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スノーボール(豚) さんのレビュー一覧 

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     2009/10/04

    他ではほとんど入手不可能なシュターツカペレの未完成が聴きもの。ライナーノーツにも書かれているが、シャルクはフルトヴェングラーと同様打点のはっきりしない指揮振りだったらしく、決然とスタートすべき曲ではほぼ例外なくオーケストラがどたばたしている。演奏はウィーン・フィルとのものには特に見るべきものがなく(プフィツナーでも同じようなものだ)これで大指揮者であったと思うべき何ものも感じることはできないが(むしろマーラーが余計な親切心で舞台の陰から指揮指導してシャルクを怒らせたという逸話を思い起こさせる)、未完成に関しては、ベルリンのオーケストラであることを感じさせないしなやかさと細やかさを兼ね備えた演奏であり、より濃厚にウィーンの情趣を感じさせる演奏に仕上がっている。この1曲だけでもシャルクの才能を知る記録が残されていたのは幸いであった。

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     2009/10/04

    これ以上何を望むことがあろうか。フォーレのピアノ三重奏の最良の演奏がここにある。難聴から来る音の誤認に苦しんだ晩年の作品ゆえ、特に高音域の使用がほとんどない特殊な作品であり、詠嘆調の第1楽章、祈りの気分に包まれた第2楽章と聴き進めて行くと、この先に待っているものに思いを馳せる雰囲気が濃厚で、生気に溢れる初期の四重奏との落差は驚くばかりである。録音に関しては全体にややこもり気味の丸い音色の上、第3楽章になって音質が突然悪化するのでやや不満は残るものの、録音年代を考えればある程度はやむを得ないか。現代といっても良いほどの時代に生きたフォーレではあるが、やはり戦前と戦後では文化・芸術といったものが大きな断絶を生じており、フォーレの生きた時代の空気を感じさせる演奏を今期待するのは不可能である。当時の息づかいを追体験できるのはこうした演奏を置いて他にはない。

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     2009/10/04

    こうした色彩的な作品に関して、カラヤンは断然強い。音質も十分鑑賞に耐えるレベルであって、むしろ当時録音会場にしていたベルリンのイエス・キリスト教会の方が後年の新フィルハーモニーよりも残響は理想的だろう。当然ドイツ的なアプローチにはなるので、フランス万歳系のファンから優れた演奏とは評価されないものではあろうが、この頃からのインターナショナルなベルリン・フィルのカラーは特にやぼったさを感じさせることなく、都会的な雰囲気を漂わせる。カラフルな仕上がりはやや冗長に聞こえることの多い第3楽章も難なくこなし、全曲を飽きずに聴きとおすことができる、ある意味では極めて模範的な演奏ではないか。フィルアップのファウストの劫罰からの2曲も大変リズミカルに処理されており、そのままバレエ作品として上演可能なほど。カラヤンは極めて有能な劇場指揮者であったことを改めて想い出させる。

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     2009/10/04

    ベルリンのコンマスだったか、カラヤンはアクト、フルトヴェングラーはリアクトの人だと評したとか。自然な感情の発露としてオーケストラを盛り上げるWFに対して、カラヤンは自らの意思をオーケストラに反映させる方向にベクトルが働いているというのだろう。ここでもカラヤンの独演振りは見事なもので、従ってピアノ協奏曲よりも交響曲の仕上がりの方が良い。ピアノ協奏曲では淡々と演奏するケンプの姿勢と、シンフォニックにドライブしようとするカラヤンの志向がかみ合わず、かなり居心地の悪い仕上がりになっている。音質も時代相応のものなので、わざわざ古いレコードを引っ張り出して聴くほどのことでも、という感じ。

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     2009/10/04

    レストアされた音質は素晴らしいが、音質だけで優れたレコードとされるのであれば、何も語らないマーカルの演奏など最高峰に位置づけられるであろう。つまるところレコードの評価というのは演奏に対してなされるべきものであって、そうした点から考えるに個人的嗜好としてはワルターのマーラーは少しも評価に値しないというのが結論である。ワルターのマーラー演奏はすべからく肩に力が入り過ぎていて、巨人や復活といった若い時代の作品に対してはこうしたアプローチがフィットするのだが(それゆえ演奏でも40年代、50年代の演奏の方がより優れている)、9番や大地の歌といった寂寥感やある種の浄化、夢見るような気配の漂う作品においては、こうした無駄な力の入り方が却って曲の感興を殺ぐ結果になる。要するに何でも同じようにしか演奏できないのだ。直系の指揮者として、マーラー解釈の第一人者のようにもてはやされているが、正直クレンペラーの方が優れた解釈であるようにすら思われる。オスカー・フリートやメンゲルベルクらの演奏がほとんど後世に伝わらなかったために、相対的に上に評価されるようになったとしか思われない。

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     2009/10/01

    何ともいいかねる。シリンダー録音や機械吹き込みのSP録音であれば相当の有難みもあろうというものだが(ブラームスのハンガリー舞曲など何が鳴っているのか良く判らない)、ラフマニノフに関しては電気吹き込みの録音が現存している。ピアノロールによる再生録音を糾弾する手合が良くする主張に、演奏家は楽器の手応え、会場の響きを感じながら演奏しているのだから、そうした情報抜きのピアノロール再生はまがい物である、というものがある。相手が情報量の極めて少ない機械吹き込みしかしていない場合に、そうした演奏家の微妙な手応えを含めて感じとれるのであればどうぞご自由に、といったところであるが、残念なことに電気吹き込みではそうした音場の響きまで聴きとることができるので、あえて自動機械に変換することの意味合いが見出し得ないのである。有名な前奏曲ではRCAのSPに聴かれる凄絶なまでの感情の嵐を聴きとることができないし、再現性の制約を前提とすればピアノロールの演奏で十分だろう。アンピコの再生能力は相当なものである。

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     2009/10/01

    ところどころに音飛びがあるものの、かつては戦時中パリには録音機材がなく、メンゲルベルクの記録などあり得ないと言われていたものが登場したのだから、これ以上何を望む必要があろうか。音質に関してもAVROの1943年(当時はAVROではないが)録音より優れている。残念ながら木管のアフェクショネートな響きはコンセルトヘボウに大きく譲るが、悲愴に関してはこれがあればテレフンケン盤不要とまで言いたくなるほどのもので、特にテレフンケン盤では録音性能を考慮して消化不良気味の演奏になっている第3楽章は、本来こうした響きであったのだ、ということが納得できる。付属のブックレットにはパリの公演記録が詳細に記載されているが、これを見ると更に驚きの事実が。1943年のベートーヴェンの第9や1944年のリストの「レ・プレリュード」は再放送されたと書かれているのである。このほかにもこれまでリリースされたことのない作品が多数上演されたことが記録されており、発掘されることを期待してやまない。(ブックレットにはこれからも発掘を続けます、と書いてあるので)

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     2009/09/28

    戦前・戦後を通じて2回しか客演しなかったところに、このオーケストラとの相性の悪さが窺えよう。ブラームスにおいては何とかリードを維持しており、WFならではの演奏空間が展開されているが、本質的には明らかにメンゲルベルクのオーケストラであり、ベートーヴェンの1番では第1楽章のリタルダンド、オーケストレーションに対する変更などメンゲルベルクの語法そのものである。ご本人としても大層振り難かったに違いないが、それでもそれなりの水準に仕上げたことには称賛を送りたい。

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     2009/05/19

    冗長に過ぎる初期の組曲と、短すぎるほどの後期の組曲は一般に知られる機会が少ないため、全集完成の偉業は称賛に値するが、残念なことにリズム感が重すぎる。提示される演奏はまるでリュリィを思わせる古色蒼然たるものであり、前世代のブーレイ、ヴェルレ、プヤーナの方が余程現代的な感性を示している。やや繊細さを欠く解釈も残念。

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     2009/04/28

    1929年のチャイコフスキーは英コロンビアのSPであるが、この当時録音技術が急速に進展していたことが良く分かる。豊かな残響とともに収録されたこの演奏は、後年の録音に較べて音質が劣るのは避けがたいところで、ライブ録音も残されていないため他に選択肢がないのは残念であるが、このレベルであってもチャイコフスキーを得意としたメンゲルベルクの猛烈なドライブを体感することができる。テレフンケンの録音に比べ、オーケストラのマッシヴな広がりがしっかりと捉えられている点も上出来。これに較べるとテレフンケン録音のセレナードはややデッ

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     2009/04/28

    ウィーン・フィルとのザルツブルク音楽祭での顔合わせはより多くの曲目を収録できる目算があったようだが、期待に反して音源が逸失しているため断念せざるを得なかったらしい(憤懣やるかたないトーンでライナーノーツが書かれているが、そもそもオーストリアにベルリンレベルの緻密さを求める方が誤り)。
    そのウィーン・フィルとのセッションだが、これもベルリン放送交響楽団とのセッション同様意思疎通が万全という訳ではない上、ウィーンの性情とメンゲルベルクのカラーがあまり肌合いの良いものではないため、単なる記録以上のものではないと

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     2009/04/28

    交響曲はいつも通りのメンゲルベルクだが、ターラのリストアレベルの物凄さには驚かされる。ヴァイオリン協奏曲はブスターボの演奏と較べてせかせかした感じが強すぎ、ツィマーマンの演奏と反りが合わない雰囲気。

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     2009/04/28

    何と言っても音が酷い。これではとても鑑賞に耐えるレベルとは思えない。ロスバウトの魅力はシャープな中にも情熱のこもるノイエ・ザッハリヒカイトの代表いった点にあると思っているが、マーラーに関しては指揮者の魅力だけでは何ともいいかねる部分もあって、この盤はいいかねる部分が大きく全面に出ている悪事例と言えるだろう。却って存在しなかった方が幸せだったかも知れない。大地の歌や第9番のイメージで臨むと大きく期待を裏切られる録音である。

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     2009/04/25

    素晴らしい、が残念な録音でもある。VOXの録音は壮年期のクレンペラー演奏の貴重な記録であり、そもそもかなり素っ気ない50年代のクレンペラーの演奏を、ウィーン交響楽団の潤いある音響が補っている秀演であるが、録音テープの保存状態が悪かったと見えて、複写による音質の悪化が著しい。大地の歌など保存状態の良い初期版LPから起こし直しした方が多分音質は優れているだろう。

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     2009/04/25

    美音のピアニスト、ペルルミュテールの前奏曲集。併録されている子守唄、幻想曲も同じ美音に彩られている。圧巻は24番の前奏曲で、最後の一音が打鍵された後に生み出される虚無の空間はこれまでの前奏曲の繰り広げてきた世界をすべて打ち砕くほどの深さを感じさせる。ペルルミュテールが単なる美音のピアニストに終わらない表現者であったことを深く認識させる一枚である。

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