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gairo さんのレビュー一覧 

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/09/24

    このCDは国宝級の価値を持つ。収録は1996年1月5日と6日、小川典子35歳、まさにピアニスト絶頂期の一期一会の記録だ。録音スタッフ、演奏家、出版社、すべて日本人の手になる、しかしこれまで世界の誰も想像だにできなかった高いレベルの演奏が、それにふさわしい音で記録されている、これが国宝級と称する所以である。ここにある熱気は何と表現すべきか。それは強靭なものだが、高度な知性と客観性に支えられて、異次元のドビュッシーを現出させる。しかも驚くべきレベルで透明なのだ。ドビュッシー特有の曖昧な響きをどこまでも熱く透明に現出させると、その曖昧さは極彩色の光彩を放って聴き手を包囲するという逆説、世界の誰が想像しえたであろうか。模糊とした響きが水平に拡散し、互いに重なりあって、ある者は困惑し、ある物はほくそ笑むといった演奏ではまったくない。これは屹立するフルボディのドビュッシーである。万華鏡に比すべき24の小宇宙のどこを切っても、そこからは隔絶した「美」という熱い血が滴り落ちてくるのを聴き手は発見するであろう。それは凄絶とさえ言っていいものだ。この異次元の演奏をくまなく捉えた録音も素晴らしい。廃盤になる前に絶対に入手すべし。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/12/16

    ずっと前に買って聴いたはずなのに、オレの耳は節穴だったか。気分一新でこの全集を購入、じっくり聴き直してみた。本当のところ、スイトナーのドヴォルザーク、驚くべき演奏ではなかろうか。前中期の交響曲でいい演奏しているのはもちろんのこと、後期7〜9番では作品が充実している分、その演奏の素晴らしさは一段と引き立ち、曲の面白さにどっぷり浸って有頂天になっている自分を発見する。音響ではなく音楽をという筋から言って、これほど充実した演奏がかつてあったとは思えない。音楽の遷移の見事さ、あらあゆる部分に意味があって、あらゆる部分は音楽のひとつの大きな流れに収斂し、全体は光り輝く音楽の構造体を形成する。そう、音楽のどの部分を切り取っても、そこに熱く脈打つものが流れている、これは驚くべきことではなかろうか。ドヴォルザークを愛するひと、音楽を愛するひと、虚心坦懐にスイトナーのドヴォルザークに耳を傾け、音楽の素晴らしさを語り合おうではないか。

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  • 12人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2014/01/01

    単発のブルックナー全集をコンパクトにまとめたいとの思惑もあって購入したこの全集、ベートーベンから始めて1〜6番まで聴き終えたところ、驚きと発見に満ちたベートーベンに衝撃を受けている。伝統という重荷を取り払ったすべての音列が楽々と飛翔し、互いに合体して透明かつ広大な構築物を形成していくさまを何と呼ぶべきか、私としてはこれぞ音楽と言いたい。ミスターSの性格からしてアクロバティックな身振りやエキセントリックな言い回しは皆無、むしろ表現は控えめでさえある。それがどうしてこれほどの驚きをもたらすのか、驚きは1〜6番の全編を貫くが、なかでも「英雄」では、第一楽章第一主題を不安定終止にした作曲者のドキドキ感が伝わってきて、こちらも手に汗を握ることになる。そして不安定終止の主題だからこそ作ることができた巨大な音楽なのだと納得するのである。無駄な音値を排除し、音の本質に向かう指揮者の姿勢は徹底しているが、外形的な面で明らかなのは弱音域の意識的な活用だろう。ダイナミックレンジを語るとき、最大値は有限だが、最小値は無限、ここから無限のダイナミックレンジが生まれてくるという真理を、ミスターSという巨匠は見事に体現しているのだ。この端的な例は「田園」の第2楽章。夢幻的と言えるほどの静寂、そこに覚醒をうながすかのように鳴り響く鳥の声、退屈になりかねない音楽をこれほどの美と真実で満たした演奏を知らない。さあ、これから7〜9番を聴くのだ。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/02/26

    武満のピアノ曲を知ろうとするなら、このCDを聴かずしては無理な話だ。それほど小川典子の演奏は他と隔絶したものがある。これみがしに物憂い表情をまとった曖昧な音ではなく、強く閃光のごとく垂直に上昇し、天空で共振して鋭くも清明な響きを浸透させるような音が交差する。これぞ武満が夢想した音楽だと思われるのだ。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/11/06

    ペライア+ECOの演奏を楽しみつつ、昔LPで何曲か聴いたアンダの感触がなつかしく蘇ってきて、この全集を購入、早速1枚目を聴いて、なるほどと思った。No.6、8、9が収録されたこの1枚目、ピアノとオーケストラは共にモーツァルトへの愛情と信頼にあふれ、ぶれることなく確信をもって曲に向かっていくから(ここでは自発性などという表現は死語である)、稠密にして骨太の濃く彩られたモーツァルトが浮かび上がってくる。その手応えは今聞くと驚くほどに新鮮、音楽の音楽たる所以がそこにあると言いたくなる。たとえば「ジュノーム」のハ短調の長大な第二楽章、別に深刻ぶって演奏しているわけではないのに、その質量の大きさは他の演奏と比較にならない。なるほどモーツァルトはこういう音楽を書いたのかと頷いて、「ジュノーム」が革新的な名曲であることが深く納得されるのだ。録音技師は全曲ギュンター・ヘルマンスが担当、録音は1961年から69年にまたがっているが、音は統一性があり全集にふさわしい出来、このへんはDG、さすがにぬかりない。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/29

    何も加えず、何も引かず、音そのものに語らせようとする演奏はノイエザッハリヒカイトの言葉を思い起こさせる。情念らしものを引き摺ってこれみよがしの重さと湿り気をまとった音はここにはない。音はむしろ乾燥し、それらの集積はさらさらと自在に形をかえるかのよう。なるほど、録音当時、我が国で正当な評価がなされなかったのはこの辺に理由がありそうだ。音に向かって音に粘着する精神性といわれるものを脱ぎ捨て身軽になった音たちが音楽の中心からのびのびと放射していく様は痛快ですらあるが、そこに新たな、未聞の、みずみずしい生命力が横溢していく様は圧巻だ。などと理屈をこねなくとも、これほど面白い音楽をベートーヴェンは書いたのか!、耳を澄ませば、単純に驚いてそう言いたくなってくる。別に強調構文ではないはずなのに、各声部の絡み合いが鮮やかに浮かびあがり、ダイナミズムの変遷が必然の論理として明瞭に立ち現れてくる。ベートーヴェンの交響曲の神髄を探る愛好家にとっては必聴の演奏と思われる。ただ「運命」の製盤上、重大な問題を抱えている。録音レベルを第1楽章±ゼロとすると、第2楽章はプラス2、第3と第4楽章はマイナス4程度、だまって聴いたらなんとなく不揃いの尻切れとんぼの演奏になってしまう。この辺を手動で調整してお聴きすることをお勧めします。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/10/19

    廉価ボックスセット花盛りの時代にあっても、このセットのずっしりとした手応えは格別だ。CD紙ケースは背文字を入れる必要性もあったからだろう、表裏面とも二つ折り厚手の豪華仕様、そこにCDが優美に収められる。肝心の音は心のこもったリマスターで重厚かつフレッシュに蘇っていて、手持ちと十数枚がだぶるが、ここだけも入手する価値の大きさは計り知れない。解説書は美術書を彷彿させる仕様で全ページフルカラーの270数ページ、そこに各CDが律儀にもオリジナルのライナーノート付きで紹介されていく。ひとりの比類ないピアニストが録音芸術をいかに展開していったか、それを美しい写真とともに振り返りたどるのは感動的ですらある。さらに別ケースにDVD5枚が納められる。ペライアの映像は興味が尽きない。弾き振りの妙、インタビューでのややハイトーンの声の流麗な受け答え、彼の演奏への愛着が一層深まる。ペライアの演奏についてはすでに言い尽くされた感があるが、現代のピアノ演奏を語るさい、彼が不可避のピアニストであることに異論はありえない。今回のセットで、これまで十二分に楽しませてもらったと思っていたピアニストから、さらなる音楽美を受け取ってウルウルしている自分がいる。すべての音楽愛好家に推薦する所以である。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/04/04

    これはモントゥーの数多いステレオ名盤のなかでも、シューベルト『未完成』と並んで特に印象深い一枚だ。曲が内蔵する熱気をくまなく解放しながらも、つねに気品を漂わせ、大きく深く呼吸してどこまでも泰然と曲を描いていく。そこから見事な音の造型が現出する様は筆舌に尽くしがたい。演奏も解釈も難しいドヴォルザークの交響曲第7番を理解するうえで最右翼に位置するレコードと思われる。ついでながら、ドヴォ7の録音は驚異的な出来映え、マイク2本、あるいはデッカツリーのマイク3本の精華か。現代の録音でこれに適うものは皆無というのは、録音技術が一向に進化していない証左となる。

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  • 14人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/12/15

    イタリア出身のパガニーニ弾きとなればドイツ・オーストリア大好きの日本人は敬遠しがちだろう。実際僕がそうだった。アッカルドが本当のところどうなのか死ぬ前に味わい尽くしたいとの衝動から、このアルバムを購入、音楽の完成度の高さに驚愕した。情感をくすぐる作為は皆無、ひたすら音楽の建築を重力の定理にしたがいながら審美の鑑識をもって組み上げていく、その意思と力量に言葉もない。音楽は感動するものだとの誤解が氾濫しているが、本当は音楽という構築物の現前に驚くことが音楽の本質なのだ。ここをわきまえれば、アッカルドの偉業を前にして、今売り出し中の若手は全員裸足で逃げ出す以外にないだろうと思う。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/08

    最良のショパン全集と思います。マガロフ独自の一流の音力学による演奏はあたり一面に芳香をただよわせて、聴き手を楽しませ喜ばせ、そして安心させてくれます。しかしマガロフは単なるエンタテイナーではありません。特に夜想曲集における静けさと穏やかさと大きさと深さは、現代にあって衝撃的な意味を持っています。微動だにしないテンポ、本質的な力に裏打ちされ極度に切り詰められた音価の鮮烈にして優美な舞い、静かに穏やかに曲の立体空間はどこまでも大きく深くなっていく、マガロフさん、あなたは本当はそういう人だったのですね、と聴き手をして言わしめるインパクトがそこにあります。ショパン演奏といわず、演奏芸術のふるさとを探している方は必聴です。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/06/18

    LP時代からの愛聴盤、聴き直してその演奏に胸が躍った。これはやはり奇跡的な演奏だ。あらゆるパートの身を震わせるほどの共感に裏打ちされた表現のひだの深さと、それらを統率するスイトナーの純粋きわまりない音楽性が、オーケストラ音楽のひとつの桃源郷を現出させる。それはなんと深く暖く透明なことか!! 超一流とは言い難いSKBからこの表現を引き出したスイトナーは無類の指揮者だった。スイトナー+SKBの最高傑作であると同時に、小品の帝王カラヤン+BPOの「オペラ間奏曲集」と並ぶオーケストラ録音の歴史的名盤。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/19

    ユリア・フィッシャー初体験。で、うれしい衝撃を受けた。H.ハーンがバッハを腑分けし、そこから緻密に理路整然と組み立てる趣だとすれば、J.フィッシャーはバッハにするりと入り込んで、その内側から充溢させていくとでも表現できようか。バッハの内部に分け入るその手際は鮮やか、というより本能的な感性の鋭さを感じさせるもので、そこでバッハとフィッシャーは一体化し、どこかバッハでどこがフィッシャーなのかもはや見分けがつかない。ここまでならどうと言うこともない。本質的に驚くべきことは、そこから得も言われぬ愉悦感がそこはかとなく滲み出てくるところだ。その愉悦はあまりにも自然であまりにも純粋であまりにも濃密で、人間をそのまさに中心から慰撫し暖める力に満ちている。音楽の救世主になる予感。

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  • 5人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/15

    このセット購入し、遅まきながら改めて全部を聴いて、まさに至芸というほかない演奏と感じ入った。ピアノという現実の楽器を鳴らしながら、ピアノという現実を突き抜けてはるかな高みに上昇する音楽、ショパンもそうした音楽を書いたひとりであったはずだが、ルービンシュタインの演奏はそのことを証す希有の実例と思われる。すべての音は音楽が向かうずっと高い位置から統御されて、互いに重なり繋がりながら上昇していく。だから音たちはどこまでも穏やかなのに、音楽は強靭で底光りするような光沢を放つ。この音楽をこの枚数でこの価格で入手し聴ける時代とは!、奇跡としか言いようがない。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/14

    最初聴いたときに微妙なズレを感じた。このズレは未知のスタイルとの齟齬かと思い、何度か聞き返した。が、そのたびにそのズレが曲の内実とのズレであることを実感することとなった。曲から読み取ったとは思えない余計な身振りにこちらは白けるばかり。それが真面目一方でやられてしまうから、たまらなくなってくる。本質的な技巧を備えたフレッシュなひとだけにとても残念。それにこの録音は一体どうしたことか。散漫、薄味、うつろ、少なくともピアノの最良の音を忠実(HiFi)にそのまま届けようとする意図でないのははっきしている。天下のDGがこの方向に行くのか。録音芸術が危うい!

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/03/31

    感性、知性、実践力、すべてが最高のレベルで備わっている希有なピアニスト、それがハフであることを思い知らされるCD。モンポウの繊細きわまりないトーンがクリスタルの輝きをもって放出されていく様は圧巻。まさに録音芸術の精華がここにあると言っても過言でない。錦上花を添えるかたちの録音の素晴らしさも特記されなければならない。

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