のことであろう。
    前作のゴルトベルクも名演であったが、この平均律もイリーナさんがまさに明鏡止水の境地に達した数ある平均律の中でも屈指の名演。
    イリーナさんご自身も「平均律のフーガはとてつもなく難しい。それは技術的にも精神的にもです」と仰っていたが、下手な演奏だと単なる指の運動になってしまうフーガだが、イリーナさんのフーガは音数の向う側に広がるバッハの精神を見事に音として具現化している。
    ご本人に「平均律でのリサイタルをぜひ」とお話しをした。
    イリーナさんも「いつかやってみたいですね」
    平均律でのリサイタルを切に願う。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/03/10

    旧盤はライブ録音で私も会場で聴かせていただいたのですが、演奏は素晴らしいもので、思わず心の中で「どうして繰り返しをしてくれないのか!」と叫んだことを今でも覚えています。それ程に演奏は素晴らしいものでした。今回のスタジオ録音では、アリア・ダ・カーポの繰り返しまで行っていて、演奏時間はCD一枚にぎりぎり収まる79:21。繰り返しによる演奏の弛緩は微塵もなく、繰り返しには控えめな装飾音が付けられていて、すべての変奏が文字通り変化に富んでいて、イリーナさんとバッハの長い旅時に出かけるが如き演奏で、クオドリベッドが鳴り始めた瞬間には涙を禁じえませんでした。加えて、今回はスタジオ録音であり、録音状態も素晴らしいもので、イリーナさんが私に仰ってくれた「ゴルトベルクはバスの変奏です」という言葉の意味が、楽譜を見ながら聴くとその意味が本当によく分かります。従来からイリーナさんの左手は雄弁なのですが、この稀代の難曲においてもいささかの濁りもなく私達の耳にバッハが考えぬいた変奏を音として届けてくれます。イリーナさんの今回のバッハは、まさにイリーナさんがバッハの楽譜の行間ならぬ音符間に込められたバッハの思いを汲み取り、私達の耳に届けてくれます。
    イリーナさんはかつてバッハについて次のように述べておられます。「こうでなくてはならない、のではなく、このようにもできる・・・バッハはすべてを受け容れてくれる。」しかしながら、この全てを受け入れてくれるという言葉の裏には、イリーナさんの演奏に一切の恣意的な表現は微塵もないことに注意しなければいけません。全てを受け容れてくれる・・これは最上の意味における作品への無私なる奉仕である。そんなことをこの演奏を聴きながら、私は深く感じた次第です。

    10人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2015/01/05

    このリサイタルは私も聴かせていただきましたが、1925年製のニューヨーク・スタインウェイCD135の響きは比類の無いものでした。イリーナさんご自身も「弾いていてこれほど楽しいピアノはそうあるものではない」というような話をされていましたが、いかにピアノが銘機であっても、弾き手が凡庸なピアニストではしょうがありません。その意味でこの晩のリサイタルは、素晴らしいピアノ、そしてなによりも素晴らしいピアニストが出会った、まさに奇跡と言っても言い過ぎではないと思います。そしてこのめぐり合わせは偶然のものではなく、必然のものであり、必然であるがこそ、イリーナさんがCD135から引き出すその響きはまさに筆舌に尽くし難いものがありました。そしてその素晴らしいCD135とイリーナさんの出会いの場に立ち会うことができた感動と感謝の気持ちは、今でも心のなかに大切にしまってあります。あの日の夜、そこにいたすべての聴衆の心にいつまでもその演奏・響きが残る幸せなリサイタルでした。当夜は小雨でしたが、雨の日にはイリーナさんのラヴェルがよく似合う、と思わず心のなかで呟きました。果たせるかな、当夜のアンコールの最後の曲はラヴェルの「悲しい鳥」。演奏が終わった後の沈黙が、私達の感動を無言で表していました。録音は会場での感動をかなりの部分まで捉えていて、イリーナさんの数多いディスクの中でも1,2位を争うものです。イリーナさんのファンの方はもちろん、まだイリーナさんの演奏を聴いたことがない方にもぜひ聴いていただきたい出色のディスクです。このリサイタルの録音が残されたことにはいくら感謝を申し上げても足りません。イリーナさん、素晴らしいリサイタルをありがとうございました。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/12/09

    メジューエワさんから「ゴルトベルクを録音します」とお聞きしたのは今年の初め。私がご本人に「ゴルトベルクの録音を期待しております」と申し上げたのが3年ほど前。新潟での録音の半月ほど前に「ゴルトベルク」を聴かせていただきましたが素晴らしい演奏でした。その時に「繰り返しはどうなさるのでしょうか?」とお尋ねしたのですが、いろいろとお考えのようでした。さて、この新潟での「繰り返し」と「装飾音」ですか?ぜひ御自分の耳でお確かめください。蛇足:私も最初にお客さんの少なさに驚いたのですが、舞台を取り囲む左右の席と舞台の後ろの席はどうやら元々チケットを発売していないようです。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/09/13

    今年の「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」の演奏会で、メジューエワさんはこのCDにも収録されているプロコフィエフ:風刺、ロスラヴェッツ:5つの前奏曲より第2番・第4番・第5番を弾かれています。そしてアンコールに演奏したのがルリエ:大気のかたち、でした。当日は初めてメジューエワさんの演奏を聴く方も多かったようで、このプログラムに少し戸惑っている様子でした。私も随分と渋いプログラムだなぁと感じて、終演後にご本人に「ずいぶん渋い選曲でしたね」とお話ししますと「そうですね、渋すぎましたかなね」と微笑んでおられました。私も不勉強で、ロスラヴェッツもルリエも初めて聴いたので、そのことをメジューエワさんの関係者の方に正直にお話したのですが、「プロコフィエフと1歳違いの作曲家で音楽関係者でも知ってる人は少ないですよ」とのことでした。その時は次回のアルバムにこれらの曲が収録されるとは思ってもいなかったので、このアルバムの発表を知って驚きました。メジューエワさんの録音を全て聴いているファンの一人としてはこのような「やや渋い」選曲のアルバムは大歓迎で、まだCDを聴いてはいないのですが、前途の演奏会でのプロコフィエフ、ロスラヴェッツ、ルリエの気合の入った素晴らしい演奏を聴いているので、ここでは満点とさせていただきます。皆様御存知のように、メジューエワさんはいつでも私達の期待を裏切ることはないからです。2枚目のメトネル:夜の歌ですが、こちらは2009年10月2日にHAKUJUホールで行われたリサイタルのライブですが、当日の演奏会も聴いていますが、この難曲を一瞬たりとも弛緩することがなく強い緊張感をたたえた名演で、CDに収録する予定だと伺っていたので、いつになるのかなぁと鶴首していた音源・演奏であります。それに加えて私の好きなスクリャービンも収録されているので、個人的には今年一番の楽しみなアルバムであります。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/05/22

    メジューエワさんのCDはもちろん全て持っています。
    が、このボックスも予約しました。
    お目当てはもちろん特典盤のライブ録音です。9番・18番以外は実演でも聴いていますが、特に後期3大ソナタは素晴らしかったですね。
    限定盤でもあるし、いずれ、特典盤に関しては入手が難しくなるのは明白です。メジューエワさんのファンならば、この2枚のためにボックスを予約する価値は十分にあります。
    先達の言葉に「1曲のためにアルバムを買う」というのがありましたが、この機会を逃すと、後悔することは必至です。
    聴かなくなったCDを売りに出しても、ファンならば入手すべきボックスだと思います。
    メインのソナタ全集は、今更その価値を述べる必要もありません。何度聴いてもその感銘は擦り切れることはありません!

    それに、ボックスのジャケット写真も素敵だし。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/05/05

     このGW期間中の5月3日と4日、東京国際フォーラムで行われた「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2012」で、ル・ゲさんの演奏会を3回聴いてきました。3回とも同じプログラムでしたが、そのすべての曲がこのCDに収録されています。
     今年のテーマが「サクル・リュス:ロシアの祭典」ですから、その意味でも様々な小品が収められているこのCDは、何の予備知識がなくても誰もが楽しめるいいCDだと思います。1曲ごとの「解説」は専門家の方にお任せして。
     彼女のCDはすべて持っていますが、前作のリスト「ロ短調」から感じられた「豊かに鳴り切る、力強い低音」をここでも、ロ短調ほどではありませんが、聴くことができると思います。今回の演奏会はその演奏会場(会議室)故に、彼女の真価が100%発揮されたとはとても思いませんが、このCDが初めての?国内盤として発売もされているようで、当日の「サイン会」では多くの方が「このCD」を買い求めて、サインをしてもらっていました。
     今後日本での彼女の人気は「今以上に」高くなると思いますが、ご本人に、2年前にも同じ事を伺ったのですが「日本でのソロ・リサイタルの予定は今のところはないですね」とのことで「それは本当に残念ですね」と今回も申し上げなければならなかったことはさびしい限りでした。どこかのプロモーターの方、彼女のリサイタルを企画・実現していただけませんか?
     私は携帯プレーヤーに「当日の曲順」に並び替えた「プレイ・リスト」で、当日の雰囲気を思い出しながら楽しんでいます。

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2012/04/09

    ホロヴィッツのファンならば、全て持っていると思いますので、問題は音質がオリジナルに比べてどうなのか?ということだと思います。個人的には、どうもこのレーベルとは「相性」が悪いので、何とも言えないのですが、これから「ホロヴィッツの凄さ」を知りたいと思う方ならば、まとめて手に入るので、その意味では「推薦」でしょうか?3曲が8種類の演奏で収められているので、バラで揃えるよりはずっと安価に手に入れることができます。ただ、セルとのチャイコフスキーが「Otaken」より、いい音がするとは、あまり思えないのですが、どなたか「音」のレポートをお願いいたします。
    ということで、演奏だけでなら大推薦で5つ星とさせてもらいます。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/03/17

     メジューエワさんがベートーヴェンの録音を続けているときに「次は何を録音される予定ですか?」と伺いました。「そうですね、まだはっきりとはしていないのですけど、シューベルトは録音したいですね」と仰っていました。「そうですか、それは楽しみですね」とお話をしたのですが、その時は、後期3大ソナタと楽興の時位になるのかなぁ、と思っていました。
     その後、ショパンの録音が続きましたが(記念イヤーでもありましたので)一気にシューベルト作品集1・2の4枚のCDが発売され、ファンは狂喜しましたし、いずれの曲も現在望みうる最上の演奏といってもいい名演を聴かせてくれました。そして今回作品集3が発売されました。
     作品集2が発売された時にメジューエワさんに「21番は以前10周年記念ボックスにライブで録音されていますが、再録音は当然されるのですよね?」と伺ったところ「そうですね。録音したいですね。」横におられたマネージャーさんも「録音しないといけないでしょう」と少し微笑んでおられました。
     今回は第20番が録音されていて、これで19番と20番が揃ったわけで、次回の作品集4に第21番が収録されることになるのでしょう。
     シューベルトの19番から21番は特にベートーヴェンへの憧れ(影響)が強い作品だけに、先にベートーヴェン全集で名演を聴かせてくれたメジューエワさんは、そうしたベートーヴェンへの憧れをしっかりと受け止めながら、そこにまぎれもないシューベルトだけが持つ彼自身の魅力も余すことなく表現されていて、この演奏を聴くと、あくまで個人的な意見です、世評高いポリーニが何となく味気ない演奏に聴こえてしまいます。
     21番への期待はいやが上にも高まります!

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2012/03/13

     Pavaneさんが仰るとおり。「展覧会の絵」はこの曲を通して彼女が何をどう表現したいのかが分かりません。「楽譜に書かれている音は全て弾いていますよ。なにか問題でも?」と音大のピアノ科を主席で卒業した学生の卒業演奏会を聴いているようです。ただ聴いていて、全くひっかからない、邪魔にならない演奏なので、帰りの電車でウトウトしながら聴くには最適です。
     このCDの購入目的は後半のピアノ小品で、こちらの演奏は表現意欲が幾分強くて、メリハリのある演奏で楽しめます。ただ、不思議なのは、これらの小品には「展覧会の絵」の中に出てくるメロディ、音型などがあちらこちらに聴くことができるのですが、小品ではその部分が「よく」弾けているのに、「展覧会の絵」になるとどうして「つまらなくなる」のかが分かりません。我々素人には計り知れない彼女の深い考えがある?
     次回はスクリャービンの小品(練習曲・前奏曲など)でまとめたCDを録音してみたらどうでしょうかね。
     ✰3つは後半の小品に対してで、展覧会の絵は✰2つ。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/02/19

    まずはジャケットの彼女の左腕の刺青(こう書くと少しヤバイ感じがするので)タトゥーとしておきましょう、に注目していただきたい。そこにはN.HUMMEL 1778-1837とフンメルの名前と生没年が刻まれている!そして彼女のHPをご覧いただければ分かるのだが右腕には1810-1856 R.SCHUMANNとシューマンの名前と生没年が刻まれている!!

    かつてこのようなピアニストがいただろうか?ここまでフンメルに「命」を賭しているのであれば、全曲フンメルでまとめて欲しかったと思うのは私だけか。

    フンメルは生前ベートーヴェンと並び称される巨匠の一人としてシューベルト、メンデルスゾーン(このCDにも収録されています)ショパン等と交流があり影響も与えた作曲家・ピアニストであったが死後ほとんど忘れ去られていたが、近年は再評価が進んで多くの作品を「音」として聴けるようになってきたようだ(オペラはほぼ全滅)

    さて、エキセントリックな扮装とは違って演奏は非常に「真面目」なもので真摯な気持ちが感じられる。したがってジャケ買いをするとやや肩透かしを食らったような気持ちがするかもしれないのでご用心あれ。
    まだまだ若いピアニストのようなのでこれからどう成長していくか楽しみなピアニストではあります。
    フンメル:ピアノ曲全集の完成は貴女に任せた!頑張れ!!

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     2012/02/19

    アルゲリッチが絶賛したという話題の若手(しかも美人)ピアニストのデビュー盤。まぁアルゲリッチが絶賛するピアニストは多いのですが。。。
    デビュー録音でしかも協奏曲ということで、それもシューマンとモーツァルト、やはりどことなく手探りというか遠慮しているのかなぁと感じる演奏です。でも今の「若さ」は「今」しかないのでこれはこれで「いい演奏」と今後の期待も込めて星4つ(それに美人には弱い)にしました。3月に武蔵野でソロ・リサイタルがあり、曲目も「ワルトシュタイン」にリストのソナタ(アルゲリッチが絶賛したのはこの曲とのこと)他という渾身のプログラム!今から楽しみです。次回作はひょっとしたらこの辺りの曲になる??

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/12

    お恥ずかしい話だが、ペヌティエなるピアニストは名のみ知るだけでその演奏に接したこともなかったし、フォーレのピアノ曲など(フォーレファンの皆さんごめんなさい)聴いたこともなかった。2010年9月に行われたル・ジュルナル・ド・パリなる一連の演奏会で初めて彼が弾くフォーレの舟歌を聴いた。正直に告白すれば、お目当てはクレール=マリ・ルゲだったのだが、彼の弾くフォーレがあまりに素晴らしかったので終演後に「私はフォーレのピアノ曲は聴いたことがありませんでしたが、今日のあなたの演奏でフォーレのピアノ曲への興味が湧いて来ました。」謝辞を述べると「それは嬉しいですね。フォーレのピアノ曲は美しく素晴らしいものですから多くの曲を聴いてくださいね」と笑顔で答えてくれた。先に同レーベルから第1集が発売されておりそれを聴いたが、他のピアニストの演奏を聴いてはいないので比較してという意味ではなくこの演奏そのものが、素晴らしい内容だったのでまだ未聴ながら、この第2集も絶対に期待を裏切ることはないという思いから星は5つとさせていただいた。実演でも強く感じたのだがこの人のペダルによる音のニュアンスは無限に広がっていく、藤田茂氏が第1集を評して「足技のヴィルトゥオーゾ」と評したが、まさに我が意を得たりという思いだった。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/08

    先日たまたま聴いていたラジオからこの曲が流れ気になって最後まで聴いた。「斉藤和義のやさしくなりたいでした」そう言われても歌手も曲名も初めて聞いた。とりあえずCDを購入したのはほんの1週間ほど前のことだ。その日から今日まで何回この曲を聴いただろう。私の携帯プレーヤーにクラシック以外で入っているのはYUIの「GLORIA」とこの曲の2曲だけだ。そのどちらも聴いていて恥ずかしい話だが涙が出てくる。どちらもメロディはもちろん魅力的だがそれ以上にそのメロディに乗る「歌詞」が心に響く。この曲の2番の「サイコロ転がして1の目が出たけれど、双六の文字には「ふりだしに戻る」キミはきっと言うだろう「あなたらしいわね」と。「1つ進めたのならよかったじゃやないの」20代30代の頃にこの曲を聴いても特別の思いを抱くことはなかったと思うが、50歳がすぐそこまで近づいてきた「いま」この歌詞とメロディが一つになってなぜだか涙が止まらない。この曲がドラマ「家政婦のミタ」の主題歌であることも1週間前に知った。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 9人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/01/05

    レコード芸術によればグリモーはホロヴィッツとジュリーニが協演した23番を聴いて感銘を受け、自分もブゾーニ作曲のカデンツァを弾き録音したが、協演のアバドがこれに難色を示し、直前になってモーツァルトのカデンツァを練習して別に録音をしたらしい。その後カデンツァの差し替えをアバドが要求したのに対してグリモーは「どのカデンツァを選ぶかはソリストに権限があるはずだ」と譲らずにアバドとの録音はお蔵入り。そこで自身気に入っていたミュンヘンでのライブ録音、当然カデンツァはブゾーニ版、が収録されたらしい。1986年にホロヴィッツが来日したときに「好きな指揮者はどなたですか?」と質問したのだがその時に「トスカニーニ、、、それにジュリーニ」と答えてくれたことを今でも覚えているが、そのジュリーニとの23番のディスクを初めて聴いたときには、ホロヴィッツの「遊び(過ぎ)」もあってブゾーニ版のカデンツァにやや拒否反応を示したのだが、ここでのグリモーは至極まじめに弾いていて、それほど奇異には思えず「これもありだな」と感じている。ブゾーニ版のカデンツァを頑なに拒んだアバドに彼のモーツァルトに対する、良い意味でも悪い意味でもだが、特性(限界)を感じると言えば言い過ぎだろうか?ホロヴィッツは第3楽章のある部分のリズム・メロディーの歌わせ方にも一家言あったらしく、映像の中で「ターラリララ、、、」と自ら口ずさみながら、モーツァルトは間違えて書いているというようなことを言っていたが、もし手元にホロヴィッツ盤をお持ちならばこの部分をグリモー盤と聴き比べるのも楽しい。ホロヴィッツ盤では第3楽章の4:01〜4:05の演奏でグリモー盤では3:50〜3:54の部分の演奏である。

    9人の方が、このレビューに「共感」しています。

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