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風信子 さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/04/01

    余りに無体な扱いに堪り兼ねて一筆啓上申し上げる ボルトン& MOSのブルックナー演奏は上質にして真摯なる芸術の最右翼なのだ スコアを忠実に音化するために奏者の増員を図り幅広いデュナーミクの変化にも対応している だがブルックナー音楽の基底はpppである ここをMOSは意味ある音楽として歌いかけることを忘れない ブルックナー音楽への敬愛は憧憬にまで純化されている 既に聴いた諸曲に 軽い 薄っぺらい 不向き等々”苦言”を呈された諸氏に落胆した 否それ以上に未だに無視し続けている多数の”ブルックナー・ファン”に絶望すら感じる ブルックナーを愛するなら全人格を愛しもう その全貌はスコアの中にある ブルックナーをスコアへの尊敬なしに自己の歪んだ内面を映す鏡に使ってきた数かぎりない指揮者たちに耳目を奪われてはいけない 自分の目と耳でブルックナーと向き合うべきだ この第8番は優れた演奏だ もうカタログから消したレコード屋もある 馬鹿げたことだ 偽物やいかさま師がまかり通る政治行政に似て嘆かわしい せめて芸術を心の糧とする者は人の心の真贋を見極めたいものだ 消えた番号の復活と一人でも多くの人の耳と内心に このボルトンのブルックナーが届くことを願う
      

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/31

    苦手中の苦手”メンコン”(この呼び方も寒気がする)をまた聴くとは夢にも思わなかった事態に直面した わたしをコンチェルト嫌いにした音楽の最たるものがこれだ (ピアノならショパン) コンサートに行けば頻繁に遭遇する その度にソリストのこれみよがしに弾く姿に嫌悪し 同時に音楽も嫌いになった 聴こうとしなくても否応なしに身内に流れ込んでくる音楽がまた美しいときているから これは嫌味なものだ それがユロフスキー&AoIOだから ”フィンガルの洞窟”が聴きたくて当盤に手を出した 期待は叶えられた 信頼は両端の協奏曲へも踏み込む意欲を生んだ それは所謂ピリオド演奏とは似て非なるものだった 楽器 奏法 ピッチいかなる時代考証を実証した演奏とも一線を画する真の創造芸術だった 有り体に云えばわたしは初めてメンデルスゾーンの”音”に触れたのだ 見えたメンデルスゾーンの貌は懊悩を湛えた理智のパルスを放出するも ウイットとユーモアを反射する影を宿していた イブラギモヴァはヴィルトゥオーソを貫くも技量を誇示する落とし穴を飛び越えている オーケストラの美音による雄弁さに多くを負っているだろう ユロフスキー共演によってイブラギモヴァの天才はより光芒を放った 衷心よりお奨めする 

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/29

    集大成となった 三度目の正直ブルックナー9シンフォニーの一巻 2010年6月ベルリンで録音された4ー9は既にBlu-ray Discで出版され小生も寸評を投じた(当CDは同音源でありここでは触れない) 2012年6月ウィーンで演奏された1ー3を加えて全集とした Blu-rayで鑑賞したかったのが本音でも困難さは窺い知れる さてスコアは1番がリンツ版 2番は緩徐楽章が先に来るキャラガン版 3番がエーザー版とバレンボイムがこの三曲と如何に向き合ったかが分かる ブルックナーの醍醐味を味わいながらも音楽の運びを滞らせたくない 大河の始まり渓谷をゆく清流のごとき颯爽感を音楽に纏わせたかったのだと 実際演奏は豊かな流れとなって広野へ向かって駆け下りてゆく春の雪解け水のようだ 拘泥も逡巡もない みるみる流れ下る水流の上にわたしも載って未知の時空へ突き進む思いだ 岸辺で憩い花を愛でる間はない 青春の血潮の迸りとでもいうべき爽演 衷心より推薦する 

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2017/03/27

    待ちに待ったBlu-ray Audio化 CDでは影が薄い印象が付いて回った2nd VnとVaが浮上して絶妙なバランスで四つの弦が鳴りだした 四弦が繊細な綾を織っていくタカーチ色はより鮮やかになり訴えかけてくるものの広がりを感じずにいられない 弱音時の表情が深まり 音楽が放たれる空間は柔軟に伸び縮みする 遠近感を感じる音楽空間といってもいい 蓋し美しいベートーヴェンである 中期の4曲から聴き出す 2001年の録音もここから始まった 豊かなロマンディシズムに溢れながらも透徹した眼は行く末を見据えている 酔いしれて自分を見失うことがない 老練なのではない 青春の息吹をまだ手放さない爽快感が漂い 音楽はどこまでも軽やかにステップを踏んでいく 初期の6曲では恣意性が顔を出さずにいられないが ベートーヴェンの創造力がいかに無辺の淵を駆けていったか描き尽くすも タカーチQは創造の喜びと憧憬のエネルギー燃焼が未知の宇宙へ向かう推進力だと歌い切った しかし第10番までが(”セリオーソ”が含まれる是非は議論を待つとして)後期の5(6)曲の前奏曲であったことが証明される タカーチQの演奏は未だ知らぬ星雲へ飛び込んでいく ベートーヴェンが書いたのはアンサンブルではない シンフォニーなのだ オラトリオ或いはミサ曲 オペラと云ってもいい 四つの弦楽器だけで世界を宇宙を(それは信仰や告白云っても間違いではない)創造した 芸術の到達すべき一点へ向かっている音楽に果敢に挑んだタカーチQにわたしは共感する ベートーヴェンを人生に必要とする人に心よりお奨めする  

    5人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2017/03/16

    名盤復活 SACDとなって5chで聴ける レジュメとジャケットにサヴァールたちがカタルーニャ音楽堂で演奏する写真が掲載されている バルセロナはあまりに遠く訪うは夢のまた夢の憧れのコンサートホールだ 四半世紀前のこの録音はバロセロナの教会で為されたもので音楽堂ではないのが残念だが 豊かな響きと軽やかな余韻は音切れもよく爽快感が漂う マレただ一つのオペラもこうして四つの管弦楽組曲に編んでくれれれば わたしのようなオペラ嫌いも気安く耳傾けられる カンバ奏者作曲家とマレを決めつけヴィオール音楽ばかりに捉われていた 勿体無いことをした フランス・バロックの優雅な繊細さを音楽の世界で見失ってはいけない 優れた音楽がまだまだ埋もれている 優れた演奏がわたしたちに届くことを願う心から推薦する

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     2017/03/15

    どこまでも音楽を美しく鳴らした”オルガン付き”の快演 何より 5ch DTS-HDで再生できる当Blu-ray Discが楽音を自然なホールトーンとして聞かせてくれる ヴォリュームを上げる必要がない柔らかい音色はリラックスして聞くことができる 自ずと音楽の佇まいも静まりデュナーミクが弱い部分も細部まで音色とその表情が耳に流れ込んでくる 稍もするとスペクタキュラーな様相を呈してしまう第二部も音楽の柔軟さと推進力を失うことなく 楽器間のアンサンブルから生まれる高揚の妙を聞かせてくれた オルガンがオーケストラの1楽器に納まったオルガン交響曲を具現した稀有な演奏となった 豊かだが尊大でない心通う大伽藍いや大自然の中にいる喜びに似て癒され解放された ”糸杉と月桂樹”は初めて聴いた 面白い曲だ ヴァルニエのオルガンの腕は冒頭の”死と舞踏”で十分なものと確認できる スラトキン&ONLが奏でるサン=サーンスの地中海性を愛する心より推薦する

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/13

    地下水脈の暗い流れに意識を繋いだ第5番がやっと聴けた シベリウス7シンフォニー鑑賞では第5を敬遠している あまりにお気楽で能天気な演奏ばかり聞かされてきた シベリウス知命の祝賀演奏会に披露したことからお祝い気分を醸成したがる指揮者が多い 第5番作曲は二度の改訂を含め第一次世界大戦時に被さっている 春の兆しを見つけた喜びから発想されたと伝えられるも 作曲者と社会が担わされた緊張の流れを氷河の下に聴き続けていたことは楽曲に反映している だからこれまで多くの演奏に違和感を覚えていた ベルグルンド&HPOは見事真を突いている そしてこれ以上にわたしを驚かせたのが第6番だ このシベリウスの最高傑作はムラヴィンスキーのライヴを愛聴していた 厳しく驚嘆する精力で推進する演奏に真実があると聞いていた ところがベルグルンド&HPOの第6は晴れやかで喜びに満ちて微笑んでいる そうだったのか 戦後に国家独立宣言があったのだ シベリウスの心情もようやく解放された喜びに輝いている だからもういいのだ 第7番はまるで歌の一筆書きだ 自由に自分の歌を歌えばいい いつまでも歌っていていい 第7が交響曲の到達点でも最終形でもない 伝統から形式から解き放たれて心のままに歌ったのだ 最後の交響詩”タピオラ”と相似の音楽になったのは当然の帰結だった 何故なら人に備わった歌はひとつなのだから 誰とも違う己の音楽を奏でるためわたしたちは生まれてきた ご一聴を 

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     2017/03/13

    ”アフリカ幻想曲”が聴きたくて 手を伸ばしてみれば 途轍もない宝珠に触れてしまった また不明を恥じる次第だ これほどの名曲名演奏が埋もれていたとは ’レコード原野’を歩き尽くしたとは言わないまでも 余人の踏み入らないだろう荒地も辿ったと自認していたが こうも身近に宝石が土塊を被っていようとは気づきもしなかった プレヴィンの音楽を心の糧としていながら 生来のコンチエルト嫌いが災いして 他人の食わず嫌いを哀れんでいながら己がその轍を踏む愚を犯した 否 サン=サーンスのピアノ協奏曲五曲は幾度となく聞いていた それこそなだたるピアニストと指揮者たちで それなのにこのコラールとプレヴィンの演奏がこんなに胸に迫り染み込んでくるのは何故だ そしてピアノ協奏曲こそサン=サーンスを代表する傑作なのだと今初めて識った ざわざわと騒ぐ心を鎮めながらも衷心より推薦する 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/11

    真のピリオド楽器によりピリオド演奏されたドヴォルジャーク もしかしたら多くの方はぼやけた響きで捉えどころがなく 文章で言えば句読点のない文面は見ているようで 始まり終わりが見えないといった感想を持たれるのではないか それは私たちが日常いかに激しく刺激物で五感を叩かれているかの証明なのだ 亦喩えで恐縮だが 明治維新まで日本語表記に「、。」は無かったが それで千年誰も困ったと表明していない 現代の演奏スタイルが極めて説明調であることに気づく アクセント ヴィブラート デュナーミクの過剰は刺激物となって聴衆の感性を干渉操作している 現在の世界に晒されている耳は微妙な変化や情調を捉え難くなっている このプラハのバロック・オーケストラによるドヴォルジャークのシンフォニーはこれで4曲目 ゆっくりしたペースで進みいつか全集に至ると信じる わたしたちもゆったりした寛ぎの中で耳傾けてみるといい 初めは曖昧模糊として掴みとれなかった音像が静かに身内に染みてくる 最後は意外なほど高揚して聴き了る自分に気づくだろう これは本当に多くの人の耳に届くことを願いながら 衷心より推薦する 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/09

    水辺に聳えるガラスの塔が鳴っている ブラームスの故郷で素晴らしい演奏と録音が生まれた ひたひたと寄せ来る抒情のさざ波に身内が共鳴して歌っている 孤独だがどこまでも澄んだ光を放って世界へ伝えんとする貴い響きが大海へ出ていく 難産だった新生音楽堂の開場に相応わしいブラームスの最後のシンフォニー 末長い殿堂が齎すであろう幸福を祝福するエールとなった ワインヤード型ホールは深く響き透き通って繊細な微音も伝える 見事な録音でみるみる心が潤っていくのが分かる ノン・ヴィブラートもすっかり手中に収めてオーケストラが変わった 名称も新たにして 新世界への航海に出たと印象付けた ヘンゲルブロック&ウルバンスキによるNDR-エルプPOへの期待は高まるばかりだ [付記 : 当ディスクの音響に不足があるとの記述がありますが、何かのお間違えか、または何かの故障ではございませんか。どうぞお調べくださいますようお願いいたします。] 第3番の第三楽章の深く澄んだ演奏に聴き惚れながら衷心より一聴をお奨めする 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/09

    モナ・リザを描いたダ・ヴィンチに倣えば 輪郭線を描かない画法 陰影からその相貌を描出しようとする繊細にして大胆な演奏と言っていいと思う ドイツ流のアクセントを効かせた歌い出しが消されている それにはピリオド奏法と呼ばれるノン・ヴィブラートが功を奏している 特に弦楽器の弓の当て方と右手の細心な操作が徹底されている 管楽器は弦が醸す空気に沿っていく吹き方で一切の力みがない そこから生まれたシューマンは慈愛に満ちた馥郁とした香りを放っている だからだろうか シューマンが病んでからの第2とラインが格別な仕上がりを見せる ロマン派音楽の絶頂期に時代の先陣を駆けていたシューマンが何故精神のバランスを崩すことになったのかが見えてくる かくも戦闘性と政治性を持ち得なかった柔らかい魂は愛を信じるだけで社会の先頭を突き進むことができなかったのだ 痛ましい だが 愛おしいシューマンに未来の優しい魂たちも寄り添っていくと信じたい 目頭を押さえながら衷心より推薦する  

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     2017/03/01

    治に居て乱を忘れず 平和への感謝と祈りを捧げた音楽を交響詩集の掉尾に据えたロトに共感する 早逝したマーラーと比べてひとは言う 長生し処世に長けた生き方をした功利主義者俗物R.シュトラウスと 富と円満な家庭生活に恵まれた俗物はマーラーの死後38年を生きた お蔭でマーラーが見なかった二つの世界大戦に遭遇する 「メタモルフォーゼン」に隠された悲痛をマーラーは知らない 交響詩ではない弦楽合奏曲は余白の埋め草ではない R.シュトラウスが人生の最後に残さなければならなかったわたしたちへの手紙なのだ 美しいそして哀しい ロト= SWRSO-BBFは切々と歌った 人の運命の重さに軽重はない 喜びも悲しみもその色が異なるだけだ いかような旗も振らなければ遠くの人に見えはしない 表現せずに去れなかった魂を見過ごせない マーラーもR.シュトラウスも 「家庭交響曲」は幸福で調和した響きの中にも批評眼を失わない実験的響きが聴かれて興味深い 終わりそうで終わらない思わせ振りな他人の家庭模様などに興味が湧かないなどと言わず一聴を ロトは十全な仕事をした   

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/01

    これほど大衆に知られ また疎外感のつきまとう楽曲もない ニーチェの「ツゥラトゥストラ〜」を読んだ人も決して多くはないだろうから R.シュトラウスの命名のしくじりか S.キューブリックが冒頭部分だけを映画に使ったことも逆宣伝になったか だが「ツァラトゥストラ〜」は彼生涯の傑作なのだ R.シュトラウスの作曲技法の粋が凝縮している 音楽は四つのテーマによって構成される ソナタ形式のようにはテーマが羅列されず 展開すなわちテーマの葛藤の末に次のテーマが登場する だから4番目のテーマがようやく楽曲半ばで現れたところから本題に入る 「ツァラトゥストラ〜」は後半こそ聴きもので面白い ロト= SWRSO-BBFの演奏は焦点が定まっている R.シュトラウスのオーケストレーションの興を見事な演奏で体現している 演奏時間から見れば次の「イタリアより」がメインの位置にある 交響曲作家を目指した R.シュトラウスが交響詩へ移行する過渡期の大曲 交響曲と名乗らせていないだけで四楽章の立派な交響楽だ 機能的和声から飛び出る萌芽を宿したままだが豊穣の響きを実らせた音楽をロトは慈しむように朗々と歌い上げた 一聴をお勧めする    

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/02/28

    ロト=SWRSOバーデンバーデン&フライブルクのR.シュトラウス交響詩シリーズのスタートは足掛け五年前になる その第5集が出た折に第1集から聞き直してみた それがこの「英雄の生涯」で始まる一枚 意外なことに一つの評も掲載されていない 世評に載らずに見過ごされていいものではない コンビ誕生間もない時期でもありオーケストラが充実した響きを奏で颯爽と旅立った感が清々しい 駆け抜けるばかりではない情趣の余韻も長く漂う 交響詩と題した7作品の最後「英雄〜」はR.シュトラウスの人生の自画自賛だが プルグラムの野暮ったさを超えて交響楽としては一級の面白さがあり ロトがこの充実した楽曲から始めた見通しは頷ける 出来る限りヴィブラートを抑えた奏法が貫かれ 演奏に気品と緊張感を保った大きな流れを生み出して曲想を十全に表現し得た 「死と変容」は静謐な音楽として抑制された歌い回しから浄化へと向かいオーケストラをカタルシスへ導いた 一聴をお勧めする 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/02/28

    夜更けて独り聴くドビュッシーは一入孤独感を深める 孤独を友とする田舎暮らしと弁えていても寒さの消えやらぬ夜には沁みるものだ それにしてもドビュッシーの幻想曲はピアノがこうも控えめだったかと感じる ケフェレックとA.ジョルダンのドビュッシーは繊細さを極めて当に幻想曲だ それでもケフェレックの弾くピアノはリズムが切れて立っているから 豊麗なオーケストラの渦の中に埋もれることがない しかし凌駕はしない品性の床しさは大いなる協奏を生む だからラヴェルの二つのコンチェルトから広がる抱擁感が大きい ロンバートの指揮は楽曲に潜む懊悩や恐怖 生きんがための戦闘心を当然引き出してくる されどケフェレックは正対するが受け止めたエネルギーを生命の輝きに変えて前方へ放出する そこには生きる希望だけが光の道を作って伸びていく 平明で自由な魂の通り道だ ドキドキするラヴェルもいいが 真の女性的なる愛に包まれたラヴェルもいいではないか 一聴をお勧めする  

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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