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asemonic さんのレビュー一覧 

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2016/10/15

    ひょんな理由で購入。新譜LP、初出CD、今回と3度目。それ程に大好きな演奏だ。このところ評価されないどころか逆に酷評すら目にするが、新譜であんなに褒めていた方々は何処へ?と問いたい。尤も、レコード評もかなり移ろうもので、中でも最も苛々しいのはWベスト盤W投票企画。あれは評価なのか、本命・大穴の勝馬予想なのか大いに疑わしい。この演奏は曲の持っている顔見世狂言的と言うか祭典的と言うか、賑々しい雰囲気をどの演奏よりも持ち合わせていると思う。先ず歌手が豪華かつ充実。パヴァロッティ、カバリエ共にピーク期の更にベスト。前者はリリコ・スピントへ移行するターニングポイント。本人も自負があったのか再録音していない。後者の芳醇さは息を呑む。サザランドも夫ボニングとの共演時より遥かに新鮮。その他脇役陣も極彩色。とりわけ、トム・クラウゼのニヒルでダンディな型破りのピンが大好きだ。メータも前期の代表作。投網を打つ様に全てを手一杯に広げたかんじ。ドラマとしての凝集力や流れよりも、名場面の山車を見ているよう。当時はヒットメイカーだった。だから良いと言う訳ではないが、聴覚的にはこの曲のある本質を突いていると思う。因みに同じ路線で、視覚的に究極なのはゼフィレルリだろう。CD化で音がクリアになったのは良いとして、声が少し細くなったし、夜の冷たい空気や霧までもすっかり吹っ飛んでしまったのは残念。空気感まで含んだ名録音だったのに。それにしても、貧乏臭いキャストで新譜の時にそれ程でもなかったカラヤン盤や、何となく華が無い…はっきり言えば題名役がパッとしないエレーデ盤がこのところ高評価でちょっと戸惑う。これもひとの心の花の為せる業なのだろうか。

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     2016/09/15

    ひょんな理由で購入。カラスのミミ。評論家は異口同音に”合わない”とか、”作り過ぎ”とか、”マクベスだったら”とか言うが、そんな事は子供でも言えることだと思う。彼らにそれ以上の発言の為のスペースが与えられないのも不幸だが、本来ならば、そこから先が評論という物だ。ここで聞くべきはカラスの演技力。怒鳴り散らす役だと演技なのか地なのかわからない程に嵌りすぎる事があり、それはそれで大変な歌唱力には違いないが、私などは時折食傷気味になる事がある。逆に、抑えた役だとかえって演技力も歌唱力もいよいよ輝きを増す様に思える。殊にミミは楽しく伸び伸びと余裕を持って演じていて、勝手な想像ながら、舞台にかける事は無かったが…と言うより、どこの劇場もカラスにミミでは勿体ないと考えたのだろうが…カラスはミミが好きだったのではないのか考えている。確かにマクベス夫人やアンナが録音されなかったのは残念至極だが、私にはミミが不要だとは思えない。”乙女を演るのは乙女に限る”とはテレビならともかく、少なくとも舞台では通用しない話だ。更にミミは単純なお針子さんではないのだ。やろうとおもえば、普通のミミの様にも出来たはずだが、好き嫌いは兎も角、ここまで演じたミミは他にない。”何を歌ってもミミ”と言われた大歌手も居られたが、それはそれで立派な芸…。周囲の見事さはカラヤン盤に匹敵する。CD化でオケが見事なほどに生々しくなった。声がキンキンシャーシャーにならなかったのも良かったが、LPの温かさは無い。但し、これは条件が違い過ぎていて、比較は無意味。以前、杉村春子が亡くなった時、NHK-FMが追悼番組を放送した。アーカイブスから引っ張り出してきたのが”大つごもり”。60幾才かの杉村が見事に乙女になっていた。声だけで生まれ育ちから歩く姿までが分かるような見事な演技。また、それを選んだNHKの見識。あれを聴いた時、カラスのミミを思い出した。

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     2016/09/04

    ひょんな理由で購入。とてもタイムリーなので一言。ブルスカンティーニのドゥルカマーラが今話題のトランプ氏にそっくりなのだ。生き写しと言う程ではないが、雰囲気や口調などなどクスリと笑える。ご本人もこの先生程度なのだろうか。此方のバリトン氏は例によって声が足りない。大体この役はバリトンでは色々な面で辛い。この演奏自体は大昔のLD初期から発売されていた物で、何となく買いそびれていた。実見して、これはパヴァロッティを聴くだけ、更に言えば”人知れぬ涙”1曲を聴くだけでも価値のある舞台だと認識した。…と言うと時代遅れと思われるかも知れないが、そういう贅沢も”あり”なのだと思った。日本にだって、武原はんの10分程の舞を2番見る為に何万も出す贅沢さが嘗ては存在したのだ。当日のメトの客席もそんな雰囲気に溢れていたのではないかと想像した。周りもそう悪くはない。演出は20年前の使い回しらしいが、定番的ではあっても良く作り込まれていて、このトラディショナルさは、現代の安易な読み替え物より遥かに良い。アディーナは優等生スザンナ風と言うかエンヒェン風だが、舞台が小さい。近年良いアディーナの映像が増えて一寸苦しい。合唱が全て恰幅の良い高齢のおじさんおばさん達で、訳知り顔でゆるゆると動いているのはやはり時代のせいだろう。パヴァロッティが走ったりしている事には驚いた。歌も演技も後年のニヤけた感じが無く好ましい。”人知れぬ涙”はすっかり本人に戻って歌っていて、それはそれでおかしくないのがイイ所。全てに亘り既に35年の時が経っていることが実感される一方で、一貫して廃盤にならない理由も良く分かる演奏だった。

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     2016/04/12

    安くなったので購入。C.G.のカラスには他にアイーダ、椿姫、メデア等が有るが、これは要するにEMI末期にファン向けに手持ちを寄せ集めた企画盤。CDはあざとい程と言うか露悪的な程にカラスのシーンを摘み出している。たしかにファンはそこだけで良いので、これもあり。CDノルマは太っていた頃のカラスで、こうでなくっちゃと思う反面、少しどぎつい歌。私はノルマ歌唱はカバリエ全盛期が爛熟期だと思っている。スティニャーニの良さに今回初めて気づいた。なんだかんだ言っても、こんなのを実演で聞かされたら本当に気絶してしまうだろう。CDトスカはなんとステレオだと言うこと。FMなのだろうか、いくらか声が生々しく、スタジオ録音より表現がシャープ。でも、このセットの宝はDVD。カラス、ゴッビ、ゼフィレルリなんて涙物で、よくぞ残して下さいました。もう何度も見た物だが、見ればまたイイ。凄いのがゴッビの肚。それこそこうでなくちゃ。近頃のへなちょこスカルピアが殺す気にすらならないのとは対照的。カラスがパリ盤よりも細々動くのは演出のせいだろう。64年でこれなのだから50年代はさぞやと思うのは未練がましいか。そういえば雑誌の記事を覚えているのだが、チオーニはこの後に藤原歌劇でピンカートンを歌っている。あの時は気づかなかったが、5.6年なんてほんのちょっとのこと。当時はまだまだカラス時代の余韻が充分に残っていた、と言えると思う。

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     2016/04/12

    安くなったので迷ったが購入。誰も褒めていない。”中の中”と言った所か。でもスカラだしワーグナーの中で一番好きな作品なので購入した。そう悪くはなく、長時間付き合って損をした感じがなかったので一言。確かに演出、装置共にこれ迄の物のリニューアルと言うのが妥当だ。ただし私は、余りに奇抜で突飛なものについて行けず結局時間の無駄だと感じてしまうことが多いので、このくらいがちょうど良い。全てそれらしい範囲に収まっていて助かる。近頃、雪だるまが首にシャドーを付けて出てきた様なジークフリートが多い中、もしペーター・ホフマンが歌ったらと想像をさせる程度の外見のプリモが先ずは良い。教会歌手の様な口の開き方のグンターは役の味に合っている。ハーゲンはドス黒さはないが悪いヤツで、怪物よりは若さが前面に出て新鮮。グートルーネがショボい声で、昔なら侍女か小姓程度。近頃こんなのが多くて、ノルンも…と思ったら同じ方でした。マイヤーは未だに立派。ルートヴィッヒは最後はよれよれだった。誰も褒めていないプリマは、案外立派な印象。ベーレンスが好きではなかったので、これで良。テレビの音だけで聴いたのでアラが見えないかも。指揮も乾坤一擲と言う感はないものの大きさはある。スカラだけにオケ、合唱共にドイツものながら充実。劇場の格が高いと言うことだろう。但し合唱に1人、東洋人らしいのが、学生の様なさらさら髪で出ていてひどく全体の”風”を乱して居た。こんな些細な事で舞台は大きく崩れる。今ならグリスでもジェルでも有ろうに。舞台監督でも誰でも注意すべきだ。場面転換で色々オーバーラップするのはバイロイト中継からの流行だが、うるさい。

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     2015/12/28

    安くなったので購入。ブラヴィッシモである。この曲は誰の演奏を聴いても、満足した様な、しない様な気分で終わる。これは曲自体の特質によるかもしれない。ストーリー上の起伏は兎も角、音楽的には全曲を通してこれといった”事件”は起こらずに終わる。ヴェルディにはもう事件は必要なかったのかもしれない。これは俗に言う”境地”。元来出演者が多く、アンサンブル中心なので、出入りにゾロゾロ感が伴うのはいつもの事。誰か目の覚める様なことをしてくれないかと思っていた。演出はベテラン・プロの技。所謂、読み替え演出の一種だがこう嵌ると大変面白い。主従がヒッピーだったり、妖精がパンクだったりが邪魔にならない。最後は少し強引だが結構。二重舞台も効果的。”大道具”と声をかけたくなる見事さ。低音二女声がいかにも弱いが、演技力・ルックス重視だろう。とすると娘は肥満児という皮肉か。フェントンは儲け役をだらしない歌でしくじっていた。五郎丸似のテノール氏が医者でがなっていたが、これも演技派。ピストーラがローニだとは最後まで気づかなかった。メータの現在の指揮はむしろこの曲に合っていると思う。…さて、私はライモンディが苦手で…。いつも口をヘの字にしているような発声で、声も音楽も締まりがない。本来は本物の老人虐待に見えてはいかにもマズいのだが、性格俳優的でこの演出には嵌っていた。普通のファルスタッフ歌いではかえっておかしいかも。オペラビデオで一気に見たのは久しぶり。

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     2015/12/25

    安くなったので購入。映画版オペラの常として音楽が楽譜通りでなかったり、間があいたり、音のオン・オフがあったりは承知ながら、それを成る程と感じるか邪魔に感じるかは出来による。この作は何方かと言えば後者。せっかくの良い演奏良い録音なのに、ちゃんと聞かしてほしいと思うこと度々。それは私が魔弾の射手はクライバーのLP以来40年ぶりなので、音楽は殆ど覚えいてもストーリーは忘れていて、途中から筋を追うのを諦めたせいもある。これも映画版や近頃の読み替え演出の常として、プリモはプリモらしい姿という訳にはいかず、皆んなドロドロで外見だけからは誰が誰だかわからないので余計分かりづらいのかもしれない。ゼフィレルリの椿姫は稀に見る成功作だった事が良くわかる。

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     2015/12/22

    安くなったので購入。すべてオーソドックスでかつてのNHKイタオペ風…と思ったら、最後に檻が出てきてプリマはそこで”パーチェ”を歌い兄に殺される。でもプリマがその辺のおばちゃん風な形で出てくる読替演出よりはるかに助かる。そのソプラノは本格的リリコ・スピントで少し作って歌えばテバルディの様。体格も同様で確かに男装は見破れまい。バリトンは例によって声が薄く気にくわない。テノールも声が細く時々傷も作るがかなり神妙に歌っている。メゾは東欧声でリズムが重く間が悪い。この程度ならもっと他に居ように。バスはピタリ。イタリアンバッソは年をとると皆こんな感じになるのが微笑ましい。メータはかつてのエネルギーはない。合唱の入る部分等消化試合の様だ。でも全体的には上の部類です。檻の中にウンチが…と思ったらミーゼロパーネなのとトラブーコが五郎丸ソックスなのがオマケ。

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