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烏 さんのレビュー一覧 

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     2009/10/08

    映像のあることの意味が大いに発揮された1枚だ。CDで聴けば、もっと普通のマクベスを想像しそうなくらいレオ・ヌッチの声は張りを失ってはいない。しかし、ここではカヴァーニの演出と相まって初老のヌッチの悲愁感が実にいいのだ。エネルギッシュなヴァレルとの対比も鮮やかだ。カヴァーニらしい艶っぽさもまた捨てがたい。ただし、バルトレッティの音楽はオーケストラの弱さを克服できていないようだ。音質は良好、画質は色彩感覚も含めて素晴らしい。 

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     2009/10/05

    このオペラの、さらに言うならばオペラ芸術の20世紀的到達点の一つがこれだろう。そして、その最大の功労者はクプファーである。素晴らしい統率力だ。そして、それを渾身の演技と歌唱で支えるマルトン以下の歌手陣。アバドの音楽はやや微温的な気もするし、もっと尖鋭的であってもいいと思うが、全体をうまく統一した感はある。なお音質も、また終始一貫して薄明の中で演じられる映像の画質も高水準だ。

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     2009/10/04

    お話自体は単純なつくりだが、この曲が初演された1834年頃のオペラはこんな感じだったのだろうと思わせる説得力に溢れている。アージェンタ(リヴィエッタ)の歌はことに見事でクイケン&ラ・プティット・バンドとの息もぴったりだ。メヘレン(トラコッロ)の方は歌はまずまずだが、なかなかに芸達者でアージェンタと2人で舞台を盛り上げている。音質、画質ともに相当に良好。

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     2009/10/04

    原作のプロットそのものが単調なために、ドラマティックな盛り上がりには欠ける。だが、いわばその代りを務めているのがガーディナー&イングリッシュ・バロックの音楽である。ソリスト達の歌を全編にわたって見事に支え、グルックの音楽を堪能させてくれる。ウィルソンの演出は、ここでも高度に抽象化されており、空に浮かぶキューブのアイディアなどはなかなかに秀逸だ。歌手陣は特筆するほどではないものの、粒揃いである。なお、録音の音質は美しく、また映像の質も比較的に高く、全編を支配するブルーが美しい。

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     2009/10/03

    シュヴェツィンゲンの舞台は狭く、奥行きもない。ここでのピッツィの演出は一切の奇をてらうことなく、音楽そのものに語らせる手法をとっている。そして、ここでの歌手陣はなかなかに粒揃いだ。物語と歌の軸となるのはアメナイーデのバイヨだが、美声にも恵まれ歌唱力も高く、ソロも重唱もみごとにこなしている。また、タイトルロールのタンクレディはアルトのディ・ニッサが勤めるが、歌はともかく悲劇の貴公子には見えないのが残念。ジェルメッティとシュトゥットガルトの音楽は、いかにもロッシーニを得意としている感じだ。なお、音質はいいが、画質はやや劣る。

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     2009/10/03

    たしかに車道に倒れた娼婦(しかもあまり高級ではない)の夢というコンセプトだが、その夢さえもがかならずしも美しいものではない。すなわち、ここでのヴィオレッタはその夢の中でも疎外され、孤独な存在だ。ムスバッハの解釈は説得力を持ってはいるが、それは「このような解釈も」といった種類のもので、原作が本来持っていたものとは違うだろう。だから、ファーストチョイスにはお勧めしない。また、ドランシュのプラチナブロンドの鬘も、厚化粧もまったく似合っていないが、これも演出のうちなのだろう。なお音質、画質ともに2003年の収録にしては不満足だ。

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     2009/10/01

    ガランチャは、演出は別として容姿、歌ともにまだなかなかに瑞々しい魅力を持っている。アルバレスに対する評価は分かれているようだが、私見では彼はCDで聴く方がずっと良さそうだ。声の伸びも悪くないと思うし、歌唱力もあると思う。ただし、挙措動作が野暮ったい上にスモウレスラーのような体型、しかも演技がまずいのでウエルテルの繊細な文学的香りに、はなはだしく欠けるのだ。ジョルダンの音楽は、オーケストラに支えられてうまく弾んでいる。一方、演出は凡庸な上にやや軽すぎるだろう。音質、映像の美しさはほぼ最高。

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     2009/09/30

    レミージョのマリアは容姿、歌唱ともにイメージ通りで素晴らしい。一方ガナッシのエリザベッタも、よく対抗してはいるが、もう少し余裕と貫録があればと思う。そしてレスター役のカッレイアだが、高音に随分ゆとりがあり、なかなかの歌唱力。残念ながらエスポジトの演出は凡庸で野暮ったい。また、カルミナーティの指揮は統率力を欠き、オーケストラも一流とは言い難い。さらには2001年の収録とは思えないほど画質が粗いのは極めて残念。

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     2009/09/28

    演出は、アバド&フィレンツェ5月祭と同じくペーター・シュタインが手がけている。しかも、いずれも2002年のもの。それにしては、こうも印象が違うものかと思う。キャスティングは当然違うのだけれど、どうもそのせいだけではないようだ。音楽の作りや向かい方はさらに距離がある。ここでは各自の好みと価値観とで評価が分かれそうだ。すなわち、ガッティ&ウィーン国立歌劇場のそれは、極めて重厚で暗く、アバド(あるいはイタリアのオーケストラ)のような軽快さと躍動感には欠けるのだ。作品にもよるのだろうが、少なくても『シモン・ボッカネグラ』なら、このガッティ&ウィーンはすばらしいと評価できる。キャスティングではハンプソン(シモン)、フルラネット(フィエスコ)は抜群の貫録。また、ガイヤルド=ドマス(マリア)は新鮮な魅力に溢れているのだが、相方のドヴォルスキー(アドルノ)が老け過ぎて似合わないのが残念だ。音質は抜群、映像もかなり良好。

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     2009/09/27

    演出は冒頭のシーンからいきなり全く意味不明のまま進行する。第1幕の薄幕も、ただ見づらいだけでいかほどの効果も上げてはいない。とにかく万事がそんな調子だ。わかりやすさという点ではモシンスキー、メトの対極に位置する『ナブッコ』である。一方、歌手陣(アビガイッレは、ここでもグレギーナ)とルイージの音楽はなかなかの充実ぶりだ。ことにウィーン国立歌劇場のオーケストラもコーラスも、ともに重厚な厚みのある響きを聴かせてくれる。

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     2009/09/26

    カーセンの演出はきわめてシンプル。ラストシーンは、どんな風に処理するのかと期待していたが、一応は納得できる形にするあたりはさすがだ。全体をモノトーンに徹したことも効果的だろう。しかし、そのラストシーンで一番凄みを見せるのがムーティ率いるスカラ座Oだ。実に鮮やか、かつ凄味さえ感じさせる。録音の質が高いことが大いにプラスに働いている。シェレンベルガー以下の歌手陣も水準は高い。

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     2009/09/23

    これ1点だけに『トゥーランドット』のすべてを求めなければ、すばらしいDVDだ。何と言ってもイーモウ演出による舞台が超豪華だ。しかも紫禁城を劇場にするなど希少性も高い。絢爛豪華という点ではゼフィレッリ、メトロポリタンと双璧だが、映像の美しさ(解像度の高さ)ではこちらがはるかに勝る。ただし、歌手陣は向こうが数段上だが。引き分けに持ち込めるのは、確かにこちらではフリットリくらいだ。なお、そのフリットリは手近なところでは、ムーティ、スカラ座の『ファルスタッフ』(フォード夫人)、同じく『オテロ』(デスデモーナ)などに出ている。しかも、これらは両者ともに作品の出来としても優れている。

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     2009/09/22

    『蝶々夫人』の演出は我々日本人の目からすれば、随所に違和感がぬぐえないのだが、ここでのチャザレッテスのそれは比較的まともな部類だろう。もちろん、これでさえ変なところを挙げていけばキリがないのだが。カバイヴァンスカの蝶々さんもまたあらゆる点で十分に及第点だろう。ただし、ピンカートン(ナッツァレノ・アンティノリ)、シャープレス(ロレンツォ・サッコマーニ)の2人は格落ちの感が否めない。また、さほど重要な役柄でないとはいえ、ピンカートンのアメリカ人妻のキャスティングは納得がいかない。オーケストラは繊細さは欠け、荒っぽくさえあるが、アレーナということを考えるとこれも許容範囲。なお、音質、映像の画質はともに1983年のライヴ(しかもアレーナ)とは思えない質の高さだ。

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     2009/09/22

    ポネルの演出はもともとが古典的なスタイルであるために、ここでもホフマンの幻想世界を綺麗にまとめあげている。ただし、それだけに衝撃はない。同様のことは指揮のサヴァリッシュにもあてはまり、全曲をきわめて理知的に構成しており、ややもすると整いすぎているようなのだ。ブーレーズ、シェローの『指輪』でヴォータンを歌っていたマッキンタイアにしても、もう少し逸脱が欲しいところ。バイエルンのオーケストラは見事。なお、映像は全編が夜のシーンであるためにやや薄暗いが、1985年のライヴとしてはまずは上々。

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     2009/09/21

    この『トスカ』は映画仕立なのだが、それは本来はやはり邪道だろう。オペラ芸術が本質的に持っているライヴの一回性と、その場で歌っていることのリアリティを欠くためである。しかし、また逆に捨てがたい点があることも事実だ。すなわち、このDVDのように1976年のドミンゴとカバイヴァンスカが映像も音声も美しく甦るからである。ドミンゴのカヴァラドッシは言うに及ばず、カバイヴァンスカのトスカも「カラスの呪縛」などと言い出さなければ、十分によく歌っているし、演じてもいる。なお、バルトレッティとニュー・フィルハーモニアの演奏は音質も最高で朗々と響かせてもいるが、やはり一回性の緊張がないように思われる。

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